【概要】
機動戦士ガンダムSEED
ザフト軍クルーゼ隊所属の赤服パイロットでプラント評議会国防委員長パトリックの息子。
キラ・ヤマトとは幼少時代からの親友である。
性格は冷静で無口というほどではないが、口数は少な目。
電子工作が趣味で、ラクスにはハロを、キラにはトリィをプレゼントしている。
クルーゼ隊の一人としてヘリオポリスのG兵器強奪作戦の際にキラと再会、キラが奪取し損ねたストライクのパイロットとなった為、彼とは敵対することになってしまう。
最初は親友であるキラを討つ事を躊躇っていたが、キラがアスランの同僚であるニコルを、アスランがキラの友人であるトールを殺してしまった事により互いに憎しみ合う中アスランはSEEDを発動、イージスを自爆させストライクを討った。
イージスを失いながらもストライクを撃破した事を称えられ、ネビュラ勲章を受勲しザフト特務隊に転属となる。
ザフトの最新鋭機ジャスティスを受領し、強奪されたフリーダムを奪還するためオーブに向かったアスランは地球連合軍の新型と戦っていたキラを援護する。
その後にキラと和解しザフト軍を離脱、キラ達と行動を共にする。
その途中で戦争を止める為に、一度パトリックの元へ戻るが、彼はナチュラルの殱滅こそ戦争終結への道だという狂気に染まっており、遂には銃撃まで受け逆に拘束される。
クライン派に鞍替えしていたバルトフェルド隊及び
エターナルの出航のおかげで事なきを得るが、この一件で親子関係の崩壊は決定的なものになってしまった。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦では自分の命ごとジャスティスを自爆させて大型ガンマレーザー砲ジェネシスを破壊する事を決意したが、
ストライクルージュで駆けつけたカガリの説得により共に脱出して生還した。
戦後はカガリと共に一度はオーブへ戻るも、パトリックを信奉するザラ派の残党が核攻撃を行おうとする事件が発生、事件の対処に赴き、核攻撃を止めることに成功するが、残党に自身の名を利用された事もあり、オーブへの亡命を決意する。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
「アレックス・ディノ」を名乗り、オーブ代表となったカガリの護衛を勤めていた。
デュランダルとの会談の為にアーモリーワンに赴いたカガリに同行するが、地球連合軍による
セカンドステージシリーズ強奪事件に巻き込まれる。
その後、成り行きで
ミネルバに乗艦し、ユニウスセブン破砕作業にもデュランダルの計らいもあり参加するが、その際テロを主導したのがサトー達旧ザラ派である事を知る。
オーブへ帰還後、プラントへ渡りイザーク、ディアッカと共に今は亡きニコルの墓参りに行った後にデュランダルと対談。
そして、自分のなすべき事をするためザフトに復帰、特務隊FAITH所属となりミネルバに配属となる
ミネルバと合流後は家族を失ったことにオーブへの立場が違うシンと常に衝突することになり、不器用ながらも彼のことを気遣ったり、ハイネの仲介や戦闘を重ねるごとに少しずつだが距離を縮めていく。
一方で世界情勢の変化によりオーブやキラ達
アークエンジェルのクルーとは対立する事となり、キラ達の事情も聞いた事で自分の考えに迷いを生じるようになる。
度重なるフリーダムとストライクルージュによる介入を受け、手始めにキラの説得を試しにフリーダムを駆っている彼と再戦するが、逆に自分がザフトについたことでカガリを守ると決意したはずなのに何故かオーブと戦っていることを突き付けられてセイバーを修理不能なまでに破壊されてしまい、以降は何が正しいのかも分からないほど意気消沈し、ミネルバ内で徐々に孤立していく。
その後は艦内から戦局を見守る事となるが、デストロイの侵攻阻止に対して抗戦したフリーダムなどの映像を消してザフトの成果として公表した事、フリーダム及びアークエンジェルの撃墜命令を出した事から、デュランダルに疑念が決定的なものとなり、メイリンの機転と協力により
グフイグナイテッドを強奪して共に脱走、アスランの裏切りに激昂するシンとレイの追跡を受け、シンが駆るデスティニーによって撃墜される。
重傷を負いながらも奇跡的に一命を取りとめてアークエンジェルに保護され、死んだと思っていたキラと再会を果たし、彼やカガリと和解。
最終決戦では、キラと共に
ミーティアでステーション・ワンを破壊、ミネルバのメインスラスターをファトゥム-01で破壊して無力化し、ルナマリアのフォースインパルスの戦力を奪い、シンのデスティニーを大破させた後、
アカツキと共にレクイエムを破壊した。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
国家間の情報伝達などを担う情報機関であるターミナルに出向しており、メイリンと組んでエージェントとして活動していた。
ブルーコスモス残党のミケーロ大佐を逮捕すべくコンパスに協力を要請したファウンデーションを調査するために潜入しており、郊外のスラム街でデスティニープラン反対派を弾圧する姿を確認した他、メイリンと共に特殊なコーディネイターであるアコード、そしてその女王アウラの秘密を探っていた。
ファウンデーションの罠により、窮地に陥ったキラの危機を救うべく
ズゴックで駆け付け、シュラと交戦した後、ファウンデーションが仕組んだ核自爆から脱出する。
ラクスに見捨てられたと思い精神的に疲弊したキラを修正した後、仲間達と共にミレニアムに乗り込み宇宙に上がる。
宇宙要塞アルテミスでのラクス救出の際には、キラたち救出チームをアルテミスに侵入させるために、囮としてストライクフリーダム弐式に乗り、シュラと再戦し、作戦の時間を稼いだ。
最終決戦ではブラックナイトスコード シヴァの短針砲からキラを庇い、インフィニットジャスティス弐式で反撃に転じる。
そして、シュラの読心対策としてシュラ曰く
「破廉恥」な妄想と地球からのリモート操縦を交えつつ、その果てにジャスティスの片腕を切り落とされシュラからと勝利を確信されるも、回避不能な体勢になったのを確認してSEEDを発動。
決めの一手として使わずに温存していた頭部センサーのビームブレードでシュラごとシヴァを真っ二つに両断。見事勝利をつかみ取った。
その後はキャバリアーと合流してミーティア装備のインパルスSpecIIやデュエルブリッツと共に、ゼウスシルエット装備のデスティニーSpecIIのレクイエム破壊を援護した。
全てが終わった後は、地球へと帰還した後、カガリとの通信で互いが贈りあった「ハウメアの守り石」と「指輪」を見せ合い、笑い合った。
【名台詞】
機動戦士ガンダムSEED
- 「キラ、お前も一緒に来い! お前が地球軍にいる理由がどこにある!?」
- 第10話から、ラクスを返還された際に。
キラと戦いたくない一心で呼びかけるが、自分なりにも戦う理由を見出そうとしていたキラには断られてしまう。
- 「ならば仕方ない…次に戦う時は、俺がお前を討つ!」
- そして敵としてキラと戦う事を告げるが、結局割り切る事ができず、後に最悪の悲劇が起きてしまう…
- 「女…?」
- 第24話から、不時着した無人島にてカガリと遭遇。連合軍の兵士と認識して襲い掛かるが、悲鳴を聞いて思わず攻撃をやめこの反応。
何の偶然か、ファーストコンタクトはキラと同じ反応だった。
- 「(軍人でもないくせに…みんな…)」
- カガリとの別れ際、彼女から自分は地球軍ではない事を改めて告げられて。キラの事を思い出したのだろうか。
ちなみにキラは地球降下の段階で、ナタルの計らいで友人達と共に志願兵として入隊扱いになっており、階級は少尉。
- 「何を今更! 討てばいいだろう!? お前もそう言ったはずだ! お前も俺を討つと、言ったはずだ!」
- 第29話から、オーブ近海での戦闘にて。お互いに迷いを抱きながらも激突する2人。その時、2人の間に割って入ったのは…
- 「……ニコルゥゥゥゥゥ!!」
- キラの咄嗟の攻撃でニコルは戦死。突然の出来事と大切な友の死にアスランは慟哭するのだった…
- 「討たれるのは俺の…俺のはずだった…ニコル…俺が…今まであいつを討たなかった俺の甘さが、お前を殺した…!
キラを討つ…今度こそ…必ず…!」- 第30話から。
これまで甘さを捨てられなかった事でニコルを死なせてしまった事を自覚したアスランは、遂に本気でキラを倒す事を決意する。
- 「お前がニコルを! ニコルを殺したぁ!」
「俺が! お前を討つ!!」
「キラァァァァァ!!」- 互いに大事な友達を殺された憎しみからSEEDを発動させたほぼ暴走状態の戦闘中。
- 余談だがこのシーンは演出の為か静止画の連続だった。視聴者的には一番動画で見たかった戦闘だったのに…
Gジェネや真・ガンダム無双などのゲームでは3DCGの動画になっていてそっちを見ると戦闘の経過がわかる。
近年放送されたHDリマスター版でようやく戦闘の様子を明確に見ることが出来るようになった。
- 「わからない…わからないさ俺にも!! …別れて…次に会った時には敵だったんだ!
一緒に来いと何度も言った! あいつはコーディネイターだ! 俺達の仲間なんだ! 地球軍に居ることの方がおかしい!
なのにあいつは聞かなくて…俺達と戦って…仲間を傷つけて…ニコルを殺した!
敵なんだ! 今のあいつはもう…なら倒すしかないじゃないか!!」- 第31話から、オーブの救助隊に回収されたアスランは病室にてカガリと再会。何故キラを殺したと詰め寄られ、涙ながらに本心を吐露する。
アスランとしても相当辛かったのは想像に難くないが、カガリからは「キラも守るべきもののために戦っただけだ!」「殺したから殺されて、殺されたから殺して、それで本当に最後は平和になるのかよ!?」と反発されてしまう。
- アスラン「こちらザフト軍特務隊、アスラン・ザラだ。聞こえるか? フリーダム!」
キラ「どういう事だアスラン! ザフトがこの戦闘に介入するのか!?」
アスラン「軍からはこの戦闘に対して、何の命令も受けていない! この介入は…俺個人の意志だ!」- 第39話より。悪の3兵器に苦戦するキラを助け、彼の問いかけを答えた後に共闘する。
- クロト「何なんだよお前達は!? 何必死にやってんだ!」
アスラン「お前達こそなんだ? いったい何の為に戦っている!?」
クロト「そんなこと俺は知らないね! 殺らなきゃ殺られる、そんだけだろうが!」- 第49話より。レイダーガンダムで肉薄してくるクロト・ブエルに対して問いかけるも、クロトはアスランの言葉に意を介さなかった。事実前線で戦う末端の兵士としてこれ以上無い理由であり、アスランもそれ以上の反論が出来なかった。
しかしその2年後に訪れたロドニアのラボでアスランはレイダーのデータからパイロットのクロトの事を知るのであった…。
- アスラン「やめろ! もうやめるんだ! こんな戦い!! 本当に滅ぼしたいのか!? 君達も、全てを!!」
ザフト兵A「奴等が先に撃ったのだ!!」
ザフト兵B「ボアズには、弟もいた!!」- 最終話より。ナチュラル根絶のために地球を滅ぼそうとするザラ議長が居座るヤキン・ドゥーエを守り続けるザフト兵に問いかけるアスランだが、彼らの言い分には反論する事も出来ず…
- 余談だがMBONまでのインフィニットジャスティスのCSの台詞
「モウヤメルンダッ!」「もうやめるんだ!」はこの台詞の一節が由来である。
- パトリック「撃て…ジェネシ…我らの…世界…奪った…報い……」
アスラン「父上!」
アスラン「こんな事をしても戻るものなど何もないのに…!」- ヤキン・ドゥーエ司令部に突入したアスランが見たのは、既にユウキに銃撃され絶命寸前の父パトリックだった。更にその後、ヤキン・ドゥーエの自爆シーケンスと共にジェネシスが発射される様に仕組まれている事を知る。
親子関係の修復も叶わず、父が最期までナチュラルへの憎悪に取り憑かれたまま逝った事に落胆しながら呟くのだった…なお、ヤキン・ドゥーエの自爆シーケンスとジェネシスの発射が連動していた事について突入したアスランはともかく現場で戦っていたザフト兵ですら分かっておらず、パトリック・ザラからしてもわざわざジェネシスの発射にヤキン・ドゥーエを自爆させる意味が薄い。そこで作中にてアスラン以外にこの件を口にしていたクルーゼが仕組んだ事なのでは?とファンから考察されている。(クルーゼは作中後半からプラントと地球の両方が滅ぶように暗躍しており、ジェネシスの地球発射が成功した場合はプロヴィデンスでプラントを殲滅する気でいたため、ヤキン・ドゥーエが残っていた場合は最大の障害でしか無い)
- 「内部でジャスティスを核爆発させる!」
- 地球へ銃口を向けた破壊兵器ジェネシスを止めるべくジェネシス内部でジャスティスを自爆する事を決意する。自身も死ぬつもりでいた様だがカガリには勘づかれ、彼女のあの名台詞へと繋がる。
- 父の犯した過ちの清算の為に自分が犠牲になってでも地球滅亡を止めるという熱い名台詞の筈だが、「イージスに続いてまたしてもか」と思われたのかネット掲示板ではネタにされ、この台詞を改変してアスランが所構わず核爆発させようとするキャラになってしまったりする。
- 実際問題として、ジェネシスを発射前に確実に止める方法として内部からの核爆発は妥当な選択と言える。現にジェネシスをコントロールしていたヤキン・ドゥーエはジェネシスの発射と連動する形で仕掛けられていた自爆シーケンスによりアスランでも発射管制を変更することが出来ず、そもそもジェネシス本体が大出力のフェイスシフト装甲で守られており、それまで作中最高威力として描写されてきた陽電子砲を含むクサナギとエターナルによる戦艦2隻による同時砲撃ですらあっさりと弾いてしまう防御力を持っていた。それに加えて単純にその巨大さから外部からの攻撃による発射阻止は不可能ないし不確実であった。一応ミラーブロック等の要所のみを破壊する方策もあったかもしれないがそれでも十分に巨大で確実とは言い難い。また、無傷のジェネシス本体が存在している限り地球連合はその破壊の為に戦闘を止めなかったであろう。
- 余談だが、元々はフリーダムが自爆する予定だったらしく、サントラの曲名の「フリーダム自爆」は恐らくその名残だろう。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- 「こんな所で君を死なせるわけにいくか!」
- アーモリーワンのセカンドステージシリーズ強奪事件に巻き込まれたアレックスとカガリ。事態の対処とカガリを守るため、偶然背後に倒れてきたザクウォーリアに乗り込む。
- 「君はオーブがだいぶ嫌いなようだが、何故なんだ? 昔はオーブに居たという話だが、下らない理由で関係ない代表にまで突っかかるというのなら、ただでは置かないぞ」
- 劇中でのシンとの初めての会話。カガリへの挑発を行ったシンを咎めるが、ここでアレックス達はシンの過去を知り、「下らない理由」「関係ない(アスハ)代表」と言ったために彼の怒りを買う事に。
- アレックス「君は?」
レイ「シン・アスカ。インパルスのパイロットです」
アレックス「……『赤』を着ているくせに自分で名乗れもしないのか?」- スペシャルエディション版はこちら。元ザフトレッドとして自己紹介を他人任せにしたシンの態度は許せなかった様子。
- ちなみにTV版とは違い、ミネルバ格納庫でのデュランダルとの対談がカットされているのでシンとはここで初めて顔を合わせる。
- 「やめろ!」(TV版)
「こんな事をしている場合か!」(SPエディション)- ユニウスセブン破砕作業中に突如介入してきたファントムペインのカオスガンダムに対して、新型とはいえ量産機であるザクウォーリアで攻撃を悉く躱して肉薄し鉄拳をお見舞いする。2年のブランクを経ても実力は衰えていない事を見せつけた。
- 「俺は…俺はアスラン・ザラです! 2年前、どうしようもないまでに戦争を拡大させ、愚かとしか言いようのない憎悪を世界中に撒き散らした、あのパトリックの息子です!」
「父の言葉が正しいと信じ、戦場を駆け、敵の命を奪い、友と殺し合い、間違いと気付いても何一つ止められず、全てを失って…なのに父の言葉がまたこんな…! もう絶対に繰り返してはいけないんだ! あんな…!」- デュランダルとの対談の中で。旧ザラ派であるサトー達のユニウスセブン落下事件の後、父の事で思い詰めていたと同時に、彼もまた前の戦いでの傷が癒えていなかった。
- 「戦争はヒーローごっこじゃない! 自分だけで勝手な判断をするな! 力を持つ者なら、その力を自覚しろ!」
「戦争はヒーローごっこじゃない! 命令にも従わず、勝手な事をしておいて言う事がそれか!? 俺達は、あんな事をするために軍から機体を預けられている訳じゃないんだぞ!」- 第16話(2段目はスペシャルエディション2)から。インド洋におけるファントムペインの戦闘中に偶然連合基地を見つけ、アスランの命令を無視して勝手な行動を取ったシンへの非難。連合兵に攻撃される民間人を助けに向かうだけならここまで咎められる事は無かったかもしれないが、既に度重なる命令違反をしていた事に加え、伏兵による奇襲の可能性も省みずに個人的な怒りに任せて突撃し、基地全体を焼き払い半ば一方的な虐殺を行ったが為にここまでキツく言ったのだろう。
- スペシャルエディション版では第17話ラストの甲板上でのやり取りの一部がこの場面と統合され、この後シンは叱責を受けてもなお逆上し、アスランも更に彼の胸ぐらを掴み、見かねたルナマリアが「あの…」と止めようとするなど、TV版以上に険悪な雰囲気になってしまっている。
- 「"アスラン"だ、シン」
- ハイネ加入後に彼からの指摘もあり、「隊長」ではなく名前で呼んでもらうことにする。
このまま続いていればよかったのだが…
- 「ハイネェェェェェエエエエ!」
- ダーダネルス海峡戦のラスト、ハイネのグフイグナイテッドがガイアガンダムによって撃墜されて。CVの石田氏の絶叫は必聴。
- 「やめさせたいと思ったからだ。もうあんな事は。ユニウスセブンのことは解ってはいるが、その後の混乱はどう見たって連合が悪い。それでもプラントはこんな馬鹿な事は一日でも早く終わらせようと頑張っているんだぞ。なのにお前達は! ただ状況を混乱させているだけじゃないか!」
- ダーダネルス海峡での戦闘後、キラ、カガリと再会した際の彼らとの問答にて、何故自分たちと会おうとしたのかをキラに問われて。思いの丈をぶつけるが…。
- 「それは…ラクスが狙われたというのなら…それは確かに、本当にとんでもない事だ。だが、だからって議長が信じられない、プラントも信じられないというのは、ちょっと早計過ぎるんじゃないのか?」
- 上記に対して、プラントにいるラクス(ミーア)の存在と、本物のラクスがコーディネイターの特殊部隊とMSに襲撃された事からデュランダルとプラントも信じられないとキラから聞かされて。
ラクス襲撃の件は初耳で信頼の根幹を揺るがしかねないためか余りにも信じ難く、デュランダルを信じたい思いと、ミーア本人の思いやユニウスセブン宙域でごく一部の身勝手な人間(テロリスト)の活動とその被害を知っている事もあって反論する。
- 「兎も角その件は、俺も艦に戻ったら調べてみるから。だからお前達は、今はオーブへ戻れ。」
「戦闘を止めたい、オーブを戦わせたくないと言うんなら、まず連合との条約からなんとかしろ。戦場に出てからじゃ遅いんだ!」- 反論後、キラとカガリに今すべき事を伝える。ただ、アスランはカガリの側に居なかったため、どの様な流れで地球連合と条約を結ぶ様な事態を招いてしまったかが分かっていなかった。
- 「俺だって出来れば討ちたくはない! でも、あれじゃ戦うしかないじゃないか!」
「連合が今ここで何をしているか、お前達だって知ってるだろ!? それはやめさせなくちゃならないんだ!」
「だから条約を早く何とかして、オーブを下がらせろと言っている!」- ザフトに復隊したのでオーブには戻れないと言ったアスランに、これからザフトでずっと連合やオーブと戦っていくのかと尋ねるキラに対して問い詰める。まるでかつてのストライクとの決戦直後のカガリとの問答の様に…。
- 「自分だけ分かったような、綺麗事を言うな!!お前の手だって、既に何人もの命を奪ってるんだぞ!」
- キラの「それでも僕たちは、オーブを討たせたくないんだ。本当は、オーブだけじゃない。戦って、討たれて失ったものは、もう二度と戻らないから」との言葉に対して。キラの行動によってザラ隊の同期やミネルバクルーを失った事もあって怒りを顕わにする。
- 「理解はできても、納得できない事もある…俺にだって…!」
- 平行線の終わりにカガリの指輪を見つめながらの去り際に。相手の言い分を理解できても自分が納得できなければ変われない。キラ達が立ち上がった理由はすぐには飲み込めるものでは無かった。
- スペシャルエディション版では無口でキラ達の気持ちを納得できずに去った。
- 「だから戻れと言った! 撃ちたくないと言いながら、なんだお前は!!」
- クレタ沖にて再び現れ、戦場を混乱させるキラに再び怒りを顕わにして。この時ミネルバは馬場一尉のムラサメによる特攻で甚大な損傷を受け本当に沈みかねない状況にまで追い込まれていた事もあり、戦場を混乱させるばかりのキラに対する怒りは相当なものだったと思われる。しかし…。
- 「あいつに……討たなきゃならない訳などない!!」
「キラもアークエンジェルも、敵じゃないんだ!」- シンを殴り飛ばした後にミネルバのクルー全員に対してキラたちへの想いを主張する台詞。キラの介入のせいでミネルバクルーにも犠牲が出た結果や立場の違いによる見方からレイに主張を否定され、ザフトから孤立するきっかけとなった。
- よく勘違いされがちだがキラを巡ってシンを殴ったのではなく、その場を去ろうとしたアスランをシンがわざわざ呼び掛けて嘲笑う表情で「仇は取りましたよ、あなた(のセイバー)のもね」と侮辱したことが発端であり、これが発端となりシンと掴み合いの口論になった際に「俺が(フリーダムに)墜とされりゃよかったって言うんですか!?」というシンの問題外の言い方が最大の原因である。
- また、更に言うならばアスランは「自分の旧友だから敵ではない」のではなく、「キラたちアークエンジェルは自分たちザフトと同じく戦争を止めるため、戦争拡大を阻止するため戦っているため敵ではない」ということであったのだが孤立による口下手な上、増長しながらもステラの仇を討ちたかったシンや被害を受けてきたミネルバクルーには信用してもらえず、レイには「貴方の言っていることは個人的な感傷だ」と返されるだけであった。
- 「戦争を終わらせたいと、こんなことはもう嫌だと!デストロイに立ち向かっていったのだって、彼らの方が先だ!」
- 第36話より。上記のシンに次いで、フリーダムの撃墜に対する怒りをデュランダル議長にぶつける台詞。エンジェルダウン作戦を命じた張本人とされるデュランダル議長の考えに疑問をを投げかけるアスランだが、議長には上記のレイの時のように結局正論で断じられてしまって返す言葉となくなり、やがてザフトからの脱走に繋がるきっかけとなった。
- 小説版では「それでは連合やロゴスと同じではありませんか?」と議長に疑いをかけるものの、TV版同様に正論で断じられた。
- 「なるほど……そういうことか。流石に議長は頭が良いな。俺のことをよく分かってる。」
「確かに俺には、彼の言う通りの戦うだけの人形にはなれない。いくら彼の言うことが正しく聞こえても……!」- ジブラルタル基地でにて、ミーアから渡された写真によってダーダネルス戦後にキラ達と会った様子をルナマリアが盗撮されていた事を知り、あの時から既に目を付けられていた事に気付く。
- 更に、ミーアからデュランダル議長とレイが「アークエンジェルの件を余計なこと」、「キラと出会ったのが不幸」と断じており、この写真を罪状に自分を始末しようとしていると確信した。同時に最初から利用されていたことも悟り、ザフトから脱走することを決意する。
この時点で完全武装の保安部複数人が差し向けられているため逃げなかった場合拘束され口封じされる可能性が高いので他に方法はなかったといえよう。
- 「聞けシン! 議長やレイの言うことは確かに正しく心地よく聞こえるかもしれない!」
「だが彼等の言葉はやがて世界の全てを殺す! 俺はそれを…!」- 脱走時のシンとの交戦時に彼を説得しようとした台詞。総集編としての第41話で「デュランダルの真意を知ってから信じられなくなった」と悟っているように、言葉巧みに利用された自分の体験から、デュランダル議長とレイの危険な陰謀をシンに伝えようとしたが、前述の口下手な所に加え、メイリンを守りつつ逃げながらの状況だった為、具体的に伝えられなかったことと、レイの妨害や誘導で遮られてしまい、2人の言葉の板挟みになって混乱の余りに暴走するシンに撃墜されてしまった。
- 漫画『THE EDGE』ではTV版と比べてより具体的に説得しようとしたが、TV版同様にレイに妨害され、シンによって墜とされた。
- ボンボン版でもシンに撃墜されるのは同じだが、アニメ版のシンが混乱し怒りに任せて撃墜するではなく、まずはアスランを説得しようとし、最終的にレイの言葉を受け自分の意志でデュランダルを信じ、攻撃し撃墜する…と大きく異なっている。
- 「自分が何を撃とうとしているのか、お前本当に分かっているのか!?」
「思い出せ、シン!お前は本当は…何が欲しかったんだ!?」- 第43話から。
オーブに逃げ込んだジブリールを撃つために故郷であるオーブに侵攻するシンに対して。
ロゴスを撃つためとはいえオーブを撃つということは、オーブで家族を殺されたシンが自分で新しい自分を作り出すという悲劇。誰がどんなに聞こえの良い言葉で言っても、その事実から逃れることは出来ない。
同時にオーブを撃ってもシンが望むものは手に入らないことを気付かせようとしたが、具体性に欠けた言葉だった事に加え、直後レイの妨害もあってアスランの問いはシンに届かなかった。
そもそもデスティニーに撃墜された傷が癒えておらず1人で歩けない状態で戦闘後意識を失うほどの状態なので攻めるのは酷だろう。
- 「ここはこんなに静かなのに…なんで俺達はこんな世界にいられないんだろう…」
- 第45話から。宇宙に出発する前夜、キラとの会話のなかで。
- 「もうお前も、過去に囚われたまま戦うのはやめろ!そんな事をしても、何も戻りはしない!なのに未来まで殺す気か!?お前は!お前が欲しかったのは、本当にそんな力か!?」
「シン!もうやめろ!お前も!過去に囚われたまま戦うのはやめるんだ!そんな事をしても、何も戻りはしない!なのに未来まで殺す気か!?お前は!」(TVSP、HDリマスター版第49話)
「ふざけるな!そうして全てを壊し、未来も殺す!お前が欲しかったのは、本当にそんな世界か!?力か!?」(TVSP、HDリマスター版第49話)- 第50話から。シンとの最終決戦で、アスランはシンを説得するも、精神的に追い詰められていたシンには届くはずもなく彼を更に追い詰めることになり…。
- TVSPやリマスターでは言い回しが異なっている。
- 「この…馬鹿野郎ォォォ!!」
- 第50話から。アスランとシンの戦いを止めようと二人の間に割って入ったルナマリアのインパルスを前に錯乱状態に陥ったシンが攻撃を止められず、そのままインパルスに攻撃を向けたため間一髪でそれを阻止。アスランは怒りも顕わにSEEDを発現させて、デスティニーの両腕と右足をあっという間に破壊、月面に叩き付けて沈黙させた。
- 結局シン相手の最後のセリフが「馬鹿野郎」であり、この口下手っぷりさえもアスランの魅力である…かもしれない。
- 「剣を引けっシン!! キラも! 俺たちも! 目的は同じなんだ!! 敵なんかじゃない!!」
- ボンボン版3巻でベルリンでデストロイ撃墜直後にフリーダムに襲い掛かるシンを止めるため中破したバビに乗り込み、止めようとする。
キラも自分たちも所属は違えど同じく戦争を止めるために戦っている……となんとか説得しようとするもステラを失った憎しみに染まったシンには届かず、むしろ攻撃されてしまった。なお、この時のフリーダム戦はシンの独断行動だったため、更なる軍規違反を止めるための気遣いもあったのだが…
- しかし、正式にフリーダム及びアークエンジェルの撃墜命令が下り、シンだけでなく他の友軍までもが容赦なく攻撃を加え、フリーダムはとうとう撃墜され、アスランも慟哭するのだった…
- 「…そうさ…だから知ってる!! 撃って撃たれるその力の怖さをお前なんかよりはるかにな!!」
「銃で解決できることなど…本当は何ひとつないんだ」
「撃つ者ならせめてそのことは覚えておけ!」- 「THE EDGE」2巻にて、マハムール基地にて難民の子供に銃の使い方を教えるシンと対立。
前大戦で何人もの仲間を失い、友と望まぬ戦いを繰り広げた経験をしてきたアスランは銃を取る事の意味を知っており、シンに掴み掛かりながら口下手なりにも忠告する。ハイネからは互いの主張を理解しながらも「あれじゃ反発されるだけだ」と呆れられたが。
- しかし、最終局面になってアスランは、諭すつもりで言ったはずのこの言葉が逆にシンを追い詰めてしまった事を痛感するのだった。
- 「オーブはお前の祖国なんだぞ!!それを討つことが何を意味するのかわかっているのか!?おまえにだって友のひとりやふたりいるはずだろうこの国に!!それを殺すのか!?おまえは!!戦争のない世界を創るためにと!目を覚ませシン!今この瞬間にもステラやおまえのような子供が生まれているんだぞ!!あそこで!!それを今作りだしているのはおまえ自身だ!思い出せシン!!お前はいったい何をしたかったんだ!?」
- コミックボンボン版「SEED DESTINY」より。具体性に欠けていたTV版とは異なり、かつてオーブで暮らしていたシンがオーブを討とうとすることがどれ程の悲劇を招く事になるか、シンと同様に理不尽に家族を奪われる人をシン自身が今生み出しているという事実を具体的にシンに伝える。この説得に衝撃を受けたシンは戦意を失いかけるが、アニメ版同様にレイの妨害で失敗に終わる。
- 「シン…お前も行け…!ジブリールを捕らえるんだろ・・?」
- 同上。オーブから離脱するジブリールの乗っているシャトルを確認し追いかけようとするも傷が開き、代わりに撃墜しようとキラが進むなかでシンにも続くように呼びかける。
戦闘後シンは『なんで自分を殺そうとした俺に笑えるんだ……?』と自分たちの行動について考えるのだった。
- シン「なぜだ…なぜ本気で戦おうとしない!アスラン!!」
アスラン「それは…今のおまえの姿が昔の俺と似ているからだ」
シン「え?」
アスラン「俺はかつて母を殺された憎しみだけで戦いに身を投じた…だからわかる、今のおまえの気持ちが!!
自分の無力さを呪い…ただ闇雲に力を求めて…だがなシン、その先には何もないんだ!心は永遠に救われはしない!!
だからもうお前も過去に囚われて戦うのはやめろ…明日に、未来に目をむけるんだ!」
シン「今更なにを!もう俺は選んだんだ、この道を!なら行くしかないじゃないか!あんたが正しいっていうのなら、俺に勝ってみせろ!!」- こちらもコミックボンボン版「SEED DESTINY」から。
互いに平和を望みつつも、心を捨てて安定した平和の道を望むシンと、それを否定し茨の道を選んだアスランの最終決戦。第4クールエンディングの「君は僕に似ている」ともリンクしている。
- シンの「あんたが正しい~」のセリフは漫画版限定でありながら有名なセリフとして認識されており、vsシリーズを始め様々なゲームでも採用されている。
- 「できるようになったのは こんなことばかりだ…っ」
- 「THE EDGE」でシンを撃破した後の独白。力で解決出来ることは本当は何一つない、とかつてシンに説きつつも結局自らも力でシンを止めることしかできなったアスランは苦々しい顔をするしかなった…
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
- 「くだらない泣き言はやめろ!自分が自分がばっかりで彼女の気持ちなんか一つも考えてないだろお前は!もういい、そんなに戦うのが嫌ならそこでイジイジ腐ってろ!」
「自分だけが戦ってるつもりか!」
「ふざけるな!それで世界を一人で背負った気になって、思い通りにならなきゃ放り出すのか?大したヒーローだな!」
「何で言わない、頼まない、誰かに!お前一人で何ができる!」- 現状を打破するためにラクスを奪還しようと考えるも、精神的に絶望するキラは『ラクスは僕を捨ててファウンデーションを選んだ』と絶叫を始めた。アスランはそんなキラを胸ぐらを掴んで殴り飛ばすほど修正し続ける。
内容は完全にDESTINY時代の自身に突き刺さるものとなっているが、その経験が活きている証とも言える。- 特に最後のセリフは「言葉にしなければ伝わらない」というSEEDシリーズの根幹に刺さる名台詞。
- 「行こう、キラ。ラクスを助けよう。俺たちで」
- 上記の殴り合い(石田氏曰く一方的に殴っていただけ)の後、『ラクスに会いたい』と本音を話したキラに手を差し伸べた。
ちなみに最初の収録だと上映版よりも優しいどころか甘い声になっていて監督から『そんな声になるほどキラの事好きじゃない、SEEDで何をされたか思い出せ』と演技指導されたとか。
- 「アスラン・ザラ、ズゴック出る!」
- ミレニアムでの出撃シーンより。
真面目なシーンだがアスランがあまりにそのままの名前で出撃したため極めてシュール。
- アスラン「心を読めるんじゃなかったのか? 使えないな」
シュラ「殺す!」- ストライクフリーダム弐式搭乗時。キラの狙いに気付きアルテミス要塞に戻ろうとするシュラのシヴァをドラグーンで阻み、上記の台詞でシュラを挑発させる。
結果、役割至上主義のシュラはアスランの挑発に乗ってしまい、要塞に戻ろうとせずアスランを討とうと躍起になる。
- VSシリーズではニュータイプ相手の勝利台詞にも採用されている。
- アスラン「カガリ…」
シュラ「うおああああああ!?!? 貴様! 神聖な戦いの場でなんと破廉恥な妄想をッ!!」- 心を読む力を持つシュラに対して、アスランは裸のカガリを妄想することでシュラを戸惑わせようとする。
結果的にシュラは赤面しながら激怒してしまい、冷静さを欠かせる事に成功し本命のリモート操作を隠し通すことに成功した。
- とはいえ、戦いの最中にいきなりキスを迫ってくる裸の女性(更にいうなら国家元首)を見せられたら誰だって困惑するだろう。
- 通信越しで一部始終を見ていたカガリにも「破廉恥な妄想」発言が聞こえていて頬を染めて怒った様な呆れた様な反応を見せている。
- 「本当に使えないな!」
破廉恥な妄想やリモートで完全に翻弄し、さらに言葉でも挑発してシュラの優位性を徹底的にこき下す。
- あまりに荒唐無稽なやり方とはいえチートじみた読心能力の弱点を突くと同時に、これだけの対策を用意していることを見せつけることで、「どんな能力も活かす人次第だ」というアスランの考え方も見て取れる。
- もちろん劇中ではそこまで語ってはおらず、事後談のボイスドラマで語られたのみである。
生来の口下手がこんなところで活かされようとは…
- 「強さは力じゃない、生きる意志だ!」
- シュラのシヴァにビームホーンを叩き込む際の台詞。
第2次ヤキン攻防戦でカガリから言われた「生きる方が戦いだ」という言葉が、今なおアスランの根源にあることが分かる。
【搭乗機】
- ムラサメ 飛行能力試験型
- ザラ派残党による核攻撃を止める為にカガリから託された。
- ザクウォーリア
- アーモリーワンで地球連合軍の襲撃に遭った際に搭乗、ユニウスセブン破砕作戦の際にはブレイズウィザードを装備している。
【VSシリーズの扱い】
ガンダムVS.ガンダム
イージスのパイロットとして登場。
EXVS.
インフィニットジャスティスのパイロットとして登場。
GVS
DLCでイージスが登場。
EXVS.2
イージスがエクストラ枠で復活参戦。
EXVS.2 XB
ジャスティスが新規参戦。
EXVS.2 OB
インフィニットジャスティス弐式が追加参戦。
【VSシリーズ台詞集】
【その他の作品の扱い】
【余談】
最終更新:2025年09月20日 20:34