「それにしてもカヲル君の髪って本当に綺麗だね!あ、お湯が熱かったら言って」
「……」
僕はシャワーを流しながらカヲル君の髪を梳いていた。
すすぎ終わり、次は丁寧にシャンプーを泡立てる。
「これ少し香料がキツいと思うんだけど、ミサトさんのお気に入りだから勝手に変えられないんだ」
「……」
「……」
僕はシャワーを流しながらカヲル君の髪を梳いていた。
すすぎ終わり、次は丁寧にシャンプーを泡立てる。
「これ少し香料がキツいと思うんだけど、ミサトさんのお気に入りだから勝手に変えられないんだ」
「……」
「いいお湯だったね、カヲル君」
大事に抱えた「彼」は何を話しかけてももう返事をしてくれることはない。
そんなことは僕だって十分にわかっているが、それでも幸せだと感じていた。
目の前の彼が、自分と一緒にいたカヲル君の一部であることは間違いないからだ。
僕はバスタオルで優しくカヲル君を拭きながら、ふんわりと香るシャンプーの香りに胸が動悸を打ちさえしていた。
浴室ではキツく感じたあの香りも彼から柔らかく香るのなら心地が良い。
大事に抱えた「彼」は何を話しかけてももう返事をしてくれることはない。
そんなことは僕だって十分にわかっているが、それでも幸せだと感じていた。
目の前の彼が、自分と一緒にいたカヲル君の一部であることは間違いないからだ。
僕はバスタオルで優しくカヲル君を拭きながら、ふんわりと香るシャンプーの香りに胸が動悸を打ちさえしていた。
浴室ではキツく感じたあの香りも彼から柔らかく香るのなら心地が良い。
そういえばアスカに怒鳴られたのはいつのことだっただろう。
傍にいてくれるのなら誰でもいい、優しくしてくれるのなら誰でもいい…そう言われた。
でも今ならそんなことはないとはっきり断言出来る。
僕は、優しくしてくれるどころか、もう二度と動くことがない今のカヲル君と一緒にいるだけでもこんなに幸せだから。
話しかけてくれなくとも、微笑みかけてくれなくとも、彼の一部を抱いているだけで安心した。
普通の人がこんな光景を見たら気持ち悪いと思うかもしれない。
けれどカヲル君は使徒だったんだから。
あのときネルフで見たサンプルのように、死んでいる訳ではなく停止しているだけなんだから。
ここに居るのは停止しているだけの、紛れもないカヲル君だ。
腐敗すらしない。
少しも気持ち悪くない。
傍にいてくれるのなら誰でもいい、優しくしてくれるのなら誰でもいい…そう言われた。
でも今ならそんなことはないとはっきり断言出来る。
僕は、優しくしてくれるどころか、もう二度と動くことがない今のカヲル君と一緒にいるだけでもこんなに幸せだから。
話しかけてくれなくとも、微笑みかけてくれなくとも、彼の一部を抱いているだけで安心した。
普通の人がこんな光景を見たら気持ち悪いと思うかもしれない。
けれどカヲル君は使徒だったんだから。
あのときネルフで見たサンプルのように、死んでいる訳ではなく停止しているだけなんだから。
ここに居るのは停止しているだけの、紛れもないカヲル君だ。
腐敗すらしない。
少しも気持ち悪くない。
「あっ」
バスタオルを干そうとして立ち上がった瞬間、ソファが弛んでカヲル君が落ちそうになってしまった。
「ご、ごめん大丈夫!?」
カヲル君の首は綺麗に斬り落とされた訳ではない。
無理矢理にねじ砕かれたような切断面は非常に不安定だ。僕がしっかり抱いていないと。
バスタオルを干そうとして立ち上がった瞬間、ソファが弛んでカヲル君が落ちそうになってしまった。
「ご、ごめん大丈夫!?」
カヲル君の首は綺麗に斬り落とされた訳ではない。
無理矢理にねじ砕かれたような切断面は非常に不安定だ。僕がしっかり抱いていないと。
「カヲル君、すき、好きだよ。大好き」
カヲル君を掲げてキスの雨を降らす。
あの時彼に言われて、僕は言えなかった言葉を言いながら。
体温は既にないはずだけれど、お風呂あがりの今は唇に残る感触も温かかった。
カヲル君を掲げてキスの雨を降らす。
あの時彼に言われて、僕は言えなかった言葉を言いながら。
体温は既にないはずだけれど、お風呂あがりの今は唇に残る感触も温かかった。
(シンジ×カヲル 852氏)
