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ブラックナイトスコードカルラ

ブラックナイトスコードカルラ
BLACK KNIGHT SQUAD Cal-re.A
登場作品 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
型式番号 NOG-M2D1/E
全高 21.20m
重量 87.72t
所属 ファウンデーション王国


【設定】

ブラックナイトスコードの次世代型最新鋭モビルスーツ(MS)。
正式名称を「Cal-re.A」、略して「レア」とも呼ばれる。

ブラックナイトスコードはザフトの技術を取り入れてファウンデーション王国で開発された機体であるが、シヴァやルドラと比べて本機は特にその影響が見られ、更に他のブラックナイトスコード機とはカラーリングが異なり、白地に金縁と、「ブラックナイト(黒騎士)」の名称とは相反させた何処か皮肉めいたものとなっている。
ちなみに伝統としての黒騎士とは紋章が刻まれた盾を真っ黒にして出自や所属を隠した(いわゆる不正規軍に近い)騎士が由来で、創作ではキャラクター性で黒い甲冑を身に纏うケースが多いが必ずしも全身真っ黒というわけではない。

機体操縦と火器管制の両立が困難であるためコクピットは複座式となっており、ファウンデーション王国の宰相オルフェ・ラム・タオがメインパイロットとして機体操縦を、彼の秘書を務めるイングリット・トラドールがサブパイロットとして火器管制を担当する。

基礎性能は他のブラックナイトスコード機と大差なく(つまり当代最高峰)、特に運動性を重視した調整が施されている。武装は射撃戦を重視した構成であるが、格闘戦にも問題なく対応できる。

近接特化型のシヴァや汎用型のルドラと比べて電子戦能力が高められており、ブラックナイトスコードのMSに共通する無人化した兵器の遠隔操作に加え、複座のサブパイロットが艦隊相当の火力を有する大型ドラグーン「ジグラート」を遠隔操作する。

さらに本体のドラグーン・システムと併せ、敵に対して驚異的な弾幕を展開し、その制圧力はストライクフリーダムガンダム弐式を上回る。




【武装】

OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル

ブラックナイトスコードルドラと共通のビームライフル。
本機はサハスラブジャやジグラートに射撃を任せていることからそれらが使用不可能になるまで使用されなかった。
非使用時はリアスカートにマウントされる。

OWC-QZ18 対モビルスーツ強化刀

サイドスカート両側にマウントされた近接戦闘用の白い長剣。主に二刀流で使用される。
射撃を遠隔操作兵器に任せている本機のメイン武装であり、これを二刀流に構えていることが多い。
ルドラの対MS重斬刀のようにソードストライカーやソードシルエットの対艦刀と同様の構造を持つ。
また、型式番号的にルドラの重斬刀の前駆型と思われ、そちらを一回り小型化させたような形状となっている。

OWC-Z199 超高インパルス砲 アドゥロ・オンジ

胸部に搭載された大口径の高出力ビーム砲。
普段は胸部の装甲で覆われており、使用時は装甲を展開して砲口を露出する。
ストライクフリーダムのカリドゥスが参考と思われるが、こちらもライジングフリーダムやストライクフリーダム弐式と同じ超高インパルス砲となっている。
おそらくは本機単体の武装として最大威力を持つと思われるが、不意打ち気味に放った一発目はストライクフリーダム弐式のビームシールドに防がれ、二発目以降もマイティーストライクフリーダムのナノ粒子に無力化されたため、あまり活躍の場に恵まれなかった

「アドゥロ・オンジ」とは東アフリカのルグバラ人の悪神「アドゥロ」の別名。

OWC-M17 ロック・クロウ モルスス・モルティス

ガントレット先端に2本生えた実体クロー。
リーチ的にも破壊力的にも強化刀の方が上であり、相手にした機体も実体兵器をほぼ無効化するVPS装甲だったため使用されなかった。
「モルスス・モルティス」はラテン語で「死の噛みつき」「死の一撃」を意味する。

OTS-303 ビームシールド アムルタート

ガントレット中央に内蔵されたビームシールド発生器。
ビームマントを装備していない本機にとって唯一の防御兵装となるが、劇中では使用していない(殆どの攻撃を強化刀にて受け止めるか運動性に任せて回避していた)。
内蔵箇所と形式からストライクフリーダムのビームシールドを参考にしたものと考えられる。
ビームシールドの色は不明だが、シヴァと同じであれば黄緑色のビームシールドを展開すると思われる。

ビームシールドは対ビームコーティングが施された実体の通過を許すという弱点があり、フェムテク装甲にはVPS装甲ほどの物理防御力はないため、ストライクフリーダムやデスティニーなどでは事実上黙認できた弱点が発生している*1
「アムルタート」はサンスクリット語で「不死」を意味する。

OTOS-815/J サハスラブジャ

ウイングユニットの武装プラットフォームに搭載されている計8基のドラグーン・システム。
端末の先端部に4門のビーム砲を内蔵しており、全8基合わせて32門になる。
端末の左右から一対のウイングとその前縁にビームカッターを展開することができ、格闘機能も有する。
なお、ウイングは格闘専用なためか常時展開していない。

その動作性能はパイロットの能力と相まって凄まじく、劇中ではストライクフリーダム弐式のスーパードラグーンを相手にして正面から一方的に勝ち合っている。
さらに、本武装の攻撃に対してキラ・ヤマトはSEEDを発動しつつドラグーンを射出してヴォワチュール・リュミエールを最大展開する、あるいは地形を活用して射線を制限した上でドラグーンのバリアを使うという、取り得る限りの回避力向上手段を講じていた。

またドラグーンの端末はバッテリー駆動のため定期的に再充電のために本体にマウントし直す必要があるが、サハスラブジャは長時間ビームを撃ち続けていたにもかかわらず本体にマウントし直したのが確認できるだけでは1度だけであり、サハスラブジャに搭載されているバッテリーは相当高性能なことがうかがえる。

「サハスラブジャ」はサンスクリット語で「千の手」あるいは「千の手を持つもの」、転じて「千手観音」を意味する。


【原作の活躍】

レクイエムの破壊を試みようとするストライクフリーダム弐式を撃墜すべくグルヴェイグから出撃、共に出撃したジグラートの1機の上に乗り、ストライクフリーダム弐式が戦っている月面へ向かう。

シヴァとストライクフリーダム弐式の交戦に参戦し、参戦と同時にドラグーンを射出してオールレンジ攻撃を仕掛ける。
それに対してストライクフリーダム弐式側もドラグーンを射出して応戦してきたためその機動力をもって全ての砲撃を掻い潜り、キラ・ヤマトのSEED発動とヴォワチュール・リュミエールの機動力により同じくドラグーンの砲撃を回避してきたストライクフリーダム弐式に強化刀にて斬りかかる。
これもビームシールドにて防がれ、その状態にて競り合っていたところに両機のドラグーンが駆けつけ、その砲撃を回避する形にて距離を取り直す。
そのままドラグーン同士の対決に移行し、ドラグーンの性能差をもってストライクフリーダム弐式側のドラグーン全8基の内3基を一方的に破壊する*2
月の重力に引かれて落下した後月面スレスレにて低空飛行するストライクフリーダム弐式に対して、上方からドラグーンによるビーム砲撃を降らす。

圧倒的機動力とドラグーンのバリアにより砲撃を凌がれたため、メサイア裏に隠していたジグラート3機から大量のミサイルを発射する。
それに対してストライクフリーダム弐式側もドラグーンフルバーストにて迎撃を試みるが、全て撃ち落とすことはできず、残りは後退しながら回避する。
この時、ドラグーン3基にて即座にバリアを展開し直そうとしたため、足が止まった展開直後のドラグーンに的確にドラグーンのビーム砲撃を当ててストライクフリーダム弐式のドラグーンを全て破壊する。

そのままミサイルとドラグーンの集中砲火を浴びせつつストライクフリーダム弐式に追いつき、頭部機関砲の牽制を物ともせずに接近する。左レールガンにて狙いを定めてきたところに背後からミサイルを直撃させて妨害すると同時に隙を作り出し、そこに強化刀にて斬りかかる。惜しくも右腕のガントレットにて往なされるがガントレット共々ビームシールド発生装置を破壊することに成功する。直後にドラグーンやミサイルにて追撃を行い、ビーム砲撃についてはビームシールドにて防がれるもシヴァの的確な連携もあって着実にダメージを蓄積させていく。

シヴァの近接戦をドラグーンにて援護するように立ち回り、シヴァの攻撃にて一瞬体勢を崩した隙に背後からミサイル6発を直撃させてウィングユニットを破損させ、その機動力の多くを占めるヴォワチュール・リュミエールの半分を奪った他、直撃の反動にてレールガンも手放させた。
そこへ両手に強化刀を構えて斬りかかり猛攻を仕掛けるもビームシールドにて防がれる。猛攻を止めて一旦距離を開けた瞬間にレール砲にて反撃されかけるも横合いからのシヴァの一閃により難を逃れ、シヴァがレール砲の砲身を斬り落とした直後に間髪入れずにミサイルの追撃を直撃させる。

この直撃によりVPS装甲の耐衝撃限界を迎えたストライクフリーダム弐式が後退を開始し、残ったレールガンとレール砲にて牽制射撃を行ってきたがその全てを回避し、大量のミサイルを浴びせながら肉薄して対艦刀にて斬りかかる。強化刀の一撃はビームシールドにて防がれ、レール砲にて反撃されるが難なく回避、逆に超高インパルス砲にて更に反撃する。
この一撃もビームシールドにて凌がれるが、そこに間髪入れずにミサイルを降らせてその爆風にて吹き飛ばし、メサイアの陽電子リフレクター発生装置の残骸に勢いよく叩きつける。これによりストライクフリーダム弐式は残ったウィングユニットを基部以外全損、さらにはVPS装甲の耐衝撃限界と動力炉のオーバーヒートによりフェイズシフトダウンを起こして膝をついた。

止めは追従してきたシヴァに譲るが、アスラン・ザラズゴックが駆けつけて間に割って入ったことで失敗したため、代わりに全火力を集中させて止めを刺そうとするも、一足先にプラウドディフェンダーとのドッキングに成功してマイティーストライクフリーダムになってしまい、そのナノ粒子のバリアによって全て防がれてしまう。
防がれたメカニズムが分からなかったこととプラウドディフェンダーから出てきたラクス・クラインの態度に業を煮やしたオルフェにより再度火力を集中させる(この時ジグラートが偏向ビームも撃ち始めた)も、全て防がれた上に反撃の広範囲電撃によりドラグーンが機能を停止して月面に落下する。
さらに、ディスラプターによりメサイア裏に隠れていたジグラートも全て撃墜され、オールレンジ攻撃手段を全て失った。

残された射撃兵装である超高インパルス砲やビームライフルにて応戦するもナノ粒子のバリアを突破することができず強化刀を構えて突進を試みるが、同じくフツノミタマとビームサーベルを構えて突進してきたマイティーストライクフリーダムと競り合いにもつれ込む。
一度距離をあけた後に再び超高インパルス砲を放つもナノ粒子に無力化され、強化刀にて斬りかかって再度競り合いにもつれ込ませる。今度は強化刀にてビームシールドを封じつつ至近距離にて再度胸部ビーム砲を放つが、それでもナノ粒子を突破することはできず、逆にディスラプターの接射を食らって左腕と左翼を吹き飛ばされる。

最後はフツノミタマとビームサーベルを構え直して突進してきたマイティーストライクフリーダムを強化刀にて迎え撃つもビームシールドにてはじき返されて体勢を崩し、その隙にフツノミタマを右肩口に突き刺され、そのままコクピット付近まで切り裂かれて爆散した。


【搭乗者】

オルフェ・ラム・タオ

CV:下野紘
新興国ファウンデーション王国の宰相を弱冠20歳で務めるアコードの男性。
アウラ・マハ・ハイバル女王の親衛隊ブラックナイトスコードの一員で、アウラに強い忠誠心を抱いている。
本作におけるメインヴィランでありラスボス。そして、見方によっては『影の主人公』とも取れる。

ラクスを伴侶として共に世界を導くための存在として生まれており、序盤から積極的にアプローチし、中盤で誘拐してからはπタッチ直接手を掛けるなど執着に近い感情を見せている。

繊細で端整な顔、穏やかで紳士的な人物だが、本質的にはブラックナイトスコードのメンバーに通じる傲慢な性格。
また思い通りにならないことに直面すると自制心が利かなくなり、感情を爆発させるなど精神的に幼いと思わせるところも。
しかし、その高い自尊心とプライドに見合うだけの実力を持つ。

戦艦グルヴェイグの指揮を執り、モビルスーツ乗りとしても優れている他、競技レベルのダンスも踊れる。
ファウンデーションがめざましい復興を可能としたのは彼の手腕によるものであり、ギルバート・デュランダル前議長も認めていた。

一人称は「わたし」、もしくは「ぼく」。

【原作名台詞】

  • オルフェ「あなたのために咲いたのです。どうぞ」
    ラクス「ありがとうございます。きれいですわ」
    「よかった。もしお気に召さなければ、薔薇たちがみんな、がっかりして萎れてしまうところでした」
    • ファウンデーション首都イシュタリアに世界平和監視機構コンパスが寄港した日の夜、宴の最中に中庭でラクス・クラインと会った際の一幕。
      キザったらしくラクスに薔薇を差し出すのだが、後のオルフェの言動と照らし合わせると気障の一言で片づけられない台詞。
      この薔薇をオルフェの暗喩と見ると、最下段の台詞はまさしくオルフェの辿る運命そのものを示唆した台詞とも言える。

  • 「彼女を追う資格が、君にあるのかな?」
    「失礼だが君は彼女には相応しくない。破壊、憎しみ、そして死、君が生み出すのはそんなものばかりだ。違うかい?」
    「デュランダル議長を討って君は世界から何を奪った? 秩序、平和、争いの無い社会。人々が失ったものに見合う働きを君はしていると言えるのかな?」
    「デスティニープランを提示された世界はもう戻ることはない。君もわかってるんだろう? 皆決めて欲しいんだよ。自分に出来ること、望まれることを」
    「彼女はそんな世界を導く光だよ。その傍らに立てるは同じく世界を導く者だ」
    「私なら出来る。彼女の望む世界。戦いの連鎖もない、安定と調和の世界を創り出すことが私には!!」
    「君には出来ない。戦うことしか出来ない君には」
    「それで? 平和が訪れた時君はどうする? その血塗られた手で彼女の手をとるつもりか?」
    • アグネス・ギーベンラートが強引なアプローチを仕掛けラクスへの暴言を宣ったせいで、自身に届ける予定だった夜食を置いて外に出てしまったラクスを追い掛けていたキラ・ヤマトへの、一方的な批難。
      自らが心の内で懸念していた事を指摘されたキラは、ラクスがオルフェに対して久しく見ていなかった笑顔を向けていたのを目撃したことから、何一つ否定出来なかった…。
      しかし、逆に言えば、オルフェは戦士としてのキラ・ヤマトしか見ていないのがこの台詞で分かる。

  • 「なぜだ…あなたは私と世界を統べるために生まれてきたはずだ! なのに、どうして私を受け入れない――私の愛を!?」
    • 時間を置き、再びラクスを陥落させようとするが結果はノー。
      キラの生存とその愛を信じ、頑なにオルフェを拒絶するラクスの姿が信じられず、この台詞を放つ。
      しかしラクスからは、「あなたの愛する『ラクス・クライン』は、私ではありません」と、「私の愛」まで明確に否定する返答を突き付けられた。
      無理矢理肉体関係まで迫る様子を見せたオルフェも、存在意義が揺らぐような言葉には耐えられず、一度出入り口と違う方向に向かいかける程に動揺しながら部屋を後にしていった。

  • 「役目を果たせなければ、我らに生きる意味はない!」
    • コンパスの反撃により、レクイエムを防がれるどころかラクスまで救出されてしまい、ラクスの見張りをしていたイングリット・トラドールに平手打ちを見まいながら。
      存在意義が揺らいでいたオルフェにとって、この台詞は自分にも言い聞かせるようなものだったのだろう。役目を与えれ、そのために育てられてきたアコードは、その存在意義を奪われてしまえば……。

  • 「汚らわしい! 貴様のようなゴミがラクスの名を口にするなど! 百万回殺してもその罪は消えぬ!!」
    「何故お前が邪魔をする!? 何もできない失敗作のお前が! 生まれてくるべきではなかったのだ! なのに、のうのうと生きて愛されている! そんな資格もないくせに!!」
    「ならばその愛を寄越せ! 彼女は私のものになるはずだったのだ! それを貴様が!!」
    • メサイア跡地にてキラと対峙。
      「ラクスの愛」を武器と称したキラに異常なまでの憎悪と嫉妬心を剥き出しにして襲いかかる。
      失敗作と侮っていた相手をラクスが選んだ事は、オルフェにとってこの上ない存在否定と屈辱に等しかった。
    • このあまりにもな執念深さから、応援上映ではオルフェを罵倒した観客もいたといわれている…。

  • 「クソッ、虫ケラ共がぁぁ!!」
    • イングリットと同じくシュラの死を感じ取った際の叫び。
      他のブラックナイツ達も既に倒されており、アコードとしての優位性は既に無くなっていた。

  • 「未来などいい! 私は今、貴女が欲しい!!」
    • 拒絶され続け、追い詰められ、「貴方を見ている誰かが必ず近くにいる」と告げられてもなお、先の見えない未来より今まさに使命を果たさんと妄執の如く目の前の「ラクス・クライン」を求め続けるオルフェ。
      後ろでそのオルフェを見ている誰か(イングリット)が哀しげな表情をしている事も見えず…。

  • 「人の愚かさ故に我らは生まれた。平和だ平等だと口にしながら、他者に変わる事を要求し、決して自ら変わろうとはしない。」
    「だからいつの時代も争いは絶えない。恨みを忘れず、破滅に瀕しているというのに、目先の損得や思い込みに取り憑かれ、足を引っ張り合う! 皆愚か者だ!!
    「導く者が必要なのだ! この分断と流血の歴史を終わらせる! それが我らの生まれた意味だ!!」
    • オルフェより語られた自らの使命。
      これまでのC.E.は確かにナチュラル・コーディネイターの対立と戦乱の連続であり、耳の痛い話である。
      デスティニープランで早急に世界を変えようとする彼らの想いを理解しつつも、ラクスは彼が「愚か者」と切り捨てている人々こそが世界を支え動かしている、世界を変えるならそんな人々の地道な努力こそ必要と否定する。そして…。

  • 「馬鹿な……わ……私には、使命が……」
    「イングリット……?」
    • 最期の台詞。
      コックピットを貫かれてなお、使命に縋りつこうとするオルフェだったが、後ろから最期の力を振り絞り抱き寄せるイングリット。
      何もかも失ったはずのオルフェは、最期に残ったイングリットにより使命から解き放たれ、憑きものが落ちたかのように逝った。

イングリット・トラドール

CV:上坂すみれ
新興国ファウンデーション王国の女王親衛隊「ブラックナイトスコード」の一員で、国務秘書官を務めるアコードの女性。
宰相であるオルフェ・ラム・タオを行政面でサポートしている。
年齢は20歳で、同僚のリデラード・トラドールは実妹にあたるが、アコードの性格上関係性は皆無に等しい。

優生思想の塊で好戦的な性格揃いのブラックナイトスコードの中では珍しく、客人のキラ・ヤマト達を見下すシュラ・サーペンタインらを注意するなど、礼儀正しく穏やかな性格。
一方で、後述するようにコンパスを罠に嵌めて罪を被せ葬り、自国の首都を核で焼き払い、オルフェの演説を微笑んで見ているあたり、根っからの善人とも言い難い。
とは言え、自作自演による核攻撃で滅んでしまった自国の首都イシュタリアの有様をシャトル越しに目の当たりにした際は、物憂げに嘆息しながら目を瞑るなど、少なからず自国民に対する所業に対しては「罪悪感が無い」とは言い切れない*3

オルフェのことを一途に愛しているが、彼の運命の相手として生まれたのはラクスで、自身には彼を愛する資格がない。
そのため、恋心を口にすることは出来ず、彼がラクスに言い寄る光景を陰で眺めながら何度も涙を流しており、ジレンマに深く悩み苦しんでいたことが度々描写されている。
なお、アコード同士のテレパシー能力からも秘匿しないといけないため、同胞の前では常に心を押し殺し続けていた。

余談だが、使命は果たそうとするが内心では抵抗があった様子から、アコードの失敗作と呼ばれたりしている。
また、これほどの悲哀を抱えているだけあって、(福田監督直々に)スパロボシリーズでの救済が要求されている珍しいキャラとなっている。

【原作名台詞】

  • 「お客人に失礼ですよ、貴方たち!」
    • キラ達コンパス隊を挑発するシュラ達を強く注意して。
      ここで下手に揉めてキラ達の機嫌を損ねた場合、ファウンデーション側の『計画』が瓦解しかねないのでそれを防ごうとした可能性も考えられるが、恐らく彼女の真面目な性分を考えると本心からの行動だったであろう。

  • 「サーペンタイン団長! いい加減にして下さい!」
    • サーベルでの決闘でシンを打ち負かして礼節を欠いた発言を繰り返し、キラにサーベルを向けるシュラを注意する。

  • 「オルフェだって、貴女が優れているから、だから愛している。誰だってそうでしょう? 優れたものが欲しい、側に置きたい、その価値があるから必要とされるの。愛されるんでしょ!?」
    • 宇宙要塞アルテミスにキラが救助に来た事を察したラクスに対して。ラクスの存在で叶わぬ恋心を明かして嫉妬しているとも取れるが、愛される事の条件が優れているからと、それに見合う資格が必要だとしている彼女に対してラクスは静かに返した。「それは本当に『愛』でしょうか?」と…。

  • (本当に撃ち殺してやろうか?)
    • 小説版にて、↑から続く独白。
      「敵の手に渡るくらいならオルフェも『殺せ』というだろう」と判断しているが、その殺意は合理的理由だけではなく嫉妬から来ていることを少しだけ悟っている。

  • 「もういいのよオルフェ…」
    「私は、知っているから……」
    • 最期の台詞。
      自らに定められた役割に拘る余り取り乱すオルフェを抱きしめて宥め、爆発するカルラと運命を共にする。

  • (ずっとあなたを見てきた。あまりに近すぎて気づいてもらえなかったけれど。
    愛に資格が必要ないなら。私は胸を張って言おう。あなたを愛していると。愛している。愛している……。)
    • 小説版における最期の瞬間。最後の最後にようやくオルフェに想いを届けられた瞬間だった…。


【VS.シリーズの活躍】

EXVS.2 IB

第14弾追加機体として参戦。
時限式アシストのジグラートと時限強化のサハスラブジャという2種の時限強化を持つコスト3000の万能機として登場。

通常時はドラグーンととバックパックを収納した控えめな万能機。
とはいえメアメキャン可能なジグラートとシヴァ、誘導切りの特殊移動で簡単には取られないが味方を助ける性能は低い。
横格闘では最終段でオルフェがイングリッドにしたビンタをする。

時限強化でバックパックをドラグーンを展開した劇場版で印象深い姿に移行。
メインがパメ8のようなサハスラブジャからの連射となる。各種アクションで使用していると連射可能数が減るのも一緒。
射撃CSが単発の腹ビーム。
格闘CSではサハスラブジャを全基飛ばして包囲からビームを撃つオールレンジ攻撃だがその間メインが使えなくなる困った子。
特格がサハスラブジャ3基と突撃し腹ビーム照射、刀を交差してスーパーアーマーで突撃するどっかで見たようなの、切り抜け、ピョン格に派生可能な特殊移動兼ソードビット的な者になる。
格闘は通常時とさほど変わらないが、N横格闘の後派生が滅茶苦茶長いがカッコよく火力も出る乱舞となる。

共通のサブのジグラートは入力すると原作再現とはいえなんとステージ外に3基出現
発動時からカウントが減り、発動時、追加入力でステージ外から大量のミサイルが降り注ぐ。
ハルート以上に視認性が悪すぎるので相手からは専用のマーカやーアラート音がする仕様になっている。
ちなみに撃っている相手にロックして顔が相手の方に向いているとガイドレーザーが出る細かい仕様。
メサメキャン対応だが後覚醒技以外ではリロードされない。

特射ではシヴァを呼び出す。
Nがスタン+鈍足のミサイル針、レバー入れで覚醒アシストかってくらい乱舞攻撃をしてくれる。強制ダウンまで持って行ってくれる近年のアシストとしては珍しい存在。

覚醒技はNで発動時点で強化が入る射撃も入り混じった乱舞、後でストフリ弐式にトドメを刺そうとしたジグラート3基による赤ビーム照射。ちなみに後者はプラウドディフェンダーで防がれている。ドゥンドゥンドゥンドゥン……
照射の方はサブが補充されるがレヴィテーターの時限強化は入らない。


【勝利・敗北ポーズ】

勝利ポーズ

通常時:サハスラブジャを展開して空中で浮遊しポーズをとる。
シヴァ呼び出し時:シヴァと並び立つ。シヴァはHGのパッケージのポーズ。
ジグラート呼び出し時:ジグラートの上に立って攻撃指示のポーズ。決めポーズ以外は出撃シーンの再現か。ちなみにシヴァと当時に出ている場合こちらが優先されるっぽい。

敗北ポーズ

フツノミタマが刺さった状態で爆散。
原作最期のシーン。


【その他の活躍】

スーパーロボット大戦

『DD』で登場。
ストーリーとしては概ね原作通りなのだが、並行世界を超えて結成されたプレイヤー部隊『ディバイン・ドゥアーズ』を丸ごと相手にする……という訳ではなく、過去の戦いで並行世界に対して不信感があるためキラ達『第3世界』と呼ばれる世界の住民だけで解決するとコンパス+ミスリル*4で対処することとなる……という相手には後詰めがいる状況で追い詰められ、さらに並行世界を超えて敵が集まった再生怪人集団部隊『ディスコード・ディフューザー』から一時協力を提案されてアウラが吞んでしまい、結果ディバイン・ドゥアーズ丸ごと相手にすることになってしまう……という原作以上に追い詰められて撃破されてしまう。
そしてその後の展開のインパクトが強いため印象が薄れてしまうというのも残念なポイント。

ちなみに原作では叶わなかったアスラン、シンと闘うことも可能。
アスランと多分シンには戦闘前には会話が用意されている。

アーセナルベース

マイフリと同じ弾にて登場。

少し後に編成条件を満たした場合一度だけ戦術技(必殺技みたいなもん)がジグラートによるゲロビ斉射に変わる。

後に参戦したシヴァにも言えるが撃墜される、あるいはされて爆散する直前を描いたカードが存在する。


【余談】

カルラとは、仏教における守護神である迦楼羅。インド神話における最高神の1柱であるヴィシュヌ神の乗り物としても知られる神鳥・ガルダ(ガルーダ)の別名。過去のガンダムシリーズではガルダ級超大型輸送機の由来として採用されている。
ガルーダは賭けに負けて姉妹の奴隷となっていた母を奴隷の境遇から救い出すために生まれてきた存在である。アウラを慕いアウラの理想のために生きたオルフェとイングリットの機体の名として意味深長である。

アナザーガンダム(オルタナティブ作品)では貴重な非ガンダムタイプのラスボスである。誰がラスボスが曖昧な鉄血2期を除けばアルヴァアロン及びGNフラッグ、ヴェイガンギア・シドグレイズ・アインぐらいしかいない。外伝もほとんどがガンダムタイプだったりする。

ガンプラは10月26日に1/144 HGCEで発売された。
関節フレームは他のブラックナイトスコードとほぼ共通で、両翼は専用パーツに差し替えることで展開状態を再現でき、光の翼のエフェクトパーツはシヴァやルドラのマントパーツと同じPET素材を使用している。
ドラグーンに装着できるビームサーベルが16本付属し、アクションベースの3㎜軸を差し込めるジョイントがあるため、それを用いることで射出状態を再現できる。
更にRGシナンジュのように装甲の色分けがパーツ分割で再現されているが、構成上一度組み立てると分解が非常に難しくなる箇所があるため、仮組を行う場合は注意する必要がある。
金色部分はリアルメタリックグロスインジェクションを採用しているが、色々と残念な事になっていたHGCEマイティーストライクフリーダムからはしっかりリベンジが果たされ綺麗な黄金色に輝いている。
一方、メタリックパープルの部分は色を補完しきれず全てシール再現となっている。ガンダムマーカーならガンダムメタバイオレッドがかなりその色に近いため部分塗装するのも良い。
シヴァと同様にビームシールドのエフェクトパーツは付属していない(本機の場合は使用場面が無いため仕方ない部分もある)。当然だがジグラートも付属していない。

また、ウイングユニットはバックパックのジョイント径が合うものならどのMSでも取り付けることができ、当然HGCEマイティーストライクフリーダムにも装着できる(プラウドディフェンダー同様に白と金の色合いなため結構似合う)。
一方、カルラ側は襟周りが干渉するためプラウドディフェンダー(≒ラクスの愛)を装着できない。ついでに言うならストライクフリーダム(≒ラクスの祈り)、フリーダム(≒ラクスより託された剣)のウイングも装着不可。
ついにバンダイからも(装着不能な構造という形で)拒絶されてしまうと言うのは何とも皮肉なことである。
ちなみにこれはシヴァも同様だが、残るルドラの方は干渉する部分がないため全て無改造で装着可能だったりする…。闇に堕ちろ

その後、一年半後に発売されたHGガンダムサンドロック改EWのマント装着用のジョイントを使用すると接続できるようになったが、この場合でも他人の力を使わないと愛を受け入れられないという別の意味での皮肉になってしまった…。それはそれとしてカトルもいい迷惑な事だろう。


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最終更新:2026年09月18日 11:00
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*1 一応、ガントレット自体が実体シールドとして機能する場合、この弱点もある程度緩和されていると思われる

*2 2基はビームを放つために足を止めた隙をついてすれ違いざまのビームカッターにより両断、1基は軌道を読んでビーム砲を直撃させた

*3 特に小説版では「悲しげに顔を背ける」と明確に記されており、ただでさえ痛ましかったのに、より悲劇性が増している

*4 フルメタルパニックの組織