「……アニ」
ベルトルトは愕然としていた。
名簿を凝視し、目は見開き、隈が映し出されているかのように、虚無にも似た表情をしていた。
名簿を凝視し、目は見開き、隈が映し出されているかのように、虚無にも似た表情をしていた。
参加者名簿の表示は、タブレット機器を知っていたみりあに教えてもらった。問題はない。
だが、そこに表示されていた人の名前は、ベルトルトにとって大切な人の名だった。ただそれだけだ。
「…ベルトルトさん、大丈夫……?」
みりあが不安そうに眺める。
ベルトルトが顔を変えるまでに、数秒の間があった。
「……大丈夫だよ」
彼の顔は明らかに大丈夫ではなかった。
みりあには、それが不安で堪らなかった。
みりあには、それが不安で堪らなかった。
「……知ってる人が、ここにいるの?」
「………あぁ」
まさかとは思うが、想像していなかったのだ。
ここに来るまでに戦っていたパラディ島の兵士やライナー、ジーク戦士長がいるなら兎も角。
ここに来るまでに戦っていたパラディ島の兵士やライナー、ジーク戦士長がいるなら兎も角。
ベルトルトが探していた、行方不明になっているアニがここにいることを。
僕はここに居る人間を踏み潰さない限り、始祖奪還は果たせない。
何より、生き残らなければならない。だが、生き残れるのは一人。
何より、生き残らなければならない。だが、生き残れるのは一人。
女型の巨人はそんなに軟ではない。アニは生き残る可能性が高いだろう。
だが、エレン・イェーガーの奪還という願いを叶えるなら、祖国マーレに帰れるのは一人だ。
だが、エレン・イェーガーの奪還という願いを叶えるなら、祖国マーレに帰れるのは一人だ。
参加者を根絶やしにすると決意した時から、まだそんなに経っていないのに、このザマだ。
「……う……」
ベルトルトの中で、決意が揺らぐ。
僕達は始祖を奪還するために戦ってきた。だが、それは大切な仲間を殺してでも、成し遂げることなのか?
僕は今まで何の為に戦って来たんだ!?
そう呟きそうになるところで、みりあが喋った。
ベルトルトの中で、決意が揺らぐ。
僕達は始祖を奪還するために戦ってきた。だが、それは大切な仲間を殺してでも、成し遂げることなのか?
僕は今まで何の為に戦って来たんだ!?
そう呟きそうになるところで、みりあが喋った。
「なら、会わなきゃ」
「………あ」
「………あ」
「その人はベルトルトさんの大切な人なんでしょ....?なら早く、会わないと」
「……………そう、だね」
みりあは、緊迫した様子で尋ねていた。
それに対して、ベルトルトは力なくうなだれるのみであった。
みりあは、緊迫した様子で尋ねていた。
それに対して、ベルトルトは力なくうなだれるのみであった。
「……会いたい人じゃ、ないの?」
「……違うんだ、会いたいよ、すぐにでも」
「………………?」
「……違うんだ、会いたいよ、すぐにでも」
「………………?」
「……会うのが、苦しいんだ」
会って、女型の巨人と共に参加者を皆殺しにして。
アニも同じ罪を背負って、それでも、最後には、2人で殺し合わないといけないことを。
アニも同じ罪を背負って、それでも、最後には、2人で殺し合わないといけないことを。
始祖の巨人の奪還は、責務だ。
どちらかが、願いを叶えないといけない。
でなければ、マーレに帰還したとしても次の戦士に喰われるのみだ。
彼は罪と意志で、雁字搦めになっていた。
どちらかが、願いを叶えないといけない。
でなければ、マーレに帰還したとしても次の戦士に喰われるのみだ。
彼は罪と意志で、雁字搦めになっていた。
「その人は、ベルトルトさんと何かあった人なんですか?」
「……あぁ」
「……あぁ」
「....こんなに苦しそうな顔をしてるってことは、その人の事は...凄く大切な人?」
「…あぁ……!」
「…あぁ……!」
何が言いたいんだ、この子は。
何処か苛ついた表情になってしまった。
何処か苛ついた表情になってしまった。
…ごめんなさい、とみりあは竦んだ表情で、意志を持って、でも、と伝えた。
「それで、会って気持ちを伝えるべきだと、思うんです。……大切だって、ことを」
「それで、会って気持ちを伝えるべきだと、思うんです。……大切だって、ことを」
さっきの放送を聞いて、みりあは、殺されるかもしれない、もう生きて帰れるか分からないってことが、分かったんです。
それでも叶うのなら、わたしも、お母さんやプロデューサーにもう一度会って、大好きだよって、伝えたいから。
それでも叶うのなら、わたしも、お母さんやプロデューサーにもう一度会って、大好きだよって、伝えたいから。
みりあはこう告げ、ベルトルトの返事を待った。
「……僕は」
そんな人間じゃないし、そんなことを、できる保証はない。
そんな人間じゃないし、そんなことを、できる保証はない。
そう言おうとした矢先だった。みりあに視線を合わせると、みりあは緊張した面持ちで、全く別の視点を向いているのを気づく。
「……人、だ」
みりあ達が最初に遭遇したのは、ピンク色の長い髪をした、地べたに座り込んでいる女子高生だった。
みりあ達が最初に遭遇したのは、ピンク色の長い髪をした、地べたに座り込んでいる女子高生だった。
◇
なんで。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
しおちゃんが、ここにいるの?
わたしはわたしのハッピーシュガーライフにもどれれば、いいんじゃなかったの?
―――しおちゃんを、まもらなきゃ。
―――しおちゃんを、まもらなきゃ。
騙しても
犯しても
奪っても
殺しても
犯しても
奪っても
殺しても
しおちゃんを、守らないと。
合流しないと、しおちゃんと、早く!!
合流しないと、しおちゃんと、早く!!
でも待って。これは殺し合い。いきのこれるのは、一人。
1人。じゃあ、私は―――
1人。じゃあ、私は―――
あのマンションには、ハッピーシュガーライフには、もどれないの?
足音が聞こえてくる。
"大丈夫か、君は一体...."
あぁ、うる、さい。
ここでいきのこれるのは、しおちゃんだけだ。
他の奴らは、全て敵だ。
――――殺せ。
時が止まる。
さとうの能力がブレードを持つベルトルトの鎖骨を、砕いた。
さとうの能力がブレードを持つベルトルトの鎖骨を、砕いた。
時は、動き出す。
骨が折れる音が後から付いてきた。
骨が折れる音が後から付いてきた。
「....うわあぁあああああああああああああ!!」
8mほどの距離をベルトルトが吹き飛ぶ。
「...え?...ぁが」
みりあは、吹き飛ぶ彼を凝視することしか出来なかった。その瞬間に、さとうは詰め寄り、みりあの喉を思い切り掴む。
近くにいた。さとうが、みりあを殺す理由には十分だった。
あとは、握り潰せばそれでこの子は終わりだ。
「....ぁ......ぁ」
「....なんでよ」
あとは、握り潰せばそれでこの子は終わりだ。
「....ぁ......ぁ」
「....なんでよ」
やめて、と拒否するように少女はじたばたともがく。
しかしさとうは一切手を緩めなかった。
しかしさとうは一切手を緩めなかった。
「ねぇ、貴方には大切な人がいる?――私はその人の為なら、何をしても構わないの」
「だから――ごめんね」
薄れ行く意識の中で、みりあはさとうを凝視した。
少し、安堵した。
「(ああ、この人もただ、大切な"しおちゃん"の為に、戦っているだけなんだ。)」
なぜ安堵したかというと、最期に目に映ったこの人もまた、自身と同じように愛を持つ人だったからだ。
「だから――ごめんね」
薄れ行く意識の中で、みりあはさとうを凝視した。
少し、安堵した。
「(ああ、この人もただ、大切な"しおちゃん"の為に、戦っているだけなんだ。)」
なぜ安堵したかというと、最期に目に映ったこの人もまた、自身と同じように愛を持つ人だったからだ。
そうして、赤木みりあの喉は砕け、少女はその短い命を散らす―――
「え?」
さとうのスタンド、世界(ザ・ワールド)はその手を離した。
何を、と言おうとする前に、後方から左腕でベルトルトの投げたブレードが飛んできたからだ。
ガァン、と音が鳴り、さとうの意思と関係なく、ザ・ワールドのスタンドによってブレードは叩き落とされる。
何を、と言おうとする前に、後方から左腕でベルトルトの投げたブレードが飛んできたからだ。
ガァン、と音が鳴り、さとうの意思と関係なく、ザ・ワールドのスタンドによってブレードは叩き落とされる。
幽波紋(スタンド)は"そばに立つ者"。空条承太郎が拳銃自殺しようとした時のように、ウェス・ブルーマリンの落下自殺から強風が守ったように。
幽波紋と呼ばれる超能力は、第一に無意識で使用する者を守る習性がある。
幽波紋と呼ばれる超能力は、第一に無意識で使用する者を守る習性がある。
さとうは言う程、スタンドを制御出来ていなかった。
「が、あぁっ....!」
みりあは顔を真っ赤にして、息を吹き返そうとする。
みりあは顔を真っ赤にして、息を吹き返そうとする。
その結果だけで、さとうを苛立たせるのには十分だった。
「………何。」
「………何。」
ぐるぐると病んだその眼を、邪魔したベルトルトに向ける。
当のベルトルトは、腕があらぬ方向に捻じれたまま必死の表情でさとうに向かっていた。
さとうとベルトルトの間には、7m程の距離があった。
「.....待て」
「なに。大人しく、殺されてくれない?」
当のベルトルトは、腕があらぬ方向に捻じれたまま必死の表情でさとうに向かっていた。
さとうとベルトルトの間には、7m程の距離があった。
「.....待て」
「なに。大人しく、殺されてくれない?」
「....話をしよう」
……こいつは、何を言っているんだ?
分からない。こいつから、殺そう。
分からない。こいつから、殺そう。
「..そう。話をしたら、全員、死んでくれる?」
さとうは、世界の拳をベルトルトの頭部を握り潰そうと歩み寄る。
5m。4m。射程距離を知らないさとうは、闇雲に近づく。
さとうは、世界の拳をベルトルトの頭部を握り潰そうと歩み寄る。
5m。4m。射程距離を知らないさとうは、闇雲に近づく。
しかし、さとうの眼前が、突然真っ赤になり、潰される。
ベルトルトが、付け替えた左腕のブレードで横一文字に手首に切り込みを入れてさとうに血飛沫を向けたからだ。
眼からスカートに渡って女子高生の制服が、血に濡れる。
眼からスカートに渡って女子高生の制服が、血に濡れる。
「....何を」
それでもさとうは、闇雲に殴り掛かろうとする....
「いいのか?.....その恰好のまま"しおちゃん"と再会して.....」
「...え」
さとうは、拳を止めてベルトルトの血に濡れた自分の姿を見る。
スタンドの拳は違う方向だったし、
さとうは、拳を止めてベルトルトの血に濡れた自分の姿を見る。
スタンドの拳は違う方向だったし、
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
「合流しないと、しおちゃんと、早く……!!」
「大丈夫か、君は一体……」
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
「合流しないと、しおちゃんと、早く……!!」
「大丈夫か、君は一体……」
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
さっきのぶつぶつ呟いていた独り言は、ベルトルト達に聞かれていた。
「.....君の大切な人、"しおちゃん"は、女の子だろ?...君がさっきまで喉を潰していた子と同じ、保護されないと生きていけないような....」
え?、
何を言ってるの、この人は。
何を言ってるの、この人は。
「殺し合いに乗ってる奴と一緒なら、"しおちゃん"はもう、殺されてると思うよ」
黙れ。こいつは、敵だ。
佇んでいた世界の拳は、繰り出そうとする前にベルトルトが左腕に持つ硬質化ブレードによって切り付けられた。
そしてそのまま、右拳と刃は拮抗する。
「ぐっ」
「話を、するんだろ?」
佇んでいた世界の拳は、繰り出そうとする前にベルトルトが左腕に持つ硬質化ブレードによって切り付けられた。
そしてそのまま、右拳と刃は拮抗する。
「ぐっ」
「話を、するんだろ?」
スタンドのダメージは、本体へと移る。
さとうの袖から、血が垂れている。
さとうの袖から、血が垂れている。
「これで僕達が争った事実は確定だ、生きているのなら....誰か参加者に保護されているであろうしおちゃんはどう思う?」
「……。」
「……。」
「君はまず、僕らが介入しないとその子を保護している人間には信用されない。人質にされるかもしれない....
君は、僕らを生かすしかないんだよ」
君は、僕らを生かすしかないんだよ」
「…立てる?」
「は、はい……」
さとうは、仕方ないと言うように、唇を噛みしめながら息を整え始めたみりあを立ち上がらせた。
内心、どうしようも無さと悔しさを感じながら。
「は、はい……」
さとうは、仕方ないと言うように、唇を噛みしめながら息を整え始めたみりあを立ち上がらせた。
内心、どうしようも無さと悔しさを感じながら。
「……あの」
「喋り掛けないで」
「喋り掛けないで」
「……はい」
それでも、とみりあは、デイバッグから支給されていた包帯を取り出す。
「……ありがとう。」
暗い瞳のまま、さとうは袖を捲り、切り傷を処置していく。
暗い瞳のまま、さとうは袖を捲り、切り傷を処置していく。
「……まず僕達は徒党を組む」
ベルトルトは右腕のシャツ生地を破き、右手首の切り傷を包帯として止血するために左腕できつく縛った。
感覚が無く、肩が砕けて捻じ曲がった右腕を露わにしながら。
ベルトルトは右腕のシャツ生地を破き、右手首の切り傷を包帯として止血するために左腕できつく縛った。
感覚が無く、肩が砕けて捻じ曲がった右腕を露わにしながら。
「徒党を組んで、殺し合いに乗る人間がいても防衛できるように。…その方が都合がいいからだ」
君もそれで良いね、とベルトルトはさとうに問う。「…ええ」と返した。
「でもしおちゃんは助けて……お願いだから……」
「あぁ、万一その子が殺されていたら、君は願いを叶えればいい」
「(え…?どういう事……?)」
君もそれで良いね、とベルトルトはさとうに問う。「…ええ」と返した。
「でもしおちゃんは助けて……お願いだから……」
「あぁ、万一その子が殺されていたら、君は願いを叶えればいい」
「(え…?どういう事……?)」
みりあは、何処となくこの論議に不安を覚える。
徒党を組むと言いつつ、さとうが殺し合いに乗ることをベルトルトは否定していない。
多少考えれば、誰にでも分かる矛盾だ。
だが、それを尋ねるには、ベルトルトの顔は……怖かった。
徒党を組むと言いつつ、さとうが殺し合いに乗ることをベルトルトは否定していない。
多少考えれば、誰にでも分かる矛盾だ。
だが、それを尋ねるには、ベルトルトの顔は……怖かった。
目を見開き、虚無に似た、何か溝に落ちた鼠でも見るような表情でそれを語っていたからだ。
さとうはあらゆる可能性を考える。
しおが生きている可能性。死んでいる可能性を。
死んでいたらさとうは願いを叶えるためにベルトルトとみりあを殺し、他参加者を全滅させてしおを生き返らて生還しなければならない。
その為、"対主催者で徒党を組む"という方針はかなり不味い。乗らなければいけない以上、人数が増える程、グループを皆殺しにできる可能性は低くなる。
だが、しおが生きていた場合、今奴等を殺せば彼女が対主催者に加わることを証明できる者はいなくなる。
しおが生きている可能性。死んでいる可能性を。
死んでいたらさとうは願いを叶えるためにベルトルトとみりあを殺し、他参加者を全滅させてしおを生き返らて生還しなければならない。
その為、"対主催者で徒党を組む"という方針はかなり不味い。乗らなければいけない以上、人数が増える程、グループを皆殺しにできる可能性は低くなる。
だが、しおが生きていた場合、今奴等を殺せば彼女が対主催者に加わることを証明できる者はいなくなる。
まさしく、不戦の契りだ。
いっその事、あの時何も考えず、殺しておけば後戻りは出来なかったのに。
いっその事、あの時何も考えず、殺しておけば後戻りは出来なかったのに。
―――いや、今でも遅くない。
ベルトルトはまだ私が「時を止める」ことに気づいていない。
恐らく、時を止める能力は時間が経過する毎に回復する。もう、時を止められるだろう。
ベルトルトはまだ私が「時を止める」ことに気づいていない。
恐らく、時を止める能力は時間が経過する毎に回復する。もう、時を止められるだろう。
今度は、腹部を貫くか、頭を砕けば即死するだろう。
...殺しておくべきか?念のために。
神戸しおはもうこの世にいないのか、それとも生きているのか。
さとうは、迷っていた。
さとうは、迷っていた。
◇
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
『ベルトルト!話をしよう!!』
『話をしたら!全員死んでくれるか!?』
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
『ベルトルト!話をしよう!!』
『話をしたら!全員死んでくれるか!?』
『それは残念だよ!!アニの悲鳴はもう聞きたくないって言うのに!!』
『大人しくて気の弱いベルトルトなら、言いくるめて隙を付けると思ったか?』
『大人しくて気の弱いベルトルトなら、言いくるめて隙を付けると思ったか?』
『その内本命はどちらでもない、ただの時間稼ぎだ』
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
ベルトルトは、内心安堵していた。
巨人と化し、さとうとみりあを葬るのは簡単だった。
だが、全参加者の位置が分からない中で制限のあるであろう超大型に変貌したとしても、その後再び巨人になれるかは分からない。
だが、全参加者の位置が分からない中で制限のあるであろう超大型に変貌したとしても、その後再び巨人になれるかは分からない。
多分、この殺し合いで巨人化できるのは一回だけだ。二回目に変化できる前に、殺し合いは終了する。
今は、時期では無い。そう判断し、説得にかけた。
今は、時期では無い。そう判断し、説得にかけた。
つい先程までのアルミンも、無駄話をしてライナーを殺しに行かせた。あの時の行動を、利用させてもらった。
「(ありがとう。松坂さとう、君のお陰で覚悟が出来たよ)」
殺し合いに参加させられている、神戸しおの事で取り乱している松坂さとうを見て、ベルトルトは吹っ切れた。
殺し合いに参加させられている、神戸しおの事で取り乱している松坂さとうを見て、ベルトルトは吹っ切れた。
もし超大型巨人を至るべき時間と場所に使って、それでも女型――アニが生きているのなら。
どちらかがどちらかを喰い、超大型か女型を継承してマーレに持ち帰ればいい。
どちらかがどちらかを喰い、超大型か女型を継承してマーレに持ち帰ればいい。
それで、使命は全て終わる。
「(待っててくれ、アニ)」
それは、己が好きな人を喰らう覚悟か。それとも、愛する人の為に己を差し出す覚悟か。
「(待っててくれ、アニ)」
それは、己が好きな人を喰らう覚悟か。それとも、愛する人の為に己を差し出す覚悟か。
巨人を宿す少年の心持は、分からない。
だが、後ろの時さえ制し得る他者への殺意に、気付いてはいないであろうことは―――
だが、後ろの時さえ制し得る他者への殺意に、気付いてはいないであろうことは―――
【E-4 1日目 未明】
【松坂さとう@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:情緒不安定、精神的疲労、右腕に切り傷(包帯を巻いている、処置済み)
[装備]:ザ・ワールドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品 ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:???(しおちゃんが生きている可能性に掛けて対主催者で徒党を組むか、ベルトルトとみりあを殺す)
1:しおちゃん、待ってて。
2:ベルトルトに対する嫌悪。
【松坂さとう@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:情緒不安定、精神的疲労、右腕に切り傷(包帯を巻いている、処置済み)
[装備]:ザ・ワールドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品 ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:???(しおちゃんが生きている可能性に掛けて対主催者で徒党を組むか、ベルトルトとみりあを殺す)
1:しおちゃん、待ってて。
2:ベルトルトに対する嫌悪。
※参戦時期は1巻で先生を「説得」した後
【赤木みりあ@アイドルマスター・シンデレラガールズ】
[状態]:喉を圧迫された痕、精神的疲労、恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3
基本方針:殺し合いを止めたい。
1:自分を殺しかけたさとうと、何か様子がおかしいベルトルトへの恐怖。
2:殺し合いを止められるんだよ、ね……?
[備考]参戦時期(?)は、妹が生まれる前の時間からの参戦です
【赤木みりあ@アイドルマスター・シンデレラガールズ】
[状態]:喉を圧迫された痕、精神的疲労、恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3
基本方針:殺し合いを止めたい。
1:自分を殺しかけたさとうと、何か様子がおかしいベルトルトへの恐怖。
2:殺し合いを止められるんだよ、ね……?
[備考]参戦時期(?)は、妹が生まれる前の時間からの参戦です
【ベルトルト・フーバー@進撃の巨人】
[状態]:右鎖骨が砕けている、右手首に切り傷、精神的疲労
[装備]:ブレード、ブレードホルダー&付け替え刃@進撃の巨人
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:参加者の殲滅・優勝。もしアニが生き残っていたら…
1:取り合えず、自身が中心となり対主催者の集団を作る。
2:参加者が最も集まったと思った頃合いを見て超大型巨人になり、エリア一帯を爆破・踏み潰す。
3:定時放送で神戸しおが死んでいた場合、手段は問わずさとうは葬る。
[備考]参戦時期は原作第78話、超大型巨人に変化する直前の参戦です。
[状態]:右鎖骨が砕けている、右手首に切り傷、精神的疲労
[装備]:ブレード、ブレードホルダー&付け替え刃@進撃の巨人
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:参加者の殲滅・優勝。もしアニが生き残っていたら…
1:取り合えず、自身が中心となり対主催者の集団を作る。
2:参加者が最も集まったと思った頃合いを見て超大型巨人になり、エリア一帯を爆破・踏み潰す。
3:定時放送で神戸しおが死んでいた場合、手段は問わずさとうは葬る。
[備考]参戦時期は原作第78話、超大型巨人に変化する直前の参戦です。
| 000:Here we go , it's the Ultimate Show | 投下順 | 002:女の子って何で出来てる? |
| ドドンと甘くて苦い | 松坂さとう | 046:モノクローム・ファクター |
| 夕暮れの島、僕の戦争 | 赤城みりあ | |
| 夕暮れの島、僕の戦争 | ベルトルト・フーバー |
