「うわぁ~!スッゴく綺麗!」
和服姿の少女……新生・帝国華撃団花組の隊員である天宮さくらは、
目の前に広がる雄大な景色を眺めて思わずそんな感想を口にした。
目の前に広がる雄大な景色を眺めて思わずそんな感想を口にした。
とはいえ、ここは観光地でもリゾートでもなく、殺し合いの場。
景色に見とれている場合ではない。
景色に見とれている場合ではない。
ボヤボヤしてると後ろからバッサリなのだ。
「誠十郎さん……は、いないか」
周囲にはさくらが思いを寄せる隊長や信頼する花組の仲間達の姿は無い。
参加させられたのはさくらだけなのか?
それとも会場のどこかにいるのか?
それとも会場のどこかにいるのか?
今の段階では見当もつかなかった。
ここは自分で何とかするしかない。
そう思ってさくらはデイパックを開いて、自身の支給品を確認した。
そう思ってさくらはデイパックを開いて、自身の支給品を確認した。
「……これは」
デイパックから最初に出てきたのは、黒を基調にグロテスクな装飾が施されたゴツい西洋式の大剣だった。
「西洋の剣か……できれば日本刀の方が良かったかな?」
多少の文句を言いつつも、さくらはその剣を手にして型通りに降ってみる。
愛刀である天宮國定に比べて少々重かったが、振るえない程ではない。
愛刀である天宮國定に比べて少々重かったが、振るえない程ではない。
また、さくらのデイパックには他に武器になりそうな物は入っておらず、当面はこれで我慢するしかなさそうだった。
支給品の確認を終えると、さくらはいつもは天宮國定を下げている左脇に大剣を下げ、自身のデイパックを肩に担いだ。
「よし!」
準備を終え、さくらが歩きだそうとした……その時だった。
「……きゃあっ!」
突然、尻を撫でられるような感覚がさくらを襲ったのだ。
「だ、誰かいるんですか!?」
顔を赤くし尻を両手で押さえながら、慌て周囲を見渡すさくらだったが……先程確認した通り、周囲にさくら以外の人影は一つも無かった。
「……?」
気のせいだったのかな?
そう思ってさくらは再び歩きだした……が、
そう思ってさくらは再び歩きだした……が、
「キャアアア!!」
今度は胸を触られる……どころか、両乳房をグワシっ!と鷲掴みにされるような感覚に襲われ、さくらは両手で胸を隠しながらその場に屈み込んだのだった。
「だ、誰!?誰なんですか!?」
さくらはまた周囲を見渡したが、やはり人影らしき物は全く見えなかった。
「???」
何が何だか分からず、さくらは少し泣きそうになりながらも、とぼとぼと歩きだしたのだった。
(ぐふふふふ……)
その時。
さくらの左腰にぶら下がる剣が、静かにほくそ笑んだ。
よく見れば、その剣の鯉口には顔のような物が見てとれるだろう。
さくらの左腰にぶら下がる剣が、静かにほくそ笑んだ。
よく見れば、その剣の鯉口には顔のような物が見てとれるだろう。
(やーっと、やぁーっと、ピチピチギャル(死語)の使い手じゃ♡いやぁ~長かったのぉ~♪︎)
この剣の名は『魔剣カオス』。
ルドラサウムというクジラみたいな超越存在が産み出したとある大陸において、
『最強』を誇る『魔人』と呼ばれる存在を傷つけられる意思を持つ伝説の剣の一振りである。
ルドラサウムというクジラみたいな超越存在が産み出したとある大陸において、
『最強』を誇る『魔人』と呼ばれる存在を傷つけられる意思を持つ伝説の剣の一振りである。
ただし……その中身はとんでもないスケベ親父。
長い剣としての一生で、
男ばかりに使われてきた鬱憤を、
この場で晴らす気満々であった。
長い剣としての一生で、
男ばかりに使われてきた鬱憤を、
この場で晴らす気満々であった。
(むふ~♪︎えぇの~♪︎えぇの~♪︎ピッチピチのムチムチ(死語)じゃわい♡では、もう一回……)
カオスの刀身から、目に見えないオーラの触手が伸びていく。
その先端はワキワキと卑猥な動きをして、袴の上からでもほどよく鍛えられている事が分かるさくらの尻を撫でようと……した所で空を切った。
(あれ……?)
カオスはもう一度オーラの触手を伸ばしてみるも……やはり、さくらの尻にはたどり着かない。
というか……さくらの左腰にぶら下がっていたはずなのに、
何だか目線が先ほどよりも高くなっていた。
何だか目線が先ほどよりも高くなっていた。
(えぇっと……)
そこでカオスは自身の頭の上、すなわち柄の部分を掴まれている事に気がついた。
そして視線を前に向けると……そこには、さくらの顔があった。
「へぇ~……貴方の仕業だったんですか……」
さくらは口調こそ穏やかだったが、まるで汚い物を見るような、軽蔑するような視線をカオスに向けており、
眉毛の端はピクピクと痙攣して、額にはうっすら青筋が浮かんでいたのだった。
眉毛の端はピクピクと痙攣して、額にはうっすら青筋が浮かんでいたのだった。
「いや……あの……」
「あっ、喋れるんですか?喋る剣なんて初めて見ましたけど、あれだけやったんだから覚悟はできてますよねぇ~?」
「あっ、喋れるんですか?喋る剣なんて初めて見ましたけど、あれだけやったんだから覚悟はできてますよねぇ~?」
それだけ言うと、さくらはカオスの柄から手を離した。
カオスの刀身は重力に従って地面に落ち、
カキーンという金属音を周囲に響かせた。
カオスの刀身は重力に従って地面に落ち、
カキーンという金属音を周囲に響かせた。
「な、何を!?」
さくらはカオスの言葉に耳を貸すこと無く……
カオスの刀身を踏みつけ始めた。
カオスの刀身を踏みつけ始めた。
「ちょっ!ちょっと待て嬢ちゃん!止めるんじゃ!」
カオスが止めるように懇願しても、さくらはカオスの刀身を何度も踏みつける。
何度も、何度も。
何度も、何度も、何度も。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も……。
「ちょっ!本当、待ってくれ!!ワシが悪かった!ワシが悪かったから!!」
カオスが謝罪の言葉を口にしても、さくらの踏みつけは止まらないどころか段々威力が上がっていくようだった。
その姿はまるで、怒り狂う鬼神のようであった。
さくらがカオスを踏みつけ始めて……だいたい10分程経った時である。
「ちょ、ちょっと貴女!何してるの!?」
別の参加者がそこに通りがかり、カオスを踏みつけ続けるさくらを見て唖然となった。
ビスチェと剣闘士の鎧を組み合わせたようなコスチュームを着た、さくらよりも少しばかり年上の女性だ。
コスチューム姿の女性はさくらを羽交い締めにし、カオスに対する折檻を止めさせたのだった。
「ちょっと!何があったか知らないけど、落ち着きなさい!」
「は、離して!離して下さい!女の敵に誅伐を!」
「おぉ!お姉ちゃん頼む!助けてくれ!!この嬢ちゃん、話聞いてくれんのじゃ!」
「は、離して!離して下さい!女の敵に誅伐を!」
「おぉ!お姉ちゃん頼む!助けてくれ!!この嬢ちゃん、話聞いてくれんのじゃ!」
喋る剣に折檻を行う和装の少女、そしてその和装の少女を羽交い締めにする鎧姿の女性……それは端から見ると、なんともカオスな光景であった。
☆☆☆
それから更に15分後……
「ふぅ~ん……なるほど。話は分かったわ」
ようやく落ち着いたさくらとカオス双方から話を聞いたコスチューム姿の女性……ダイアナと名乗った……は、さくらと共に両腕を組みながら、地面に横たわるカオスに向けて軽蔑するような視線を送っていた。
「……私も、意思を持つ剣なんて初めて見たけど……ここまでスケベな剣があったとは驚きだわ」
「全くですよ!」
「全くですよ!」
ダイアナの言葉にさくらは鼻息を荒くしながら同意する。
あまり、うら若き女性がしてはいけない姿だった。
あまり、うら若き女性がしてはいけない姿だった。
「なんじゃいなんじゃい!ワシばっかり悪者扱いしおって!」
女性2名から蔑まれ、カオスは不機嫌そうにカタカタと刀身を振るわせた。
「ワシは魔人も切れる伝説の魔剣じゃぞ!良いではないか!?ちょっと胸や尻、お触りするくらい!減るもんじゃなしに!まん◯触られるよりはマシじゃろうが!?」
『………』
『………』
全く反省する様子が無いカオスの態度に、さくらだけでなく、ダイアナも『一人の女性』として……静かに切れた。
「……こいつ、叩き折りましょうか?それとも、ハンマーか何かで粉々にする?」
「手緩いです!溶鉱炉か何かに放り込んで、ドロドロに溶かしちゃいましょう!!」
「……すいません。調子乗りました。命だけはご勘弁を」
「手緩いです!溶鉱炉か何かに放り込んで、ドロドロに溶かしちゃいましょう!!」
「……すいません。調子乗りました。命だけはご勘弁を」
……女性2名がにこやかに自分の処刑方法を相談し合う姿を間近で目撃し、流石のカオスも早口で謝罪するしかなかった。
☆☆☆
その後、カオスは『今後決してセクハラ行為を行わない』という条件を泣く泣く受け入れ、何とか助命されたのだった。
「良いですか!?今度またあんな事したら、重り付けて海に沈めますからね!?」
「は、はい……」
「は、はい……」
さくらの左腰にぶら下がりながら、カオスは情けない返事をする。
その様子を眺めながら、ダイアナは肩を竦めたのだった。
まる
その様子を眺めながら、ダイアナは肩を竦めたのだった。
まる
【天宮さくら@新サクラ大戦】
[状態]:健康、不機嫌、まだ少し怒り
[装備]:魔剣カオス@Ranceシリーズ
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2(内容は確認済み)
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:この剣サイテー!!でも、しばらくはこれで我慢しないと……
2:花組の仲間がいるなら合流する
3:とりあえず、ダイアナさんと行動する
[備考]
アニメ版からの参戦
[状態]:健康、不機嫌、まだ少し怒り
[装備]:魔剣カオス@Ranceシリーズ
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2(内容は確認済み)
[思考・状況]
基本:会場からの脱出
1:この剣サイテー!!でも、しばらくはこれで我慢しないと……
2:花組の仲間がいるなら合流する
3:とりあえず、ダイアナさんと行動する
[備考]
アニメ版からの参戦
【ダイアナ(ワンダーウーマン)@DCエクステンデッド・ユニバース】
[状態]:健康、呆れ
[装備]:ワンダーウーマンのコスチューム@DCエクステンデッド・ユニバース
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:こんなエッチな剣があるなんて……
2:知り合いがいるなら合流する
3:さくらと行動する
[備考]
『ジャスティスリーグ』後からの参戦
コスチュームは支給品ではありません。
詳しい能力の制限などについては、後の書き手さんにお任せします。
[状態]:健康、呆れ
[装備]:ワンダーウーマンのコスチューム@DCエクステンデッド・ユニバース
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:人を助ける
1:こんなエッチな剣があるなんて……
2:知り合いがいるなら合流する
3:さくらと行動する
[備考]
『ジャスティスリーグ』後からの参戦
コスチュームは支給品ではありません。
詳しい能力の制限などについては、後の書き手さんにお任せします。
【魔剣カオス@Ranceシリーズ】
老舗アダルトゲームメーカー『アリスソフト』製作の人気作『Ranceシリーズ』に登場する伝説の魔剣。
主に主人公であるランスが所持・使用し、ランスの事を『心の友』と呼ぶ。
作中世界において『無敵結界』を持つ『魔人』を切る事ができる意思を持つ剣だが、その中身はとんでもなく下品なスケベ親父。
本来は適合しない者が使用すると最終的に自我崩壊を起こすのだが、このロワにおいては誰でも使用できるように調整されている。
かつては『シーフ・カオス』という人間だったのだが、『魔人や魔王を倒せる力』を願った結果、現在の姿となった。
その他詳細はwikiを参照のこと。
老舗アダルトゲームメーカー『アリスソフト』製作の人気作『Ranceシリーズ』に登場する伝説の魔剣。
主に主人公であるランスが所持・使用し、ランスの事を『心の友』と呼ぶ。
作中世界において『無敵結界』を持つ『魔人』を切る事ができる意思を持つ剣だが、その中身はとんでもなく下品なスケベ親父。
本来は適合しない者が使用すると最終的に自我崩壊を起こすのだが、このロワにおいては誰でも使用できるように調整されている。
かつては『シーフ・カオス』という人間だったのだが、『魔人や魔王を倒せる力』を願った結果、現在の姿となった。
その他詳細はwikiを参照のこと。
【ワンダーウーマンのコスチューム@DCエクステンデッド・ユニバース】
ダイアナがスーパーヒロイン『ワンダーウーマン』として活動する際に着用しているコスチューム。
正確にはダイアナの出身種族『アマゾン族』の女戦士が使用する鎧の一種で、ビスチェ(胸から胴体を覆う女性用下着の一種)と剣闘士の鎧を合わせたような肌の露出が多いデザインが特徴。
ダイアナが故郷である『セミスキラ』を出奔してから100年近く愛用しており、(時系列順における)使用開始当初は原作コミックにおけるワンダーウーマンの衣装のような鮮やかな赤・青・金色の彩色だったが、現在(21世紀以降)はミッドナイトブルーとダークレッドの彩色に統一されている。
ダイアナがスーパーヒロイン『ワンダーウーマン』として活動する際に着用しているコスチューム。
正確にはダイアナの出身種族『アマゾン族』の女戦士が使用する鎧の一種で、ビスチェ(胸から胴体を覆う女性用下着の一種)と剣闘士の鎧を合わせたような肌の露出が多いデザインが特徴。
ダイアナが故郷である『セミスキラ』を出奔してから100年近く愛用しており、(時系列順における)使用開始当初は原作コミックにおけるワンダーウーマンの衣装のような鮮やかな赤・青・金色の彩色だったが、現在(21世紀以降)はミッドナイトブルーとダークレッドの彩色に統一されている。