【設定】
ザフト軍の強襲揚陸艦。
第二次ヤキン・ドゥーエ戦役を戦い抜いた
アークエンジェル級を参考にしていると言われている。
MSの運用艦として建造されているが、機動力と火力に優れており戦闘力もある。
インパルスガンダム専用の発進カタパルト、CICと一体化する可変昇降式戦闘ブリッジ(戦闘時はブリッジが遮蔽されCICに移動する)、デュートリオンビーム送電システム発信機を備えており、歴代のザフト艦艇には無い新システムを多数採用した試験艦としての役割も持っている。
ミネルバの名はローマ神話の女神から、各種武装はリヒャルト・ワーグナーの歌劇のタイトル及び登場人物から採られている。
【武装】
陽電子破砕砲 QZX-1「タンホイザー」
艦首中央に設置されている陽電子砲。
ザフト艦艇として初めて搭載された陽電子砲で威力は本艦で最強を誇る。
アークエンジェルの陽電子砲ローエングリンを参考に搭載されたと思われるが、ローエングリンが環境汚染問題のある旧型を搭載していたせいで使えなかったとはいえ参考元とは違って地上でも展開打破のために積極的に使用された。
2連装高エネルギー収束火線砲 XM47「トリスタン」
艦尾の右舷と左舷に1門づつ装備されているビーム砲。
搭載位置からこれも
アークエンジェルを参考にしたと思われるが、上方向への回頭も可能となっている。
42cm通常火薬3連装副砲 M10「イゾルデ」
艦首中央に設置されている3連装の副砲。ジャミング弾もここから撃てる。
40mmCIWS
船体各所に設置されている高射機関砲。合計12基設置されている。
ミサイル発射管
船の両弦に設置されている4連装のミサイル発射管。
主に宇宙用の「ナイトハルト」、地上用の「パルジファル」、迎撃用の「ディスパール」の3種類を使用。
魚雷発射管
対水中用の武装。魚雷「ウォルフラムM25」を発射する。
アンチビーム爆雷
船体各所から射出する耐ビーム用爆雷。
【特殊機能】
デュートリオンビーム送電システム
バッテリー容量増加や核動力以外の方法でMSの活動時間を延長させるために開発された電力供給システム。
デュートリオンビームを照射し、同システムの受信機を持つ機体に受信させる事で遠距離からの電力補給を可能としている。
ミネルバに送信機、インパルス、
カオスガンダム、
アビスガンダム、
ガイアガンダム、
セイバーガンダムのセカンドステージシリーズ5機が額部に受信機を備えて対応している。
【原作の活躍】
アーモリーワンで建造され進水式を行う予定だったがセカンドステージシリーズの強奪を受け、追撃のためそのまま実戦投入される。
その後インパルス他と共に各地を転々として、ユニウスセブン落下事件、
ガルナハン攻略戦、
ベルリン侵攻阻止、
フリーダムガンダム撃墜、ヘブンズベース攻略戦、
オーブ侵攻、ダイダロス基地の単独攻略、メサイア攻防戦など主要又は重要な作戦には必ず投入されており、
アークエンジェル撃沈は叶わなかったもののザフトの精鋭部隊として遜色ない活動を続ける。
最終決戦では三度
アークエンジェルと対峙して互角に渡り合い、
エターナルを同軸上に置いてからのタンホイザーで追い詰めたが
シラヌイアカツキに防がれ、反撃でタンホイザーも潰された。
その後も継戦したがすれ違い様にバレルロールからのバリアントでトリスタンを潰された直後に
インフィニットジャスティスガンダムのファトゥム-01の突撃でエンジンを破壊され、航行不能となって月面に不時着するもタリアの指示でクルー達も退艦してその役目を終えた。
戦後の扱いがどうなったかは不明だが、後年にミネルバの名を受け継ぐスーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦が建造されている。
【艦長】
タリア・グラディス
CV:小山 茉美
ザフト軍ミネルバの艦長。
優れた判断力とリーダーシップから部下からの信頼も厚い。
デュランダルとはかつては恋仲だったが遺伝子的に不適合で別れており、別の男性と結婚して息子のウィリアムを儲けている。
しかし、息子を授かってからもデュランダルとの関係は続いている一方で、彼の行動や政策に疑問も抱いている。
卓越した指揮で数々の激戦を潜り抜けてきたが、メサイア戦終盤でマリューの指揮するアークエンジェルに敗北、インフィニットジャスティスの攻撃により月面に不時着したあとは戦いを見届けていた。
その後、メサイアの陥落を目の当たりにするとクルー達をアーサーに任せてメサイアに急行、最期は崩落する司令室の中でデュランダル、レイと運命を共にした。
【原作名台詞】
- 「沈みたいの!?」
- 連合軍が投入した新型MAザムザザーに対して陽電子破城砲タンホイザーの使用を指示した事に
いつものように驚いたアーサーに対して。しかし、タンホイザーは陽電子リフレクターを持つザムザザーには通用しなかった。
- 新型機動兵器が相手とはいえ、1機相手に滅多な事では使用しないであろうタンホイザーを使うのに驚くのもわからなくはないが、自身はおろか数多くのクルーの命が危機に晒されている状況でこれではタリアが一喝するのも当然である。
- 描写的には地球上で環境や高すぎる威力に配慮して、同じ陽電子破城砲ローエングリンを使用しなかったマリュー・ラミアスとの対比にもなっている。
- アーサー「ああっ! マルベースとブルトンが!?」
タリア「(ギルバート、あなた…!!)」- メサイア攻防戦。射線上に味方のナスカ級がいるにもかかわらず、ネオ・ジェネシスを発射したデュランダルの非情を目の当たりにして戦慄する。なお、パトリック・ザラの時とは違い、目標が敵軍とはいえ制止するオペレーターは誰もいなかった。
- 「あなたは行きなさい! この人の魂は、私が連れて行く」
- メサイアが崩壊を始めた中、脱出を促したキラに対して。この際に子供がいる事を明かす。
小山氏のインタビューを考えると意味深に聞こえるのは気のせいだろうか
- 息子がおり、身寄りが自分しかいないという状況にも拘わらず最後はデュランダルやレイと心中したため小山氏は「同じ女性として考えが理解できない」とばっさりコメントされている。
- とはいえ、デュランダルが道を誤ったのは自分のせいだという気持ちもあったようでタリアも複雑ながら自分なりにけじめを付けたかったのだろう。小説版では自分を「身勝手な女」と自覚していたり、新装版『THE EDGE』では心境が深掘りされて最期は息子を置いていく事に対して申し訳なく思っていたりとフォローされている。無論ウィリアムは知る由もなく反発されてしまうが…。
- デュランダル「すまないね、タリア。でも、嬉しいよ…」
タリア「しょうのない人ね。でも、本当仕方がないわ。これが運命だったという事じゃないの? あなたと私の…」
デュランダル「フフ、やめてくれ……」- デュランダルと共に逝く事を選んだタリア。小山氏の言う通り女性や一児の母としては大問題だが、愛するデュランダルに寄り添いたいというタリアの想いが結実した瞬間でもあった。
- ちなみに小山氏は放送当時のインタビューで「最後は議長の頭をバズーカでぶっ飛ばしたい」とコメントされていたが、これはかつて演じていたキシリアが最終話でシャア(池田氏)にされたことへの意趣返しだろう。
【搭乗員】
アーサー・トライン
CV:高橋 広樹
ミネルバの副艦長。
艦長とは対照的に迂闊な発言や不測の事態に度々叫んだり慌てたりするなど頼りない人物だが、戦闘中の指揮に問題は無い等実力はしっかりあったり、ガルナハン攻略戦のミーティングでは作戦説明をアスランにさせることでアスランの指揮官としての能力の高さを見せるように仕向け、ミネルバ内に溶け込めるようにするなどのさりげない気配りを見せたりもしている。
マリューに見惚れてタリアに耳をつねられたり、
ラクス・クラインに扮した
ミーア・キャンベルの大ファンだったりする一面も見せている。
戦後は古巣であるミネルバを航行不能にし死者も出したため再会に気まずそうにするアスランに気さくに話しかける人間としても成長した。
タリアの息子であるウィリアムに遺品を渡しに行った際にタリアの不倫に気付いていたウィリアムに「自分も軍人としての立場も何もかも捨てた母にとって自分は大切なものではなかったのでしょう」と言われるが、再会したアスランとの会話を経て「彼女の遺したものの中で一番大切なものはウィリアムだ」「彼女の考えはもう誰にもわからないが、だからこそ彼女への不満含めた思いを吐き出せて、受け止める人間が必要だ」と自分を後見人にして欲しいと頼み、徐々に受け入れられていくという人間的な強さを感じさせた。
C.E.75年には国際平和機構コンパスに参加してミネルバの後継艦「ミレニアム」の副長を務める。
階級は少佐となっているが、相変わらずのムードメーカーっぷりを発揮していた。
当初は退役を考えていたがシンやルナマリアがコンパスに参加しているのを聞いて自分も参加することを決めた。
【原作名台詞】
- アーサー「でも艦長!! どうするんですアレ!?」
タリア「あなたも考えなさい!!」- ザムザザーに苦戦する中、敵艦への攻撃を指示したタリアに対して。一応アーサーも指揮官として部下を率いる身分だが見事に狼狽えており、不甲斐ない態度にまたしてもタリアから一喝される。
- 「いやぁ〜本当にこれは運がいい!」
- 訪れたディオキア基地が丁度ラクス・クライン(ミーア・キャンベル)の慰問コンサートの会場だった事から歓喜する。苦悩するタリアとは対照的な能天気さに彼女から呆れられ、小説版では殺意まで持たれた。
- アーサー「本当に。これで一斉に裏切られたらジブラルタルはおしまいですね。はっはっは…あれ?」
タリア「もうアーサーったら馬鹿な事言わないで!」- ヘブンズベース攻略戦「オペレーション・ラグナロク」前、ジブラルタル基地に合流した反ロゴス派の連合軍の話題の際に。何故不安を煽る事を言うのか。不謹慎な発言にブリッジが凍りついた。
- しかも作戦前夜に、裏切り…というより脱走者が皮肉にもザフトから現れてしまった。
メイリン・ホーク
CV:折笠 富美子
ザフトの戦艦ミネルバのオペレーターで
ルナマリア・ホークの妹。
姉同様、
アスラン・ザラに好意を持っている。
ハッキングや情報操作技術に長けているらしく、優れた情報処理能力を発揮しザフトのデータベースに侵入、ファッションカタログを読むような感覚でアスランのデータを入手したりする様子が垣間見られた。
シンやレイ、姉のルナマリア、ザフトに復隊したアスラン等と共に地球連合と戦っていた。
しかし、デュランダルの真意を知りザフトを脱走しようとして、保安要員の目を逃れて偶然部屋に逃げ込んだアスランと鉢合わせ、追われているアスランに対して彼女は何か理由があると直感し、その上で彼の力になることを決断する。
基地の警報を鳴らしその隙にグフの格納庫に送り届けて逃がそうとするが、その最中にレイの乗っていた車とすれ違い、感づかれて結局はMSを奪って共にザフトから逃亡、追撃してきたシンによって撃墜されてしまう。
その時にはアスランを撃墜する正当な理由のためだろうが「彼女を逃がせばどこまで情報が漏れるか分からない」と撃墜の必許可を申請していた。
撃墜されたときにアスランが身を挺して彼女をかばったため、メイリンは奇跡的にショックで熱を出しただけで済む。
その後は
アークエンジェルに保護されていたが、のちにキラとアスランが
エターナルに移動するのに合わせ、オペレーターとして戦艦
エターナルに搭乗。
しかし、オーブ側に移ってからも、内心では姉のことを気にかけており、メサイア攻防戦で彼女が偶然にも
エターナルに攻撃を仕掛けてきた際には、オープン回線を通して、姉になぜ戦うのか、どちらのラクスが本物だとなぜわからないのかと叫びかけている。
また、月面都市コペルニクスでは、ラクスがミーアと面会した際にも、護衛としてキラ、アスランとともにラクスに同行。
待ち伏せによる襲撃を受けるも、アスランの突撃をフォローした他、ミーアの付き人であるサラが投げた手榴弾を拳銃で撃ち返すという荒業も見せた。
なお訓練を受けていないキラは役に立たなかった模様
アークエンジェルが宇宙に上がる際、カガリから「あいつのこと、頼むな」とアスランの面倒を任されている。
戦争終結後にはアスランと共に慰霊碑の前に現れ、その際にルナマリアとも顔を合わせており、姉妹の間のわだかまりはどうやらすっかり消えていたようであった。
なお、戦後にラクスやルナマリアとの女子会を開いた時には脱走に巻き込んだことを未だに申し訳なく思うアスランの事を「いい人だし好きだけど
面倒くさい」と評し、自分の乗るグフを撃墜したシンに「未だに自分の目を見て話せないんですよー」と軽い口調で話すなど見た目以上にたくましく、いい性格をしている様子がうかがえる。
C.E.75年にはアスランと共にターミナルに出向、髪も下ろしセミロングとなっている。
アスランとは仕事上のパートナーという関係に落ち着いており、フィジカルのアスランに電子戦で正確な情報を集めるメイリンと嚙み合ったコンビになっている。
【原作名台詞】
- 「殺されるくらいなら、行った方がいいです…!!」
- アスランがザフトを脱走する際に、彼を格納庫に連れて行った時の台詞。だが、レイの介入により、結局は自分もザフトを離れる事に。
- 「大丈夫ですから…私、大丈夫ですから…置いていかないでください。」
- アスランからアークエンジェルからの離艦を薦められて。思わずアスランにすがりつき懇願した。放映当時メイリンファンが急増したとか。
- 「お姉ちゃん、やめて!」
- 「どのラクスさまが本物か、なぜわかんないの!?」
- 最終決戦時にルナマリアがエターナルを攻撃しようとした際に説得した台詞。この時点では、デスティニープランの正否が問題となっているのでやや違和感があるが、ルナマリアは以前、アスランとキラたちの密談を盗聴した際、本物のラクスがザフトに暗殺されかけた事実を聞いていたため、激しく動揺していた。
ヴィーノ・デュプレ
CV:小田 久史
ミネルバのモビルスーツ技術スタッフ。
陽気な性格で前髪に赤いメッシュが入っている。
シンの友人で同じ技術スタッフのヨウランとは仲が良い。
メサイア攻防戦ではアスランによってミネルバを撃墜されてしまうが、他のクルーと生存した。
ヨウラン・ケント
CV:杉田 智和(TV版) / 浪川 大輔(スペシャルエディション版)
ミネルバのモビルスーツ技術スタッフ。
キザな性格で褐色肌の男性
シンの友人で同じ技術スタッフのヴィーノとは仲が良い。
メサイア戦後、ミネルバの脱出艇に彼の姿が無く、ヴィーノが彼の帽子を握りしめて泣いていたことから、戦死したともみれるが詳細は不明。
【原作名台詞】
- 「胸掴んだな?このラッキースケベ!」
- シンがステラを抱いて助けたが、その時にステラの胸を触ってしまい、それを見たヨウランがシンをからかった。
- 余談だが今ではネットやオタク用語として一般的なラッキースケベはここが初出と言われている。ガンダムが初出の言葉としては黒歴史以来のメジャーになった言葉であろう。
マッド・エイブス
CV:楠 大典
ミネルバのモビルスーツ技術スタッフ。
職人気質な中年男性で技術スタッフのリーダー的存在。
メサイア攻防戦にてミネルバを撃墜されてしまうが、他のクルーと生存した。
アビー・ウインザー
CV:根谷 美智子 / 戸松 遥(FREEDOM)
ミネルバのオペレーター。
脱走したメイリンの代わりにミネルバに補充された特徴的な前髪を持つ金髪の女性。
メイリンの役割を引き継いだが、実戦慣れしていないこともありクルーの要求に応えきれない部分もあった。
メサイア攻防戦にてミネルバを撃墜されてしまうが、他のクルーと生存した。
戦後はミレニアムのオペレーターとしてコンパスに出向している。
【VS.シリーズの活躍】
連合VS.Z.A.F.T.II
ザフト側のブリーフィングとして登場。
アーケードモードやPLUSモードでは戦艦として登場した。
ガンダムVS.ガンダム
「SEED DESTINY」
ステージで背景として登場している。
ガンダムVS.ガンダム NEXT
今作で追加された
ステージ「レクイエム」で背景としても登場している。
EXVS~EXVS.MBON
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
基本原作再現ありでしか登場せず、作品によってシンたちミネルバ組の立場が変わるためプレイヤーがミネルバを操作できる作品は多くない。
『Z』では本機がいることでインパルスの戦場での換装が可能になるのだが、条件を満たした隠しルートでないと敵として永久離脱する。
敵として現れた際には大ボスクラスの耐久力に、MAP兵器のタンホイザーを容赦なく撃ってくる強敵となる。
なお、原作とは異なりギルバート・デュランダルも司令官として同乗しているので、実質的なDESTINY系のラスボスであり、戦闘時にデュランダルが喋るレアな場面となっている。
シナリオとしてはタリア艦長がリアル系の中心人物の一人になり、彼女がいなければキラ達
アークエンジェル組が味方になることが出来なかったほどの重要人物となる。
以降の『Z』シリーズでは生存して味方として復帰する隠しルートを通ったのに一切出てこない。レイは続編で生存が明らかとなり、最終作では目立つ役割もあるのに…単なる設定引継ぎミスの可能性もあるが、軍人をやめて息子と生きる道を選んだ…とかだったら救われる話である。
アーサーはあまり目立たないが、最終作ではタリアを差し置いて再登場。ある事情でザフトが自軍部隊の敵となった中、レイを自軍部隊と合流させるために敢えて取り逃がすという機転を効かせる活躍がある。
『K』では
アークエンジェル視点で物語が進むためミネルバは自軍入りせず敵でしか登場しないが、ザフトと和解後はアーサーを艦長として自軍を援護してくれる場面がある。
『L』ではミネルバが旗艦の一つであるため敵と戦闘するかはともかくとして強制出撃で出番は多い。
メサイア戦時にもザフトに戻ることはなく、レイ以外のザフト組共々デスティニープランを阻止するために立ち向かう。
シリーズ通してメイリンはアスランとの関係はピックアップされることはあまりなく、シリーズ通してカガリとの関係がピックアップされているので出番はあまりない。一応
エターナルのオペレーターとしているため出番はそれなりにある。
最終更新:2025年04月28日 22:04