貴族派閥


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今後若干の修正や調整が入る可能性は皆無ではありませんが、ここに書かれていることは鵜呑みにして問題ないでしょう。
加えて、アーキル連邦議会のお墨付きです。

はじめに

この記事では、クランダルト帝国の各貴族の主義思想について解説する。
これらを語るにはまず帝国国内の基本的な構図を理解する必要がある。
 

理解するべき帝国内の基本構図

貴族と帝国軍

第一紀時代の初期の帝国軍は、皇帝の命を受けた国軍によって運営されていた。
しかし、530年に行われた東方作戦によって戦力の大半を失った帝国軍は、各領地を収める貴族に艦隊運用を任せるようになる。貴族はそれらの艦隊を保全し、軍部(ドクトル)の指示を受けて連邦との戦いに臨んだ。
ドクトルは皇帝の命によって動くものとしていたが、実際のところこれらを仕切っていたのは宰相であった。
 

偽りの皇帝

皇帝は長期化する戦争を憂いて連邦との和平を望んだが、戦争によって私服を肥やしていた貴族たちはそれに反対し、宰相と画策して550年代に皇帝を暗殺した。
暗殺された皇帝は防腐処理をされた上で玉座に座らされ、あたかも生きているかのように扱われた。食事が出され、時間が来ると給仕がそれを下げ、書簡が届くと宰相が読み上げて、皇帝の名という体裁で宰相自身で政を取り計らった。帝国は宰相のものとなった。
 

皇女フリッグ

皇帝は娘を残した。フリッグである。
フリッグは保存されていた皇帝の精子と后の卵子のもと、人工子宮によって誕生した。
その誕生は皇帝の暗殺後だった。
皇帝が存命という建前上当然跡取りを用意する必要があるが故、その誕生は筋書きのもとで行われた。
もはやこの茶番劇は末端の貴族や地方管理職にまで知るところとなっていたが、これに異を唱えるものは粛清されるため、表立って批判するものはいなかった。
フリッグは当面の間は政に関わらせることはせず、半ば幽閉に近い形で国政と断絶した生活を送っていた。
 
 

派閥と理念

 

政治派閥

クランダルト帝国内における政治派閥は主に2つに分けられる。
これらの箇条はあくまで思想の一覧であり、同時に複数の主義をとっているわけではない。
 
・宰相派:現状を保守する思想
 狂信宰相派閥
偽りの皇帝のもと永遠の戦争を遂行し、貴族の繁栄を目指す。
勝ちすぎても負けすぎてもいけない。
皇女は現体制を脅かす存在であるから抹殺するべきであると考えている。
 穏便宰相派閥
同調圧力により同じ志向をとっている。
領地の運営上の問題で現体制を支持することが最善だと考えている。
 
・皇女派:現状を打破する思想
 狂信皇女派閥
現在の歪な体制を好んでいない。
多数派を締めている宰相派閥は機会があれば打倒されるべきである。
北半球国家を早急に屈服させ戦争を終結させるべきだと考えている。
クーデターを起こして国家転覆を起こすべきだと考えている。
 穏便皇女派閥
同調圧力により同じ志向をとっている。
せめて形だけでも帝位はフリッグに譲るべきだと考えている。
 
・中道派閥:どちらにも干渉したくない/できない
 両派閥の狂信的な者たちを目にし、この抗争を不毛なものだと考えている。
 これらの政争とは無縁な弱小貴族や辺境貴族が主にこの派閥に該当する。
 

行動理念

どの貴族がどの派閥に属しているかでその行動内容を理解することは出来るが、具体的にどのような理念に従って行動を起こすのかはそれぞれ異なる。
 
・秩序
 どちらの派閥に属していたとしても、その行動は無駄なく秩序だって行われる。
 我々は命令に従うだけ。それが家族に銃口を向けるものであっても。
 
・中立
 下された命令によっては一部でサボタージュを行うかもしれない。
 良心の葛藤により敵を見過ごし、それもまた王道と考える者も多い。
 
・混沌
 行動そのものが不審な目的で行われていることは明確である。
 命令に従ってはいるものの、暴発する要素を含んでいる。
 

 

Greyhien.png グレーヒェン家
政治派閥 穏便皇女/中立
領地 ヨダ地区
気品 ★★★★
帝作戦での立ち回り 宰相派と最終決戦に挑んだ。
近衛騎士団との関係 最良。ヴァルメリダが団長と信頼関係にある。
有数の名家。小さい領地ながらも巨大な工廠を持つ。
どちらの派閥にも一定以上の敬意を持たれており、嫌うものは少ない。
ネネツとの太いパイプをもっている。
戦艦からなる艦隊を保有しており、帝国正規軍に直接籍をおいている。
(貴族軍に属していない)
代表的なキャラクター
ヴァルメリダ・フォン・グレーヒェン(デストロイヤーネネツ戦記南へ!)
スタバツィオ・フォン・グレーヒェン(父)

 

デシュタイヤ家
政治派閥 狂信宰相/混沌
領地 バセン中部
気品
帝作戦での立ち回り 4割が六王湖へ、3割が名誉剥奪、
2割が寝返り、1割が近衛騎士団に抗い壊滅。
近衛騎士団との関係 悪い。目の上のたんこぶだと思っている。
強引な婚姻戦略によって種を各地にばらまいており、
血縁関係によってその勢力は絶大。
行動理念は私利私欲の一言で、行動がわかりやすいため脅威には思われていない。
発言力がやたらでかいので存在感は大であり、基本全方位から嫌われている。
代表的なキャラクター
シュメル・フォン・デシュタイヤ(蒼天英雄譚I)
クリスティーネ・フォン・デシュタイヤ (ノベルゲーム"ティアナ" *企画倒れ)
ガルフピッゲン・フォン・デシュタイヤ(アノミラルTRPG)
ネイリ・フォン・デシュタイヤ(アノミラルTRPG)
バゥエドリーナ・フォン・ノイガリ=デシュタイヤ(アノミラルTRPG"バセン動乱") 
マクシミリアン・フォン・デシュタイヤ(アノミラルTRPG"バセン動乱") 
レーゼ・フォン・デシュタイヤ(アノミラルTRPG"バセン動乱") 
もっといるはずなので随時追加せよ
↑フリー素材化していただけで実数はそんなに多くないことが発覚
 実際のところ存在感があるだけで血縁関係もあまり広くないのでは

 

 

モーグ家
政治派閥 中道/秩序
領地 外ネネツ
気品 ★★★★★
帝作戦での立ち回り 特に何もしていないが、戦後復興に資金を投じた。
近衛騎士団との関係 中立。関わりは深いが、表面的なものである。
温泉狂で有名な個性派貴族。
帝国各地の温泉を開拓してまわっており、自身も大浴艦"オッバス"に座乗して大陸獣を回ってる。戦後は北半球をなめるように巡り、パルエの入浴文化に絶大な影響を与えた。
領地は小さいが、潤沢な資金とその高貴な血統、顔の広さも相まって帝国内での存在感は大きい。
当主はフリッグ殿下と一緒に入浴したことがあるほど信頼されている。
代表的なキャラクター
オッバス・モーグ

 

 
Garfon.png ガルフォン家
政治派閥 中道/中立
領地 外ネネツ
気品 ★★★★
帝作戦での立ち回り 帝都での情報をグレーヒェン家にリークした。
駐帝ネネツ大使オルガを匿う。
近衛騎士団との関係 普通。近衛騎士団のやり方は強引だと考えている。
戦地から遠いこと、帝都に近いことから経済力があり、保有する艦隊も強大。
地政学的に戦争・政争とはほぼ無縁で安定した領地運営を行っており、
地位も高い。
リューリアの戦いで戦力を消耗し、跡取りとなる長女も戦死し地位を低下させる。
代表的なキャラクター
イース・フォン・ガルフォン
イスタシア・フォン・ガルフォン
 

 

マルアーク家
政治派閥 穏便宰相/中立→狂信皇女/混沌
領地 ガリアグル
気品 ★★★
帝作戦での立ち回り 宰相派として応戦するも敗北。
その後三馬鹿は近衛騎士の思想を強く受ける。
近衛騎士団との関係 やや悪い→良い。
近衛騎士団の存在そのものに疑問を持っていた。
デシュタイヤ家の血が混ざりつつあったが、彼らをうまく使うことでむしろ利用していた。良くも悪くも帝国の王道を追求しており、悪い噂はあまり聞かない。
帝作戦における近衛騎士のやり方は許容できず、不本意ながらも宰相派と手を組み戦列に加わる。三バカを残して当主はこの時に戦死。
皇女政権樹立後は、変わりゆく時代に合わせて鞍替えした。
代表的なキャラクター
エミール・フォン・マルアーク
イーゼル・フォン・マルアーク
アルマイル・フォン・マルアーク

 

 
Dahlaida.png ダーライダ家
政治派閥 穏便皇女/秩序
領地 ノイエラント
気品 ★★★★★
帝作戦での立ち回り 各貴族と協力し皇女政権の樹立を支援した。
近衛騎士団との関係 やや悪い。
とくに武力を保有していることに反対している。
皇室に近い血筋の名家。
非常に豊かな領地を抱えており、住民の大半が地位の高い者たち。
下級貴族の憧れの対象。公平な政治を行っている。
大規模な艦隊を保有していたが、リューリア作戦によって大打撃を被る。
代表的なキャラクター
 

 

ニルギリ家
政治派閥 穏便皇女/混沌
領地 バセン東部
気品 ★★★
帝作戦での立ち回り バセン首都を強襲したデシュタイヤ家の悪事を
近衛騎士団に報告した。
近衛騎士団との関係 悪い→中立。偽ティアナ事件以来関係は悪化したが
帝作戦時の協力関係をもって関係回復。
いわゆる茶貴族とよばれる、土着茶葉で財を成した辺境貴族。
ニルギリ家は代々軍人の家柄でもあり、当主は中型艦を保有しノスギア軍管区艦隊に籍をおいている。
デシュタイヤ家とよく衝突しており、バセンの火薬庫とも揶揄される。
戦後は軍学校への寄付や退役軍人支援などを行った。
代表的なキャラクター
ティアナ・フォン・ニルギリ(アノミラルTRPG)
シルフィ・フォン・ニルギリ(アノミラルTRPG 通称:偽ティアナ)

 

 
スメーリン家
政治派閥 穏便宰相/中立
領地 外ネネツ
気品 ★★★★
帝作戦での立ち回り 旗艦インクスを率いて宰相派貴族艦隊に立ち向かった。
近衛騎士団との関係 良い。宰相派とはいえ、その悪事がわかると近衛騎士と
共同し、騎士道精神にて立ち向かった。
艦子爵から少し毛が生えた程度の辺境貴族。
バリステア級巡空艦と第一紀世代の雑多な補助艦艇を保有。
正規軍へ戦力を提供しており、指揮権を彼らに委ねている典型的な辺境貴族。
政治的失言が多いことで有名で、一部宰相派閥からも警戒されていた。
代表的なキャラクター
エメリエ・ツー・スメーリン(アノミラルTRPG)
 
 
 
オルデンベルク家
政治派閥 穏健宰相/混沌→狂信皇女/混沌
領地 バセン北部
気品 ★★
帝作戦での立ち回り 帝作戦勃発の報を聞きすぐさま皇女派に鞍替え。
以前から目の上のたんこぶだったバセンデシュタイヤ
一門を強襲し領地から叩き出した。
近衛騎士団との関係 普通あるいは好意的。長い物には巻かれろの精神
装甲用鋼材資源を採掘する鉱山を領地内に有するバセンの地方貴族。
前述の鉱山資源により経済力があり、リューリア艦隊戦直前まではバセンにおいてそこそこの勢力を誇っていた。
リューリアの戦いで戦力主力を喪失、それにより周辺貴族との政争にも押され気味となり日陰の存在となるが、跡取りの長女が帝作戦において皇女派の功労者となったため皇女政権樹立後は皇女派として勢力を盛り返した。
代表的なキャラクター
アマーリエ・フォン・オルデンベルグ(アノミラルTRPG 601年生誕)
 
 
 
シュヴィーツ家
政治派閥 狂信宰相/混沌
領地 オージア南部
気品 ★★★★
帝作戦での立ち回り 宰相派として参戦するも敗北。
戦力の大半を撃沈され所謂“汎用容疑”で当主が投獄され
取り潰しとなった。
近衛騎士団との関係 悪い。
こいつらのせいで思うような不正がしにくいので排除したい。
古くからある純血クランダルトの銀行家。
オージアの物流ハブ都市に陣取り金の流れを思うままに握り、時には権力者に取り入り更なる地位を得るなど不正の限りを尽くしていたが近衛騎士団の台頭で思うように動けなくなる。
リューリア艦隊戦においても戦力を温存し大規模な艦隊を有していたが、温存が仇となり大部分が旧式艦艇のまま帝作戦に参戦。惨敗し没落した。 
代表的なキャラクター
リーゼロッテ・フォン・シュヴィーツ(アノミラルTRPG)
 
 
 
スーレンフュルテ家
政治派閥 中道/混沌
領地 本国中東部+本国北西部沿岸
気品 ★★★★★
帝作戦での立ち回り  封建契約の条文を根拠にガン無視を貫いた結果
後で地味に報復人事をされた。
近衛騎士団との関係 悪いというほどではないが本質的に反りが合わない。
かなり歴史の長い貴族の一つ。故地であるロギューヌ辺境伯領(本国中東部)とクレトゥス専制公国(本国北西部沿岸)の2つの離れた領地を持っている。東方作戦で艦隊をほぼ全喪失して以来、本気で怒られないギリギリのラインで戦争をサボタージュしている向きがある。
帝作戦後はオールデストロイヤードクトリンに傾倒したりせっかく健全化した財政を景観改良と城・劇場の建設につぎ込んで溶かしたりと暴走がみられる。 
代表的なキャラクター
N/A

 

 
ハルジオン艦隊伯家
政治派閥 穏健宰相/秩序
領地 バセン北端
気品 ★★★
帝作戦での立ち回り  宰相派として参戦するも敗北。
領地の大半をオルデンベルク家に併合され没落した。
近衛騎士団との関係 やや悪い。国家運営に非協力的と見なしている。
バセン征服の功から無人地を領地に与えられた艦隊伯。
艦隊伯の地位を皇帝へ返爵すること無く艦隊伯であり続けている武闘派で高い頻度で前線での作戦に動員されている。領地は無人地を開拓した立地であることから内バセン地方にありながら民族構成が殆どクランダルト移民という戦後の火種。 
代表的なキャラクター
マルガレーテ・フォン・ハルジオン(アノミラルTRPG)

 

 

カナードル男爵家
政治派閥 中道/中立→皇女/中立
領地 クランダルト本国
気品 ★★
帝作戦での立ち回り  作戦中は特になにもしていない。
近衛騎士団との関係 良好。新帝国での統治に積極的に協力。
歴史だけは長い純血クランダルトの下級貴族家。村一つが領地の全て。
統治省で官僚としての仕事に淡々と従事していたが帝作戦後の政治的空白にて数少ない残存の統治機構として尽力。皇女派の新興貴族として勢力を拡大した。 
代表的なキャラクター
エリトリア・フォン・カナードル(春先の雲上戦)
アーシル・フォン・カナードル(アノミラルTRPG)

 

 

ラーバ家
政治派閥 中道/混沌
領地 ヴィヤン
気品 ★★
帝作戦での立ち回り バセン隷区の強襲に失敗したディシュタイヤ家の
後釜をねらおうと、形式的に皇女派として参戦。
結果としてバセン開放の一因となる。
近衛騎士団との関係 利用するだけ利用しようと考えている。
元々は辺境の弱小貴族だったが、ラッシジアを拠点とする馬賊との姻戚関係を築くことにより第二紀に勢力を拡大。
隣の領地であるオルデンベルク家の鉱山問題を利用して人員確保に努めている武闘派貴族。
代表的なキャラクター
ツェツェーリエ・フォン・ラーバ中佐
最終更新:2023年09月19日 11:02
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