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シンカヲまとめ@ ウィキ
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シンカヲまとめ@ ウィキ

35-41

最終更新:

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
どれほどの時間が経ったのであろうか。

いっぱい交わったあと、そのまんま意識を失ったカヲたん。
そおっと身を起こし、恐る恐る弱い灯を点けてみると。

「・・・!」
「スー・・」

思わず息を飲むシンたまの目に飛び込んできたのは、体液に塗れた白い肢体。
そして卑猥なそれとは不釣り合いなほど穏やかな寝顔である。
寝顔も美しいカヲたん。
この涼しい顔が・・さっきまではどんな表情を浮かべていたのか・・・?
想像して頭クラクラ。
「(ハッ!僕のばかっ!)」
我に返って自己嫌悪のシンたま。
こんなにカヲたんから求められたのは初めてで、興奮しすぎて乱暴にしてしまったのかも。
否。きっとそうだ。
意識を失うという事は、カヲたんの体に無理な負担が掛かってたという事なのだ。

清潔なタオルを濡らしカヲたんの全身を丁寧に丁寧に拭う。
「すー・・・」
極力刺激を与えないよう注意を払ってるが、それにしてもまったく反応しないカヲたん。
「?」
それにカヲたんの体温が高いまんまで、一向に下がってないことにシンたまは気付く。
ほっぺや額に掌を置いて確認。
熱がある・とまでは行かない。
えっちで火照った状態から戻っていない感じ。
それに寝顔も呼吸もあいかわらず穏やかで体調が悪そうな感じはしない。
兎も角、体を冷やさないよう・・カヲたんに服を・・・。
「(でもどうやって着せたら・・?)」

無理に動かして起こしてしまったら可哀相・・カヲたんに服を着せないままにした。
肩を冷やさないよう顔の下半分が隠れるくらいまでお布団をかける。
その下で、カヲたんを抱っこするシンたま。
そう。シンたまも全裸。
「(これなら冷えない・・・よね?)」
いつもより少し高いカヲたんの体温を直に感じて胸がどきどきする。
寝る時にカヲたんがシンたまを抱っこしてくれる事はよくある。
けどもシンたまがカヲたんを抱っこしたのは初めて。
シンたまはいつも緊張してしまって自分からアプローチ出来ないのだ。
未だにカヲたんの手を握るのが精々である。

えっちだってシンたまからはっきり求めたことはない。
シンたまの些細な仕草からカヲたんが察してくれる。

いつもカヲたんにリードしてもらってるのだ。
じぶんは何も出来ない弱虫だから。
じぶんはまだまだ、カヲたんにふさわしくない。
シンたまには自信がなかった。

「かをるくん・・」
「・・・・」
小さく名前を呼ぶも反応はない。

「カヲル君・・す・好き」
「・・・・」

嗚呼・・・やっと言えた・・。
カヲたんの耳に届いていない以上、告白は自己満足でしかないけれど。

シンたまは目を閉じた。

「シンジ君・・」
「・・ん・」
至近距離でじぶんを呼んだのはカヲたん。
ため息に乗せて発してるようなかすれ声である。
いつもとは違う目覚め・・・シンたまは寝起きのぼんやり頭に違和感を受けつつ目をあけた。
と、シンたまを抱っこしてるカヲたん。
・・あれー?昨夜は自分がカヲたんを抱っこしていたのに・・・。
「!!!・・どうしたの!?」
シンたまはカヲたんの異変に気付いて飛び起きる。と同時に眠気は一瞬で飛んでいた。
熱を持ってぐったりしてるカヲたん。
深くて長い呼吸を繰り返すたびに肩が浮き沈みしてる。
シンたまを見上げるカヲたんの顔も、熱を持ってやや赤い。
大きく吐く息にのせて、力無くゆっくり喋るカヲたん。
「シンジ君・・起こしてごめん・・」
「ううん、そんな事より・苦しい?カヲル君・・」
心配でたまらないシンたま。
嗚呼きっとじぶんのせい。否。間違いなくじぶんのせい。
だってカヲたんを乱暴に抱いてしまった。
カヲたんに服を着せてあげなかった。
体温が下がらないのを不思議に思いながらも放置してた。
身に覚えが有り過ぎる。
「ごめん・・僕のせいだ・ごめんねカヲル君ッ・・・」
しかしカヲたんはいつもと変わらない笑みを見せた。
「僕の具合が、悪そうに・・見えるのかい?」
カヲたん、泣きそうなシンたまのほっぺに手をのばす。
「心配しないで・大丈夫だから・・」
「カヲル君」
頬を包み込む手にシンたまが掌を重ねると、カヲたん静かに瞼を下ろす。

「シンジ君・・もうすぐ・・・ガフの扉が開くよ・・」

戸惑うシンたま。
「・・がふの、部屋?」
聞き慣れない単語を口にするカヲたんに益々不安が募る。
「ここに・・僕たちの・・」
カヲたんはシンたまの手をじぶんのおなかの上に導いた。
「ヒッ!」
息を飲むシンたま。
骨もなくやわらかい場所であるはずのそこに、ポッコリと丸みのあるしこりが感じられたから。
瘤にしては大きい。
手を離してカヲたんのおなかをよく見たら不自然な盛り上がりが微かに確認出来る。
これは瘤ではなく・・内臓に異物があるかのよう。

まじまじと凝視していたら、ぽんぽん!としこりが二度はねた。
「ーーっ!!」
辛うじて悲鳴を飲み込むシンたまである。

頭の中は大パニック。何これ?何これ?
どうしてカヲたんのお腹にこんなしこりが!?

どう考えても、カヲたんの体にとって悪いものとしか思えない。
しかもまるで生き物みたいな!
・・生き物?
シンたま、少し冷静に戻って質問。

「これ・・生きてる・・?」
「・・・」

コクンと頷いたカヲたん、直後、ちっさく呻いてくたりとシーツに沈む。
「カヲル君・・カヲル君・・!」
カヲたん、苦悶しながらシンたまの手を握って、ハァ・・と息をはいた。
「・・・シンジ君、落ち着いて・聞いてほしい・・」
玉の汗をかき、銀髪も濡れてるカヲたん。
「シンジ君に・・お願いが・・ッ」
「・・・」
カヲたんがお願い事するなんて珍しい事だった。
そしてシンたまを見上げ、もう片方の手でおなかのしこりを撫でるカヲたん。

「これから出してあげるんだ・・外へ・・・」
「・・・」
「シンジ君に、そばにいてほしい・・」
「・・・」
シンたま、お腹を撫でるカヲたんの手の上にじぶんの手を重ねる。
カヲたんの表情が幾らかゆるんだ。

「立ち会って、くれるかい・・・?」

シンたま、こくんと力強くとうなずいた。

次第に苦しみはじめるカヲたん。
「シンジ君・・ッ」
シンたまと繋いでる掌も汗ビッショリ。
お腹にそえていたほうの手は、今は枕の端を掴んでる。
眉を寄せ固く目を瞑り、いよいよ呼吸も浅く早くなってきた。
相当辛いようだ。カヲたんの表情にいつもの笑顔は一切ない。

「(どんなに苦しいんだろう・・・・カヲル君・・)」
見ているだけでもこんなにも辛い。
嗚呼。代わってあげたい。代わってあげられたら。

「・・え!?」

その時である。露わになってるカヲたんのお腹に、小さな光が。
「これは!」
まるでカヲたんのお腹が水面であるかのように。
その水面にふわりと浮上してきた水棲生物かのように。
カヲたんの腹膜や皮膚をすり抜けて、しこりの正体がちょこっと姿を見せはじめた。
それは白く強く発光してて眩しく、輪郭はよく見えない。が、やはり丸みがある物体だ。
「カヲル君・出て来たよ!」
「ん・・っ!」
それは返事かただの呻きか・・カヲたんの辛そうな表情に変化はなかった。

ちょこっとずつ、でも確実に、おなかから出て来る光の球体。
と、光は突然、焦れたようにぽん!と動いた。
「あう・・!」
声をもらしてビクンと全身を硬直させるカヲたん。
同時に光はヒュルッとお腹の中に半分ほど沈んでしまった。
「ぅ・・くッ!」
悶え苦しむカヲたん。
おなかの光も切れかけの電球みたくチカチカ。
シンたまは直感した、このチカチカは苦しんでいるという事なのだと。

腑甲斐無い。
カヲたんもおなかの生き物も苦しんでるのに・じぶんはそばで見てるだけ。
見てるだけしかできない。
「・・・」

・・・見てるだけしか出来ない?
否。

「シンジ・・くん・・?」
カヲたんの脇腹をヨシヨシするシンたま。

「ぼ・僕が出来る事なんか・・・あまりないけどっ」
でも、何も出来ない訳じゃない。
「頑張って!カヲル君!」
「・・・シンジ君」
シンたまを少しだけ見てまた目を閉じるカヲたん。

そう。
シンたまにしか、出来ない事もあるのだ。

カヲたんの顔をタオルで優しく拭いて、ほっぺにキスするシンたま。
でも反応する余裕なんかもうないカヲたん。
「ん・・っ!」
カヲたんが息をつめ、再び浮上を開始する光。
少しでもこの苦しみが和らいでくれたら・・・と、汗だくなカヲたんの体をさする。
漸く先程と同じくらい外に出て来た光は、しかし止まってしまった。
「!」
眩くてさっきは気付かなかったけど、よく見ると光の玉はプルプルと辛そうに震えてるではないか。
シンたま、そおっと光に触れる。

トクトクトクトクトクトク・・・

生き物のぬくもりと、異常に早い小さな鼓動が指先に伝わって来た。
「(頑張って・・!)」
そう。この光はやはりカヲたんとは全く別の個体なのである。
小さく、光に話し掛けるシンたま。

「大丈夫だよ・出ておいで・・」
『・・・』
「恐がらないで」
『・・・』

シンたまの呼び掛けが伝わったのか。
ゆっくり浮上を再開する光。

おなかから出て来るにつれ、光が楕円に近い小さな球体であることがわかってきた。
もうすぐ完全にカヲたんのおなかを出る・・・・・

ッぽん!

緊迫感の中、光は前触れ無く大砲のように垂直に飛んだ。
まるで黒ヒゲ危機一髪。
「わあッ!!!」
シンたま、声を上げてカヲたんと繋いでた手をはなし・・落下してきた光を上手く両手でキャッチ!
あ・あぶない・・・。

無事?と、両手の中を見たら、既に光はなく・・
「あ・・・エッええ!?」

そこに在るは、どう見ても鶏卵(Mサイズ)。

光の玉は何処へ?
いつのまに・何故・鶏卵にすり代わっている?
否。視覚から得る情報に惑わされてはいけない。

トクトクトク・・・

この卵から感じる早い鼓動とぬくもりは、間違いなくさっきの光の玉と同じである。

「ハァ・ハァ・ハァ・」

早い呼吸を繰り返しつつ、ぼんやり天井を見上げたまま放心してるカヲたん。
でも苦悶の表情はすっかり消えていた。
「ああ・・・・」
無事に終わったのだ・・。
そう悟ったシンたまは、卵を抱いたままホッと安堵した。

「カヲル君」
シンたまはカヲたんの手をとりそっと卵を乗せて、両手でやわりと包み込んで握らせる。

と、少し呼吸の整って来たカヲたんの瞳は、天井からシンたまへと移った。
ドキンとするシンたま。
緊張感とは違う。それは凄まじい昂揚感だった。

「カヲル君・・こ、この卵って・・・僕達のっ・」

疲労を隠せず、それでもニコリとうなずくカヲたん。

「・・愛の証、だよ」

カヲたんの言葉にシンたまは胸が熱くなった。

カヲたん、卵をよしよしとなでる。
「ごめんね・・苦しかったかい?」
「・・・・」
卵に話し掛けてるカヲたんにみとれるシンたま。

なんて綺麗なんだろう・・。
その姿は、シンたまが知ってるどんなカヲたんよりも神秘的で美しい。
と吸い込まれるように見つめていたら、カヲたんがまたこっち見た。
「シンジ君・・僕ひとりでは、きっと上手に産めなかったよ」
「・・・」
「ありがとう」
いつもより数倍美しく神々しい笑顔をシンたまにに向けるカヲたん。
そんな・・お礼なんか・・。
「か・・かをるくん・ぼくのほうこそ・・ッ」
シンたまの双眼から、ぶわりと涙があふれる。

愛する人が、じぶんの子を産んでくれたのだ。
こんな嬉しいことが他にあるだろうか?
シンたまは言葉に出来ない程の喜びに涙した。

「ありがとぅ・かをるくん・・・・ッ」
「シンジ君が喜んでくれて、僕も嬉しいよ」
シンたまの頬を伝う涙を指で拭うカヲたん。

カヲたんの掌の上の卵の形をたしかめるように両手でなでるシンたま。
形も鶏卵ならば感触も鶏卵の殻である。
でもあたたかい。それに。

トクトクトクトクトク・・・

早鐘のような鼓動を刻む卵。
母の体からは出て来たが、まだ生まれたわけじゃない。
いつ孵るのだろう?

「生まれてくるのはもう少し先だよ」
飽きもせず卵を弄くってるシンたまに、カヲたんは教えて上げた。
「うん・・」
でもシンたまは相変わらず卵から手を離さない。
とても気になる事があるのだ。
トクトクトクトク・・・・
卵の内側のわが子の心音。
・・・異様に早いのが気にかかっていた・・。

だが卵を触って確かめているうちに謎は解けた。

「カヲル君・卵の中・・・双子だよね?」

問われたカヲたん、シンたまを見て瞬き。
「・・・・わかったのかい?」
ちょっち驚きを露わにするカヲたん。
カヲたんも気付いてたようだ。
否。カヲたんは最初から、双子だとわかっていたのだ。

何故ならば。カヲたんは意図して双子を産んだからである。

やはり・・。卵を注意深く観察すればわかる。
外から触ってみる限り心音を強く感じる場所が対照的に2つあり、交互に鼓動を打っている。
つまり早いのではない、2人分なのだ。

「昨日の朝、僕が双子の卵をラッキーだって言ったから?」
素直にうなずくカヲたん。
「もう一つ、シンジ君を驚かせたかったな・・」
「・・カヲル君」
同じ卵でもあれは食べ物の話である・・でも。

双子の卵に見た目も鶏卵・・カヲたんの持つイメージが見事に反映されているのだろう。
じぶんの意志で2つの生命を宿し、1つの卵として産み落としたカヲたん。
それは並大抵の事ではない筈なのだ。実際カヲたんは酷く苦しんでいた。
何気ないシンたまの一言から、カヲたんはシンたまの幸運を願い・・・。
「ごめんね、カヲル君」
「どうして?僕の意志でした事だよ、それに僕はシンジ君に感謝しているんだ」
「・・・?」
「リリンのシンジ君には当たり前なのかもしれない・・だけど僕は人ではないからね」
カヲたん、ゆっくりとベッドから身を起こした。

「愛する人の子供を産めるなんて、僕にとってこれ以上の奇跡はないよ」

そう言い口づけるカヲたん。シンたま、また目頭が熱くなってきた。
少しも当たり前の事なんかじゃない。
「カヲル君ッ!かをるくん・・・っ!」
卵ごとカヲたんを抱きしめる。


それから少しして、卵から2人にそっくりな双子が孵ったのだった。


終わり。


(◆4QVY398dbg氏)
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