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イッツァ ショータ~~イム!

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開かれていたのは悪辣なマジックショー。
哀れな犠牲者は血溜まりにて辛うじて立ち尽くす赤い衣装の少女騎士。
その華奢で綺麗な体と衣装は、何処から兎も角投げられ刺さったナイフの鮮やかな的。

「……ふざ、けんじゃ、ねぇ………!」

だが、それでも女騎士の闘志は消えない、挫けない。
その片腕から相棒たる鉄槌を握り、姿を晦ました、正しくは姿を消した敵を睨み吠える。

"どうしたんだい鉄槌の騎士サマ?"
"大口叩いておいてこの程度なのかな?"

少年の声らしき嘲りの声。
あからさまに馬鹿にしたような嘲笑が、夜の静寂に木霊する。

"僕をまともに捉えられていないというのに。ほら、今もまた見失ったままだ。"

「ぐっ!?」

また、少年の声。それと同時にまたしても少女騎士の身体にナイフが一本突き刺さる。
苦悶の表情を浮かべながらも、鉄槌を振るうも、地面から噴煙を撒き散らすだけ。
このような事が、何度も何度も繰り返されている。
不意打ち、姿は見えず攻撃だけが飛んでくる。何処にいるのかすら分からない。
遠距離技も試してみるも、魔力の気配すらしない見えない敵には焼け石に水。
幸いにも一撃一撃のダメージは低いが、確実な死角から放ってくるため防ごうにもキリがない。

「くそっ!」

苛立ちは止まず、状況は一歩一歩悪化していく。
何せここまで来ても敵の姿は見えない。臆病なのか慎重なのか。
それとも、姿を見せる必要がないほど、適当に相手しているだけでも強いのか。

"はいまたハズレ。そろそろ一発ぐらい当ててくれないと面白くないよ?"
"あ、このままなのも味気ないから、こういう趣向とかどうかな?"

再び誂う声が聞こえ、空気を裂き、何かが通り過ぎる音。
感覚から攻撃では無いと騎士が気づいた時には遅く、不自然に宙に浮く赤い帽子が目に映る。

「て、てめぇっっっ!!」

"という訳で、ヒント。これを目印に当ててみてよ"
"さもないと、この気味の悪いウサギちゃんはボクが切り取っちゃうかなぁ?"

それは、騎士が被っていた、奇妙なウサギの装飾が目立つ彼女の私物。
彼女にとって、主がくれた絆が施された大切なもの。
声の主は、それを引き裂くと、そう言った。
適当な侮辱ぐらいならどうでもよかった。それを言われれば、罠だと分かっていても黙ってはいられない。

「――ぶっ潰す!!!!」

少女の瞳が、蒼い輝きを灯す。
響き渡る怒号が洗浄に木霊し、大地が震える。
絶対許さない、叩き潰してその生意気な口黙らせてやる。
容赦も慈悲もそんなもの必要ない。

「泣いて謝っても許さねぇからなぁ!!」

わざわざ帽子を奪って自分の居場所を明かすような真似をした理由は分からない。
だったら、罠だろうがなんだろうが全部ぶち壊してしまえば良い。
つべこべ考えず、黙ってそのくだらない企みもろとも打ち砕く。
宙に浮く帽子の、それを奪ったであろう相手に向けて突撃し、砕こうとする。

―――だが、彼女に永遠にその時が訪れることはなく。

「あ゛?」

少女は、自らの脳天を貫く何かを認識する。
蛇腹状になった、刃のような何か。
それが、奪われた帽子を貫くように、少女を頭を穿ち。

「なんで、てめぇ、それを。」

少女は、知っている、その武器の名前を。

「それは、あいつ、の………」

その武器の名を呟く前に、鉄槌の騎士の命は尽きて。
愉快そうに、己の能力を解いた何者かの笑い顔だけが彼女の亡骸を見下ろしていた。



【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA's 死亡】



「どうだい、ボクのマジック? ……ってもう聞こえてないか。」

クリーム色の髪の、奇術師のような格好をした幼い少年、シメオン四天王の一人である右天がそう吐き捨てながら、先程殺した少女の支給品と首輪を回収する。
テキパキと少女の武器でもあった鉄槌であるグラーフアイゼンも己がデイバッグに入れ終えて、満点の星空を興味深そうに眺めながら、この殺し合いを開いた乃亜なる少年のことを思い返す。

「でも、復活早々殺し合いとはね。弱肉強食自体はブラックスポットの常だけれど、どう考えてもあいつ、ニードレスってわけではなさそうだし。」

この右天は、別段右天という人間本人というわけではない。一度死に、同じ四天王である左天が回収したDNAより復活したクローン、ということであるのだが。
まず、自分に与えられた使命というのが聖痕所持者の早急な確保。勿論の事この右天も右脚に聖痕を保有している。その為クローンとてその強さは本オリジナルにも引けを取らない。

「まあいいさ。良いおもちゃも手に入ったことだし。さっきの戦いでちょっと使った程度だけどいい感じかな。」

先程少女にとどめを刺した得物を手に取り、興味深そうに見つめる。
彼の手にあるのは『レヴァンティン』。ヴォルケンリッターの一人たる烈火の将シグナムの保有するデバイス。皮肉にもあの少女、鉄槌の騎士ヴィータは自らの仲間の武器で殺されるという皮肉な結末を辿ったのだ。

「さっさと元の世界に戻って聖痕所持者をアークライト様の所へ献上しなくちゃいけないってのに、余計なことをしてくれたね。――ただの無能力者(にんげん)の癖に。」

そして、右天がこれでも内心憤っている。
この殺し合いを開いたのがアークライトや左天ならまだ納得がいった。だが自分というミッシングリンク級ニードレスをこんな舞台に巻き込んでおいて、その主催がただの人間とは怒りを通り越して笑えてくる。
ただの人間の分際で神に近い存在である自分を巻き込んだという所業を黙っているつもりはない。

「まあいいさ。せっかくの舞台だ。ストレス発散に少しは遊んであげるよ。すぐに戻れるなんて思っていないからね。」

だが、それはそれ、これはこれだ。この規模の広さの会場で殺し合いを開いておいて、すぐに終わるとは思っていない。
蘇ったばっかりの自分の性能を試す機会でもあり、その点は乃亜には感謝してもいいとは思っていた。

「……だから、楽しい時間が終わった後に、最後の最後に殺してあげるよ、海馬乃亜。」

そう呟いた右天の顔は、年相応のものではなく、人を人と思わぬ狩人の顔立ちであった。


【右天@NEEDLESS】
[状態]:健康
[装備]:レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2、ヴィータの支給品袋のランダム支給品1~2、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはA's
[方針]
基本.できるだけ早急に元の世界に戻る
1.ただしそう簡単に戻れるとは思ってないので、性能を試すついでに殺し合いを楽しむ
2.くだらないことをしてくれた海馬乃亜は最後に必ず殺す
3.もしかして他にニードレスがいるのかな?
[備考]
※参戦時期は復活直後です
※神の種(エデンズシード)特有の再生能力に制限が課せられています。


『支給品紹介』
【グラーフアイゼン@A's】
ヴィータが所有する長柄ハンマー型のアームドデバイス。
ヴィータに支給されたが現在は右天が所持

【レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはA's】
シグナムが所有する剣型のアームドデバイス。
剣の他、蛇腹剣や弓の形態にも形状を変える。右天に支給



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