kind ◆UcWYhusQhw
「…………むぅ」
あれほど輝いていた太陽は消え失せ夜が本格的に訪れた頃。
私がたまらず呟く。
別にいい、別にいいのだ。
ただ共通の目的があるから行動をしてるだけなのだから。
だが……
だが、この微妙な距離感は何だ?
いや先程から一緒に歩いてるのだがどうにも気になる。
なんか苛立たしい。
この近いようで遠い距離は。
別に仲良くなりたいとか……そういうのはないはずだ。
だが肩を並べて歩いてるはずなのに何処か遠い。
何故だかそれが凄く気にかかるのだ。
何故だか知らんが。
私がたまらず呟く。
別にいい、別にいいのだ。
ただ共通の目的があるから行動をしてるだけなのだから。
だが……
だが、この微妙な距離感は何だ?
いや先程から一緒に歩いてるのだがどうにも気になる。
なんか苛立たしい。
この近いようで遠い距離は。
別に仲良くなりたいとか……そういうのはないはずだ。
だが肩を並べて歩いてるはずなのに何処か遠い。
何故だかそれが凄く気にかかるのだ。
何故だか知らんが。
私―玖我なつき―と先程行動を共にする事になった少年クリス・ヴェルティンと共に市街地をただ進む。
目標は静留の説得なのだが、アルに言われた事も行わなければならない。
即ち施設の探索。
故に近場の遊園地に向かう事にしたのだが……
目標は静留の説得なのだが、アルに言われた事も行わなければならない。
即ち施設の探索。
故に近場の遊園地に向かう事にしたのだが……
「…………なぁ、クリス。遊園地ってもうすぐなのか?」
「……たぶんもう少しだと思うよ。ナツキ」
「そうか」
「うん」
「……」
「……」
「……たぶんもう少しだと思うよ。ナツキ」
「そうか」
「うん」
「……」
「……」
また変わらず歩き続ける。
会話が……続かん。
いや別にしたいわけでもないが。
会話が……続かん。
いや別にしたいわけでもないが。
さっきからこの調子なのはどうも落ち着かない。
静留のことを話したクリス。
あのおっせかいはあのお人好し教師に似てると思ったが。
いまのクリスはそう思う事は少ない。
どちらかと人とはなすことが苦手な感じがする。
なんなんだ?
これは。
あのおっせかいはあのお人好し教師に似てると思ったが。
いまのクリスはそう思う事は少ない。
どちらかと人とはなすことが苦手な感じがする。
なんなんだ?
これは。
少し前を行くクリスの背が遠く感じる。
静留を救いたいといったクリス。
静留に会ったのはほんの数時間前だというのに。
それでも助けようとする。
あの私の手を握った温かさ。
向けられた言葉の真摯さ。
あれは間違いなく本物だった。
静留を救いたいといったクリス。
静留に会ったのはほんの数時間前だというのに。
それでも助けようとする。
あの私の手を握った温かさ。
向けられた言葉の真摯さ。
あれは間違いなく本物だった。
悲しみの連鎖をとめる。
クリスはそれを何度も口癖のように言っている。
まるで脅迫観念に襲われているかのように。
クリスの信念は強い。
いや強い風に見える。
その信念を持って進むクリス。
ともて強く逞しいとも思えるが……脆くも見える。
虚勢とまではいえないが何かか細い糸によって支えられているような。
そんな印象がした。
たぶんその糸になる者は恐らく彼が捜し求めてる人。
私はよく知らないのだが。
だから少し気になったので聞いてみる事にした。
まるで脅迫観念に襲われているかのように。
クリスの信念は強い。
いや強い風に見える。
その信念を持って進むクリス。
ともて強く逞しいとも思えるが……脆くも見える。
虚勢とまではいえないが何かか細い糸によって支えられているような。
そんな印象がした。
たぶんその糸になる者は恐らく彼が捜し求めてる人。
私はよく知らないのだが。
だから少し気になったので聞いてみる事にした。
「なあ……その唯湖って何者なんだ?」
「……ユイコ? ユイコはね……とてもとても大切な人、護らなきゃいけない……護らなきゃ――絶対。……と他には――」
それからクリスは先程とは違って雄弁に語り始めた。
何処で会ったとか。こんな人だとか。こんな事もあったとか。
とても。
とても楽しそうに。
何処で会ったとか。こんな人だとか。こんな事もあったとか。
とても。
とても楽しそうに。
そうか、クリスにとって来ヶ谷唯湖こそが心の有り処であり進む意義。
唯湖という存在がいるからこそ前向きに進んでいられる。
唯湖という存在がいるからこそ笑っていられる。
今の進み続けているクリスは「唯湖が望む」クリスなんだと。
そう私は思った。
唯湖という存在がいるからこそ前向きに進んでいられる。
唯湖という存在がいるからこそ笑っていられる。
今の進み続けているクリスは「唯湖が望む」クリスなんだと。
そう私は思った。
だからこそクリスは強い。
護らないといけないから。
悲しみの連鎖という大元を止めて彼女を護る為に。
その想いがあるからこそ強くそして進む事ができるんだと。
護らないといけないから。
悲しみの連鎖という大元を止めて彼女を護る為に。
その想いがあるからこそ強くそして進む事ができるんだと。
だが
「クリス、もし唯湖をうしなっ……」
「護るよ。その前に、絶対、絶対。今度こそあって護り抜く。悲しみの連鎖を止めて護り抜くんだ」
「護るよ。その前に、絶対、絶対。今度こそあって護り抜く。悲しみの連鎖を止めて護り抜くんだ」
私がその可能性を指摘する前に否定した。
護るの一点張りだった。
目は真っ直ぐとても強い視線で。
絶対の意志を感じさせられるものだった。
護るの一点張りだった。
目は真っ直ぐとても強い視線で。
絶対の意志を感じさせられるものだった。
(……脆い……それが出来なかったらクリス、お前はどうするんだ? お前は進む事ができるのか?)
しかし、もし失ったらクリスはどうするのだろう?
進んでいられるのだろうか?
進んでいられるのだろうか?
今のように強くいられるのだろうか。
私はそれができないと思う。
それぐらい今のクリスは脆かった。
とても真っ直ぐでとても脆い。
そんな印象だった。
私はそれができないと思う。
それぐらい今のクリスは脆かった。
とても真っ直ぐでとても脆い。
そんな印象だった。
わたしはそんなクリスを見てどうにも分からない感情に支配されている。
もし、だ。
クリスの心が折れたら私はどうするんだ?
今は互いに静留を救う為に動いている。
だが途中でクリスがそうなった場合私は見捨てて静留を止めに行くのか?
もし、だ。
クリスの心が折れたら私はどうするんだ?
今は互いに静留を救う為に動いている。
だが途中でクリスがそうなった場合私は見捨てて静留を止めに行くのか?
……できる訳がない。
あの男が心が優しいのは知っている。
それは手を握られた時に知った。
だがもし唯湖を失ったクリスに私が何ができるのだろう?
人を殺めた私に。
あんなに迷い続けた私に。
彼の心を……
あの男が心が優しいのは知っている。
それは手を握られた時に知った。
だがもし唯湖を失ったクリスに私が何ができるのだろう?
人を殺めた私に。
あんなに迷い続けた私に。
彼の心を……
「……ツキ?」
知るわけがない。
むしろ何故出会ったばっかのクリスにそんな事を考えるのだろうか。
全く私らしくもない。
なんか苛立ってくる。
むしろ何故出会ったばっかのクリスにそんな事を考えるのだろうか。
全く私らしくもない。
なんか苛立ってくる。
「……ツキ? どうしたの? ねえ?」
私は静留を止めればいい。
他の事など考えなくていい。
他の事など考えなくていい。
だから私は余計な事など考え……
「ナツキ! しっかりしてよ! ぼうっとして。何考えてるの?」
「……って、わぁ!?」
「……じゅ、銃向けないでよ!?」
「う、うるさい!」
「……って、わぁ!?」
「……じゅ、銃向けないでよ!?」
「う、うるさい!」
ビ、ビックリした……
なんでいきなり顔が私の前にあるんだ?
何考えてたって……貴様だ。
……ああ! もう!
なんか頭に血が昇っていく。
くそっ!
苛立ちが。
しかも何で私は恥ずかしがってるんだ?
分からない。
ああ、もう!
なんでいきなり顔が私の前にあるんだ?
何考えてたって……貴様だ。
……ああ! もう!
なんか頭に血が昇っていく。
くそっ!
苛立ちが。
しかも何で私は恥ずかしがってるんだ?
分からない。
ああ、もう!
「貴様がムスッとしてるからだ!」
「してないよ! ナツキの方でしょ!」
「おい、そこのふた……」
「う、うるさい!」
「だから銃を向けないでって!」
「してないよ! ナツキの方でしょ!」
「おい、そこのふた……」
「う、うるさい!」
「だから銃を向けないでって!」
やっと会話ができるようになったと思ったら。
ああ、苛立っていく。
顔が真っ赤になっていくのを感じる。
そもそも貴様が黙っているから悪い。
黙っているから余計に貴様の事を考えてしまっただろう。
よく考えれば……
ああ、苛立っていく。
顔が真っ赤になっていくのを感じる。
そもそも貴様が黙っているから悪い。
黙っているから余計に貴様の事を考えてしまっただろう。
よく考えれば……
「貴様が全部悪い!」
「いや、それはおかしいよ!」
「……あのだか……」
「おかしくない! クリス、お前が悪いんだ! そういうことにしてくれ!」
「いや理由になってないよ!? いや銃向けたまま脅さないで!?」
「……あのだか……」
「おかしくない! クリス、お前が悪いんだ! そういうことにしてくれ!」
「いや理由になってないよ!? いや銃向けたまま脅さないで!?」
くそっ。
第一なんでこんなにクリスに苛立ってるんだ?
……わからん。
分からないからなおさら苛立っていく。
第一なんでこんなにクリスに苛立ってるんだ?
……わからん。
分からないからなおさら苛立っていく。
まあ、でも。
なんかこれでいいか。
取り敢えずは難しく考えず。
クリスとはこれで行こう。
取り敢えずは静留をとめる。
これは二人に取ってかわらないから。
だから
なんかこれでいいか。
取り敢えずは難しく考えず。
クリスとはこれで行こう。
取り敢えずは静留をとめる。
これは二人に取ってかわらないから。
だから
「よし、クリス。これでいい! 取り敢えず貴様のせいだ」
「いやだからさ……まぁいいか」
「ああ……それでいい」
「はぁ……」
「溜め息つくな。つきたいのはこっちだ」
「ナツキが喚かなきゃこんな事にはならなかったんだけど……」
「なんだと!?……そもそも貴様が!」
「いや、分かったから銃向けないで!……心臓に悪いよ」
「いやだからさ……まぁいいか」
「ああ……それでいい」
「はぁ……」
「溜め息つくな。つきたいのはこっちだ」
「ナツキが喚かなきゃこんな事にはならなかったんだけど……」
「なんだと!?……そもそも貴様が!」
「いや、分かったから銃向けないで!……心臓に悪いよ」
取り敢えずはこのまま進んでいこう。
お互いに。
クリスはクリス。
私は私だ。
お互いに。
クリスはクリス。
私は私だ。
そうやっていけばいい事。
「ふん……全く手間がかかるやつだ」
「……どっちがだよ……もう」
「……どっちがだよ……もう」
こうして進もう。
それがいい事だと。私は思ったから。
そう思った矢先
それがいい事だと。私は思ったから。
そう思った矢先
「……あのもういいか? さっきから無視され続けて哀しいんだが……」
何処かで見たローブを着た男が体育座りをしながら泣いていた。
……気付かなかった。
……もとい何をやってるんだこの男。
……気付かなかった。
……もとい何をやってるんだこの男。
「何をやってる?……変人か」
「……無視されてこれかよ……」
「……無視されてこれかよ……」
男はがっくりして空を見上げる。
私もつられて見上げた。
私もつられて見上げた。
そこには変わらずの満天の星空。
そして変わらず紅く禍々しく光る星があった。
そして変わらず紅く禍々しく光る星があった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「濡れ衣ってことか? それは」
「……ああ、そうだ。深優によるな」
「大丈夫、ナツキは問題ないよ。僕が証明する」
「何でお前はそんな短い間なのにそんな信用できるんだ? クリス」
「んー何となく?」
「……」
「いや、何故銃を向けるのさ!?」
「何、何となくだ」
「……ああ、そうだ。深優によるな」
「大丈夫、ナツキは問題ないよ。僕が証明する」
「何でお前はそんな短い間なのにそんな信用できるんだ? クリス」
「んー何となく?」
「……」
「いや、何故銃を向けるのさ!?」
「何、何となくだ」
えーと。
俺お邪魔?
俺お邪魔?
そんな事を思いつつ二人の少年少女を見る。
独りは電車の時にいた玖我なつき。
そして初めてみるクリス・ヴェルティン。
独りは電車の時にいた玖我なつき。
そして初めてみるクリス・ヴェルティン。
とはいえ仲間たちもいないし服もないので仲間を探しに遊園地を出て少し離れた所にこいつらがいた。
なつきは電車の時にあったので警戒はしたもののクリスと笑いながら会話してる様子から無害と判断し接触した。
……だけど、無視されました。
なつきは電車の時にあったので警戒はしたもののクリスと笑いながら会話してる様子から無害と判断し接触した。
……だけど、無視されました。
それは由として結果濡れ衣という事が判りそしてアルのことも知った。
第6回放送にツインタワーにて落ち合うことを聞いた。
アルを探していた俺にとっては大きな朗報である。
アルを探していた俺にとっては大きな朗報である。
「それで九郎はどうして一人でいるんだ?」
「ああ、それは……」
「ああ、それは……」
俺は遊園地での惨状を話し始めた。
皆散り散りになった事。
でも理樹を守りきったことをだ。
他の皆の生死が気になる。
……恐らく、気絶してる間に放送があったはず。こいつらなら知ってると思うけど。
……うん?
……どうしてそんな暗い顔してるんだ?
皆散り散りになった事。
でも理樹を守りきったことをだ。
他の皆の生死が気になる。
……恐らく、気絶してる間に放送があったはず。こいつらなら知ってると思うけど。
……うん?
……どうしてそんな暗い顔してるんだ?
「その……言いにくいんだが」
なつきが目を逸らしながら言う。
とても気まずそうに。
俺が聞きたくなかった事をいった。
とても気まずそうに。
俺が聞きたくなかった事をいった。
え?
お、おい?
ちょっと……
ちょっと待てよ。
お、おい?
ちょっと……
ちょっと待てよ。
護った。
護りきったはずだろう?
あの金髪の女が追いつけるはずが無い。
護りきったはずだろう?
あの金髪の女が追いつけるはずが無い。
なのに。
「お……い……嘘だろう?」
「いや……本当だ」
「いや……本当だ」
どうして呼ばれてるんだ?
理樹。
お前は希望だって言っただろう?
生きなきゃ駄目だろう?
お前は希望だって言っただろう?
生きなきゃ駄目だろう?
どうしてお前が……
……死んだんだ?
……だれがやったんだ?
……なあ。
……だれがやったんだ?
……なあ。
……どうして
「おぉぉおおぉぉおおおおおおぉおおおおお!!!!!!!」
吼えた。
全身から。
全身から。
どうしようもない哀しみと怒りと悔しさを抱いて。
ああ。
俺は護れなかった。
理樹を。
理樹を。
希望を。
……俺は。
……何やってるんだ?
理樹。
お前はどうして……
お前はどうして……
「……すまないが九郎……話を聞いていて思ったが源千華留はどうして離れた?」
「……仲間を探しに。お陰で助かってよかった……」
「……仲間を探しに。お陰で助かってよかった……」
憔悴している俺になつきが尋ねる。
千華留はそれで助かったんだ。
でも今はそれよりも理樹が……
だがそのときなつきは信じられないことを俺に言った。
千華留はそれで助かったんだ。
でも今はそれよりも理樹が……
だがそのときなつきは信じられないことを俺に言った。
「その直枝理樹……源千華留が殺した可能性が高いぞ」
「……はっ?……何馬鹿を言ってるんだ?」
「千華留は殺し合いに乗ってる可能性が高い。深優も怪しいといっていた。私はお前の話を聞いてもっと怪しいと思ったぞ」
「……はっ?……何馬鹿を言ってるんだ?」
「千華留は殺し合いに乗ってる可能性が高い。深優も怪しいといっていた。私はお前の話を聞いてもっと怪しいと思ったぞ」
はっ?
……千華留が理樹を。
あの千華留が……?
何言ってんだ?
……千華留が理樹を。
あの千華留が……?
何言ってんだ?
「何言ってんだよ……?……んな訳あるはずが」
「じゃあどうして千華留は戦闘が始まる事を見透かしたように遊園地から逃げ出したんだ? その後に戦闘が始まったんだろう?」
「……それは?」
「じゃあどうして千華留は戦闘が始まる事を見透かしたように遊園地から逃げ出したんだ? その後に戦闘が始まったんだろう?」
「……それは?」
「そして鉄乙女を相手にした橘平蔵は一緒に名前が呼ばれた。共に行動して別入り口から逃げたとされるユメイ、蘭堂りの、杉浦碧は生きている
直枝理樹はお前が逃がしたと言った。襲撃者が追いつかないぐらいの時間をお前が稼いで。なのに直枝は死んだ……そして千華留は行方知らずで殺し合いに乗ってる可能性が高い」
「まさか……いや違う……」
直枝理樹はお前が逃がしたと言った。襲撃者が追いつかないぐらいの時間をお前が稼いで。なのに直枝は死んだ……そして千華留は行方知らずで殺し合いに乗ってる可能性が高い」
「まさか……いや違う……」
違うはず……だ。
俺の頭の中で疑心ができ始めてるのが感じる。
そして最も嫌なケースを想像している。
違う。
そう思いたい。
だけどなつきはそのケースを言う。
俺の頭の中で疑心ができ始めてるのが感じる。
そして最も嫌なケースを想像している。
違う。
そう思いたい。
だけどなつきはそのケースを言う。
「つまりだ、源千華留があの金髪の襲撃者と共謀して惨劇を演出した可能性が高い。鉄乙女はたまたまであろう。そして逃げてきた理樹を殺したそう考えられる」
そんな……馬鹿な。
そんなはずが無い。
あの千華留が。
まさか。
まさか。
嘘だ。
嘘に決まってる。
そんなはずが無い。
あの千華留が。
まさか。
まさか。
嘘だ。
嘘に決まってる。
「そんなの間違いだぜ……きっと」
「間違いかもしれない……だが何故源千華留は遊園地に帰ってこない? 気絶したお前を見つけない? 可笑しいだろう? 戻ってこないのは惨劇が起きたことを知ってるからだ。そうだろう?」
「……あ」
「間違いかもしれない……だが何故源千華留は遊園地に帰ってこない? 気絶したお前を見つけない? 可笑しいだろう? 戻ってこないのは惨劇が起きたことを知ってるからだ。そうだろう?」
「……あ」
俺の中で何か崩壊した気がした。
千華留が……
千華留が……
千華留が……
千華留が……
理樹を殺した……
殺したのか。
希望だった理樹を。
希望だった理樹を。
あいつは偽りの笑顔でそれを肯定し心の中では否定していたのか。
そうなのか?
あいつは生き残る為なら理樹を殺すのか。
そうなのか?
あいつは生き残る為なら理樹を殺すのか。
……違う。
あくまで可能性だ。
あくまで可能性だ。
でも……
でも……頭から離れない。
でも……頭から離れない。
「千華留が……理樹を殺した」
口に出していってみる。
信じられない事だ。
でもこいつらの言ってる事は正しい。
アルの事もよく知っていた。
アルが信用してるからなつき達が嘘をつくとは思えない。
信じられない事だ。
でもこいつらの言ってる事は正しい。
アルの事もよく知っていた。
アルが信用してるからなつき達が嘘をつくとは思えない。
じゃあ本当に?
本当に……
本当に……
千華留が理樹を殺したのか。
そうだったら。
俺は……
何の為に命を張ったんだ?
何の為に……
ああ
「クソ……今畜生……理樹……りき……うおおおおおおおおおお!!!!!」
理樹は何の為に頑張ってきたんだよ。
むくわれねえよ。
そんなの。
むくわれねえよ。
そんなの。
なあ。
理樹。
俺は。
お前の為にどうすればいいんだ?
護れなかった俺はお前に何が出来る?
護れなかった俺はお前に何が出来る?
千華留を正すのか?
わからねぇよ。
わからねぇ……
わからねぇ……
でもお前の為に。
俺は。
千華留とどんな方法であれ決着をつける。
千華留とどんな方法であれ決着をつける。
確実に。
確実にだ。
確実にだ。
理樹を失って裏切られたかもしれない俺はただその事しか考えられなかった。
……それしか考えたくなかった。
……それしか考えたくなかった。
なあ理樹?
笑顔で逝けたか?
その答えは誰も知らず。
ただ夜の闇に溶けてなくなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「それじゃあ、いこうか。ナツキ、クロウ」
「ああ、わかった」
「……ああ」
「ああ、わかった」
「……ああ」
取り敢えずの細かい情報交換を終え僕達は中央に向かう事にした。
遊園地はクロウがいたし行かなくてもいいだろうという判断をナツキが行ったためだ。
「クロウ……」
「ああ、ワリィ、心配しなくても大丈夫だ……理樹の死を無駄には出来ない……千華留は殺し合いに乗ってるかは兎も角……どっちにしろ探し出して問いただす」
「そう……」
「ああ、ワリィ、心配しなくても大丈夫だ……理樹の死を無駄には出来ない……千華留は殺し合いに乗ってるかは兎も角……どっちにしろ探し出して問いただす」
「そう……」
クロウは僕たちとついてことに決めた。
リキの死にかなりショックを受けていたみたいだけど。
でも止まっていられないのだ。
リキの死にかなりショックを受けていたみたいだけど。
でも止まっていられないのだ。
僕は悲しみの連鎖を止める。
何があっても。
ユイコのためにも。
何があっても。
ユイコのためにも。
進まなきゃ。
進み続けなきゃ。
止まってはいけない。
それが僕にできる事だから。
進み続けなきゃ。
止まってはいけない。
それが僕にできる事だから。
(ユイコ……君は大丈夫? 今いくから……そして護ってみせる)
空を見上げる。
変わらず雨が降っている。
しとしとと。
まるでヒトの哀しみの様に。
止め処なく。
ずっとずっと。
止む事はあるんだろうか?
解らないけど。
でも僕達は進む。
変わらず雨が降っている。
しとしとと。
まるでヒトの哀しみの様に。
止め処なく。
ずっとずっと。
止む事はあるんだろうか?
解らないけど。
でも僕達は進む。
それが明日は希望に満ち溢れてると信じて。
「なあ……服ないか?」
「あるぞ。大量の」
「本当か!?」
「女性用だがな」
「……またかよ」
「あるぞ。大量の」
「本当か!?」
「女性用だがな」
「……またかよ」
……はぁ。
大丈夫なんだろうか?
大丈夫なんだろうか?
その溜め息は雨音共に消えた。
【F-7 北西/一日目/夜中】
【クリス・ヴェルティン@シンフォニック=レイン】
【装備】:和服、防弾チョッキ、アルのページ断片(ニトクリスの鏡)@機神咆哮デモンベイン
【所持品】:支給品一式、ピオーヴァ音楽学院の制服(ワイシャツ以外)@シンフォニック=レイン、フォルテール(リセ)、ロイガー&ツァール@機神咆哮デモンベイン、刀子の巫女服@あやかしびと-幻妖異聞録-、情報の書かれた紙
【状態】:Piovaゲージ:50%
【思考・行動】
基本:哀しみの連鎖を止める
0:まずは島の中央部へ。
1:静留を止める、救う。
1:唯湖を探し出して、守る。
3:首輪解除の有力候補であるドクター・ウェストを探す。
4:一人でも多くの人間を仲間に引き入れれる。即座に同行出来ないようならば、第六回放送時にツインタワーに来るように促す。
5:機会があれば、通り道にある施設を調べる。
5:第六回放送頃、ツインタワーでアル達と合流する。
【備考】
※西洋風の街をピオーヴァに酷似していると思ってます
※リセルート、12/12後からの参戦です。
※トルタに暫く会う気はありません。
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、「MightyHeart、BrokenHeart」の本文参照
【クリス・ヴェルティン@シンフォニック=レイン】
【装備】:和服、防弾チョッキ、アルのページ断片(ニトクリスの鏡)@機神咆哮デモンベイン
【所持品】:支給品一式、ピオーヴァ音楽学院の制服(ワイシャツ以外)@シンフォニック=レイン、フォルテール(リセ)、ロイガー&ツァール@機神咆哮デモンベイン、刀子の巫女服@あやかしびと-幻妖異聞録-、情報の書かれた紙
【状態】:Piovaゲージ:50%
【思考・行動】
基本:哀しみの連鎖を止める
0:まずは島の中央部へ。
1:静留を止める、救う。
1:唯湖を探し出して、守る。
3:首輪解除の有力候補であるドクター・ウェストを探す。
4:一人でも多くの人間を仲間に引き入れれる。即座に同行出来ないようならば、第六回放送時にツインタワーに来るように促す。
5:機会があれば、通り道にある施設を調べる。
5:第六回放送頃、ツインタワーでアル達と合流する。
【備考】
※西洋風の街をピオーヴァに酷似していると思ってます
※リセルート、12/12後からの参戦です。
※トルタに暫く会う気はありません。
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、「MightyHeart、BrokenHeart」の本文参照
【玖我なつき@舞-HiME運命の系統樹】
【装備】:ELER(二丁拳銃。なつきのエレメント、弾数無制限)
【所持品】:支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THEIDOLM@STER、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)、双眼鏡、首輪(サクヤ)、ベレッタM92@現実(9ミリパラベラム弾15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(15発入り)×3、七香のMTB@CROSS†CHANNEL~toallpeople~、クルーザーにあった食料、情報の書かれた紙
【状態】:軽度の肉体的疲労、強い決意
【思考・行動】
基本:静留と合流する
0:まずは島の中央部へ。
1:静留を止める、救う。
2:来ヶ谷唯湖を探す。
3:首輪解除の有力候補であるドクター・ウェストを探す。
4:一人でも多くの人間を仲間に引き入れれる。即座に同行出来ないようならば、第六回放送時にツインタワーに来るように促す。
5:機会があれば、通り道にある施設を調べる。
6:第六回放送頃、ツインタワーでアル達と合流する。
【備考】
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、本作の本文参照
※媛星に関する情報については、今の所ごく一部の人物(アルやウェストのように、媛星への対策を思い付き得る者)以外に話すつもりはありません。
※なつきはクリスの雨の幻覚について知りません
【装備】:ELER(二丁拳銃。なつきのエレメント、弾数無制限)
【所持品】:支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THEIDOLM@STER、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)、双眼鏡、首輪(サクヤ)、ベレッタM92@現実(9ミリパラベラム弾15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(15発入り)×3、七香のMTB@CROSS†CHANNEL~toallpeople~、クルーザーにあった食料、情報の書かれた紙
【状態】:軽度の肉体的疲労、強い決意
【思考・行動】
基本:静留と合流する
0:まずは島の中央部へ。
1:静留を止める、救う。
2:来ヶ谷唯湖を探す。
3:首輪解除の有力候補であるドクター・ウェストを探す。
4:一人でも多くの人間を仲間に引き入れれる。即座に同行出来ないようならば、第六回放送時にツインタワーに来るように促す。
5:機会があれば、通り道にある施設を調べる。
6:第六回放送頃、ツインタワーでアル達と合流する。
【備考】
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、本作の本文参照
※媛星に関する情報については、今の所ごく一部の人物(アルやウェストのように、媛星への対策を思い付き得る者)以外に話すつもりはありません。
※なつきはクリスの雨の幻覚について知りません
【大十字九郎@機神咆吼デモンベイン】
【装備】:キャスターのローブ@Fate/staynight[RealtaNua]手ぬぐい(腰巻き状態)、バルザイの偃月刀@機神咆哮デモンベイン
【所持品】:支給品一式、アリエッタの手紙@シンフォニック=レイン、凛の宝石7個@Fate/staynight[RealtaNua]、木彫りのヒトデ7/64@CLANNAD、物干し竿@Fate/staynight[RealtaNua]、タバコ、木彫りのヒトデ3/64@CLANNAD、加藤虎太郎の眼鏡、トランシーバー(故障)
【状態】:肉体的疲労(大)、背中に重度の打撲、全身に複数の打撲、肩に銃創、脇腹、右足に浅い銃創
【思考・行動】
1:千華留に問いただす。千華留に疑念
2:アルと桂、奏を捜索。
3:人としての威厳を取り戻すため、まともな服の確保。
4:アル=アジフと合流する。
5:虎太郎の生徒達を保護する。
6:ドクターウエストに会ったら、問答無用で殴る。ぶん殴る。
【備考】
※千華留、深優と情報を交換しました。
深優からの情報は、電車を破壊した犯人(衛宮士郎)、神崎の性癖?についてのみです。
※理樹の作戦に参加しています。 把握している限りの名前に印をつけました。
※千華留が理樹を殺したと疑っています。
【装備】:キャスターのローブ@Fate/staynight[RealtaNua]手ぬぐい(腰巻き状態)、バルザイの偃月刀@機神咆哮デモンベイン
【所持品】:支給品一式、アリエッタの手紙@シンフォニック=レイン、凛の宝石7個@Fate/staynight[RealtaNua]、木彫りのヒトデ7/64@CLANNAD、物干し竿@Fate/staynight[RealtaNua]、タバコ、木彫りのヒトデ3/64@CLANNAD、加藤虎太郎の眼鏡、トランシーバー(故障)
【状態】:肉体的疲労(大)、背中に重度の打撲、全身に複数の打撲、肩に銃創、脇腹、右足に浅い銃創
【思考・行動】
1:千華留に問いただす。千華留に疑念
2:アルと桂、奏を捜索。
3:人としての威厳を取り戻すため、まともな服の確保。
4:アル=アジフと合流する。
5:虎太郎の生徒達を保護する。
6:ドクターウエストに会ったら、問答無用で殴る。ぶん殴る。
【備考】
※千華留、深優と情報を交換しました。
深優からの情報は、電車を破壊した犯人(衛宮士郎)、神崎の性癖?についてのみです。
※理樹の作戦に参加しています。 把握している限りの名前に印をつけました。
※千華留が理樹を殺したと疑っています。
185:Good Samaritan | 投下順 | 187:The tower |
時系列順 | ||
183:Mighty Heart、Broken Heart (後編) | 玖我なつき | 197:PERFECT COMMUNICATION |
クリス・ヴェルティン | ||
174:Little Busters! (後編) | 大十字九郎 |