ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

Is it justice? No, it is a cherry blossom

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Is it justice? No, it is a cherry blossom  ◆UcWYhusQhw


穏やかな月の光。
俺はそれを唯浴びていた。

唯、月が綺麗だった。


一歩ずつ歩く。
体が軋む。

今は休憩できる場所を。
体が隠せる場所ならどこでもいい。

重い体を引き摺って。

何れ崩れ落ちるこの体。

でも。
それでも。

サクラノタメ二。

掛け替えの無いモノも引き換えに。


もう少しで一日が終わる。
沢山戦った。
沢山殺した。

桜に生きて欲しいから。

だから俺はサクラノミカタで居続けて。

そしてここにいる。

どんなに体が軋んでも。
どんなに心が痛んでも。

唯進んでいた。

そして住宅街に入り込み俺はすぐ近くの民家に入る。
その家はとても狭く台所と畳が敷かれた和室のみだった。
俺は和室に足を踏み入れた瞬間力が抜け足から崩れ落ちた。

体も心も限界らしい。

俺はうつ伏せになったまま独特の畳の臭いを感じながら瞼を閉じた。
眠るのは危険だとわかっている。
でも身体が言う事をきかない。

俺は意識をなすがままに先を見えない闇に落とした。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







夢だった。
不思議な夢だった。

在り得たかも知れないIF。
衛宮士郎が選び取らなかった選択肢。

俺はそれを傍観者の如くただ見るしかなかった。

舞台は今俺が居る場所と変わらない地獄の孤島。
そう、殺し合いが行われている場所。
そこに居たのは衛宮士郎、そう俺自身。
だけどそれは俺じゃない。

『セイギノミカタ』の衛宮士郎だった。
『サクラノミカタ』の衛宮士郎が選ばなかった選択肢。

俺は選び取らなかったIFをただ見せられていた。

『セイギノミカタ』は抗っていた、唯ひたすらに。

リセルシア・チェザリーニを救い進み続けて。
自称正義の味方の女とも歩み続けて。
浅間サクヤ如月双七などの沢山の仲間もいて。
殺し合いに乗ったものとも相対し。
椰子なごみを止め。
藤乃静留とも争っていた。

そして、桜をも救った。

この殺し合いで唯『セイギノミカタ』を貫いている。
本当に在り得たかも知れないIF。

唯、それを『サクラノミカタ』に見せ付けらていた。


何とも不思議な気分だった。
もし、『セイギノミカタ』だったら桜を救えたかもしれない。
そんな「IF」を思う。

じゃあ『サクラノミカタ』は間違いなのか?


―――いや、違う。


それでも俺は『サクラノミカタ』だ。
間違いではない。
俺は桜を救いたい。
その『唯一』の意志は『無限』を救おうとする『セイギノミカタ』に負けるはずが無い。

だから必ず救ってみせる。

この『唯一』の意志に懸けて。


「お前はそれでいいのか?」

不意に『セイギノミカタ』が話しかけてくる。
『サクラノミカタ』に問い掛けるように。
それでいいのかと。
IFを見せ付けて。
『サクラノミカタ』は笑いながら言う。


「ああ……これでいい」


『セイギノミカタ』はさらに言う。


「進むべきに道は救いは無くても? 平穏が無くても?」


『サクラノミカタ』はさらに言う。


「ああ、そんなの知ってるさ。それでも進むんだ」


未だ『セイギノミカタ』は言う。


「『無限』の人を救える力があるのに? 何故救わない?」


そんな『セイギノミカタ』の信念に『サクラノミカタ』は絶対の信念を持って言う。


「俺は『唯一』を救いたい。全力で。その為なら俺は全てをかけたい。其れだけだ」
その答えに『セイギノミカタ』は笑い最後に言う。


「そうか、じゃあな―――――『サクラノミカタ』」


そして消えていく。
選ばなかった「IF」は唯消えるだけなのだから。

そんな「IF」に「サクラノミカタ」は言う。


「ああ、じゃあな―――――『セイギノミカタ』」



そしてうたかたの夢は醒める。

選ばなかった理想に別れを告げるように。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







俺は意識を覚醒させた。
短い間だけ眠っていた、それでも疲れは取れていた、万全ではないが。

でも身体は動かせる。
まだ、やれる。

俺は『サクラノミカタ」としてやっていける。


さあ、いこう。


――私、極上生徒会書記の蘭堂りのです――


そんな時、少女の声が響く。

――みなさんに、伝えたいことがあります――


心に直接響くような声。


――えと、なんて言おうかな……あの、もう、やめません……か?――
――こんなことを続けても、みんなが悲しむだけだと思うんです。仕方ない、っていうのもあるんだろうけど――
――だからって、それじゃあ悲しみが続くだけだから。連鎖は、誰かが断ち切らなきゃダメだと思うから――


声は殺し合いをとめろという。
悲しみが続くと。

でも俺は止めるわけにはいかない。

みんなはいらないから。
例えエゴでも桜の為に動きたいから。

俺は止めない。

――子供っぽい、調子いいこと言ってるかもしれないけど、私は、みんなに笑って欲しいんです――
――みんなに、みんなにとっての、極上な日々を目指して欲しい。それだけが、私の望みです――


御免な。
俺は桜が笑ってるだけでいい。
そう、それだけでいいんだ。

俺に極上の日々など訪れない。

訪れて欲しいのは桜だけだから。

だから俺は進むよ。
褒められたものでもないけど。

――ただ桜の為に。


――……あ、っと。それから……奏会長と、プッチャンと、千華留さんと、ユメイさんに――
――ありがとう、でした。極上生徒会書記、蘭堂りの。終わります――

そこで声は終わった。

感慨は、無かった。

不思議だと思った。
唯それだけ。

サクラノミカタが迷う理由など全くない。


さあ進もう。
もう俺に出せる力は限られている。


投影もあと僅か。
本で出せる剣も無限に出せる力は無い。

でも俺には「無限」の必要はない、そんな力は無い。

俺は唯桜を護る「唯一」の剣だけあればいい。

ならば貫くべきは唯一の剣也。


唯一つの刃に絶大なる攻撃を。
唯一つの刃に最強なる鉄壁を。
唯一つの刃に至高なる力を。

唯一つの刃に絶対の意志を。
唯一つの刃に不惑の信念を。

唯一つの刃に己が全てをかけて。


そう、唯一つに己が全て出し尽くすのみ。それこそが究極の剣也。


そう、我志すもの。我目指すもの。




――――――――唯一つの剣製也。

【D-8 民家/1日目 真夜中(放送開始)】

【衛宮士郎@Fate/staynight[RealtaNua]】
【装備】:ティトゥスの刀@機神咆哮デモンベイン、木製の弓(魔術による強化済み)、赤い聖骸布
【所持品】:支給品一式×2、火炎瓶×2、木製の矢(魔術による強化済み)×3、
屍食教典儀@機神咆哮デモンベイン
【状態】:強い決意(サクラノミカタ)、肉体&精神疲労(小)、魔力消費小、身体の剣化が内部進行、全身打撲、左肩裂傷
【思考・行動】
 基本方針:サクラノミカタとして優勝し、桜を生き返らせる
 1:なごみと合流し、参加者を撃破する
 2:優勝して言峰と交渉、最終的には桜を生き返らせる。(場合によっては言峰も殺す)



【備考】
 ※登場時期は、桜ルートの途中。アーチャーの腕を移植した時から、桜が影とイコールであると告げられる前までの間。
 ※左腕にアーチャーの腕移植。赤い聖骸布を付けています。
 ※士郎は投影を使用したため、命のカウントダウンが始まっています。
 ※士郎はアーチャーの持つ戦闘技術や経験を手に入れたため、実力が大幅にアップしています。
 ※現在までで、投影を計三度使用しています
 ※今回の殺し合いが聖杯戦争の延長のようなものだと考えています

206:奈落の花 投下順 208:DEVIL MAY CRY
時系列順 209:第四回放送―Reason To be ―
203:修羅の系統樹 衛宮士郎 218:DEAT SET/イグニッション


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