ダウラチェンリ(DHAURA:CHENLI)
標高7636m
名前の由来は8000m14座のひとつ8167mのダウラギリ。
雪の山と言うこともあり、新人隊員を過労死させやすい。
7000m付近から気温が低く、凍傷になりやすい。
そのため無酸素アタックの際にはキャンプ2付近から、1泊もせずに一気に登ったほうがよい。
紹介ウィンドウ
吹きすさぶ偏西風は山の岩膚を削り取り、代償として、
永遠に解けることのない白い雪が、天空から届けられた。
ダウラチェンリは雪の山である。
雪が氷となって、山の北壁に幾筋もの爪痕を刻んでいく浸食の叫び声は、
今日もまた山全体に木霊している。
BC
ダマリBC、北ダウラチェンリ氷河BC、南ダウラチェンリ氷河BC、ダモスガBC、ダラマンガBCの5つ
ダマリBC(標高:4544m、標高差:3092m、ルート総距離:約5200m)
難易度:低
滑落:少★☆☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★★☆☆多
テント設営地点:
5365m(ガレ場)※落石可能性あり または 5475m(雪原)※雪崩可能性あり、
6087m(ガレ場)※落石可能性あり、6590m(ガレ場)※落石可能性あり、
6857m(ガレ場)※落石可能性あり
キャンプ設営に非常に困るルート。
西側および東側のルートからこのルートへの抜け道はあるが、逆はない。
稜線上なので風はそれなりに強い。
難易度:低
滑落:少★★☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★★★★多
テント設営地点:5247m(雪原)、6540m(雪原)
強風が吹き荒れるルートで大変ではあるが、
キャンプ設営に適した場所が多く、
風の弱い日に着実に登っていけば登頂は比較的容易。
難易度:低
滑落:少★★☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★☆☆☆多
テント設置地点:5578m(ガレ場)※多人数の場合は要整地工作、6735m(雪原)
尾根の東側脇を通過するため、このダマリ方面では最も風が弱い。
キャンプ適地は2か所あるが、初期スペースが狭く、単独行でなければ整地はほぼ必須。
難易度は低く、きちんとルート工作し風に注意を払えば登頂は比較的容易である。
北ダウラチェンリ氷河BC(標高:4633m、標高差:3003m、ルート総距離:約4500m)
北東壁直登ルート(赤)と大鷲の爪痕ルート(青)の2つ。
どちらのルートも傾斜が急なので、ルーキーには登攀が難しいかもしれない。
登壁能力のある程度高い隊員がいないと壁を登ることができないので注意。
登壁セットも忘れずに準備しておこう。
難易度:低
滑落:少★★☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★☆☆☆多
テント設営地点:5644m(ガレ場)、6627m(ガレ場)
雪壁が多少あるが登壁セットは15持っていけば頂上直下まで足りる。
7000m付近に200mほど雪壁があり、それ以降はテント適地はない。
しかしどのみち気温の関係でその付近にはテントを設置する意味がないので問題ない。
その雪壁手前のテント適地は広いので、そこをアタックキャンプとし早朝からアタックすれば夕飯前に帰還できる。
テント適地は2つだけだが、その2つだけで十分事足りる。なお整地セットは必須。
風は強くないが頂上付近だけは強風が吹くのでアタック時は注意。
難易度は最低ランク。
難易度:低
滑落:少★☆☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★☆☆☆多
テント設営地点:5942m(ガレ場)、6654m(雪原)
いくつか分岐は存在するが、もっとも遠回りのルートを除き、安全なテント設置適所はほとんどない。
ショルダーに出てからはピナクル・スノーブリッジ・ナイフリッジといった難所が待ち受ける。
アタック当日は7000m越えエリアを長時間歩くことになるので、体力に不安のある隊員は注意。
南ダウラチェンリ氷河BC(標高:4631m、標高差:3005m、ルート総距離:約5800m)
風が強くピナクルも存在する稜線ルート(赤)はダウラチェンリの中で最も難しいルート。
自信がない場合は稜線脇ルート(青)を推奨。
ショルダーに出てからの探索はかなり難航するので、
他のルートであらかじめ山頂付近の開拓を済ませておくか、食料を十分に準備してから挑みたい。
難易度:中
滑落:少★★★☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★★★★多
テント設営地点:5555m(ガレ場)、6193m(ガレ場)、6979m(セラック)※要整地工作、雪崩・落石可能性あり
稜線ルートのため強風に悩まされることになる。
キャンプ設営地点は豊富なので、風の弱い日を選んで移動するといいだろう。
難易度:中
滑落:少★★★★☆多
雪崩:少★★☆☆☆多
強風:少★★☆☆☆多
テント設営地点:6005m(ガレ場)※要整地工作、7008m(雪原)※雪崩可能性あり
強風を避けたルートだが、滑落危険度が高いルート。
雪崩の起きやすい箇所もあるため注意が必要
ダモスガBC(標高:4800m、標高差:2800m、ルート総距離:約5000m)
南面を直登するルート(赤)と、南西壁を経由するルート(青)の2つ。
どちらを選んでも最終キャンプは安全地帯以外に設ける必要がある。
雪崩や落石に襲われないうちにスピーディに登りたい。
難易度:中
滑落:少★★★☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★★☆☆多
テント設営地点:
5520m(ガレ場)、
6021m(ガレ場) または 6067m(ガレ場)※雪崩・落石可能性あり、
6940m(ピナクル) または 6961m(ガレ場)※雪崩・落石可能性あり
落石の多いルート。また、
ピナクル等の登攀難易度の高い地形がある為、
直登ルートの割りに時間がかかる。滑落にも注意。
難易度:低
滑落:少★★☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★★☆☆多
テント設営地点:
6005m(ガレ場) または 6211m(ガレ場)、
7201m(雪原)※雪崩可能性あり
BCのすぐ近くにもキャンプ設営に適した場所があるが不要だろう。
遠回りになってしまうが、中間部の雪壁を経由しない迂回ルートもある。
ダラマンガBC(標高:4600m、標高差:3000m、ルート総距離:約5200m)
難易度:低
滑落:少★★☆☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★★☆☆多
テント設営地点:5380m(氷河)、6478m(リッジ) または 6771m(リッジ)
風こそ強いが、他の稜線に比べて登攀の難しい地形もなく、キャンプポイントも豊富。
難易度:低
滑落:少★★★☆☆多
雪崩:少★☆☆☆☆多
強風:少★★☆☆☆多
テント設営地点:
5357m(ガレ場)、6331m(雪原) または 6445m(ガレ場)※雪崩落石可能性あり、
7026m(セラック) または 7037m(雪原)※雪崩可能性あり
バリエーション:
6233m(雪原)、7201m(雪原)※雪崩可能性あり
壁の連続で体力が削られるルート。
大きく迂回するルートもあるので、体力の低い隊員がいるなら
そちらを通る必要がある。
最終更新:2024年09月23日 00:57