『やちよさんが自分のせいで誰かが死ぬって思ってるなら、私がそうじゃない前例になります』
嘘つき
『やちよさんの願いがねじ曲げられてしまったのなら…私はそれを撥ね退けてみせる。それくらいできます!』
嘘つき
『私、簡単に死んだりしません。約束します。やちよさん』
いろはの、嘘つき
◆
トドメを刺すべく槍を振り下ろせば、伝わって来るのは肉を貫いた不快感。
長年の戦いで慣れてしまった、命を奪う感覚。
初めて魔女対峙に挑んだ時はどうだっただろうか。
あの頃はどうしようもなく弱くて、魔女を倒すどころか生き延びるだけでも精一杯だったっけ。
長年の戦いで慣れてしまった、命を奪う感覚。
初めて魔女対峙に挑んだ時はどうだっただろうか。
あの頃はどうしようもなく弱くて、魔女を倒すどころか生き延びるだけでも精一杯だったっけ。
不意に浮かんだ過去への感傷は、短い悲鳴により掻き消される。
得物を引き抜くと、途端に濁った血が溢れた。
目が痛くなるような紫の胴体に、頭部からは二本の角。
悪魔と呼ぶのが相応しい見た目のソレらの死体が4体、今殺した分も含めれば5体転がっている。
魔力パターンが明らかに違い、結界が展開されていない事から魔女やウワサの使い魔ではないようだが中々に力はあった。
神浜市の強力な魔女に慣れていない魔法少女だったら、あっという間に切り刻まれていただろう。
得物を引き抜くと、途端に濁った血が溢れた。
目が痛くなるような紫の胴体に、頭部からは二本の角。
悪魔と呼ぶのが相応しい見た目のソレらの死体が4体、今殺した分も含めれば5体転がっている。
魔力パターンが明らかに違い、結界が展開されていない事から魔女やウワサの使い魔ではないようだが中々に力はあった。
神浜市の強力な魔女に慣れていない魔法少女だったら、あっという間に切り刻まれていただろう。
青い衣装の魔法少女、七海やちよには関係の無い話だ。
キュゥべえと契約し早7年という歳月は、他の魔法少女を寄せ付けない圧倒的な強さをやちよに齎した。
戦闘のエキスパートであるデーモン数体が相手になったとて、そう易々と後れは取らない。
勝利への感慨に浸る事も無く、変身を解きソウルジェムを確認する。
穢れは大したことない。今すぐグリーフシードが入り用ではないが、やちよの表情は晴れない。
調整屋で都合して貰ったグリーフシードは懐から綺麗さっぱり消え失せており、デイパックにも入っていなかった。
神浜市にいる間は魔女にならないと知っていても、そう頻繁にドッペルを出すのが危険なのも事実。
そもそもここが神浜市かどうかすら判断が付かない。
キュゥべえと契約し早7年という歳月は、他の魔法少女を寄せ付けない圧倒的な強さをやちよに齎した。
戦闘のエキスパートであるデーモン数体が相手になったとて、そう易々と後れは取らない。
勝利への感慨に浸る事も無く、変身を解きソウルジェムを確認する。
穢れは大したことない。今すぐグリーフシードが入り用ではないが、やちよの表情は晴れない。
調整屋で都合して貰ったグリーフシードは懐から綺麗さっぱり消え失せており、デイパックにも入っていなかった。
神浜市にいる間は魔女にならないと知っていても、そう頻繁にドッペルを出すのが危険なのも事実。
そもそもここが神浜市かどうかすら判断が付かない。
「どういう状況なの、これ……」
現在の状況はやちよにとって何もかもが不可解だ。
気が付いたら身動きが取れなくなり、リーゼントの少年が殺され、見知らぬ男と化け物に殺し合い(デュエル)を強要された。
不覚にも気付かぬ内にウワサに足を踏み入れ巻き込まれたかとも考えたのだが、このような噂は聞いたことが無い。
気が付いたら身動きが取れなくなり、リーゼントの少年が殺され、見知らぬ男と化け物に殺し合い(デュエル)を強要された。
不覚にも気付かぬ内にウワサに足を踏み入れ巻き込まれたかとも考えたのだが、このような噂は聞いたことが無い。
他に可能性の高いものとしては、マギウスの翼のよからぬ計画。
具体的にどれくらいかは不明だが、マギウスの翼の規模は組織として決して小さくないだろう。
こういった大掛かりな計画の運営を行うくらいはやってのけそうだ。
連中が掲げる魔法少女の解放と殺し合いがどう繋がるかは知り様が無いものの、死者が出ている時点で唾棄すべき内容だろう事は分かる。
具体的にどれくらいかは不明だが、マギウスの翼の規模は組織として決して小さくないだろう。
こういった大掛かりな計画の運営を行うくらいはやってのけそうだ。
連中が掲げる魔法少女の解放と殺し合いがどう繋がるかは知り様が無いものの、死者が出ている時点で唾棄すべき内容だろう事は分かる。
しかしこれがマギウスの翼の手によるものだとしたら、疑問も生まれて来る。
最初に殺し合いのルール説明をしたのは磯野と言うらしいサングラスの男。
魔法少女で構成された組織が成人男性を駒として使っているのは、首を傾げざるを得ない。
大体ああいった場での司会進行はマギウスの里見灯花自らが行いそうなものであるが。
何より磯野以上にやちよが気になったのは、ハ・デスと名乗った怪物。
あの男を目にした時、やちよは久しく全身が凍り付くような感覚を味わったのだ。
今まで対峙してきた魔女やウワサを凌駕する程の、圧倒的な存在感。
姿を見せ、言葉を口にしただけでハ・デスの持つ尋常ならざる力を感じた。
あれ程の怪物、たとえマギウスの翼であっても御し切れるとは到底思えない。
最初に殺し合いのルール説明をしたのは磯野と言うらしいサングラスの男。
魔法少女で構成された組織が成人男性を駒として使っているのは、首を傾げざるを得ない。
大体ああいった場での司会進行はマギウスの里見灯花自らが行いそうなものであるが。
何より磯野以上にやちよが気になったのは、ハ・デスと名乗った怪物。
あの男を目にした時、やちよは久しく全身が凍り付くような感覚を味わったのだ。
今まで対峙してきた魔女やウワサを凌駕する程の、圧倒的な存在感。
姿を見せ、言葉を口にしただけでハ・デスの持つ尋常ならざる力を感じた。
あれ程の怪物、たとえマギウスの翼であっても御し切れるとは到底思えない。
(結局、何がどうなってるのか分からない、って事ね…)
重苦しいため息をつく。
マギウスの翼が関わっているいないどちらにせよ、魔法少女としてこの馬鹿げた催しを止めたい気持ちはある。
だが同じくらい思う。どうしてこのタイミングでなのか。
正直言って、今はこんな殺し合いに関わっている余裕は無いと言うのに。
マギウスの翼が関わっているいないどちらにせよ、魔法少女としてこの馬鹿げた催しを止めたい気持ちはある。
だが同じくらい思う。どうしてこのタイミングでなのか。
正直言って、今はこんな殺し合いに関わっている余裕は無いと言うのに。
いろはがいなくなった。
記憶ミュージアムの崩壊からやちよを助ける為に、自ら手を離し奈落へと落ちて行った。
あの時やちよは確かに見た、いろはの身体に巻き付いたリボンを。
アレは間違いなく巴マミが魔力で作り出した物。
一度目は水名神社でいろはを魔女と勘違いし、二度目はマギウスの手先と化し襲って来た魔法少女。
マミのリボンに絡め取られたいろはがその後どうなったかは分からない。
だからマギウスの本拠地を突き止め、いろはを取り戻すべく神浜中のウワサを潰して回っているというのに。
記憶ミュージアムの崩壊からやちよを助ける為に、自ら手を離し奈落へと落ちて行った。
あの時やちよは確かに見た、いろはの身体に巻き付いたリボンを。
アレは間違いなく巴マミが魔力で作り出した物。
一度目は水名神社でいろはを魔女と勘違いし、二度目はマギウスの手先と化し襲って来た魔法少女。
マミのリボンに絡め取られたいろはがその後どうなったかは分からない。
だからマギウスの本拠地を突き止め、いろはを取り戻すべく神浜中のウワサを潰して回っているというのに。
よりにもよって何故今なのか。
焦りと苛立ちで端正な顔が歪むのを抑えられない。
焦りと苛立ちで端正な顔が歪むのを抑えられない。
《あなた、まだ分からないの》
酷く耳障りな声がした。
誰なのかは考えずとも分かる。
誰なのかは考えずとも分かる。
《いつまで無駄な事を続けるのかしら》
あの時と同じだ。
いろはの死を否定するやちよを嘲笑うように囁く。
いろはの死を否定するやちよを嘲笑うように囁く。
《環いろはは死んだのよ?》
《あなたの願いのせいで、あなたと関りを持ってしまったせいで》
《何時まで現実から目を背けるの?》
相変わらずこちらの心を容赦なく抉るような言葉の数々。
聞く必要は無いと思っていても、体が震え出す。
聞く必要は無いと思っていても、体が震え出す。
《かわいそうな環いろは。あんなにあなたを信じていたのに、あなたの願いで殺されるなんてね》
「黙れっ!!!」
耐え切れずにやちよは叫ぶ。
周囲を射殺さんばかりに睨みつけ、激情のままに言葉を叩きつけた。
周囲を射殺さんばかりに睨みつけ、激情のままに言葉を叩きつけた。
「勝手なことばっかり言わないで!いろはは死んでない!あの娘は、私と約束したのよ!
死んだりしないって!傍にいてくれるって!」
死んだりしないって!傍にいてくれるって!」
いろはが生きていると信じているからか、或いは最悪の結果から目を逸らす為か。
血を吐くようなやちよの叫びに、声はもう聞こえなくなった。
血を吐くようなやちよの叫びに、声はもう聞こえなくなった。
興奮冷めやらぬまま、やちよは足早にその場を去る。
とにかく、マギウスの翼が無関係ならば早急に殺し合いを止めた後脱出。
反対に関わっているなら好都合、どうにか引き摺り下ろしていろはの居場所を吐かせた後潰してやる。
グリーフシードの確保も必要だろう。じっとしている暇は無い。
とにかく、マギウスの翼が無関係ならば早急に殺し合いを止めた後脱出。
反対に関わっているなら好都合、どうにか引き摺り下ろしていろはの居場所を吐かせた後潰してやる。
グリーフシードの確保も必要だろう。じっとしている暇は無い。
(いろはは絶対に生きている……。邪魔をするならマギウスじゃなくても容赦はしない…!!)
自分を壊してしまいそうな怒りを抱え、先の見えぬ暗闇を射抜く。
その瞳は希望を与える魔法少女とは思えない程に、苛烈な色を伴っていた。
その瞳は希望を与える魔法少女とは思えない程に、苛烈な色を伴っていた。
【七海やちよ@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
[状態]:魔力消費(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~3(確認済み、グリーフシードは無い)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。
1:殺し合いにマギウスの翼が関わっているのなら引き摺り下ろし、いろはの情報を吐かせる。
2:殺し合いにマギウスの翼が関わっていないのなら、早急に脱出。
3:グリーフシードを手に入れておきたい。
[備考]
※参戦時期はセカンドシーズン2話で黒江と遭遇する前。
※ドッペルが使用可能かどうかは後続の書き手に任せます。
[状態]:魔力消費(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~3(確認済み、グリーフシードは無い)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。
1:殺し合いにマギウスの翼が関わっているのなら引き摺り下ろし、いろはの情報を吐かせる。
2:殺し合いにマギウスの翼が関わっていないのなら、早急に脱出。
3:グリーフシードを手に入れておきたい。
[備考]
※参戦時期はセカンドシーズン2話で黒江と遭遇する前。
※ドッペルが使用可能かどうかは後続の書き手に任せます。
『NPC紹介』
【デーモン・ソルジャー@遊戯王OCG】
通常モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1900/守1500
デーモンの中でも精鋭だけを集めた部隊に所属する戦闘のエキスパート。
与えられた任務を確実にこなす事で有名。
【デーモン・ソルジャー@遊戯王OCG】
通常モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1900/守1500
デーモンの中でも精鋭だけを集めた部隊に所属する戦闘のエキスパート。
与えられた任務を確実にこなす事で有名。