口の中が乾いている。
ずっとだ。
ずっとだ。
優しさのない眼差しを向けられたことが原因ではない。
力の篭る瞳で睨み付けられたことでも。
力の篭る瞳で睨み付けられたことでも。
そんなものよりずっと、彼の発した言葉はカヲルの芯を抉るものだった。
遠くなる後姿に、引き止めて何か言いたかった。
なのに足が凍りついたように地に張り付き、唇から潤いが引いていく。
遠くなる後姿に、引き止めて何か言いたかった。
なのに足が凍りついたように地に張り付き、唇から潤いが引いていく。
たった一度だけ、シンジが笑ったことがあった。
口元だけ、微かに、本当に微かに歪めて、
笑みなのだと認識するのが難しい程の小さな表情の機微だった。
笑みなのだと認識するのが難しい程の小さな表情の機微だった。
それを見たときカヲルの中に湧き上がった感情は、今まで経験したことのないものだった。
もう一度見たい。
もう一度、あの感情の実体を確かめたい。
ただそれだけだった。
もう一度、あの感情の実体を確かめたい。
ただそれだけだった。
『――近寄るな』
突き放たれた拒絶に声も出ない。
なぜ、どうして――なぜ、彼は怒ったのか?
彼を怒らせることはしょっちゅうだった。
そしていつも怒らせたいというわけではなかった。
だが前までなら、こんな態度を取られても歯牙にもかけていない自分だったのに。
そしていつも怒らせたいというわけではなかった。
だが前までなら、こんな態度を取られても歯牙にもかけていない自分だったのに。
明確な拒絶が篭っている上、カヲルの思惑とは裏腹なシンジの態度。
今回ばかりは、カヲルを強く打ちのめした。
彼の怒りの原因が掴めない。
自分はシンジのあの顔を見たいだけだった。
怒らせるつもりは、本当になかった。
今回ばかりは、カヲルを強く打ちのめした。
彼の怒りの原因が掴めない。
自分はシンジのあの顔を見たいだけだった。
怒らせるつもりは、本当になかった。
ネルフを出ようとするシンジを追い掛け、横から顔を覗きこみながら声を掛けた。
「帰るの?シンジ君」
その呼びかけに一瞥した後、シンジはカヲルの存在を無視するかのように前を向く。
「帰るの?シンジ君」
その呼びかけに一瞥した後、シンジはカヲルの存在を無視するかのように前を向く。
「ねえ、もう僕のとこには来ないの?」
更に無視されると思ったが、シンジは立ち止まってカヲルを見据え、表情のない顔で言った。
更に無視されると思ったが、シンジは立ち止まってカヲルを見据え、表情のない顔で言った。
「もう君のところには行かない。今までごめん」
思いがけない言葉にカヲルは面食らう。
シンジはそれだけ言ってまたネルフの通路を歩き出した。
思いがけない言葉にカヲルは面食らう。
シンジはそれだけ言ってまたネルフの通路を歩き出した。
「…待ってよ!別にいいよ、僕のとこ来ても」
(シンジ×カヲル★pink part4 170氏)
