ダンゲロスSS上海
シークレットEnd2『そして新たな戦場へ』
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dangerousss_shanghai
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「スクリュードライバー!」
五爪の翁が完全無敵の盾の耐久を一撃で削りきった頃、その裏では数々の異変が起こっていた。
「もしもし、白髮黒羽?…クソっ、こんな時に何で繋がらない!」
「芽芽さーん!劉さーん!どこですかー!?」
「芽芽さーん!劉さーん!どこですかー!?」
ここは清海を中心とした解決屋同盟の作戦本部となっているホテル。海圻は電話で白髮黒羽を呼び出し続け、その近くでは避難してきた大戦持A子が頭に亀を乗せたまま走り回っていた。
上海に集まった魔人達、誰が敵で誰が味方か大体分かってきた彼らは騒動の黒幕を倒す為に集まり同盟を結んだ。だが、その中心となる人物複数人と突然連絡が取れなくなってのだ。
「おーい、お前ら。そっちはどうだった?…駄目そうだな」
同盟の発起人である槌唄塔也が帰還し、留守を預かってた二人に確認するが、海圻もA子も良い結果は無いと首を横に振るしか出来なかった。
「白髮黒羽とは完全に連絡が取れない。こういった事態には、彼女やその知り合いの知恵が欲しい所だが、無理そうだ」
「こっちも、メーメー達と繋がらん。黒幕とケリを付けると言って出ていったきりさ」
「こっちも、メーメー達と繋がらん。黒幕とケリを付けると言って出ていったきりさ」
海圻と塔也は同時にため息を吐く。この危機に必要とされる人物が尽く音信不通。
「何で連絡が取れないかは分からねえ。黒幕にやられたのか、今戦闘中で返事出来ないのか…。確実に言えるのは、俺達三人でここへ避難して来た人達を『奴ら』から守らないとならないって事だ」
「あ、あの、わ、私も戦力に入ってるんですか?で、出来ればシグリ君や育美ちゃんと一緒に避難民のお世話に回して…ひいっ!」
「あ、あの、わ、私も戦力に入ってるんですか?で、出来ればシグリ君や育美ちゃんと一緒に避難民のお世話に回して…ひいっ!」
A子の懇願は叶わなかった。ホテルに向かって逃げてくる市民と、それを追う謎の敵が迫ってきたからだ。
「海圻、逃げて来た人全員入れたらドア閉めろ!A子ちゃん、偵察頼む!」
「は、はいっ!『偵察』!」
「は、はいっ!『偵察』!」
A子の精神コマンドの一つ偵察。それは、敵の名前と大体の戦闘力を知る事の出来る能力。直接戦闘に有利になる能力では無い為これまで殆ど使う機会の無かったが、今は必要とされていた。
「偵察結果判明!今回の不審者達も、ぜ、全員仙道ソウスケです!」
「ホント意味分かんねえな!まあ、こいつらが何なのかは、暇な時に考える!今は倒すのに集中するぞ!」
「ホント意味分かんねえな!まあ、こいつらが何なのかは、暇な時に考える!今は倒すのに集中するぞ!」
同盟の約半数が音信不通となったのとほぼ同時に、突然上海に無数の暴徒が出現した。そして、その暴徒は年齢や体格は微妙に違うが、全てが仙道ソウスケという男だった。
■
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「テディクラッシャー!」
五爪の翁が相手よりカワイクないとダメージが通らない能力を、クマの着ぐるみのオーバーボディを使い攻略していた頃、倒萩はメタルソウスケの爪剥がしに挑戦していた。
「爪には個人差があります。水虫でボロボロになった爪、鍛え抜いて猛禽類の様になった爪、人によって爪の強度も形も千差万別。それらを全て剥がしてこそ、プロフェッショナルだと私は思うのです」
「倒萩さん、もう諦めようよ。こいつら、人の形をした別の何かだよ」
「倒萩さん、もう諦めようよ。こいつら、人の形をした別の何かだよ」
倒萩とロハに襲いかかって来たメタルソウスケ達は、大した知性も持たず、それ故にあっさりと地面に埋められた。そして、倒萩の手で爪を剥がされようとしていたのだが、メタルソウスケの爪の様に見える部分は指パーツに掘られた溝に過ぎなかった。
それでも魔人能力とネイルアート術を駆使して、爪に見える部分だけを剥離したのだが、その瞬間メタルソウスケは悲鳴すら上げずにボシュっと音を立てて剥がした爪ごと消滅してしまうのだった。
「ふむ、これはアレですね。彼らは魔人能力で召喚され一時的に実体を得た存在なのでしょう。なら、召喚した人物の爪を剥ぎに行きましょう」
「はー、やっぱりそうなるのね。分かった、道案内は任せて」
「はー、やっぱりそうなるのね。分かった、道案内は任せて」
倒萩とロハはメタルソウスケがやって来た方へと歩みだす。途中何度か様々なソウスケを見つけては捕まえ爪剥がしに挑戦。
「私、少し自信喪失気味です」
「そ、その分変なの召喚した大元の爪剥ぎまくろうよ!ホラ、着いたよ!」
「そ、その分変なの召喚した大元の爪剥ぎまくろうよ!ホラ、着いたよ!」
結果は全ボシュだったが、ソウスケ達の交戦位置と移動方向からソウスケの湧きどころは無事に見つかった。ソウスケが出てきたのはポツンとした一軒家で、入口にはセックスしないと出られない部屋と書かれていた。
■
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「マッハパルパライザー!」
五爪の翁が無数のビームを曲芸回避している頃、女陰黄泉はソウスケに囲まれAGAINドライバーを装着されそうになっていた。
「おいこら、何を四天王?え?このベルトを?似合わないし、普通に嫌」
迫るソウスケをペチペチ叩いて追い払おうとするが、多勢に無勢。モブ相手には無双出来るヨニだったが、倒す度に次々と増援ソウスケが来て遂にドライバーを着けられてしまう。
ガシャン!
SOUSUKE
SOUSUKE
SOSOSO
SOUSUKE
SOUSUKE
SOSOSO
SOUSUKE
「これ何なの」
「いちいち考えるのも面倒だ。テメェで勝手に想像しろ」
「アッハイ」
「いちいち考えるのも面倒だ。テメェで勝手に想像しろ」
「アッハイ」
We look forward to serving you
AGAAAAAAAAAAAIN!!!!
「ほああああ!身体がムキムキになっていくうううう!!」
「ダニィ!?」
「ダニィ!?」
ヨニに対して勝手に想像しろと言うのは悪手の極みだった。彼女はこのドライバーでソウスケと化す事を知らない。けど、こういうシチュでは改造人間になるお約束は知っている。結果、ヨニはヨニのままムキムキヨニヨニになった。
「待て〜、悪の戦闘員!ぶっ飛ばすぞぉ〜、びぃゃ〜お〜」
「イーッ!」
「イーッ!」
攻守逆転。首から下が劉炎嵐みたいになったヨニはソウスケをちぎっては投げを繰り返し郊外の一軒家に辿り着いた。
「セックスしないと出られない部屋…?」
玄関に書かれた文字を見てヨニは、セックスと解錠が頭の中で繋がらず首を傾げる。
「ダウンタウンの年末番組にありそうなネタかな?疾。いや違う。流石にテレビでは堂々とセックスという言葉は使わないか。疾、疾」
一軒家の壁から一定間隔でニョキニョキ現れるソウスケをフリッカーで潰しながらグルリと周りを観察すると、裏側まで歩いた所で女子の二人連れと出会った。
「倒萩さん、な、何か怪しい女性がこっちに来ました!」
「確かに臭いですね。一部のソウスケが装備していたドライバーと同じものを身に着けてますが、顔や爪は別人です」
「臭くない」
「確かに臭いですね。一部のソウスケが装備していたドライバーと同じものを身に着けてますが、顔や爪は別人です」
「臭くない」
ヨニは敵と思われる事よりも臭いという言葉に真っ先に反論した。
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「コーホーコーホー」
五爪の翁がエルボーの連打で狐の仮面を破壊している頃、クラム・ハードシェルは全身ダイヤモンドのソウスケと対峙していた。
「人の事を言える立場では無いのは重々承知。だが、この上海においても奇妙奇天烈と評するに相応しい存在よ」
「アンドレ…カンドレ…」
「アンドレ…カンドレ…」
クラムの前に突如現れたダイヤモンドのソウスケは、何かに洗脳されたからなのか、それとも元々知能が高くないのかは分からないが、アンドレカンドレと繰り返し呟くだけで会話が全く通用しない。だが、敵意だけはハッキリ伝わってくる。
「アンドレ…カンドレ…」
ビ〜ム
「ぬうっ!」
太陽光を増幅した光線を胴体から放つソウスケ。受けてはまずいと判断したクラムは、最小限の動きでソウスケの側面へ移動し光線を回避しつつ斬りかかる。だが、ダイヤモンドは引っ掻き傷にとても強い。クラムの斬撃はソウスケの表層をなぞり不快な音を立てるだけに終わった。
「どうやら、本当にダイヤ人間の様であるな。貴婦人以外にこの様な人物が存在するとは」
クラムはこの場に居ない貴婦人に思いを馳せる。彼が守護すべき貴婦人はソウスケに襲われる少し前にクラムの目の前から居なくなっていた。だが、それ自体は心配する事では無い。貴婦人が突然姿を消す事はこれまでに何度もあった。
そして、クラムは貴婦人が無事な事も、暫くすればまた帰って来る事も確信していた。根拠は無い。だが、昔から感じ取れるのだ。それは、クラムが目的を果たせる様に何者かが与えた特別な力かも知れない。
「時間が掛かるな」
貴婦人の事を考える余裕があるぐらいに、クラムとソウスケには実力差があった。だが、斬撃が通り辛い。ソウスケの攻撃に何度もカウンターで斬りかかるが、傷が付く様子は無い。
「ならば、やり方を変えるまでよ」
クラムは剣を納め、ガントレットによる殴打に切り替える。
「セイッ!ハァッ!」
拳による決闘も騎士の嗜み。見た目に反したボクサーの様な連打でソウスケのダイヤモンドボデーにヒビを入れていく。
「アンドレッ!…カンドレッ!」
後数発で崩れ去ると思われたその時、突如銃声が響きソウスケは粉々に砕け散った。
「…何者か?いや、ある程度察しはつく。待っておれ」
クラムは破壊されたソウスケを一瞥もせず、狙撃手の方へと走る。狙撃手の正体が自分を狙う敵にせよ、無差別に破壊活動をする狂人にせよ、自分の様な怪異を助ける変わり者にせよ、直接会って答え合わせをして、味方なら礼を敵なら死を与える。それがクラムという老騎士だった。無論、ライフル銃で撃たれたら西洋鎧の肉体などひとたまりも無いので、狙撃されない様に周囲の建物を利用しつつ最短距離を進む。
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「翁スマイル!」
五爪の翁が顔に振り下ろされた鉄棒を口でキャッチしていた頃、カムパネルラとジョバンニはダイヤモンドのソウスケを狙撃し、それを見たクラムがこちらへ来るのを待っていた。
「ねぇ~ねぇ〜、ジョバンニ〜?逃げなくていいの〜?」
「いいんだよ」
「もし、あのお爺さんが襲ってきたら僕ら多分負けちゃうよ。二人掛かりでも」
「だろうな。向き合っての白兵戦じゃ俺達に勝ち目はねえし、あの爺さんが俺等以上に血の気が多いのも知っでる。だが、会ってじっくり話してみたいんだよ」
「いいんだよ」
「もし、あのお爺さんが襲ってきたら僕ら多分負けちゃうよ。二人掛かりでも」
「だろうな。向き合っての白兵戦じゃ俺達に勝ち目はねえし、あの爺さんが俺等以上に血の気が多いのも知っでる。だが、会ってじっくり話してみたいんだよ」
ソウスケハザード発生後、近くの建物に避難したジョバンニは、窓からソウスケ達を狙撃している最中に偶然クラムとダイヤモンド型のソウスケの戦闘を目撃した。
ジョバンニはクラムの事を噂話として知っていた。そして、彼の成り立ちが自分達に似ていると思った。もし彼と話が出来たなら、自分とカムパネルラの旅路の終着点への道標となる情報が得られるのではないか。そう思った彼女は、半ば反射的にダイヤモンドのソウスケを撃ち抜いていた。
「せめてさ、迎撃準備ぐらいはとっておかない?」
「それこそ殺されるだろが。…どーやら、そんな時間も無さそうだ」
「それこそ殺されるだろが。…どーやら、そんな時間も無さそうだ」
部屋の出入り口近くに気配を感じ、ジョバンニは襟を正す。
「鍵は開いてる。入っていいよ」
「失礼する」
「失礼する」
扉が開き、輝く騎士が姿を現した。
「騎士様、助太刀は不要だったか?」
「いや、感謝する。して、ソレガシに何用か」
「俺はジョバンニ。ただのアンタのファンだよ。紅茶でも飲みながら話がしたかった」
「僕カムパネルラ!このペットボトル未開封だから安心してよ。あっ、でもお爺さんって水とか飲めるタイプの幽霊?」
「いや、感謝する。して、ソレガシに何用か」
「俺はジョバンニ。ただのアンタのファンだよ。紅茶でも飲みながら話がしたかった」
「僕カムパネルラ!このペットボトル未開封だから安心してよ。あっ、でもお爺さんって水とか飲めるタイプの幽霊?」
その後、三人はお茶会をしながら互いの境遇について、清王朝のダイヤについて、今起こってる異変について語り合った。殺人鬼呼ばわりされる者達の会話は意外にも平和に進行し、ダイヤがあるとすれば異変の大元だろうと結論付けた彼らは、ソウスケの出現場所であるセックスしないと出られない部屋へと辿り着いた。
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「これぞ翁レッグブリーカーでござーい!」
五爪の翁がワニの下半身を絞め上げて噛みつきを防いでいる頃、果成いっぽはホグワーツの制服を着た巨体のソウスケ三体に囲まれていた。
「これはこれは、ガイアオルテガマッシュジェットストリームアタックをかけるぞ!って奴かな?ははははは!やはりこのルートは狂っている!」
直撃すれば即死確実な飛び蹴りが三方向から迫る。いっぽがタイミングよくしゃがむと、大型ソウスケ達は互いの頭を蹴り砕き倒れボシュと消えた。
「ああ、仙道ソウスケ!虚と実の狭間に生ずる魔人!君達が出現すると言う事は、やはりこの世界は通常のルートから外れている!」
今回のキャンペーン、第四の壁を知覚する者は複数人居たが、いっぽはその中でも特に第四の壁を理解していた。
彼女は誰よりも早く気付いていた。上海の謎がまだ黒もっこに包まれていた時から、第四の壁の向こうに居る早乙女ケンジが黒幕であると分かっていた。だが、黒幕を倒し上海に平和を取り戻すのは彼女ではない。
「早乙女ケンジがラスボスとなる世界は二つ。そして、この僕がヒーローとして解決する世界はこちらでは無い。こちらで早乙女ケンジを討つのは…そう、魔法少女だ」
自身が主人公ではなくトリックスターだと理解したいっぽは、主人公達の元へ向かった。
■
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■
「氷の精神モード!」
五爪の翁が機械的な戦闘を行い、相手の欲望バフを最小にしている頃、明日歩と和夫は無数のドライバーソウスケとニチアサ対決を行っていた。
「ニチアサ王者は渡さーん!」
ドライバーを装着させて仲間にしようとするソウスケを仮面ヒーロー派の刺客と思った明日歩は、ドライバーにステッキの先端を突っ込む。
「必殺!プープダイナマイトー!」
UNKO
UNKO
UNUNUN
UNKO
UNKO
UNUNUN
UNKO
うんこが混入したドライバーはバグって爆発し、爆発に巻き込まれたソウスケはボシュった。
「量産型の敵が物語の舞台を埋め尽くす。ラストバトルが近いわね」
「そして、ラストバトルが近いのに僕の姉ちゃんは見つかりません。はあ」
「もうお姉さんはラスボスのハウスで囚われてるか、ラスボスの依り代にされてるか確定ね!どっちにしろ、お姉さんはラスボスの所さんよ!」
「そして、ラストバトルが近いのに僕の姉ちゃんは見つかりません。はあ」
「もうお姉さんはラスボスのハウスで囚われてるか、ラスボスの依り代にされてるか確定ね!どっちにしろ、お姉さんはラスボスの所さんよ!」
明日歩のメッタメタな発言に和夫はツッコミを入れなかった。呆れているのでは無い。実際、その可能性は十分あると思ったからだ。
「と言うわけで、仮面ヒーロー派がやって来た方へ走って、お姉さんの洗脳を解きに行くわ!」
「うん。それで良いと思うよ。多分そこへ行けば塔也さん達にも会えそうだし」
「うん。それで良いと思うよ。多分そこへ行けば塔也さん達にも会えそうだし」
数時間前、明日歩と和夫はホテルに立ち寄り、ソウスケ騒動の避難民の中に和夫の姉斎藤あやめが居ないかを確認した。そこには姉は居なかったが、貴重な情報を得る事がてきた。
「あっ、アースホールだ!ブンツカパンツカ、ムカツクパンツカ」
「牢獄以来ねブンツカパンツカ」
「牢獄以来ねブンツカパンツカ」
ホテル内で出会ったのは、塔也に護衛されていた少女浅村育美と塔也の相棒倉森七歌だった。育美は避難民の手当て、七歌は避難民の身元確認を担当しており、ここに集まった人達の事は大体把握していたが、七歌のリストには斎藤あやめの名前は無かった。
だが、有益な情報や出会いもあった。このホテルにはダイヤの欠片と一体化した人物が居たのだ。それも二人も。いや、正確には一人と一匹。
「運命の二択、和夫君のお姉さんはどちらのダイヤかな?」
「明日歩さん、僕の姉ちゃんは女で人間だよ」
「明日歩さん、僕の姉ちゃんは女で人間だよ」
残念ながらどちらのダイヤもあやめては無かったが、彼らは清海の情報と魔幇の情報を持っていた。
「ごめん。清海に保護された人達とは何度か会ったけど、斎藤あやめって人は居なかったと思う」
「魔幇に誘拐された者達の中にもおらんかったのう」
「魔幇に誘拐された者達の中にもおらんかったのう」
その後、塔也と協力者二名がソウスケの大元を潰しに行った事を聞いた明日歩達はホテルを後にして自分達もソウスケ退治に向かったのだった。
「それにしても、訳の分からない事態だよね。魔幇の悪い奴を倒せば平和になるって思ったのに、突然同じ顔をした男が大量発生。一体これはどういう事なのかな?」
和夫は明日歩の右肩の辺りを見ながら疑問を口にするが、期待した答えは返って来なかった。
「何で必要な時に限って来ないんだよ、アイツは」
「シニョ〜は忙しいからね。主に年末調整で」
「経費使いまくってたからなあ…」
「シニョ〜は忙しいからね。主に年末調整で」
「経費使いまくってたからなあ…」
毎回毎回唐突に現れてはいつの間にか居なくなる妖精シニョ〜。臭いし口が悪いしうざいし戦力にならないが、妙に知識か深くその知識によって助けられた事も一度や二度では無い。だから、ソウスケの発生や姉の行方についても助言して貰いたかったのだが、こちらの都合通りには行かない様だ。
「明日歩さん、シニョ〜呼び出せません?」
「シニョ〜は相棒だけど使い魔的なそれじゃないの。どっちかと言うと、シニョ〜の方が立場が上だから、シニョ〜が私を現場に呼び出す事はあっても逆は無理。魔法少女のマスコットって、そんなものでしょ?」
「そうかなー?せめて、戦闘中はずっと側に居て助言してくれるもんだと思うんだけど」
「シニョ〜は相棒だけど使い魔的なそれじゃないの。どっちかと言うと、シニョ〜の方が立場が上だから、シニョ〜が私を現場に呼び出す事はあっても逆は無理。魔法少女のマスコットって、そんなものでしょ?」
「そうかなー?せめて、戦闘中はずっと側に居て助言してくれるもんだと思うんだけど」
こんな非常事態に連絡もよこさずどこかで何かしてるシニョ〜への不満をブツクサ言いながら、和夫は明日歩の後ろを歩き続ける。
激しい戦闘の形跡をいくつか通過した後、遂に二人はソウスケの湧きどころである一軒家へ辿り着いた。
そこは地獄絵図だった。
「出てきやがれ黒幕ー!」
「――掌握、結論、壊せない。だが、ここで引き下がれるかよ!」
「怒りー!激怒ー!」
「――掌握、結論、壊せない。だが、ここで引き下がれるかよ!」
「怒りー!激怒ー!」
『セックスしないと出られない部屋』と玄関に書かれた建物。その出入り口を塔也がハンマーでガンガンと叩き続けていた。塔也の側には協力者らしい男女が破壊活動をしている。
「ソウスケ達の剥がしそこねた爪の分、きっちり払って貰います」
「そうだよ、やっちゃえー!」
「ほわちゃ!ほわちゃ!ほわちゃ!」
「そうだよ、やっちゃえー!」
「ほわちゃ!ほわちゃ!ほわちゃ!」
家の側面てはネイルアーティストとツレの少女がペンチや研磨機を使って壁を剥がそうとしており、ムキムキのキョンシーが頭突きを連打していた。
「斬った感触がこの世界の物質のそれでは無い。ソレガシの様な霊体とも違うものだ」
「何で壊れないのかなあ?概念的な防御膜?」
「次、対物ライフルいくぞ。ちょっと離れてろ」
「何で壊れないのかなあ?概念的な防御膜?」
「次、対物ライフルいくぞ。ちょっと離れてろ」
別の壁では人間かどうか怪しい存在達と一緒に居る女が物騒な銃火器を色々と試していた。
ここに集まった全員が全力で一つの家を壊そうとしていた。ビクトリームをリンチするガッシュベルみたいなガンギマリ顔で破壊活動を続けていたが、セックスしないと出られない部屋は傷一つ付かなかった。
たまに家の一部からソウスケがニョッキリと生えて、即座に誰かの攻撃で潰され消滅しているがそれで家にダメージが入る様子も無い。
「必殺、プープダイナマイトー!」
明日歩も破壊活動に加わり、屋根の上に大量のうんこを落とすが、イナバの物置の如くびくともしない。そして、屋根から生えてきたソウスケが雪下ろしの要領でクソ下ろしをして屋根のうんこは一掃された。
「そんな…私の魔法でも駄目なんて…このハウスはうんこを超えたうんこ、肥溜めなの…」
「ちょっと何言ってるか分からない」
「ちょっと何言ってるか分からない」
この場に居る全員が理解した。これはセックスしないと出られない部屋。それはつまり、中の人物が条件を満たすまでは破壊不可能という事だ。
■
■
■
「パロ・スペシャル!」
五爪の翁が相手の背後に回り込み、相手の両手首をスーツの袖の上からホールドする事で接触発動する魔人能力を封じている頃、ギャラハッド・ソネットは完全に孤立していた。
「何で誰も返信してくれないの!」
必死にタブレットを連打し、双喜や白髮黒羽や死神や劉炎嵐やチンチンマンに連絡するが、いくら待っても誰も出てくれない。白髮黒羽からの黒幕は早乙女ケンジという通話を最後に、すっかり音沙汰無しとなっていた。
屋台街を出て彼らが行きそうな場所を探したがどこへ行っても会えなかった。
屋台街を出て彼らが行きそうな場所を探したがどこへ行っても会えなかった。
「まさか、私が病院に居る間に全員黒幕に倒されたんじゃ…」
「それは違う。君が知り合いと会えないのは、世界線が違うからだよ。チンチンマンの事は知らない」
「それは違う。君が知り合いと会えないのは、世界線が違うからだよ。チンチンマンの事は知らない」
背後から声がして振り返ると、ブリキュアの格好をした幼女が居た。
「迷子?あのね、今外はソウスケって危ない人が歩き回ってるから近くのホテルに避難しなさい」
「心配には及ばない。僕はダイヤモンドを求めしPCの一人。名前も一人称も表記揺れが激しいが、ここでは名前はキャラクター名の果成いっぽ、一人称は僕で統一しようと思うのでよろしく頼むよ」
「アッハイ」
「心配には及ばない。僕はダイヤモンドを求めしPCの一人。名前も一人称も表記揺れが激しいが、ここでは名前はキャラクター名の果成いっぽ、一人称は僕で統一しようと思うのでよろしく頼むよ」
「アッハイ」
ギャラハッドは痛い中二病の幼女をあっさり受け入れる。双喜や死神ちゃんとの出会いで、こういった相手に対し免疫が出来ていた。
「それで、いっぽちゃんは私とダイヤを賭けて勝負したいの?それとも、自分の目的の為に協力を頼みに来たの?悪いけどダイヤは私持ってない…いや、ある意味持ってるかな?説明ムズいけど」
「ああ、そこは説明の必要は無いよ。ダイヤモンドは僕達そのものだったんだってね」
「ああ、そこは説明の必要は無いよ。ダイヤモンドは僕達そのものだったんだってね」
初対面の幼女が清王朝のダイヤの真実を口にした事にギャラハッドは目を白黒させる。黒もっこを払って判明した真実は、あの現場に居たメンバーと信用出来る関係者にしかまだ伝わっていないはずだった。
「君、一体何者?」
「魔法少女(ヒーロー)だよ。君と一緒さ、キュアイーター」
「は?私は違うし!もう何年も前に引退してますから!」
「魔法少女(ヒーロー)だよ。君と一緒さ、キュアイーター」
「は?私は違うし!もう何年も前に引退してますから!」
ギャラハッドは学生時代魔法少女だった。妖精からブリキュアにならないかとスカウトされ、魔法少女になれば自分の魔人能力が向上し、いずれ上海に行く時が来たら人々をより多く救える。そう考え二つ返事でオーケーした。
ブリキュアになって確かに能力は向上した。しかし、魔法少女を長く続ける事は出来なかった。それほギャラハッドが男だったからでは無い。
「私は魔法少女と呼ばれる資格は無いんだよ。アレに耐えられなくて辞めたんだ」
「知っでるよ。第四の壁が見える事に抵抗があったんだろ」
「知っでるよ。第四の壁が見える事に抵抗があったんだろ」
この世界における魔法少女とは、妖精から与えられた力を行使する者ても正義の味方でも無い。魔法少女とは、第四の壁を知覚し、その先にある情報を見る者である。
明日歩やいっぽが特に分かりやすい。彼女達は容易く第四の壁を何度も突破しているが、彼女達の魔人能力にはそんな効果は一切記載されていない。よって、第四の壁を突破する力は魔法少女の共通スキルなのである。
「ギャラハッド君、もう一度魔法少女になれ。この世界をグッドエンドにするにはそれが必要なんだ。僕はそれを伝えに来た」
「上海を平和にするのに協力出来る事があれば何だってするつもりだけど…本当に私が魔法少女になる必要あるの?戦力が必要なら劉炎嵐が居るし、魔法少女の力が必要ならいっぽちゃん、君が居れば十分じゃないの?」
「上海を平和にするのに協力出来る事があれば何だってするつもりだけど…本当に私が魔法少女になる必要あるの?戦力が必要なら劉炎嵐が居るし、魔法少女の力が必要ならいっぽちゃん、君が居れば十分じゃないの?」
ギャラハッドがそう言うと、いっぽは残像が出るぐらい高速で首を横に振った。
「駄目だ、駄目なんだよそれじゃあ。劉炎嵐他現在連絡取れない組は魔都、つまりこちらから干渉出来ないパラレルワールドに居る。こちらの世界の黒幕は僕達だけで倒すしかない。そして何より、この世界は君が主人公のルートなんだよ」
「ゑゑ!?」
「ゑゑ!?」
この世界が上位存在の娯楽の為に作られ、複数の主人公による多数の分岐が生まれている事はギャラハッドも理解していた。しかし、これまでのマフィアとの仁義なき争いをぶん投げて仙道ソウスケによるモンスターパニックが始まる様な世界の主人公が自分だとは思いもしなかった。
「マジか。ずっとキキちゃんが主人公の世界だと思ってたわ。てか、私のルート作ってる奴、どんだけテキトーな物語書いてるんだよ!」
「その怒りは早乙女ケンジにぶつけてやれ。奴は創造主のアバターみたいなものだから思いっきり殴ってやれ」
「そうしたいのは山々だけど、魔法少女に戻るのってどうすれば良いの?都合よくこの場に妖精が来て契約してくれるはずも無いし」
「再契約のご案内に来ましたプ」
「その怒りは早乙女ケンジにぶつけてやれ。奴は創造主のアバターみたいなものだから思いっきり殴ってやれ」
「そうしたいのは山々だけど、魔法少女に戻るのってどうすれば良いの?都合よくこの場に妖精が来て契約してくれるはずも無いし」
「再契約のご案内に来ましたプ」
フットワーク軽い妖精のお出ましだ。
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「これが友情の方程式…」
五爪の翁が襲撃者をほぼ全滅させるも、非戦闘員にしがみつかれて、黒もっこにより時間稼ぎされてる間に倒した連中が起き上がるのを見て絶望しつつもそこに希望を見た頃、魔法少女キュアイーターに変身したギャラハッドは、早乙女ケンジが眠るセックスしないと出られない部屋に辿り着いた。
「魔法少女キュアイーター、ここに再臨!第四の壁を突破出来ずにお困りの皆さん、後はは私にまっかせて!」
(誰だコイツ…?)
(誰だコイツ…?)
この場に集まっていた全員の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。不運な事に、上海ルートに送られたメンバーは誰もギャラハッドと面識が無い。
これまでにギャラハッドと知り合ったのは双喜・黒羽・死神・劉の四人だが、全員魔都ルートへ行って音信不通。なので、ギャラハッドは知り合いゼロ人、知り合いの知り合いも辿れない状態だった。
一応ダブル・ハピネス・キャンペーンや、劉炎嵐のダイヤチャレンジに少しだけ映ってはいたが、今のギャラハッドは魔法少女衣装に身を包んでしまっていた。
いくら食べても衣装がはち切れない様に、そして切り札のブリキュアバスターを何時でも使える様にヘソ周りと尻周りに穴の開けられたレオタードドレスを着た彼を見て、チンチンマンの所のギャル曽根似の解決屋と分かる者はこの場に居なかった。
「やれやれ仕方無いな。皆、彼が何者なのか今から説明するよ」
「サンキューイッポ」
「彼は新種のソウスケ、ギャラハッド・ソウスケだ」
「ふぁっきゅーイッポ!こんな時に冗談は止めて」
「「「「「「「「死ねー!!!」」」」」」」」
「本気に取られたー!」
「サンキューイッポ」
「彼は新種のソウスケ、ギャラハッド・ソウスケだ」
「ふぁっきゅーイッポ!こんな時に冗談は止めて」
「「「「「「「「死ねー!!!」」」」」」」」
「本気に取られたー!」
全員ソウスケとのエンドレスバトルと破壊できない部屋を相手にし続けて冷静さを失っていた。後、ヨニがこの場に居たのも不味かった。
「ゑ?ちょ、うわっ」
ギャラハッドが訂正する間もなく、全員(いっぽ含む)に囲まれあっと言う間にボコボコにされる。
「諸君、見ろ!このソウスケこんだけ殴っても消えないぞ!ソウスケがこの家から生えてきてるなら、ソウスケをぶつければ家の壁を壊せるのでは無いかな?」
いっぽの案が採用され、ギャラハッドはワッショイワッショイと持ち上げられセックスしないと出られない部屋の壁に頭から叩きつけられた。
ズガーン!
【ギャラハッド・ソウスケ、壁尻になり戦闘不能】
魔法少女の力+主人公補正+壁尻の実績+ソウスケ属性付与の複合により遂に壁は破壊された。
「まあ、彼はソウスケとは無関係で、僕達の味方なんだけどねプ」
全てが終わった後、現れた妖精がギャラハッドの正しい正体について説明する。それは普通ならあり得ない事だった。ヨニの思い込みによって確定した事項を一言で訂正するのは容易では無い。だが、この妖精にはそれをやってのける力が有った。
「シニョ〜!」
「貴婦人!」
「下山師匠!」
「貴婦人!」
「下山師匠!」
妖精の名を知る者達がその名前を呼び、互いに顔を見合わせる。
「皆さん落ち着くプ。誰も間違えてはいないプ。僕はキュアアースホールの相棒シニョ〜であり、亡霊騎士クラムが守護する貴婦人であり、下山師匠でもあるのだプ」
「私が一回戦でやった、同行者は同一人物扱いして良いって奴よね?」
「いや、どっちかと言うとタオマオの能力みたいな事が起こってるんじゃねえのか?」
「私が一回戦でやった、同行者は同一人物扱いして良いって奴よね?」
「いや、どっちかと言うとタオマオの能力みたいな事が起こってるんじゃねえのか?」
明日歩と塔也がそれぞれの推測を語るが妖精は尻をプルプルと振って否定した。その直後、いっぽが正解を口にした。
「一人三役。正真正銘同一人物だったんだろ?」
「その通りだプ。僕は最終決戦が二ルートに別れる事を知っていたプ。だから、三人のPCの間を飛び回り、どちらのルートに誰が行っても手詰まりにならない様にしていたんだプ」
「その通りだプ。僕は最終決戦が二ルートに別れる事を知っていたプ。だから、三人のPCの間を飛び回り、どちらのルートに誰が行っても手詰まりにならない様にしていたんだプ」
つまり、シニョ山婦人という一人の妖精がシニョ〜と貴婦人と下山師匠という肩書を使い分けていたのだ。一見するとそんな無茶な事あるかと思うかも知れないが、利用されていた当人達は割と納得していた。
「そうであったか。貴婦人が度々姿を消しておったのも、他の者と交流していたからであったのだな」
「聞いた話だと、下山師匠って他人に能力を与えて、妙に金回りのよい、ナスにチョを挟んだのをナチョスと言ってる、自称宇宙人なんでしょ?間違いなくシニョ〜じゃない!」
「私は信じます。でっけえネイルサロン建てたいので、これ終わったら五千兆円下さい」
「理解が早くて助かるプ。さて、第四の壁に穴が空いた事だし、この家の中に何が居るのか、これからどうすれば良いのかを改めて説明するプ」
「聞いた話だと、下山師匠って他人に能力を与えて、妙に金回りのよい、ナスにチョを挟んだのをナチョスと言ってる、自称宇宙人なんでしょ?間違いなくシニョ〜じゃない!」
「私は信じます。でっけえネイルサロン建てたいので、これ終わったら五千兆円下さい」
「理解が早くて助かるプ。さて、第四の壁に穴が空いた事だし、この家の中に何が居るのか、これからどうすれば良いのかを改めて説明するプ」
大多数の者達から知恵者として信頼を得たシニョ山婦人の話にほぼ全員が耳を傾ける。だが、ギャラハッドだけは聞いてなかった。頭が第四の壁の向こう側にあるので聞こえなかった。
セックスをしないと出られない部屋に物理的に顔を突っ込んだ彼の目の前では、一組の男女が倒れていた。壁尻になった時に吹っ飛んだ壁の破片が直撃していたのだ。
「爆発オチなんてサイテー!っておい!何でギャラハッドがこの家の壁から顔出してるんだよ!お前から聞いた話と色々違うぞ!」
バシーン! バシーン!
起き上がった男が女に謎の文句を言い引っ叩く。
「すんません、先週提出したプロットから色々修整したらこうなりまして」
女は泣きながら言い訳している。この部屋の中に居たという事は、あの男が早乙女ケンジだろうか。だとしたら、女の方は一体誰だろうか。
「うっ、頭が痛い!」
魔法少女になった副作用で、この世界の情報を記したウィキペディアの内容がギャラハッドの脳内に流れ込んで来る。それによると、早乙女ケンジから分裂した人格はザ・ファックという名前で、ケンジをレイプして主人格になろうとしている。ケンジを完全に乗っ取ったザ・ファックがラスボスになるとの事。
つまり、この二人がケンジとファックで今まさに主導権争いをしていた可能性が高い。
「アンタら、早乙女ケンジとザ・ファックで間違い無い?」
確認の為に質問すると、ケンジっぽい男は手をパタパタ振った。
「いや、ワシは」
「そう、私はザ・ファック!今まさにケンジを乗っ取って、上海ルートのラスボスとして君臨する所さんだったのよ!」
「そう、私はザ・ファック!今まさにケンジを乗っ取って、上海ルートのラスボスとして君臨する所さんだったのよ!」
男の方は否定しかけてたが、女の方は自分がファックだとあっさり白状した。男のはずのファックの見た目が何で女なのかは分からなかったが、あちらがファックならこちらはケンジなのだろう。
「どっちも敵なの確定。とりまファイアー!」
「せぇい!」
「そぉい!」
「せぇい!」
「そぉい!」
マ・ワ・シ・ウ・ケ!
二人は、手を軽く振るだけで炎を消し飛ばす。この二人、間違いなく上位存在。
二人は、手を軽く振るだけで炎を消し飛ばす。この二人、間違いなく上位存在。
「私一人じゃ無理だ!皆ー!」
炎を吐いた分お腹が引っ込んで、穴から抜けられる様になったギャラハッドは、一度部屋の外へ出て全員に中の状況を伝える事にした。
■
■
■
「ゴーホー…プスプスプス」
五爪の翁が怒りに燃える男の拳を受けると同時に活動限界を迎え全身から煙を出して動かなくなった頃、壁尻から抜け出たギャラハッドは、いっぽにゲンコツ落としてから部屋の中の事を説明した。
「中にケンジ居た!人格分裂して、ザ・ファックというのと二人になって争ってた!倒すなら今しかない!」
「「「「「「ウオオオー!!」」」」」」
「「「「「「ウオオオー!!」」」」」」
全員が怒り狂った顔になり、次々と身を丸めて壁尻の穴から部屋の中へ飛び込んだ。幸い、上海ルートにはギャラハッドより極端に大柄な人物は居なかったので、塔也のアフロが少し引っかかったぐらいで全員穴を通過、
ガっ
「通れん」
「ヨニ、そのドライバー外すプ」
「ヨニ、そのドライバー外すプ」
全員通過した。変身解除する必要のあったヨニが最後に入り、ケンジに向き合い最後の確認をする。
「お前が早乙女ケンジって事でいいの?」
「違う!ワシは簡単に言うと、お前らをダイヤによって集め争わせた存在だ!」
「なら早乙女ケンジジャマイカ!」
「違う!ワシは簡単に言うと、お前らをダイヤによって集め争わせた存在だ!」
「なら早乙女ケンジジャマイカ!」
部屋の中の男は、シニョ山婦人が説明した通りの存在だった。こいつがケンジだと今ここに確定した。上海ルートメンバーが飢えた獣の目でケンジに迫る。
そんな中、他とは違う反応を示した者が一人居た。
「姉ちゃん?あやめ姉ちゃんだよね!」
和夫が涙を浮かべながら、ザ・ファックの方へ歩み寄る。
「黒幕に囚われてるという推理は当たってたんだ!姉ちゃん、僕だよ和夫だよ!」
「あぶなーい!」
「あぶなーい!」
和夫はザ・ファックに抱きつこうとした寸前で明日歩のヒップアタックでふっ飛ばされた。だが、こうしなければ、ファックの股間から伸びる肉棒で和夫の処女は奪われていただろう。
「ギャー!姉ちゃんにチンチンか生えてるー!」
「グヘヘ、この身体は確かに斎藤あやめのものだが、このザ・ファックが乗っ取ってるのさ!ケンジを犯すのに実体が必要だったから、利用しているのよ!」
「くそっ、許せない!絶対に追い出してやる!」
「駄目よ和夫君、ここは私達に任せて。魔法少女の身体を使ってるなら、やりようがあるわ!」
「グヘヘ、この身体は確かに斎藤あやめのものだが、このザ・ファックが乗っ取ってるのさ!ケンジを犯すのに実体が必要だったから、利用しているのよ!」
「くそっ、許せない!絶対に追い出してやる!」
「駄目よ和夫君、ここは私達に任せて。魔法少女の身体を使ってるなら、やりようがあるわ!」
和夫を後ろへ下がらせ、明日歩は魔法少女達、正確にはシニョ山婦人から力もしくは知恵を授かったメンバーを集め、あやめ・ザ・ファックへ立ち向かう。そして、残りのメンバーが本命であるケンジに狙いを定める。
【早乙女ケンジ対海圻、A子、塔也、カムパネルラ、ジョバンニ】
【斎藤あやめ・ザ・ファック対クラム、ギャラハッド、いっぽ、ヨニ、明日歩、倒萩】
【実況と解説シニョ山婦人、和夫、ロハ】
【お留守番シグリ、七歌、育実、ドー】
【お留守番シグリ、七歌、育実、ドー】
最終決戦が今始まろうとしたその時だった。
「両手を使い十爪、いつもの二倍ジャンプして二十爪、そこから三倍の回転を加えて六十爪だー!」
魔都ルートが決着し、別れた世界が一つに戻るのを確認した五爪の翁がすごい勢いでやって来た。流石別ルートのラスボス。だが、その身体は既に激闘でボロボロだった。
「ゴーホーゴーホー…、今までの罪の精算として…この上海に平和を…。ケンジよ、ここをお前らの好きにはさせん…」
「ワシはケンジじゃ無いって。まあよい、ここまで来てしまったら黒幕を演じてやろう。それで翁よ、既に敗北した身で何が出来る?」
「俺自身はもう何も出来無い…、ただ俺は連れてきただけだ…、お前が相手でも勝算が生まれる仲間をな…」
「ワシはケンジじゃ無いって。まあよい、ここまで来てしまったら黒幕を演じてやろう。それで翁よ、既に敗北した身で何が出来る?」
「俺自身はもう何も出来無い…、ただ俺は連れてきただけだ…、お前が相手でも勝算が生まれる仲間をな…」
そう言い残し、五爪の翁は機能を停止し動かなくなった。
「ワシを倒せる可能性だと?ま、まさか!」
デーデーデー、チャラララー、チャラララー、パンパパンパン。
室内に鳴り響くオーケストラの音。その後、壁の穴からよっこいせと一人の男が現れた。
「新春・上海格付けチェック、五爪の翁追悼スペシャル〜!」
よく響く男の声。上海市民なら誰もが彼を知っている。彼の名前は格付けマスター。一度格付けチェックが始まれば誰も逃れる事は出来ない。彼は五爪の翁の頼みとあらばどこへでも駆けつけ格付けチェックをする。
「なはは、そんな訳でまずはチーム分けするで!」
役割を果たせなくなったセックスしないと出られない部屋が変形していき、格付けチェックのセットへとなった。そして、その間に格付けマスターの指示でチーム分けが完了する。
【チーム黒幕:ケンジ、ファック】
【チーム王道主人公:塔也、A子、海圻】
【チーム貴婦人と従者:クラム、シニョ山婦人】
【チーム魔法少女:明日歩、いっぽ、ギャラハッド】
【チーム裏街道:倒萩、ジョバンニ、カムパネルラ】
【チームツッコミ:和夫、ロハ】
「マスター、私どこにも入ってない」
「ヨニ様は別室で別撮りです!ではこれより、一流上海人なら絶対分かるクイズをしていきます!」
「ヨニ様は別室で別撮りです!ではこれより、一流上海人なら絶対分かるクイズをしていきます!」
第一問はチョコレートだった。片方はカジノでVIPのみが食べられる最高級チョコレート、もう片方は屋台街で売られている大袋入りチョコレート。
「この問題は各チーム全員参加で、意見が割れた時は話し合って正解を選んていただきます!それではまずはチーム黒幕様から!」
【ケンジ&ファック、もぐもぐ中】
「おい、分かってると思うが、ワザと間違えるなよ」
「…格付けマスターの領域内でアンタを裏切る方法があったらこちらが教えて欲しいわよ。今は協力しましょ」
「…格付けマスターの領域内でアンタを裏切る方法があったらこちらが教えて欲しいわよ。今は協力しましょ」
チーム黒幕、二人ともAを選択。
「Aのチョコには中にジェル化した酒が入っていた。これが高級チョコで間違い無い」
「そうよね、Bは安い砂糖たくさん使って甘くて満腹感だしてるわ」
「そうよね、Bは安い砂糖たくさん使って甘くて満腹感だしてるわ」
チーム黒幕、意見一致で悠々とAの部屋へ。そして、これがこの問題の正解。
【カジノにチョコレートを提供しているパティシエさんによる解説】
『カジノで食事をするお客様には手や口にベトつく食べ物は厳禁です。ですので、チョコレートは口の中であっさり溶けて手に溶けない、甘さ控えめで歯に付かない工夫をしております』
『カジノで食事をするお客様には手や口にベトつく食べ物は厳禁です。ですので、チョコレートは口の中であっさり溶けて手に溶けない、甘さ控えめで歯に付かない工夫をしております』
流石ラスボス、簡単には転ばない。
それでは、引き続き他の解答者の様子をあ楽しみ下さい。
それでは、引き続き他の解答者の様子をあ楽しみ下さい。
【チーム王道主人公、もぐもぐ中】
「「「う〜ん」」」
全員Bを選択。
「王道チーム良いもの食ってねえ〜なはは」
格付けマスター爆笑。
「俺一応客商売してて、一応代表つまり社長じゃんか?だから、こういうのは分かるんだよ」←馬鹿舌社長
「私もこう見えて名家の生まれなので、良いお菓子と安いお菓子は目隠ししてても分かるんです。これ間違えたら、家の恥ですね」←家の恥
「俺は菓子の良し悪しは分からないから、アンタ達が仲間で助かったよ」
「「ふふーん」」←馬鹿舌
自信満々に王道主人公達は不正解のBの部屋へ。
「せーの!あ、あれっ、ケンジ達が居ません!」
「つまり、黒幕が一問目から間違えたって事だな」
「…嫌な予感がする」
「つまり、黒幕が一問目から間違えたって事だな」
「…嫌な予感がする」
【貴婦人と従者もぐもぐ中】
シニョ山婦人はA、クラムはBを選択。
「Bは四方の角の硬さが均一でしたプ。これは工場品の特徴ですプ」
「ふむ、ソレガシは味が均一だから良い物と思ったのだが、そういう考え方なのか。分かった変更しよう」
「ふむ、ソレガシは味が均一だから良い物と思ったのだが、そういう考え方なのか。分かった変更しよう」
軌道修正に成功し、Aの部屋へ。
「おじゃましまープ」
「よう」
「ハーイ」
「むむ、王道チームはBか…」
「よう」
「ハーイ」
「むむ、王道チームはBか…」
王道チームが居ない事で不安になるクラム。だが、こちらが正解なのでご安心を。
「ええー!シニョ山婦人Aてすかぁ!ふ、不安〜」
A子、お前の不安は当たってるよ!
【魔法少女もぐもぐ中】
「せーの」
「ほいっ」
「はいっと、うん。全員一緒で良かった〜」
「ほいっ」
「はいっと、うん。全員一緒で良かった〜」
おめでとう、チーム魔法少女全員Aを選択。
「僕、カジノ行った事あるんだよね」
「私、屋台街の食べ物大体食ってるんだよね」
「チョコレートとかけまして、うん」
「私、屋台街の食べ物大体食ってるんだよね」
「チョコレートとかけまして、うん」
いっぽとギャラハッドは明日歩の口を手で塞ぎながらAの部屋へ。
「「「「「いらっしゃ~い」」」」」
「おっし、これは勝った!」
「やったねギャル曽根ちゃん。主人公大勝利だ」
「イエーイ」
「おっし、これは勝った!」
「やったねギャル曽根ちゃん。主人公大勝利だ」
「イエーイ」
正解だと確信を得て喜び抱き合うAの部屋のメンバー。一方、Bの部屋はお通夜ムード。
「海圻、良く考えたら俺経営者としては何の才能も無かったわ。七歌に大部分任せっきり」
「今更、そんな事言われても困る」
「今更、そんな事言われても困る」
【裏街道もぐもぐ中】
「まっず!」
Aのチョコを食べて吐きそうになるジョバンニ。
「これ、中に何か入ってるぞ!」
「ジョバンニ、それはそういうお菓子なんだよ」
「ジョバンニ、それはそういうお菓子なんだよ」
続いてBも食べて出した答えは、倒萩とカムパネルラがA、ジョバンニがB。
「Aは、腐ったハッカみてぇな味がした」
ジョバンニの答えにマスター爆笑。
「ジョバンニさんの言う腐ったハッカみてぇな味というのは、中に入っていたジェルの事ですか?」
「あー、多分そう」
「これは口の中を綺麗にリセットする効果をもたらす為のものです。チョコレートの油分が唾液と共に自然に口から食道へ流れる為に入れられたのだと思います」
「あー、多分そう」
「これは口の中を綺麗にリセットする効果をもたらす為のものです。チョコレートの油分が唾液と共に自然に口から食道へ流れる為に入れられたのだと思います」
博識なネイルアーティストのおかげでチーム裏街道Aの部屋へ。さて、最後はツッコミの二人です。
【ロハ&和夫もぐもぐ中】
「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な」
「て・ん・の・か・み・さ・ま・の」
「て・ん・の・か・み・さ・ま・の」
ツッコミペア、完全に勘だけで当てに行った〜!出した答えはB!ざーんねん!
「はい、わか・りま・せん!多分、倒萩さんなら完璧に答えると思うけど」
その通り。
「多分、明日歩ちゃんなら分かったんじゃないかな。チョコとアレが似ているとか言って」
そこまで分かってて、何故正解には辿り着けないんだお前達は〜!さっさとBへ行きやがれ〜!
「正解発表〜!」
全チーム判定が終わり、格付けマスターが正解の扉を開ける。
バン!
「おめでとうー!」
開いたのはもちろんA、Aに入った黒幕・貴婦人・魔法少女・裏街道は立ち上がり喜んだ。一方不正解の王道・ツッコミはソファーから崩れ落ちた。
なーんだ、塔也さん達とロハさん達は普通上海人だったんですねぇー。それなら扱いはこの程度で十分かー。
【普通に落ちたチームの椅子と履き物が安っぽくなった!】
「はい、一問目終了ー!シニョ山婦人様、お見事てした!」
「セレブとして当然ですプ」
「倒萩様も素晴らしかったです!」
「仕事の付き合いで高級な洋菓子を頂く機会がありまして」
「それに対し、塔也さん!こーの、馬鹿舌社長!」
「か、返す言葉もねえ」
「なはは!こんな感じに不正解の奴らは思いっきり叩いてくんで覚悟せえよ!まあ、一流の皆様は大丈夫でしょうが。それでは第二問は皆様大好きダイヤモンドです!」
「セレブとして当然ですプ」
「倒萩様も素晴らしかったです!」
「仕事の付き合いで高級な洋菓子を頂く機会がありまして」
「それに対し、塔也さん!こーの、馬鹿舌社長!」
「か、返す言葉もねえ」
「なはは!こんな感じに不正解の奴らは思いっきり叩いてくんで覚悟せえよ!まあ、一流の皆様は大丈夫でしょうが。それでは第二問は皆様大好きダイヤモンドです!」
二問目のお題はダイヤモンド。片方は清王朝のダイヤとまではいかないが最高級のダイヤ。もう片方はイミテーションダイヤ。
「そんじゃ、今度はツッコミチームから順番に行って来いやー!」
各チームから一名が回答者となり残りは待機。全回答者が広間を出ていった所で正解を一足先に発表。
「今回正解は…Aのダイヤです」
【チームツッコミ代表ロハの挑戦】
「アタシだって、倒萩さんのお手伝いする為にネイルアートの勉強してるんです!ここは当てないと!」
チョコでダメダメだったが、今回は気合十分のロハ。果たして普通をキープ出来るのか?
「こっち!」
ロハ、見事Aを選択。
「よっしゃ!」
不安げに見ていた和夫もガッツポーズ。
「どっちのダイヤも同じぐらいキラキラしていたけど、Bの方は台座に指紋の拭き残しがありました。本物ならこんな雑な扱いしないはずです」
ダイヤの真贋は見抜けずとも、これも立派な観察眼。ロハ、正解のAの部屋に。
「あれ、誰もいない」
「おるわけないやろ!お前が最初って言ったやろ!」
「おるわけないやろ!お前が最初って言ったやろ!」
【チーム裏街道代表、ジョバンニの挑戦】
「ったく、何で俺なんだよ」
ジョバンニ、文句を言いながらダイヤを手に取ろうとして、横で見張っていた格付けマスターに叩かれる。
「触るなや!片方高級ダイヤやぞ!」
「あっはい。えーと、確か本物か偽物かは息をハーってやると分かるって聞いた事が」
「それもアカン!ツバつくやろ!」
「あっはい。えーと、確か本物か偽物かは息をハーってやると分かるって聞いた事が」
「それもアカン!ツバつくやろ!」
格付けマスターにバシバシどつかれた末に出した答えはB。
「そりゃまあ、清王朝のダイヤモンドについて色々調べてたからな。俺の目から見たらこっちの方の光がワクワクした」←ガラス玉でワクワクする女
ジョバンニの答えを聞き、モニターを見ていた、倒萩が盛大にずっこけた。
チームメイトがガッカリしてるのも知らず、ジョバンニはBの部屋へ。
「居るかー?…ふっ、残念だったな路覇タッカー」←残念な女
倒萩は席からずり落ち、カムパネルラはずっと笑いっぱなしだった。
【チーム魔法少女代表、いっぽの挑戦】
「ははははは!清王朝のダイヤモンドに誰よりも近いと言えるこの僕が間違える訳がないだろう」
「ええから、はよ選べや」
「くっくっく、清王朝のダイヤモンド以外は僕にとってはどれもこれも安物…なので分からない」
「はよ選べや」
「待ってくれ格付けマスター!これは僕のせいじゃない。そう、本当の高級ダイヤを用意しなかったスタッフのせいだよこれは!」
「ええからはよ選べ!」
「ええから、はよ選べや」
「くっくっく、清王朝のダイヤモンド以外は僕にとってはどれもこれも安物…なので分からない」
「はよ選べや」
「待ってくれ格付けマスター!これは僕のせいじゃない。そう、本当の高級ダイヤを用意しなかったスタッフのせいだよこれは!」
「ええからはよ選べ!」
本当は分かるんだと騒ぎ続けたいっぽ、見事にBを選んでしまう。
「だって、どっちも安物に見えたもん…」
自信なさげにBの部屋に行き、隅っこに座るいっぽだった。
【チーム貴婦人と従者代表クラムの挑戦】
「どうやら、各チームダイヤや芸術品に詳しくない方が選ばれてる様であるな」
「せやね。その方が番組面白くなるからな。さあクラム様、お選び下さい」
「ふむ」
「せやね。その方が番組面白くなるからな。さあクラム様、お選び下さい」
「ふむ」
クラム、慎重に二つのダイヤを見比べて出した答えは…B(不正解)!
「Aのダイヤからは職人の魂を感じなかった。一方、Bからは怨念に近い気迫が感じ取れた」
すいませんクラムさん。それ多分偽物とバレない様に願ってた職人とスタッフの思いだと思います。他人の心を正しく理解出来なかった普通のクラムさん、Bの部屋へどうぞ〜。
「失礼する。…む」
「おー、爺さんもこっちか」
「くくく、これは正解かもな」
「おー、爺さんもこっちか」
「くくく、これは正解かもな」
三人集まって安心してるが不正解です。
「あ、これ駄目かも…。和夫ごめん」
Aの部屋のロハは、ずっと一人で不安になってますが、こちらが正解。
【チーム王道主人公代表海圻の挑戦】
「先に言っとくけど、海圻くんの魔人能力は使用禁止な」
「駄目なのか」
「まあ、この機会に目利きも鍛えたらええんちゃう?」
「駄目なのか」
「まあ、この機会に目利きも鍛えたらええんちゃう?」
海圻、気による探知に頼らず出した答えは?
「B」
「「あ〜」」
「「あ〜」」
会場の塔也とA子特大のため息。目利きに失敗した二流の海圻ちゃんはBの部屋へ。
「ふむ、どうやら正解の様だな」
ほぼ全員が居て安心してますが、不正解だぞお前ら。
【チーム黒幕代表ケンジ挑戦】
最後に挑むのはこの物語の黒幕ケンジ様。ラスボスが一流じゃなかったなんてシャレになりません。是非正解してもらいたい。
「ケンジ様、分かってるとは思いますが」
「ああ、ダイヤに関する魔人能力は使わん。使うまでも無い。これはAだな」
「ああ、ダイヤに関する魔人能力は使わん。使うまでも無い。これはAだな」
「「「「えっ」」」」←ラスボスがAを選び一気に不安になる人々
「えっ」←ラスボスがAを選び少し希望が見えた人
流石この世界そのものの支配者、堂々の正解です。
「正解発表〜!」
バンッ
バタン
バンッ
バタン
バンッ
「おめでとう〜!」
格付けマスターは一回Bにフェイント入れてからAの扉を開けた。Bの連中は喜びから悲しみに、ケンジとロハは悲しみから喜びに投げ出された。
「正解のお二人お見事でした〜!そして、不正解のお前ら、反省せい!」
ドゲザザザザザー!
Bを選んてしまったジョバンニ達四人が並んでスライディング土下座で皆の前に現れる。
Bを選んてしまったジョバンニ達四人が並んでスライディング土下座で皆の前に現れる。
「お前らしっかりせいよ!はい、とゆー訳で現在の状況はこちら!」
一流:黒幕
普通:貴婦人と従者、魔法少女、裏街道、ツッコミ
二流:王道主人公
普通:貴婦人と従者、魔法少女、裏街道、ツッコミ
二流:王道主人公
「順当に黒幕がトップ、二問とも間違えた主人公どもは後半に期待やね。ほんじゃちょっとお昼休憩にしよか」
参加者全員に食事が振る舞われる。勿論、成績で食事内容は変わってくる。
一流キープの黒幕は高級中華、普通の四組は肉まんとチャーハン、二流の王道はカップ麺。
「皆さん、後半に備えてごゆっくり楽しんで下さい」
「じ〜っ」
「オラァ!A子、人様の食事欲しがらんとテメーはカップ麺食っとけや!」
「わ、分かりました。…じ~っ」
「じ〜っ」
「オラァ!A子、人様の食事欲しがらんとテメーはカップ麺食っとけや!」
「わ、分かりました。…じ~っ」
格付けマスターに注意されても、A子は他人の食事を物欲しそうな目で見続けていた。
「A子ちゃん、私カップ麺の謎肉欲しかったの。この酢豚と交換してくれない?」
「あ、ありがとうございますファックさん!」
「あ、ありがとうございますファックさん!」
裏でこっそりファックと食事を交換するA子だった。
「さて、休憩中に別室の方を見てみましょう。ヨニ様、そっちはどうですかー?」
モニターに別室が映されると、高級中華を食べてるヨニの姿があった。どうやら二問とも正解していた様だ。
「ヨニ様一流キープおめでとうございます」
「それはいーんだけど、何で私別室?」
「gackt枠です(お前混ざると企画にならんねん)」
「gackt?私gackt?ふふーん」
「なはは、ほな後半戦行きましょか。三問目は小説、片方は作者の書いた小説、もう片方はAIに書かせた小説を手直ししたものとなっとります」
「それはいーんだけど、何で私別室?」
「gackt枠です(お前混ざると企画にならんねん)」
「gackt?私gackt?ふふーん」
「なはは、ほな後半戦行きましょか。三問目は小説、片方は作者の書いた小説、もう片方はAIに書かせた小説を手直ししたものとなっとります」
【Aの小説】
ステッキの先からうんこを無限に出す魔法少女明日歩、大量にカレーを食べて体内のカロリーを炎にして口から出す魔法少女ギャラハッド。この二人で合体魔法うんこカレーを作る事になった。
ステッキの先からうんこを無限に出す魔法少女明日歩、大量にカレーを食べて体内のカロリーを炎にして口から出す魔法少女ギャラハッド。この二人で合体魔法うんこカレーを作る事になった。
「うんこカレーを作れば、みんな餓え死ぬ事はない!」
明日歩はそう主張するが、ギャラハッドは迷った。
「やだよ、だって……うんこをカレーにするなんて、よく考えたら汚いよ……。うんこをカレーにするぐらいなら、私は脱いじゃう!」
脱ぐな。
「でも、うんこカレーは作らないといけないの。だって、うんこカレーを作らないと、みんな餓えて死ぬから!」
「そんな……私達は、うんこを食べるしかないの……?」
「そんな……私達は、うんこを食べるしかないの……?」
その時、一人の魔法少女が立ち上がった!
「僕が……うんこを食べるよ!」
その魔法少女は、かつて
『うんこを食べない魔法少女』
として有名だった魔法少女いっぽである。
『うんこを食べない魔法少女』
として有名だった魔法少女いっぽである。
「僕は……もう逃げない! この命に変えても、うんこを食べ尽くす!」
終わり
【Bの小説】
ステッキの先からうんこを無限に出す魔法少女明日歩、大量にカレーを食べて体内のカロリーを炎にして口から出す魔法少女ギャラハッド。この二人で合体魔法うんこカレーを作る事になった。
ステッキの先からうんこを無限に出す魔法少女明日歩、大量にカレーを食べて体内のカロリーを炎にして口から出す魔法少女ギャラハッド。この二人で合体魔法うんこカレーを作る事になった。
「でも合体魔法うんこカレーってどうやるの?」
「説明するわ!まず、私がギャラハッドのお尻にステッキを押し込む!」
「説明するわ!まず、私がギャラハッドのお尻にステッキを押し込む!」
ブスリッ。ステッキからうんこが流れて来てギャラハッドの身体が膨らみだす。
「痛い!痛いよ!うんこで破裂して死んじゃう!」
「今よ、身体に溜まったうんこを炎にして口から出すの」
「今よ、身体に溜まったうんこを炎にして口から出すの」
明日歩の指導は的確だった。無限の炎を獲得した二人は魔法大会を優勝し、昨年覇者のいっぽをも下した。
「ふっ、負けた。うんこカレーは強い」
だが、口がうんこ臭い新王者は人気にならなかった。
終わり
「さあ、どちらが作者が百%自力で書いた小説かおわかりになりましたでしょうか?この問題は読者の皆さんも最後までお考え下さい!」
今回は全チーム一斉に回答。結果は以下の通り。
A:魔法少女、裏街道、ツッコミ
B:黒幕、王道、貴婦人
B:黒幕、王道、貴婦人
「綺麗に分かれましたね。ほな、それぞれ理由を聞いてみましょうか。A選んだ小説のお題になった魔法少女チーム!」
「Aの方が作者の変態性が出てたと思うわ!突然ギャラハッドさんが脱ごうとするのとか!」
「Aの方が作者の変態性が出てたと思うわ!突然ギャラハッドさんが脱ごうとするのとか!」
確かに、そこは作者の性癖ポイントかも知れない。
「続いて裏街道!どうしてAが作者の小説と?」
「Bの話は誰でも思いつくからね。あれはAI特有の話作り。僕の目は誤魔化せないよ」
「Bの話は誰でも思いつくからね。あれはAI特有の話作り。僕の目は誤魔化せないよ」
それも分かる。中々の説得力だ。
「チームツッコミ!お前らはどうや?」
「Bの話はストーリーが真っ直ぐ過ぎるよ。Aを書く方が頭を使いそうと思ったよ」
「Bの話はストーリーが真っ直ぐ過ぎるよ。Aを書く方が頭を使いそうと思ったよ」
頭を使わないと書けない文章かどうかでの判断。それもありだ。
「続いてB選んだ奴ら!黒幕はなんでB選んだの?」
「この作者はアナル大好きだからな。ワシはBを見た瞬間に分かった」
「この作者はアナル大好きだからな。ワシはBを見た瞬間に分かった」
作者の癖を知っていたから、それは大きなアドである。
「王道!お前らは?」
「Aの文章は前半と後半で突然話が変わる不自然さがあった。だからBと思った」
「Aの文章は前半と後半で突然話が変わる不自然さがあった。だからBと思った」
文章自体の自然さに目を付けた、果たしてそれが正しいのか?
「最後!チーム貴婦人!」
「Aの話、起承転結になってないプ。一応話が完結してるBにしたプ」
「全チーム意見が出たとこで正解発表〜!不正解の席に金ダライが落下します!」
「Aの話、起承転結になってないプ。一応話が完結してるBにしたプ」
「全チーム意見が出たとこで正解発表〜!不正解の席に金ダライが落下します!」
ガガガがガガン!
Aを選んだチームの頭に金ダライが落下した。
Aを選んだチームの頭に金ダライが落下した。
「正解はB〜!魔法少女・裏街道・ツッコミはワンランク降格ー!」
【作者からの一言:AIの方が私より面白いかも知れない。ショック】
「それでは次が最終問題です!最後のお題はビーフシチュー!なお、この問題は三択となっており、正解したらワンランク昇格します!その代わり、絶対アカン選択肢を選んだらその時点で映す価値なしとなります!」
参加者達に緊張が走る。この選択、絶対に間違えられない!
ちなみに現状ランクはこうだ。
一流:黒幕
普通:貴婦人と従者
二流:王道主人公、、魔法少女、裏街道、ツッコミ
普通:貴婦人と従者
二流:王道主人公、、魔法少女、裏街道、ツッコミ
「正解はクソデカ上海名物クソデカビーフシチュー!不正解は監獄で囚人に出すビーフシチュー!絶対選んだらアカンのは私の作ったビーフシチュー!さあ、まずはチーム黒幕のお二人から!」
【黒幕もぐもぐ中】
ここまで一流をキープしてきたラスボスコンビ、最後まで一流でいられるか?
ここまで一流をキープしてきたラスボスコンビ、最後まで一流でいられるか?
「これは簡単だな。Aだ」
Aを一口食べた時点で、ケンジは答えを確信した。
「BやCを食べる必要なぞ無い。これがクソデカビーフシチューだ」
「待ってよケンジ!もう少し慎重に行かないと!せめて、Aのももっとスプーンすくって食べて!」
「待ってよケンジ!もう少し慎重に行かないと!せめて、Aのももっとスプーンすくって食べて!」
ポチャン。
ファックに促され、ケンジは再度Aを食べて首を傾げる。
「んん?これこんな味だったか?」
「ほらー、ちゃんと具材まで食べないと分かんないでしょ!」
「ほらー、ちゃんと具材まで食べないと分かんないでしょ!」
結局全部のシチューを食べて出した答えは!
「Cだ!」
「Aよ!ケンジ、アンタ最初Aって言ったじゃない!」
「それなんだがな、Aの二口目で口の中に煮込み損ねた固い肉が入っていた。よって絶対アカンのがA、Aに近い味付けのBが監獄メシで残ったCが正解だ」
「私は気付かなかったけど、そんな肉が混ざってたんだ。んじゃ、変えるね」
「Aよ!ケンジ、アンタ最初Aって言ったじゃない!」
「それなんだがな、Aの二口目で口の中に煮込み損ねた固い肉が入っていた。よって絶対アカンのがA、Aに近い味付けのBが監獄メシで残ったCが正解だ」
「私は気付かなかったけど、そんな肉が混ざってたんだ。んじゃ、変えるね」
ファック、ケンジの舌と知識を信じてCに変更。これがどうでる?
【王道もぐもぐ中】
「最後だし当てたいな」
「そうだな」
「ですね、せーの!」
「そうだな」
「ですね、せーの!」
塔也B、残りの二人A。
「AかBかで迷ったんだよな〜。けど、お前らに合わせるわ。チョコレートで俺大恥かいたし」
貧乏舌の塔也が折れてAに変更。これが吉と出るか凶と出るか?
【貴婦人もぐもぐ中】
「Bプ」
「Bだ」
「Bプ」
「Bだ」
貴婦人と従者、最後は仲良くBを選択。
「Bのビーフシチューは具が口の中でほろほろと溶けたプ。これはガスを使って温度管理しながら長時間煮込んだプロの仕事だプ」
シニョ山婦人、ナスにチョを挟んでるのをナチョスと思ってる所もあるが、ビーフシチューの知識は正しいのか?
【魔法少女もぐもぐ中】
「屋台街のシチューなら一発で分かるんだけどなー。明日歩ちゃんって臭い飯食べた事あるんだっけ?」
「残念ながらビーフシチューは出なかったわ。けど、うん」
「はいはい、ビーフシチュー食べてる時にそんな話しない!」
「屋台街のシチューなら一発で分かるんだけどなー。明日歩ちゃんって臭い飯食べた事あるんだっけ?」
「残念ながらビーフシチューは出なかったわ。けど、うん」
「はいはい、ビーフシチュー食べてる時にそんな話しない!」
魔法少女は全員バラバラ、ギャラハッドがA、明日歩がB、いっぽがCを選んでいた。ドカ食い大好きギャラハッドの舌を信じるか、うんこ大好き明日歩の舌を信じるか、ヒーロー大好きいっぽの舌を信じるか、話し合いが始まった。
「私はAだと思う。ま、おこちゃま達にはこの味は分からなかったかもだけど」
「何だとこの野郎。そうか、ギャル曽根君は忘れてしまったから分からないんだろうね。Cのビーフシチューから感じ取れるヒーローソーセージの味を」
「一流のビーフシチューにヒーローソーセージなんか入ってる訳ないでしょ」
「二人とも喧嘩しないで、どんな食べ物もうんこになれば皆一緒よ!」
「「お前、この企画の趣旨分かってないだろ」」
「何だとこの野郎。そうか、ギャル曽根君は忘れてしまったから分からないんだろうね。Cのビーフシチューから感じ取れるヒーローソーセージの味を」
「一流のビーフシチューにヒーローソーセージなんか入ってる訳ないでしょ」
「二人とも喧嘩しないで、どんな食べ物もうんこになれば皆一緒よ!」
「「お前、この企画の趣旨分かってないだろ」」
散々話し合ったが決着せず、じゃんけんで田舎チョキ出して勝った明日歩の意見が採用されBの部屋に。
「B、B、BはビーフのB〜、シニョ〜、オッスオッス!」
「不安だねえ」
「マジヤバいかも」←主人公なのに消えるかも知れない
「え、僕が居ると不安なのプ?」
「不安だねえ」
「マジヤバいかも」←主人公なのに消えるかも知れない
「え、僕が居ると不安なのプ?」
貴婦人チームと一緒になり不安になる魔法少女チーム。シニョ山婦人の知識と明日歩の直感は正解なのか、うんこなのか?
【裏街道もぐもぐ中】
「ビーフシチューやカレーって匂いが残るから、仕事中は食えないんだよな」
「ジョバンニ、結果が出る前から言い訳?」
「ちけぇよ!これはただの感想!で、爪屋さんはこういう時に知恵袋は無いのか?」
「はい。爪の健康状態は食事と睡眠で決まりますので、こうして目を塞がれても食事の栄養バランスから推理は可能です」
「ビーフシチューやカレーって匂いが残るから、仕事中は食えないんだよな」
「ジョバンニ、結果が出る前から言い訳?」
「ちけぇよ!これはただの感想!で、爪屋さんはこういう時に知恵袋は無いのか?」
「はい。爪の健康状態は食事と睡眠で決まりますので、こうして目を塞がれても食事の栄養バランスから推理は可能です」
そしてアイマスクをとった倒萩はAの札を上げる。
「まずBのシチューは栄養士が細かく計算して作った一番完成度の高いものでした。ですのでこれは不正解。囚人に出す為のシチューだと思います。そしてCのシチューは使ってるルーが家庭用のでしたので直ぐに格付けマスター様のものと分かりました。残ったA、具が少し大きめで炭水化物か多い観光客受けの良い味。クソデカ上海に来た観光客をもてなす食事としてはこれがベストだと思いました」
「俺もそう思った」
「ジョバンニ〜」
「俺もそう思った」
「ジョバンニ〜」
倒萩に頼り切ってAの部屋に。それでいいのかお前ら?
【ツッコミもぐもぐ中】
「和夫君、正直言うとアタシはビーフシチュー全部美味しかったです」
「僕も。でも、一問目で適当に選んで駄目だったからちゃんと考えようよ」
「和夫君、正直言うとアタシはビーフシチュー全部美味しかったです」
「僕も。でも、一問目で適当に選んで駄目だったからちゃんと考えようよ」
チームツッコミ、突っ込まれる様な答えはもう勘弁だぜ〜、さあ有終の美を飾れるかー?
「「せーの!」」
ロハはB、和夫はCを選択。
「どれが正解かは分からないけど、格付けマスターのシチューだけは避けたかった。Bは他より具が小さくて味が少し薄かったから、料理に不慣れなオッサンのシチューでは無いと思う。逆にCはマスターのシチューぽいと思ったわ」
「僕も大外れはどれかで考えてたんだけど、僕はBがマスターのシチューと思ったんだ。一番味がしなかったから、失敗したのかなって。AとCは方向性は違ってもどちらも味がしっかりしてた」
「…待って、それじゃあアタシも和夫君もAが一番美味しかったと思ったのよね」
「僅差だけどね」
「じゃあAにする?」
「僕も大外れはどれかで考えてたんだけど、僕はBがマスターのシチューと思ったんだ。一番味がしなかったから、失敗したのかなって。AとCは方向性は違ってもどちらも味がしっかりしてた」
「…待って、それじゃあアタシも和夫君もAが一番美味しかったと思ったのよね」
「僅差だけどね」
「じゃあAにする?」
チームツッコミ、長々と話した末にどちらも選んで無かったAに変更。なんじゃそら〜!
「さあ、これで最終問題回答出揃いました。これより正解発表します。まずはワンランクダウンの不正解の
部屋から」
部屋から」
Aの部屋には王道・裏街道・ツッコミ。
Bの部屋には貴婦人と魔法少女。
Cの部屋には黒幕。
Bの部屋には貴婦人と魔法少女。
Cの部屋には黒幕。
果たして不正解の扉は?
バンッ
「残念でしたー!」
開かれたのはBの扉、シニョ山ぁ!やっぱお前、メシの知識適当じゃねえか!つー訳で貴婦人と魔法少女はランクダウンな。
「続きまして正解発表。私が開けた部屋が正解、開かなかった方はそのまま消えます」
「ケンジ、大丈夫なの?この部屋私達だけしか居ないんだけど」←消えるかも
「ケンジ、大丈夫なの?この部屋私達だけしか居ないんだけど」←消えるかも
消えるかも知れないファックは、ケンジにしがみつきながら震えていた。
「わ、私達全員消えちゃうんですかね?」←消えるかも
Aの部屋のA子もファックと同じぐらい震えていた。
格付けマスターは暫く廊下を歩き回り焦らした後、一つの扉を開く。
バンッ
「チーム黒幕、おめでとうー!」
開かれたのはCの扉。そして、格付けマスターは言葉を続ける。
「貴方達は、映す価値無しです!!」
バタン
呆然としているチーム黒幕を置き去りにして勢いよく扉を閉める格付けマスター。その直後、ボワワ〜ンという効果音と共にケンジとファックの姿が消え去った。
バンッ
「Aを選んだ皆さんおめでとう〜!」
という訳で、Aが正解、Bが不正解、Cが選んだらアカンやつだった。
「結果発表ー!」
最後に参加者全員会場広間へ帰ってきて、それぞれの結果を確認する。
普通:王道主人公、裏街道、ツッコミ
二流:、貴婦人と従者
三流:魔法少女
映す価値無し:黒幕
二流:、貴婦人と従者
三流:魔法少女
映す価値無し:黒幕
「まず普通は王道と裏街道とツッコミ!塔也さん、最初はどうなる事かと思いましたが、トラブルバスターズ代表としての面子保てましたねー」
「仲間達が優秀だったおかげだな」
「裏街道の皆さんは終始安定してましたね!けどジョバンニは後で楽屋来い」
「そんな!」
「そんでツッコミの二人は非戦闘員でPCキャラでもないのにホンマよう頑張った!」
「まあ、運が良かっただけですよ」
「仲間達が優秀だったおかげだな」
「裏街道の皆さんは終始安定してましたね!けどジョバンニは後で楽屋来い」
「そんな!」
「そんでツッコミの二人は非戦闘員でPCキャラでもないのにホンマよう頑張った!」
「まあ、運が良かっただけですよ」
普通の人達へのコメントを終えた格付けマスターは、二流の二人の方を向く。一気に顔が険しくなった。
「シニョ山ちゃんさあ、君もっと出来る人と思ったんだけどなあ」
「返す言葉もありませんプ」
「あまり貴婦人を責めないで下され。ソレガシの力不足が招いた事ゆえ」
「まあ君達はあまり責めへんよ。それより問題はこいつらや」
「返す言葉もありませんプ」
「あまり貴婦人を責めないで下され。ソレガシの力不足が招いた事ゆえ」
「まあ君達はあまり責めへんよ。それより問題はこいつらや」
格付けマスターは身を縮ませてる魔法少女達のテーブル(みかん箱)をバンッと叩く。
「三流の三馬鹿!どういう事やねん!お前らこのルートのメインキャラとちゃうんか!」
「その事何だけと、僕達はセックスしないと出られない部屋に穴を開けて早乙女ケンジとザ・ファックを合体前に引きずり出した時点で役割を果たしてるから」
「黙れ!」
「その事何だけと、僕達はセックスしないと出られない部屋に穴を開けて早乙女ケンジとザ・ファックを合体前に引きずり出した時点で役割を果たしてるから」
「黙れ!」
長々と言い訳するいっぽの頭にゲンコツが落ちる。
「知るかボケ!後ギャラハッド!お前、一回戦からずーっとPCを誰一人倒してないやんけ!」
「そ、それを言われると辛い」
「そんで明日歩!お前はもう何もかもうんこや!」
「そんなぁ、褒めてもうんこ以外何も出ないわよ」
「褒めとらへん!まあ、反省会はこんな所にして、締めの挨拶にいきましょか」
「待て待て待て」
「そ、それを言われると辛い」
「そんで明日歩!お前はもう何もかもうんこや!」
「そんなぁ、褒めてもうんこ以外何も出ないわよ」
「褒めとらへん!まあ、反省会はこんな所にして、締めの挨拶にいきましょか」
「待て待て待て」
格付けチェックを終わろうとするマスターに待ったをかけたのは、映す価値無しで肉体を消滅させられたケンジだった。
「おやー?声はすれども姿は見えず。空耳ですかねー?」
「ちゃんとここにおるわ。マスターよ、ワシはこの扱いに納得いつてないのだが」
「いや、こうなったんは間違えたお前らが悪いんやろ」
「ワシは間違えてはおらん。Aのビーフシチューが正解だと?ならば、ワシが飲んだAのシチューに入っていた下処理失敗した肉は何だというのだ」
「ちゃんとここにおるわ。マスターよ、ワシはこの扱いに納得いつてないのだが」
「いや、こうなったんは間違えたお前らが悪いんやろ」
「ワシは間違えてはおらん。Aのビーフシチューが正解だと?ならば、ワシが飲んだAのシチューに入っていた下処理失敗した肉は何だというのだ」
確かにケンジはそんな事を言っていた。しかし、格付けマスターは身に覚えが無かった。問題に不備が無い様に、出題前に全てのシチューは念入りに点検されていた。
スタッフにミスがあったのか、ケンジの勘違いなのか、答えが出ずに悩んでると別室から声が届いた。
「おーいマスター、ここから映像見てて分かったんだけど」
声の主は一流上海人のタスキをかけたヨニだ。
「ヨニ様、全問正解おめでとうございます。ほんで、分かったって何が?」
「ケンジの皿にファックが何か入れてた。撮影中はそっちの事に口出すなって言われてたから黙ってたけど」
「なにぃ!ファック貴様、ワシを裏切ったのか!」
「ケンジの皿にファックが何か入れてた。撮影中はそっちの事に口出すなって言われてたから黙ってたけど」
「なにぃ!ファック貴様、ワシを裏切ったのか!」
透明なケンジが透明なファックを問い詰める。
「知らないわよ!私は格付けチェック中はちゃんと味方として…」
激しく揉み合う中で、何かが床に落ちた。ファックの身体から離れて実体が浮かび上がったそれは、茶色くて楕円形をし、独特の匂いを発していた。
「うんこね!和夫君のお姉さんがうんこを漏らしたわ!」
「た、多分違いますよ、パクッ」
「た、多分違いますよ、パクッ」
明日歩の指摘を否定し、A子がうんこの欠片の様なものを口へ入れた。
「こ、これ、カップ麺の謎肉です。私がファックさんにあげたやつ。隠れてコソコソ交換してた時に、いくつか髪の毛か服にくっついてたんだと思います」
確認の為チーム黒幕がシチュー食べてるシーンを再生すると、ファックがケンジにもっとちゃんと食べろと叫んでる時に謎肉らしきものがケンジの皿に飛んでるのが確認され、審議の結果黒幕チームの自己責任という事で映す価値無しが確定。ついでに、ルール違反して番組が荒れる原因を作ったA子はそっくりさんまで降格させられた。
「はい、という訳でA子様を呼んだはずが、無関係のニートが来ていました!考えてみれば、あの名家のお嬢様がこんな奴な訳無いですからねー」
「わーん!」
「それては新春スペシャルはこれにて終了となります!皆様、良い一年を!」
「わーん!」
「それては新春スペシャルはこれにて終了となります!皆様、良い一年を!」
番組が終了し、格付けマスターはスタジオと共に一瞬で消え去った。そして、映す価値無しになった黒幕達も運命を共にする。
「お、おのれー!結局ワシはファックによって消される運命だったというのか!だが、覚えておけ!このワシは貴様らの管理者!今日は負けにしといてやるが、いつかまた別の姿で現れ貴様らに犯され尽くしてやるぞ!」
「はいはい、帰りますよケンジ。あ、斎藤あやめさんの肉体はここに置いておくね」
「はいはい、帰りますよケンジ。あ、斎藤あやめさんの肉体はここに置いておくね」
斎藤ケンジとザ・ファックの気配が消えると、彼らが立っていた辺りに、和夫の姉あやめの姿が現れた。
「こんにちは、いつも上品がモットー、斎藤あやめです」
「姉ちゃーん!」
「姉ちゃーん!」
がっしと抱き合う斎藤達。こうして、表と裏の黒幕は退場、和夫も姉と再会し全ての問題は解決した。別れた世界は一つに戻り、白髮黒羽や劉炎嵐との連絡もついた。
それから数日後。
魔法少女で居続けると第四の壁の向こうが見えて頭おかしくなりそうという理由で、シニョ山婦人に免許返納したギャラハッドは帰国前に博物館を訪れていた。
「上海は平和になったけど、結局この子は…」
ギャラハッドが見つめる先には、上海の騒動の終了と共にこの世を去った者達の抜け殻が並んでいた。
血の洗い落とされたナイフ、キョンシーが入れられた棺桶、そして動かないホムンクルス。
元々飾られていた場所に置かれた双喜の姿は、生きていた時とは違い一目で人形と分かる質感をしていた。だが、彼女の飾られているショーケースには無数の写真とダブル・ハピネス・キャンペーンの概要が資料として並べられ、彼女が確かに生きていたのだと示していた。
「私はこの子の最後に立ち会えなかったけど、きっとやりたい事やりきったと思う。でも、やっぱりもっと話したかったな」
「なら、貴方もこの子と一緒に来る?」
「なら、貴方もこの子と一緒に来る?」
背後から懐かしい声がした。
「や」
「チンチンマンじゃん。ヤバい状況の時どこ行ってたの?」
「ヤバい状況だから避難してたわ。あーいう時って私みたいな中途半端な戦力が一番死にやすいからね」
「まあ、知り合いが無事で良かった。んで、一緒に来ないかって何の話しよ?」
「私ね、元々はアメリカに住んでたの。実家から帰って来いと言われたから、双喜ちゃんをお土産として持っていく事にしたわ」
「チンチンマンじゃん。ヤバい状況の時どこ行ってたの?」
「ヤバい状況だから避難してたわ。あーいう時って私みたいな中途半端な戦力が一番死にやすいからね」
「まあ、知り合いが無事で良かった。んで、一緒に来ないかって何の話しよ?」
「私ね、元々はアメリカに住んでたの。実家から帰って来いと言われたから、双喜ちゃんをお土産として持っていく事にしたわ」
そう言って、チンチンマンは博物館の職員を呼ぶと、双喜はケースから取り出され、ソックリな人形が双喜の立っていた場所に置かれた。
「チンチンマン、キキちゃん買うお金あったの?清王朝のダイヤモンドぐらい価値があるって聞いたんだけど?」
「それは生きてたらの話でしょ?今はかなり安くなっていたから買う事にしたの。それでもし、この子が購入後に生き返ったら大儲けでしょ?」
「それは生きてたらの話でしょ?今はかなり安くなっていたから買う事にしたの。それでもし、この子が購入後に生き返ったら大儲けでしょ?」
チンチンマンの口ぶりは、生き返る算段があるかの様だった。
「ゑゑ?どーゆー事よ?」
「一人の女のトラウマから生まれた少年、上海のダイヤ騒動を引き金として蘇った亡霊達、双喜はこれらと同様に役割を終えて命を使い果たしたのか?私は違うと思う。彼女が目覚めたのはそこに強い欲望があったから。彼女が眠ったのはこの地から欲望が消えたから」
「えと、つまり?」
「双喜ちゃんは清王朝時代に作られたけど、ダイヤモンドと直接命が連動していた訳じゃないのよ。なら、同じぐらいかそれ以上の欲望が渦巻く地へ連れていけば」
「また起きるかも!でもさ、今回のアレ以上の欲望ってそうは無いっしょ」
「それがあるのよねえ」
「一人の女のトラウマから生まれた少年、上海のダイヤ騒動を引き金として蘇った亡霊達、双喜はこれらと同様に役割を終えて命を使い果たしたのか?私は違うと思う。彼女が目覚めたのはそこに強い欲望があったから。彼女が眠ったのはこの地から欲望が消えたから」
「えと、つまり?」
「双喜ちゃんは清王朝時代に作られたけど、ダイヤモンドと直接命が連動していた訳じゃないのよ。なら、同じぐらいかそれ以上の欲望が渦巻く地へ連れていけば」
「また起きるかも!でもさ、今回のアレ以上の欲望ってそうは無いっしょ」
「それがあるのよねえ」
チンチンマンはパスポートを取り出し、ギャラハッドに向かって開いてみせた。そこには、チンチンマンの本名が書かれてあった。
「ティンクル・ゴールドマン?ゴールドマンってもしかして」
「そう。昨年馬鹿みたいなギャンブル大会で後継者決めて弱体化した一族よ」
「そう。昨年馬鹿みたいなギャンブル大会で後継者決めて弱体化した一族よ」
嘗ては世界の経済を支配していたとされるゴールドマン一族、その支配は当主の遺言をきっかけに崩れ去った。
「今回の騒動も、ゴールドマン一族の影響力が弱まり、チャイニーズが調子に乗った事が原因の一つ。私は、上海の政治と経済をゴールドマン一族の支配下に置くために派遣されてたの」
「何か裏があるかなって思ってたけど、私の想像よりヤバい人だった。怖っ!」
「それでね、失敗した私はこうして双喜ちゃんを手土産に本部に頭を下げに行かなきゃならないんだけど…信頼できるボディガードが欲しいのよね」
「何か裏があるかなって思ってたけど、私の想像よりヤバい人だった。怖っ!」
「それでね、失敗した私はこうして双喜ちゃんを手土産に本部に頭を下げに行かなきゃならないんだけど…信頼できるボディガードが欲しいのよね」
ギャラハッドはチンチンマンの狙いを理解した。彼女はゴールドマン一族の派閥争いに双喜を巻き込んで交渉のカードとし、あわよくば復活させようとしている。そして、双喜に負い目のあるギャラハッドなら、命懸けで彼女を護る為に動くと踏んでいるのだ。
「分かりました。着いていきます。けど、その前にお土産買いに」
「ええ、いいわよ」
「ええ、いいわよ」
自分と双喜の分の食べ物を買いながら、ギャラハッドは他の世界の事へ思いを馳せた。
魔都と上海の二つに割れた世界は元に戻ったが、こことは別に十九の世界が存在している。その中には、双喜が生きている世界や自分が死んでしまう世界もあったのだろうか。
「まあ、知らんけど」
魔法少女の力に適応しなかったギャラハッドは、この世界しか見えないから考えるだけ無駄な事だ。今はこれからの事、まだ精算しきっていない先祖の罪を償う事を考えてギャラハッドはアメリカ行きの飛行機へ乗り込んだ。
シークレットEnd2『そして新たな戦場へ』