黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(後編) ◆gry038wOvE
「くっ……」
ガウザーは、いや、黒岩省吾は立ち上がる。
いま腹部に受けたダメージは、確かに黒岩の体を吹き飛ばすほどの衝撃であった。
しかし、致命傷には至らない。黒岩を何とか生存させていたし、歩くのも動くのも容易であった。
「ひ、卑怯な……」
「卑怯じゃないぜ。俺はあらかじめ、一対一の勝負だと言った。だから、邪魔者が来る事はありえないんだ。……だから俺はただ、適当な名前を叫んだだけなんだぜ?
……俺はお前との戦いを絶対に邪魔させない。それがお前の言う美学って奴だろ。……でも俺は、お前が俺を信じないと思った。俺の事なんてお前は信じないと、俺は信じた。そして、お前は俺が卑怯な手を使うと信じて、負けたんだ」
……確かに、超光騎士が来ると思って、空を見上げたのは黒岩の方であった。
暁を信じなかった黒岩の敗北であるともいえる。
「……フン。確かに今の一撃は、そうだな。……ライバルである貴様を信じなかった、この俺の敗北。……だが、決闘はまだ終わっていない。死刑ならばそう、どちらかが死ぬまでが戦いだッ!! ここでは終わらん、俺が得た新しい力を、存分に受けるがいいっ……!!」
黒岩は、再び立ち上がると、今度はダークエボルバーを取り出した。
黒岩の手に握られた細長い物体は、彼がこの殺し合いで得た新たなる力が込められている。
「な、なんだありゃっ……!?」
ダークエボルバーを初めて見るシャンゼリオンは戦慄した。
「俺は、俺は生きる……。貴様を倒して生き残る……。もはや、貴様を倒す事が俺の最後の生きがい。俺がこの殺し合いの場で手に入れた新しい力だっ! キサマを殺すために今、使わせてもらう……ッ!!!」
そして、黒岩は、ダークエボルバーを抜き、ダークメフィスト・ツヴァイへと変身を果たす。その姿は、異形ではあるもののダークザイドのものとは全く異なるものであった。
赤と黒に塗れた体や、銀色の頭の怪物。──右手には、シャイニングクローのようなかぎづめを持っている。
必殺技の充実度もさることながら、純粋なパワーにおいてもダークザイドの姿よりも上手。
更なる力として、黒岩はそれを使う事にした。
「死刑執行の時だ、シャンゼリオン……! ハァッ!!」
右腕から火炎状の光弾・ダークフレイムが放たれる。
棒立ちしていたシャンゼリオンのもとに、ダークメフィスト・ツヴァイの一撃が命中、彼の体は吹き飛ぶ。
「うわあああああああああああっっ!!」
想像だにしない威力に、シャンゼリオンは起き上がれなくなった。
悲鳴とともに、彼は石堀とラブの前で崩れ落ちる。彼らは結構距離の離れた場所で傍観していたはずだが、まさかその距離を一瞬で詰める威力とは。
「暁さんっ……! だいじょう……」
「近寄るな! ちょっと痛いだけだ……」
シャンゼリオンは、ラブに心配され、何とか立ち上がろうとしたが、それでもまた膝を落とした。
ダークメフィスト・ツヴァイの方を、シャンゼリオンは睨んだ。
「フッハッハッハ……感じるぞ……新たな力を……ダークメフィストの力を……。もはや、一対一などどうでもいい、貴様ら纏めて片づけてくれる……ッ!!」
そう、ダークメフィスト・ツヴァイは暴走を始めていた。
闇と力が、彼の心を変異させる。自分の敵は全て排除。シャンゼリオンとの決着も、もはやついたも同然。残る敵は全て皆殺しで構わないはずだ。
暁たちによる精神攻撃や、ガドルに大敗した怒り……全てが彼を怒らせる。
「ハァッ!!」
メフィストクローからメフィストショットが放たれる。
その行き先は、石堀、ラブ、シャンゼリオンの三人の元だ。
「危ないっ!」
「きゃーっ!」
石堀は咄嗟にラブを庇い、シャンゼリオンが二人の前の壁となるため、立ち上がる。そのまま、シャンゼリオンはメフィストショットの直撃を受けた。
「ぐっ……あああああっ!!」
しかし、何とか吹き飛ばされず、シャンゼリオンは全エネルギーを胸元に集中して、そのエネルギーを弾き返す。弾き返された光弾は、地面へと跳ね返され、砂埃を舞わせた。
それでも、シャンゼリオンが負ったダメージは巨大だった。
シャンゼリオンの胸元に走った衝撃に耐え切れず、再びその場に崩れ落ちる。
「くそ……っ」
あまりの厖大なダメージに、クリスタルパワーは拒絶反応を起こし、シャンゼリオンの変身が解け、涼村暁の姿になる。
暁は脇腹を出血していたが、それ以上に、いま受けた胸の痛みが生半可なものではない。
それでも尚、ダークメフィスト・ツヴァイを睨んでいた。
「……黒岩、てめえ」
「フッハッハッハッハッハッハ!!」
ダークメフィスト・ツヴァイは高笑いをしながら、暁たちの姿を眺めていた。
暁は、立ち上がれない。もはや、敵に勝ち目はなさそうだと、ダークメフィスト・ツヴァイは踏んでいた。
「力を貸すか、……暁。奴はもう、一対一で戦う気はないらしい」
石堀が言う。その手には、アクセルドライバーとアクセルメモリを既に装備している。
しかし、暁はそれを拒絶した。
「いらねえっ……! 絶対に使わねえ……っ!! あいつを倒すのは俺だ、何としてもな……!!」
暁は我が儘であった。そして、この時ばかりは妙に頑なであった。
何が彼をそうさせるのかはわらかない。
それでも、石堀の力も、ラブの力も借りずに、ただ黒岩をブチのめしたい感情が暁を支配する。
「なら、このアクセルドライバーをお前に貸してやる。シャンゼリオンの力は今は──」
石堀はアクセルドライバーを暁に差し出した。それをまた払いのける。
「いらねえッッ!! 俺は誰の力も借りずにアイツをぶちのめすッッ!! 俺は超光戦士シャンゼリオンなんだよ……ッッ!!」
アクセルドライバーの力もいらない。
しかし、暁は生身だ。生身でダークメフィストに立ち向かうなど、馬鹿げているなどという次元を超えているはずだ。
暁は、胸を押さえながらも、一歩、ダークメフィスト・ツヴァイに近づく。
「なんだかわからないけど……黒岩、てめえ、ダークザイドの誇りとかいうのはどこに行ったんだよッ……!」
ダークメフィスト・ツヴァイは、メフィストクローを暁に向ける。
ラブと石堀が心配で、一歩前に出ようとするが、暁はそれを拒絶する。
「黒岩、確かにお前は最低のバケモノだ……! だが、最低のバケモノは、もっと最低のバケモノにはならないと思っていた……!」
最低の遥か下にある最低。
そこに黒岩は行ってしまったのだと、暁は思った。
怒りが暁の感情を支配していく。
メフィストクローは、今度こそ一撃で彼を吹き飛ばすために、闇のエネルギーを周囲から吸収し、更なるエネルギーを高めようとしていた。
「今のお前は、最低中の最低のバケモノだ……。お前が言っていた美学とかいうのは、どこに消えちまったんだよ……! 今のお前には美学も誇りもねえじゃねえか……!」
暁はまた一歩前に出る。
闇のエネルギーは、まだダークメフィスト・ツヴァイの腕で装填される。
邪魔者がいない限り、そのエネルギーはより膨大になっていく。
「お前は……ダークメフィストじゃねえ……そうだろォッ?」
暁は、それでもまだ、前にいる敵に怒りを向け続けた。
そう、死ぬかもしれない。しかし、それは負けじゃない。黒岩は黒岩としての誇りを取り戻さない限り、死んだも同然なのだ。
それなら、暁の勝ちになる。
暁のモットーは、「太く短く生きる事」だ。一時の楽しみのために残りの人生を犠牲にするくらい造作もない。楽しければいい。そして、ムカつく奴に勝てるだけでも、いいのかもしれない。
ダークメフィスト・ツヴァイのエネルギーの充填が完了する。後は、放つのみ。しかし──
「……お前が俺のライバルを名乗るなら、お前はダークザイドの……ダークザイドの暗黒騎士、ガウザーって事だろッッ!!」
その言葉が、──闇のエネルギーを溜める腕に、少しの迷いを生じさせる。
エネルギーの充填は足りている。しかし、放てない。
いや、放つ事ができるはずなのに、意識のどこかが邪魔をしてそうさせない。
自分の事を忘れ、そのエネルギーをどうする事もなく、ダークメフィスト・ツヴァイは頭を抱えた。
(くっ……何故、こいつは……)
この暁が今、どうしようもないほどに強く見える。
身体的には弱い。そこを突き詰めれば勝てる。
だが、何故か──そこを倒してはいけない気が、黒岩にはしていた。
「この俺のライバルは、暗黒騎士ガウザーだ!! ダークメフィストなんかになっちまったお前に、この俺の……超光戦士シャンゼリオンの、ライバルを名乗る資格はねえッッ!!!! お前に倒されても、俺は負けを認めねえッッ!!」
それはかつて、ガウザーが聞いた言葉。そして、三人の闇生物がその言葉通り、シャンゼリオンのライバルたる資格をはく奪された瞬間の言葉だった。
暁はその言葉など知らない。しかし、ここにいるのも、将来黒岩が会う事になるのも、同じ暁だ。口から出てくる言葉は同じ。
憎たらしい言葉も、黒岩を奮い立たせる言葉も……。
「ぐっ……ぐおおおおおおおおおおっっ!!」
そう、俺は超光戦士シャンゼリオンのライバル、暗黒騎士ガウザーだ。
シャンゼリオンのライバルを狙った四人の闇生物の中で、唯一、暁が認めた男。
この暁も変わらない。いずれは反発し合う光と影となるはずだった。
暁は、ここでも、しばらく黒岩といた事で、その想いを確信したに違いない。
だが、今黒岩は──その資格を自ら溝に捨てようとしてしまったのだ。
「シャン……ゼリ……オォォォォォォォンッッ……!!」
ダークメフィスト・ツヴァイのマスクが割れる。
闇の力を打破するだけの意思、誇り、強さ、そして美学。
黒岩省吾を縛っていた闇の力が解き放たれていく。
シャンゼリオンを倒すのが、彼の目的。それは生きがいではあるが、卑怯な真似を使うわけでもない。
黒岩省吾と、暗黒騎士ガウザー以外の力で手に入れるわけにもいかない。
黒岩省吾。
暗黒騎士ガウザー。
ダークメフィスト・ツヴァイ。
三つの姿に、交互に彼の体に幻影が重なる。
いずれがホンモノか──それは、暗黒騎士ガウザーに決まっている。
しかし、黒岩省吾としての姿もまた、彼の真実。
唯一のニセモノは──
「はああああああああああああああああああっっ!!」
──ダークメフィスト・ツヴァイ、今の自分の姿。
偽りの自分を取っ払い、全てを「己」に近づける。
闇の力さえ、今の自分にはいらない。それを手放し、己を己として戦うのが、暗黒騎士ガウザーとしての誇りだ。
(あ、ありえない……自力でメフィストの闇を振り払っている……)
石堀は、己のもとに闇の力が返ってくるのを感じていた。
少しずつだが、確かに全て、それは石堀のもとへと返還されている。
それだけの意志、それだけの誇り……。
「闇の力よ、消え失せろ……ッッ!! そうだ、……俺は……俺は、ダークメフィストなんかじゃない……ッッ!! 俺は、暗黒騎士ガウザー、黒岩省吾……!! 超光戦士シャンゼリオン──涼村暁のライバルだ!!」
そう、彼の心は、闇の力を打ち消すほどであった。
△
そして、再び、二人の男が対峙する。
一人、涼村暁。涼村暁は私立探偵である。
一人、黒岩省吾。黒岩省吾は東京都知事である。
二人は互いの目と目を見る。その瞳は、怒りに満ちていたが、同時に、不思議な喜びにも満ちていた。
「……暁、どうやら今の一撃でかなりボロボロのようだな。これを使え」
黒岩は暁に、小さな銃を渡した。暁は、黒岩から直接手渡されたその銃を、訝しげに見つめた。それはデリンジャーと呼ばれる銃だったが、暁は知らない。
「なんだよ、これ……」
「俺は卑怯な手を使って貴様を攻撃した。その傷は、その時のものだろう。……ならば、今貴様がそれを俺に放つ事で、この戦いは初めて平等となる。弾丸は二発、さあ……好きな所に命中させてみろ!」
黒岩は両手を広げた。
暁は、手元のデリンジャーを強く握りしめた。
そして、よく狙いを定め、引き金を引く。
二発の弾丸は、見当違いのところに当たった。黒岩を狙う気があったとは思えない。
「……悪い、両方外れたわ」
「……何をやっている、暁」
「いや、なんかさ。こういうのは俺の好みじゃないっていうか。どっちにしろ、俺が勝つんだし……いいじゃん」
暁は、弾丸も入っていないデリンジャーを校庭に捨てた。
どうやら、わざと外したらしい事は明らかである。
「そうか……。ならば、いつまでもこんな姿で戦うワケにはいかないな。蹴りをつけるぞ、シャンゼリオン」
「そうだな……ダークザイドのバケモノ! 暗黒騎士ガウザー!」
二人はお互いの姿を見ながら構えた。
「燦然!」
──燦然、それは涼村暁がクリスタルパワーを発現させ、超光戦士シャンゼリオンとなる現象である。
「ブラックアウト!」
──ブラックアウトとは、黒岩省吾がダークパワーによって、暗黒騎士ガウザーに変身する現象である。
「シャイニングブレード!」
「ガウザニングブレード!」
わけのわからない剣の名前を叫びながら、二人は激突する。
互いの剣が、お互いの体を斬りつけ合う。その痛みさえ感じない。その痛みさえ心地よい。
どういう原理かわらかないが、二人の体から火花が散る。もはやその原理もどうでもいい。
この戦いの行方は誰も知らない。
「もはや今回のタイトルなど関係ない……この法則全てを超えて俺が勝ってもおかしくはないな、シャンゼリオン!」
「いーや、おかしい。何故なら俺はスーパーヒーロー、シャンゼリオンだからだ!」
無情なタイトルさえ、彼は打ち破る気でいた。いや、打ち破った。どちらが死ぬとしても、それは表題のせいでも運命の仕業でもない。それは、暁と黒岩自身の力で勝ち取る結末だ。
シャンゼリオンに勝利する。それ以外はもはや、彼も何もいらない。
ガウザーに勝利する。それ以外は、どうなってもいい。
「その法則さえ打ち破る! それがこの俺、暗黒皇帝、ガウザーだからだ!」
「やってみろよ! タイトル詐欺なんざ、お前には一万光年早いんだ! そういうのは90年代初頭の戦隊ヒーローがやるものなんだっ!」
どちらが勝利するのか、行方は誰にもわからなかった。
黒岩が勝ってもおかしくない。黒岩は死なず、暁が死んでもおかしくはない。
もともと、シャンゼリオンのタイトルは脚本家が適当に決めているのだ。
そのくらいの壁は、彼らならばいつでも打ち破れる。
そう、今の彼らならばメタ的な法則など、全て打ち破ってでも勝てる気がしていた。
「来週から、『超光戦士シャンゼリオン』は『暗黒騎士ガウザー』へとタイトルを変える! そして、俺は皇帝へと上り詰める!」
「いや、来週からはテコ入れで新しいライバルが出てくるね……っ! お前はまるでいなかったように普通に物語を進行させてやる!」
ちなみに、この辺りの言葉は全てイメージだ。実際は、「お前を倒す! そして、俺は皇帝へと上り詰める!」、「いや、俺は負けない! お前の事は忘れてやる!」とか、そんな会話が繰り広げられている事だろうと思う。ここまでの会話は実際、殆どそんな感じだろう。あるスーパー戦隊が外道衆を倒す時に映画とテレビ版で全く別の台詞を言っているのと同じ理屈だ。
剣と剣がぶつかり合う。
正義と悪とがぶつかり合う。
ライバル──その言葉は、どちらが勝ってもおかしくはない、不思議な言葉。
二人は、互いに距離を取った後、離れる。
トドメの一撃が繰り出される瞬間だ。
「シャイニングアタック!」
遠距離からの攻撃、そしてトドメはシャイニングアタックに決まっている。
クリスタルのエネルギー体はガウザーの胸元に向けて進んでいく。
「ガウザーラッガー!」
ガウザーの頭部の斧から、闇のエネルギー体が現れ、その頭部と同じ形の鋭利な攻撃を放つ。ガウザーは、制作スタッフが最後まで使うかどうか悩んだと言われる攻撃を繰り出していた。
シャイニングアタックのエネルギーに向かって、ガウザーの頭の形をしたエネルギー体が飛んでいく。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」
「はああああああああああああああああああああああああっっ!!」
両者は激突する。
そして──
「何っ──!?」
──ガウザーラッガーが、シャイニングアタックに弾かれ、そのままシャイニングアタックのエネルギーがガウザーの体を貫通した。
「ば、かな……っ! くっ……!」
△
……星空が輝く。
ここに来た時と同じ、満点の星空だった。
星の数を数える。ひとつ、ふたつ、みっつ……四十八まで数えたが、まだ星はあるので、やめた。
星空が見える校庭で、黒岩は倒れていた。そして、星の数を数えていた。きっと、からっぽの星ではない。そこにはいくつかの物語が刻まれている。
あの星の数だけ、世界があるとすれば、黒岩がシャンゼリオンに倒されずに逝く世界もあったのだろうか。
……いや、きっとある。
誰も知る由はないが、本来の歴史の黒岩省吾は、涼村暁との戦いではなく、自分に叛逆した子供に撃たれ、命を落とすはずだったのだ……。
「暁……」
敗北し、倒れた黒岩のもとに、暁が。別方向から、石堀とラブが駆け寄ってきた。
黒岩省吾は、その姿を目に焼き付ける。最初にそこに辿り着いたのは暁だった。
「……黒岩」
「暁、どうやら俺の完敗のようだ。……だが、俺とお前はお互い、全力を尽くして戦った。これは他の誰が強要した運命でもない。どちらが勝つも、どちらが負けるも……全て決めるのは俺たち自身だった。そして、お前が勝った……これはシナリオ通りの結末じゃない……誰にも操られない、俺たちの戦いだ」
たとえ、この物語のタイトルで黒岩の死が予言されていたとしても、死亡者の名前として載るのは涼村暁だったかもしれない。それほどの激戦だった。この戦いは、何事にも左右されず、ただ当人たちの力だけで戦い、決着したのである。
そう、誰の介入もなく、ただ、お互いの力の差だった。そんな戦いだった。
「そうだな……」
「そうだ、罰のいちご牛乳は、貴様にくれてやる。いいか、味を想像しろ……。あかねっ娘の美味いいちご5、自然放牧の牛から取れた最高級の牛乳5……そんないちご牛乳だ……どうだ、美味いか……」
黒岩にはもう、いちご牛乳を奢る力などない。
視界もぼやけ始めていた。体は消え始めている。
暁の口に、いちご牛乳など流れ込んでは来ない。しかし、暁は、虚勢を張るように答えた。
「ああ、美味い……。こんなに美味いいちご牛乳は生まれて初めてだ。……やっぱり、いちご牛乳はいちご5、牛乳5に限るな。……じゃあ、俺はお前に、死ぬ前に特別にコーヒーを奢ってやる。どうだ、美味いか……」
暁の言葉は、黒岩の耳に辿り着いた。
その言葉で、黒岩は自分が思う最高のブレンドのコーヒーとして流れ込む。
「……ああ、確かに美味い。どんな秘書が作ったものよりもな」
暁と黒岩は、このひと時の戦いを楽しんだ。その満足感が、互いに飲み物を奢るのと変わらないほどの、ときめきを与えた。
それでいい。お互いに、それで充分だ。
「黒岩さん……」
「桃園ラブ、いや、女といえど君も戦士か。キュアピーチと呼ぼう……。キュアピーチ……君は、暁に何か言ったのか……」
「……えーと……」
そう、確かにラブは、暁に依頼した。
必ず勝てと、そう暁に依頼した。デート一回と引き換えだった。
悩んだラブを前に、黒岩は察した。
「……コイツは相当の女好きだ。女の言葉だけは裏切らんだろうな。君が生きろと言えば、コイツは何をしても生きる。……なるほど、それが俺の敗因か……こいつの女好きには敵わん」
黒岩は冗談のように笑った。
「すまないが、二人は行ってくれ。……最後に話すのはコイツで在りたい。こいつこそ、本当の、終生のライバル……最後の時もまた、俺たちは二人、言葉をぶつけあって戦う存在でありたい」
黒岩は、ラブと石堀にそう言った。
石堀とラブは、少し躊躇った後、黙ってどこかへ消えた。
△
「……暁」
「なんだよ、夜に男と二人きりなんて、つまんねえ夜だぜ、本当に……」
「同感だ」
暁と黒岩は、そう言ったが、別に悪くはないと思っていた。
この黒岩省吾だけは認めてもいい。この涼村暁だけは認めてもいい。
だが、黒岩は別に男二人の夜を満喫したくて彼以外を立ち退かせたわけではなかった。
「暁、聞け。俺を、ダークメフィストにしたのは、あいつだ……」
「あいつ?」
そう、彼はダークメフィストとなった理由を打ち明けなければならない。
人間を闇に飲み込ませる能力を持っているのは、あいつだ──。
「……石堀光彦だ。奴に気を付けろ……」
その名前を知った時、暁の中に悪寒がした。
今までずっと傍にいた人間が、誰かを悪の力に飲み込ませたというのである。
「……おい、マジかよ。最後までインチキじゃねえだろうな」
「おそらく……間違いない……」
メフィストの力が消え去った今、黒岩は記憶操作の影響を受けない。メフィストになる直前の記憶を思い出しており、それを確信できる。
メフィストである時は曖昧だった記憶も鮮明になる。
石堀は他人の記憶が制限できるが、この場において、石堀の記憶制限は効果がないのだ。予知はできても、他者の記憶に干渉する事はできない。つまり、黒岩は石堀の行動を一瞬でも知っている。
だから、黒岩はこうして、暁に石堀の真実を打ち明けられた。
「奴をよく、見張っておけ……。奴に欺かれるフリをして、いつでも奴の裏切りに対応する準備をしておけ……。奴はおそらく、今は危害を加えない。きっと、その時が来るのを待っている。その時まで、奴を逆に見張れ。そして、その時が来たら……女を、守れ。俺の道具は、全てお前に預ける」
暁は、黒岩の言葉に頷いた。
そして、全てを託したら、あとは勝者を讃えるのみであった。
「シャンゼリオン、お前は見事だった……。やはり戦士だな」
「お前もそう……見事さ。最後、お前に一撃受けたパンチが、今も効いてるぜ」
パンチ──。
黒岩は、そんなものを放った覚えはなかった。しかし、確かに暁の頬には痣ができている。
いや、そうか──。シャイニングアタックの直撃の際、無我夢中で、ガウザーはシャンゼリオンに一撃でも浴びせようと、拳を突き出したのだ。
己の中にあった戦士の血が、ガウザーをそうまでさせたらしい。
なるほど、自分が想像した以上に良い勝負、そして良い執念であったのだ。
「暁、最後に一つだけ言っておく事がある」
「……言ってみろよ。まあ、聞いてやらない事もないぜ」
そして、黒岩はいつも薀蓄を披露する時のように得意げに、言葉を紡いだ。
「知っているか……! 世界で最も素晴らしい決闘は、日付さえもどこにあるのかさえもわからない……この時、この場所で、超光戦士シャンゼリオンと暗黒騎士ガウザーによって刻まれた……! だが、この戦いはいずれ誰からも忘れられる……記録に残らず、やがて忘れられ、この一戦は誰にも知られる事なく、朽ち果てる! それでも尚、広い世界の片隅で……記録さえできない場所でひっそりと輝くだろう……! そう、それこそが俺が見つけ出せなかった、俺の過ちだ……! 本当に素晴らしいものは記録ではない、記憶に残り続けるものなのだ……!」
世界で最初、世界で最高──そんなものは、広い世界のごく一部でしかない。
誰にも見えない場所があるというのに、そんな言葉に何の意味があるというのだろう。
黒岩は、自分の薀蓄の誤りが、一体どうして生まれたものなのか知った。
記録に残っているそれを、記憶には残さなかった。どんな偉業も、データとして見ていた。それだけなのだ。だから、しっかりと細部まで覚えられなかった。
その記録を、想いも全ても記憶に残せば、間違ったデータなどにはならなかっただろう。
「さあ行け……。俺も戦士だ、ライバルに最期の姿を見られたくはない……」
黒岩は、最後に暁をそう急かした。
ヒーローは、悪役に背中を向けて、それで去ればいい。
そのまま画面に向かい、フェードアウトすればいい。
いや、ガウザーが勝ったとしても、きっとそうする。
青臭いひと時を終え、けじめをつける時が来たのだ。
「……わかった」
暁は、そう言って黒岩の視界から姿を消した。
仲間のもとへと、そして、仲間の皮を被った敵のもとへと、奴は向かっているだろう。
まだ戦いは続く。まだあいつには戦士としての使命がある。
暁は、一度だけ振り向いたが、それでも、またラブと石堀の元へと向かった。
(そうだ……誰より輝け、お前はこの俺に……皇帝に勝った戦士だ……)
黒岩の体が消えていく。
(時を越えて、輝き続けろ……!)
暁はもう、振り向く事なく過ぎ去っていく。
「──俺ってやっぱり、決まりすぎだぜ!」
暁の声が聞こえる。
お互いの心には、もはや一欠片の不安も、不満もない。
奴は勝った。勝者の叫びだ。あれほど憎たらしい声をあげるのであれば、この先も過ちを犯したダークザイドを躊躇なく葬っていけるだろう。そんな後ろ姿に安堵する。
安堵して、戦士としての役割を終えた。
これで暁との因縁は決着したのだ。あとは、完全に消えるまでの間、ライバル以外の事を考えても良い、自由な時間がある。
──とはいえ、それは少ないが。
「エリ……」
僅かであっても、戦士としての役目を終えた男は、愛しい女の名前を呟く事を許された。
人間界でできた恋人──自分に惚れた女のラームを吸う黒岩にとって、唯一そのラームを吸う事ができない相手、それが南エリだった。
彼女の笑顔が、最後に、彼の瞼の裏にあったのかもしれない。
【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン 死亡】
【残り18人】
△
暁と、ラブと、石堀は保健室にいた。この保健室は誰かが使った形跡があり、おそらくずっと前に誰かが利用したであろう事は明白であった
間もなく、22時に差し掛かろうとしている。暁は、そこにあるものを適当に使って、石堀に消毒してもらっていた。
しかし、そんな暁はきっと、石堀の横顔を疑っているに違いない。
──彼は何かを企んでいる。今は大丈夫だと言われたが、そうらしい。
それが真実だというのなら、暁はラブが殺される前に守らなければならない。
「……どうやら、こちら側には誰もいないみたいだな。……どうする? 警察署に向かうしかないが、そのためには遠回りをする必要があるかもしれない」
「あ、ああ……」
石堀は、何ら変わらぬ姿であった。暁が石堀を疑っている事にも気づいていないようである。綿密に、普通の人間としての作戦を立てている。
「禁止エリアっていうのがどういうものなのかにもよる、よな……」
暁は、本当に何事もないように話しかけた。石堀を警戒しながら。
しかし、どこか黒岩の言葉も信じきれないまま。
『9.6秒、か。…………暁、それを言うなら『俺達は』だろ』
不意に、暁の脳裏に浮かぶ、ダグバを倒した時の一言。
本当にこいつが……。
たまに冗談を言ってくる、この普通の冴えない男が、黒岩を操るほどの力を持っているのか……。
そして、いつか機を見て、ラブに教えなければならない。
────そうだ。
そのうち、二人きりになるチャンスがある。
それは今じゃないかもしれないが、いつか、そう「デート」という権利が残っている。
それを使う時がいつか来る。ただのデートじゃない。石堀光彦の不穏さを教えるひと時だ。
デートは誰にも邪魔されない。特に、男にそれを邪魔する資格はない。
いずれにせよ、暁は体を治療すると、立ち上がった。
それから、警察署に行く方法。
これは、禁止エリアを避ける場合、F-6の橋を通って、また森を抜けて警察署に向かわねばならないわけだが、果たしてどうするべきか。
もしかすれば、G-8とF-9の僅かな道を抜ければ、辛うじてすぐに向こうに行けるかもしれない。しかし、首輪が爆発するタイミングがわからない以上、そこを通るのは危険だ。
そもそも、もう22時に近い。ラブも欠伸を始めている。そんな中で、わざわざそこに向かう必要があるのだろうか。
彼らがどう決断するのか──それは──
【1日目 夜中】
【G-8/中学校・保健室】
【備考】
※同エリアの市街地にある東せつなの遺体のもとには、カオルちゃん特製ドーナツ@フレッシュプリキュア!が供えられました。
※黒岩省吾の遺体は消滅しました。付近には彼の所持品のデリンジャーがありますが、全弾使用済です。
【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】
[状態]:疲労(中)、胸部に強いダメージ(応急処置済)、ダグバの死体が軽くトラウマ、脇腹に傷(応急処置済)、左頬に痛み
[装備]:シャンバイザー@超光戦士シャンゼリオン、モロトフ火炎手榴弾×3
[道具]:支給品一式×8(暁(ペットボトル一本消費)、一文字(食料一食分消費)、ミユキ、ダグバ、ほむら、祈里(食料と水はほむらの方に)、霧彦、黒岩)、首輪(ほむら)、姫矢の戦場写真@ウルトラマンネクサス、タカラガイの貝殻@ウルトラマンネクサス、八宝大華輪×4@らんま1/2、スタンガン、ブレイクされたスカルメモリ、ランダム支給品0~5(ミユキ0~2、ほむら0~1(武器・衣類ではない)、祈里0~1(衣類はない)、黒岩0~1) 、スーパーヒーローマニュアルⅡ
[思考]
基本:加頭たちをブッ潰し、加頭たちの資金を奪ってパラダイス♪
0:石堀を警戒。石堀からラブを守る。表向きは信じているフリをする。
1:石堀やラブちゃんと一緒に、どこかに集まっているだろう仲間を探す。
2:別れた人達が心配、出来れば合流したい。
3:あんこちゃん(杏子)を捜してみる。
4:可愛い女の子を見つけたらまずはナンパ。
5:変なオタクヤロー(ゴハット)はいつかぶちのめす。
[備考]
※第2話「ノーテンキラキラ」途中(橘朱美と喧嘩になる前)からの参戦です。
つまりまだ黒岩省吾とは面識がありません(リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキのことも知らない)。
※ほむら経由で魔法少女の事についてある程度聞きました。知り合いの名前は聞いていませんでしたが、凪(さやか情報)及び黒岩(マミ情報)との情報交換したことで概ね把握しました。その為、ほむらが助けたかったのがまどかだという事を把握しています。
※黒岩とは未来で出会う可能性があると石堀より聞きました。
※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。
※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。
※森林でのガドルの放送を聞きました。
※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限は『スーパーヒーローマニュアルⅡ』の入手です。
※リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキとクリスタルステーションの事を知りました。
【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、左肩に痛み、精神的疲労(小)、決意、眠気
[装備]:リンクルン@フレッシュプリキュア!
[道具]:支給品一式×2(食料少消費)、カオルちゃん特製のドーナツ(少し減っている)@フレッシュプリキュア!、毛布×1@現実、ペットボトルに入った紅茶@現実、巴マミの首輪、工具箱、黒い炎と黄金の風@牙狼─GARO─、クローバーボックス@フレッシュプリキュア!
基本:誰も犠牲にしたりしない、みんなの幸せを守る。
1:どこかに集まっているだろう仲間を探す。
2:マミさんの遺志を継いで、みんなの明日を守るために戦う。
3:プリキュアのみんなと出来るだけ早く再会したい。
4:マミさんの知り合いを助けたい。もしも会えたらマミさんの事を伝えて謝る。
5:犠牲にされた人達のぶんまで生きる。
6:ダークプリキュアとと暗黒騎士キバ(本名は知らない)には気をつける。
7:どうして、サラマンダー男爵が……?
[備考]
※本編終了後からの参戦です。
※花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりの存在を知っています。
※クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しい所までは知りません。
※加頭順の背後にフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると考えています。
※放送で現れたサラマンダー男爵は偽者だと考えています。
※第三回放送で指定された制限はなかった模様です。
【石堀光彦@ウルトラマンネクサス】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、21時半ごろから2時間予知能力使用不可
[装備]:Kar98k(korrosion弾7/8)@仮面ライダーSPIRITS、アクセルドライバー+ガイアメモリ(アクセル、トライアル)+ガイアメモリ強化アダプター@仮面ライダーW、エンジンブレード+エンジンメモリ+T2サイクロンメモリ@仮面ライダーW 、コルトパイソン+執行実包(2/6) 、ロストドライバー@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式×3(石堀、ガドル、ユーノ、凪、照井、フェイト)、メモレイサー@ウルトラマンネクサス、110のシャンプー@らんま1/2、ガイアメモリ説明書、.357マグナム弾(執行実包×18、神経断裂弾@仮面ライダークウガ×4)、テッククリスタル(レイピア)@宇宙の騎士テッカマンブレード、イングラムM10@現実?、火炎杖@らんま1/2、血のついた毛布、ランダム支給品2~8(照井1~3、フェイト0~1、ガドル0~2(グリーフシードはない)、ユーノ1~2)、暁が図書室からかっぱらってきた本
[思考]
基本:今は「石堀光彦」として行動する。
0:「あいつ」を探す。そして、共にレーテに向かい、光を奪う。
1:今は暁とラブの二人を先導しながら街を進む。
2:どこかに集まっているだろう仲間を探す。
3:周囲を利用し、加頭を倒し元の世界に戻る。
4:孤門や、つぼみの仲間、光を持つものを捜す。
5:都合の悪い記憶はメモレイサーで消去する
6:加頭の「願いを叶える」という言葉が信用できるとわかった場合は……。
7:クローバーボックスに警戒。
[備考]
※参戦時期は姫矢編の後半ごろ。
※今の彼にダークザギへの変身能力があるかは不明です(原作ではネクサスの光を変換する必要があります)。
※ハトプリ勢、およびフレプリ勢についてプリキュア関連の秘密も含めて聞きました。
※良牙が発した気柱を目撃しています。
※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました。
※殺し合いの技術提供にTLTが関わっている可能性を考えています。
※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。
※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。
※森林でのガドルの放送を聞きました。
※TLTが何者かに乗っ取られてしまった可能性を考えています。
※第三回放送指定の制限解除を受けました。予知能力の使用が可能です。
※予知能力は、一度使うたびに二時間使用できなくなります。また、主催に著しく不利益な予知は使用できません。
※予知能力で、デュナミストが「あいつ」の手に渡る事を知りました。既知の人物なのか、未知の人物なのか、現在のデュナミストなのか未来のデュナミストなのかは一切不明。後続の書き手さんにお任せします。
【支給品解説】
【スーパーヒーローマニュアルⅡ@オリジナル】
ゴハットが新たに制作した、スーパーヒーローマニュアルの第二作。
涼村暁に手渡されたこのスーパーヒーローマニュアルは、平成のヒーローっぽい名言やポーズが記されている(ヒーローの名前や姿は記されておらず、あくまで、あのヒーローやあのヒーローっぽい台詞などが載っているだけ)。その点では基本的に「Ⅰ」と同じであるものの、少しスタイリッシュでクールな新時代のヒーローの台詞などが描かれている。
また、シャンゼリオンのスペックも特別に掲載されており、リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキの呼び方が書いてある。
【施設紹介】
【クリスタルステーション@超光戦士シャンゼリオン】
A-10エリアの海上に出現。
リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキの三体の超光騎士を内蔵したS.A.I.D.O.C.の秘密基地。
ただし、初登場時と同じく、電気が通っていないので、何らかの手段で高圧電流を流さなければ不可能。
本当に最終回までに超光騎士を呼べるのか…?大いに疑問。
【忘却の海レーテ@ウルトラマンネクサス】
F-5エリアの山頂に出現。
来訪者たちの技術で作られた大型記憶消去装置。スペースビーストの記憶が更なる災厄を招かないよう、世界中の人間のウルトラマンとビーストの記憶を消し去り、その恐怖の記憶を封印した場所である。人々のマイナスエネルギーを溜めこんでいるため、ここを媒介として、石堀はデュナミストの憎しみを利用して光を奪い、闇に還元する事ができる。
ポテンシャルバリアーと呼ばれる防御壁があり、それが市街地にビーストを出現させる事を防いでいたが、今回のポテンシャルバリアーの状態は不明。どちらにせよ、今回は突破されてもビーストは出現しないかもしれない。
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最終更新:2014年08月10日 10:31