歪み ◆LuuKRM2PEg
夜の闇に包まれた森の中は、辺り一面が漆黒に満たされている。何の用意もしないでそんな場所を進むのは、無謀以外の何物でもなかった。支給品に照明器具は含まれているが、森林の前では余りにも頼りない。
整備された街の光に慣れた人間にとって、異世界と呼んでも過言ではない森の中を
天道あかねは一人で進んでいる。前は源太や十臓という人外が一緒にいたけど、今は隣に誰もいない。それがどうしようもなく不安だったけど、人間ではない存在と一緒にいるよりはマシだと割り切った。
暗い森の中にはどんな怪物が潜んでいるのかわからない。でも、道ちゃんとNちゃんの力さえ使えば勝てない訳がなかった。現に、あの仮面ライダーだって殺すことに成功している。
ガイアメモリもまた手に入れたし、武器に使えそうな刃物もある。この二つだって上手く使えば戦いの役に立つかもしれなかった。
(これだけあれば、機械と化け物達をみんな殺せる……殺して、私は元の毎日に戻る! 大切なものは、もう何も壊させない!)
まだ見ぬ敵への憎しみを燃やしながら、あかねは駆け抜ける。
身体は痛い。でも、耐えなければならなかった。
暗い森の中は怖い。でも、それに囚われてはいけなかった。
休みたい。でも、そんな余裕なんてなかった。
(ガドルは、私からみんなを奪った奴の仲間……あんただけはあたしの手で壊してみせる!)
脳裏に浮かび上がっていく甘い誘惑を憎しみで振り払う。
ガドルは顔もわからない相手だけど、何故かダグバの仲間である確信があった。根拠はないし、誰かに教えて貰った訳でもない。仮に仲間では無かったとしても、壊してしまえば関係なかった。
ガドルだって、ここではないどこかで大切なものを壊しているはず。ダグバの仲間だから、何の躊躇いも無しに命を奪っていてもおかしくない。ガドルは、ダグバと同じ絶対悪だ。
許さない。
壊してやる。
絶対に、この世から消してみせる。
全身に刻まれた傷のせいで、本当ならまともに歩くことすら難しい。しかし、あかねの身体は軽やかに動いていた。道ちゃんの力とメモリの毒によって、痛覚が薄くなっているのはある。だが、それ以上に身を焦がすほどの憎悪が彼女に力を与えていた。
(殺す……壊してみせる……そして、みんなを守ってみせる! あたし達で力を合わせれば、できないことなんてないわ!)
表情は悪鬼の如く歪んでいて、何も知らない者が見たら「化け物」と呼ぶだろう。だが、彼女はそれに気づくことのないまま森を駆け抜けていた。
何処からともなく、川のせせらぎのような音が聞こえる。その音に向かって、あかねは走るペースを上げた。
肉体が強化されているおかげか、川に辿り着くまで時間は必要ない。穏やかに流れる川があかねの目に飛び込んできた。
凄惨な殺し合いの会場であるにも関わらず、その流れはとてもゆっくりしている。見る者の心を和ませてもおかしくないが、あかねはただ無表情で見つめていた。
いくら道ちゃんの力があったとしてもあかねのカナズチが治る訳ではない。落ちてしまったら、溺死するだけだ。
ここがどのエリアに流れている川なのかはわからないけど、川上に向かえばグロンギ遺跡まで辿り着けるはず。地図にもそう描いてあった。
闇を切り裂くような勢いで駆け抜けて、グロンギ遺跡を目指している。もう遠くないと思った、その時だった。
「……アアアアアァァァァァァァオオオオオオオオオォォォォォォォォンッ!」
どこからか、獣のような咆哮が聞こえてくる。
空気すらもピリピリと振動させるほどの叫びによって鼓膜が刺激されてしまい、あかねは反射的に足を止めてしまった。
「アアアアアァァァァァァァオオオオオオオオオォォォォォォォォンッ!」
狼のようにおぞましい叫び声は近くから聞こえてくる。それはとても人間のものには聞こえない。つまり、機械か化け物しかあり得なかった。
グロンギ遺跡には先客がいる。それを察したあかねは懐からナスカメモリを取り出しながら、戦意を燃やした。
『NASCA』
メモリから発せられるのは、魑魅魍魎の如く呻き声。しかしあかねにはそれが心地よく聞こえてしまい、微塵の違和感を持たずに身体へ刺し込む。内蔵された膨大な記憶は華奢な体躯を駆け巡り、一瞬で毒々しい青色に彩られた怪物へと変貌した。
T-2ナスカ・ドーパントに変身した天道あかねの行動は早かった。炎のように赤く染まった一対の翼を背中から生やして、暗闇に覆われた森の中を飛翔する。大空を舞う戦闘機に匹敵する程の速度が齎されることで、無数の木々が通り過ぎるように見えた。
叫び声が止むことはない。この先にいる怪物は血を求めている……まさしく本当の化け物で、生きていると考えただけでも苛立ちが溜まっていく。化け物が人間の世界にいてはいけない。この手で殺さなければならなかった。
感情が胸の中で更に燃え上がる中、石で造られた建造物が視界に飛び込んでくる。それがグロンギ遺跡であるとナスカ・ドーパントは察するが、叫び声はそこから聞こえて来ない。違う方面の斜面からだった。
(入れ違いになったのね……面倒だけど、今から追えばいいだけだわ。道ちゃんとNちゃんの力さえあれば、すぐに追いつけるわ!)
無駄足に終わったなんて考えない。叫び続ける怪物さえ殺してしまえばそれで終わるのだから。
ナスカ・ドーパントはグロンギ遺跡から目を逸らして、耳を凝らす。醜悪な唸り声は、発達した聴覚によってすぐに捉えることができた。
もしかしたらグロンギ遺跡にも誰かが隠れているかもしれないが、いるかどうかもわからない相手を捜していたら逃げられてしまう。それは余りにも間抜けだった。
(待っていなさい、化け物。あんたがどこに行こうが、あたしは必ずあんたを殺してみせる……森だろうと、この近くにある呪泉郷だろうと……)
そこまで出てきた途端、思考が急に止まってしまう。
呪泉郷。グロンギ遺跡の近くにある泉で、あかねにとって殺し合いのスタート地点だ。
そこで黒い翼を生やした女・
ダークプリキュアに襲われてしまい、源太と出会った。それから色々なことを殺し合いの場で経験して、大切な何かを失った。それが何なのかを思い出そうとするが、思考に靄がかかってしまう。
思い出せない。この殺し合いで何を失ったのかがわからない。ダグバは一体、何を奪っていったのかが見えなかった。とても大切なことだけはわかっているだけに、もどかしく感じてしまう。
それに、奪われた何かが呪泉郷と深い関係があると、あかねは思う。確証はない、ただの予感。しかし、あかねは斬り捨てることができなかった。
(誰……誰なの……一体、ダグバはあたしから誰を奪ったの……?)
あかねは思い出そうとするが、その『誰か』の顔が浮かび上がらない。霧にかかったかのように、全体の像が見えなかった。それにもう一人、この島には知っている『誰か』がいる。その人は、あかねにとっても大切な友達で、平和だった日常にいた……だけど、それだけしか思い出せない。
また、その『誰か』達が今の自分を知ったら、絶対に悲しむと断言できる。理屈はわからないけど、それだけは確かだった。
「……オオオオオォォォォォォォォォン」
しかし、湧き上がる疑問は遠ざかっていく叫び声によって遮られてしまう。
それを捉えたナスカ・ドーパントは一気に意識を覚醒させた。考えている刹那の間に、怪物はもう遠くまで向かっていると知って、軽く舌打ちをする。こうしている間にも、獲物が逃げられたら元も子もない。早く殺さなければならなかった。
ナスカウイングを再び広げて飛び上がるが、それでも蟠りは消えない。むしろ、闇の中を駆け抜ける度にどんどん積み重なっていた。
(もしもあんたが呪泉郷に向かうなら……あたしは許さない。あんたなんかに、私『達』の思い出を壊させないわ)
無意識の内に、ナスカ・ドーパントは……いや、天道あかねは想う。そして、叫び続ける怪物が呪泉郷に向かわないことを祈った。
それは、
早乙女乱馬や
響良牙のことを心のどこかで想っているあかねとしての気持ちだったのかもしれない。だが、それはあかね自身も含めて、気付く者は誰もいなかった。
ただ、ナスカ・ドーパントは闇の中に潜む獲物を狩る為に、飛び続けていたのだった。
◆
ン・ガミオ・ゼダは己の存在を知らしめるかの如く吠えながら、闇に覆われた森の中を駆け抜けている。蘇ったばかりであるにも関わらず、そのスピードは封印される前と変わらなかった。
辺りの闇によって光は微塵も見えないが、究極の闇に比べれば微々たるものでしかない。グロンギの齎す闇と、夜の闇は全く別の存在だ。自然の闇は時に安らぎを与えるが、究極の闇から与えられるのは絶望だけ。
究極の闇を取り戻す為にガミオは疾走していたが、あてはない。ガドルがどこにいるのかだってわからないのだから、具体的に決めることはできなかった。
しかし、ガミオはそれを微塵も気にかけていなかった。この世界のどこかに、王となったガドルがいる。それだけがわかれば、ガミオにとっては充分だった。
(俺の力は、本当にこの世界で発揮できるのか?)
しかしガミオには微かな懸念がある。
『究極の闇』が封じられている今、他にも封じられている力が存在するかもしれないことだ。
封印される前、ガミオはこの世を究極の闇で染めてリント達から畏怖される存在になったが、今は違う。もう一人の王・ガドルが存在することによって闇が封印されてしまっている今、他の力が充分に発揮できる保証はなかった。
(どうやら、腕試しが必要だな……)
ゲゲルの一環として制約が加えられることがある。だが、それを完全に把握しないまま、ガドルの元に向かっても勝てるとは思えない。認めるのは癪だが、今の自分は生まれたての赤子に等しい。これから戦おうとしているのは、何も知らないままで勝てる相手ではなかった。
それが、世界の
ルールに従った存在であるかどうかは関係ない。己の力を存在する為の生贄になれば、誰であろうとも構わなかった。
(む……?)
そんな中、遠くから声が聞こえてくる。ここから離れているが、ンのグロンギは聴覚も常人を遥かに上回っているので、捉えるのは容易だった。
数人のリントが話していることを察するが、その内容はガミオにとって関心はない。ただ、己を刻む為の駒が現れたとしか思えなかった。
ガミオはニヤリと笑った後、再び吠える。その姿は、まさに獲物を見つけた獣と瓜二つだった。
◆
「アアアアアアアアアアアオオオオオオオオオォォォォォォォォォォンッ!」
その叫び声に気付かなかった者はいなかった。
闇の中から発せられた咆哮によって、周囲に存在するあらゆる物がピリピリと振動する。空気も、植物も、機械も、人も、何一つの例外はない。地震と呼んでも差し支えない衝撃が襲いかかり、ライディングボードを反射的に止めてしまう。
それを見計らったかのように、次の瞬間には目前の地面が爆発を起こして、熱風が襲いかかった。
彼らは悲鳴を発するが、それは耳を劈くほどの轟音によって遮られてしまう。そのまま地面に叩きつけられた響良牙に、何が起こったのかを判断する余裕はなかった。
「つぼみ! なのは! 大丈夫か!?」
素早く起き上がりながら、良牙は叫ぶ。
爆発の原因よりも、今は守らなければならない少女達の安否が気がかりだった。もしもまた、仲間が失うようなことがあっては今度こそ立ち直れなくなってしまう。
先程まで木々が生えていた場所は、既に煉獄の炎しか見えない。周囲にどんどん広がっていくことで、良牙の不安が更に膨れ上がっていた。
「私なら、大丈夫です! 良牙さん! それよりも、なのはさんは……」
「私も大丈夫だよ、つぼみ!」
しかし、それを杞憂であると証明するように、
花咲つぼみと月影なのはが現れる。服は微かに汚れてしまったが、目立った怪我をしなくて済んだようだ。
彼女達の姿を見て、良牙は胸を撫で下ろす。よく見ると、ライディングボードも無事だった。
しかしその直後、凄まじい殺意が肌に突き刺さってきたので、安堵することはできなかった。
「なるほど……どうやら、リントどもを屠る力は残っているようだな」
地の底から響くような不気味な声と共に、灼熱の中から怪物が現れる。
血に飢えた狼のように瞳からは異様な雰囲気を放ち、全身に備え付けられた装飾品が威圧感を醸し出していた。鎧のように発達した筋肉も赤く染まっていて、どこからどう見ても人間とは思えない。首輪は見当たらないが、敵であることはわかった。
そして、腹部に備え付けられた金色のバックルが、良牙には見覚えがあった。
「そのバックル……ガドルの野郎と同じ物だ。てめえ、まさか……!?」
「ほう。ガドルを知っているのか」
「やっぱり、ガドルの仲間か!」
怪物が頷くのを見て、良牙は声を荒げる。
目の前に現れた怪物……ン・ガミオ・ゼダは、いつきと薫を殺したガドルと同じ未確認生命体だ。この島に残っている未確認はガドルだけだったはずだが、そんなのは関係ない。クウガの敵が他にいるのなら、残された自分の手で倒さなければならなかった。
良牙はロストドライバーを腰に添えて、T-2エターナルメモリのスイッチに指で触れる。
『Etarnal』
エターナルメモリから響き渡る音声・ガイアウィスパーに鼓膜が刺激されて、良牙の戦意が刺激された。
大切な二人をゴミのように殺したガドルへの怒り。そして、そんなガドルに対して何もできなかった自分自身への怒り。絶対に忘れられない二つの激情によって、良牙の目にはガミオとガドルの姿が重なって見えた。そんな相手を生かす選択肢など良牙にはない。
絶対に仕留めなければならなかった。そんな戦意を燃やしながら、良牙は叫ぶ。
「変身ッ!」
『Etarnal』
己の感情ごと、エターナルメモリをロストドライバーに力強くセットした。
メモリは再び鳴り響いた瞬間、良牙の肉体は純白の装甲に覆われていく。蒼い灼熱が四肢で燃え上がり、暗黒色のローブが背中から生成される。仮面ライダーエターナル・ブルーフレアの形態に変身したのだ。
しかし、本来の姿に慣れたとしても良牙は安堵しない。ただ、胸の中にはガミオへの怒りが暴れまわっていて、それを発散させる為に走り出した。後ろからつぼみとなのはが「良牙さん!」と呼びかけてくるが、それに答えている場合ではない。
何としてでも、ガミオを倒すことが最優先だった。
「オオオオオリャアアアアアアァァァァァァッ!」
「フンッ!」
蒼い炎を帯びたエターナルの白い拳と、岩のように巨大なガミオの拳が同時に振われて、そのまま激突した。衝撃によって冷たい空気が振動して、燃え盛る火炎が吹き飛んでしまう。
しかしエターナルはそれに目を向けずに、握り拳で再びストレートを繰り出して、ガミオの巨体に叩きつけるが、鈍い轟音が響くだけ。ガミオが揺れることはなかった。
だが、そんなことはエターナルだって百も承知。この程度で倒せる相手だったら、最初からいつきと薫が殺される訳がなかった。二人の無念を考えた瞬間、エターナルの拳に更なる力が込められていく。
無論、ガミオもただ受けるだけではなく、エターナルの一撃を確実に回避して、そこから反撃の一撃を振るった。唸りをあげながら突き進んでいくが、エターナルは身体を少し右にずらすように避けて、そこからエターナルエッジを振るった。
コンバットナイフを扱うのは慣れていないので、ただ力に任せただけの斬撃になってしまう。しかし、それでもガミオの固い皮膚を確実に切り裂くことができた。それに確かな手ごたえを感じて、今度はガミオの腕を一閃する。すると、ガミオは呻き声を漏らした。
「ムッ……!」
「まだまだぁ!」
エターナルはそれを好機と見て、ひたすらエターナルエッジを放ち続ける。
一閃。ガミオが繰り出す拳を前に、体勢を低くすることで回避しながら左脇腹を抉る。
一閃。ガミオの横に回り込んだエターナルは勢いを保ったまま、振り向くのと同時に背中に斬撃を放つ。だが、傷は浅い。
一閃。瞬時に振り返ったガミオの蹴りが襲いかかるが、エターナルは躱しながらナイフを振るう。
それはどれも荒々しく、本来の変身者である
大道克己に比べればいい加減な形だった。無論、素手で戦ってきた響良牙ではそれも当然で、子どもが遊びで振るっているのと変わらない。もしも、これが剣だったらチャンバラごっこと呼ばれてもおかしくなかった。
しかし、良牙の誇る戦闘技術及びに腕力。そして、エターナルエッジの切れ味が合わさったからこそ、ガミオにダメージを与えることができていた。
鋼鉄のような筋肉によって、一撃の威力は期待できない。だが、どんな強度を誇っていようとも数を重ねれば打ち破れるはずだった。それを信じたエターナルは、握り締めたナイフを力強く振るうが――
「ヌオオオオオオオオオオォォォォォォォォォッ!」
エターナルが神速の勢いで一閃を放つのと同時に、ガミオもまた力任せに拳を放っていた。重い一撃が来ると察するが、途中で攻撃の軌道を修正することはできない。一秒の時間も経たずに衝突して、そのまま弾き飛ばされてしまった。
「ぐあっ!」
数メートルも宙に浮かぶが、エターナルはすぐに体勢を立て直して着地する。
エターナルエッジを取りこぼすことはなかったが、その手には稲妻が迸ったような痺れを感じていた。それだけで、ガミオが誇る腕力の凄まじさが窺えてしまう。
しかし、エターナルにはそれ以上に、疑問が芽生えていた。
「テメエ……さっきのは、手を抜いていやがったな?」
「何故、俺が貴様らリントを相手に全力を尽くさなければならない?」
ガミオは否定もせずにあっさりと言い放つ。
その事実を突き付けられて、エターナルの怒りが更に燃え上がった。舐められていることもそうだが、命を奪おうとしている相手のことを見下している態度が許せない。未確認生命体に他人を慈しむ心など微塵も存在しないのはわかっていたが、それでも納得できなかった。
こんな奴らの為に五代と一条は傷付いて、そして死んだ……そう思うと、やるせなくなってしまう。
「俺達を……舐めるなよ!」
溜まった鬱憤を晴らすように叫びながら、エターナルは他のT-2ガイアメモリを手に取り出した。
ウェザーメモリは通用しない。調子に乗ってガドルに使ったせいで痛い目を見たのだから、同じ失敗を繰り返すつもりはなかった。
ゾーンメモリも意味がない。ガイアメモリを持っていない相手に発動した所で、何になるのか。
ルナメモリも微妙だ。京水が変身したドーパントを見る限り、腕は伸びるようだが……ガミオにやっても効き目はないだろう。
だが、グダグダと考える時間などない。まずは、ガドルにも通用した深紅のメモリ・ヒートメモリからだ。
『Heat』
『Heat Maximum Drive』
ヒートメモリをマキシマムスロットに装填して、ガイアウィスパーを響かせる。メモリに内蔵された熱き記憶が全身に駆け巡って、エターナルの感情がどんどん昂ぶっていった。
ガミオが突貫してくるが、関係ない。その図体を吹き飛ばしてやるだけだ。
「獅子灼熱咆哮弾ッ!」
ガドルにも放った灼熱の四肢を、今度はガミオに放つ。それは零距離からの攻撃だった。
解放されたエネルギーはガミオの巨躯を容赦なく燃やし、そして吹き飛ばしていく。しかし、やはりガミオは倒れなかったが、それはエターナルも充分予想していた。
今度はメタルメモリを手に取る。メタル……金属を意味するので、未確認を強化させる電撃は含まれていないはずだった。説明書にだって書いていないのだし、試す価値はある。
「どうか、頼むぞ……!」
ガミオをパワーアップさせないことを祈りながら、メタルメモリをマキシマムスロットに差し込んで、マキシマムを発動させた。
『Metal』
『Metal Maximum Drive』
今度はメタルの音声が鳴り響いて、エターナルの全身に闘士の記憶が伝わっていく。
ウェザーメモリのように暗雲が立ち込めることはなく、身体の奥から力が漲っていた。まるで、鋼鉄に匹敵する頑丈なボディを手に入れたように思えてしまう。
「……フンッ!」
一方で、ガミオは全身に纏わり付いた灼熱を、気合いで吹き飛ばすのが見えた。だが、筋骨隆々とした肉体は微かに焦げている。仮面の下で目を見開いた瞬間、ガミオは咆哮と共に地面を蹴った。
その勢いはまさに野生の狼に匹敵していて、避ける余裕はない。なので、エターナルは反射的に拳を振るうしかなかった。
「くそっ!」
「ダアアアァァァァッ!」
距離が徐々に縮んでいき、両者の拳は激突して、轟音が鳴り響く。
しかし、その結果は先程とは大きく異なっている。エターナルは数歩ほど後退する一方、ガミオは大きく後ずさっていた。
「「……何ッ!?」」
この結果に、エターナルも目を疑っている。目の前のガミオも同じだった。
手ごたえを感じたことに戸惑いながらも、エターナルは追撃する。突き刺さった拳によって、ガミオはまたも後退した。
それは、T-2メタルメモリの効果だった。闘士の記憶を持つメタルメモリは、使用者を鋼鉄の肉体と怪力を持つ闘士に変化させる効果を持つ。結果、エターナルの肉体に鋼鉄の怪力が増すことになった。
尤も、それだけで究極の闇であるガミオを倒すことは不可能。いくら力を増したからと言って、ガミオのスペックはエターナルを圧倒的に上回っている。ガミオからすればただの小手調べに過ぎない一撃でも、エターナルの全力に匹敵するのだから。
「リントよ……小細工を使ったとはいえ、少しでも俺に迫ったことだけは称えよう。光栄に思え」
「何だと……!?」
目前に顕在するガミオからは余裕が感じられる。絶対的強者と言わんばかりの態度が癪に障るが、事実なのだからどうしようもない。
このまま正面から戦っても勝てる確率は0%だ。格闘では大したダメージにならないし、メモリの力を借りたとしても互角にすら届かない。だからといって相当の鋭さを誇るエターナルエッジも、ガミオの筋肉を貫くことは不可能。
残った手札はパペティアーのガイアメモリだけだが、これもガミオに通用するのかわからない。なのはは効果を信頼していたが、ガミオを止められるとは限らないし、下手をしたら使う前に妨害されてしまう危険があった。これだけガイアメモリを使った以上、ガミオだって警戒をしてもおかしくない。
悩みながらも、それを悟られないようにエターナルはガミオと睨み合う。視線が激突する中、ガミオは唐突に右腕を翳して、そこから稲妻を放った。
「……ッ!?」
唐突の輝きを前に、エターナルの背筋に悪寒が走る。
ガミオが放った稲妻は凄まじい勢いで突き進んでいき、回避や防御をする暇を与えなかった。このままでは、エターナルは稲妻の餌食になってしまうと、誰もが思うだろう。
その時だった。
「プリキュア! ピンク・フォルテウェイブ!」
「プリキュア! シルバー・フォルテウェイブ!」
聞き覚えのある少女達の叫びと同時に、視界の外から桃色と銀色のエネルギーが現れて、ガミオの稲妻を吹き飛ばした。凄まじい爆音が響くと共に、周囲に大量の粉塵が舞い上がっていく。
エターナルが振り向くと、フラワータクトを構えるキュアブロッサムと、ドレスのようにひらひらとしている白銀のコスチュームを纏った少女と共に立っているのが見えた。
「大地に咲く、一輪の花! キュアブロッサム!」
「月光に冴える、一輪の花! キュアムーンライト!」
そして、少女達は堂々と名乗りを挙げる。エターナルはその姿に見覚えがあった。
ガドルとの戦いではつぼみといつきがプリキュアに変身して、ガドルを相手に構えを取っている。だが、いつきはもういない。ならば、キュアムーンライトは変身しているのは……一人しかいなかった。
「キュアムーンライト……もしかして、なのはなのか?」
「そうですよ、良牙さん……いいえ、エターナル!」
エターナルの問いかけに、キュアムーンライトは力強く答える。
その姿がとても頼もしく見えるが、喜びに浸っている場合ではない。戦いは終わった訳ではないし、ガミオから突き刺さってくる殺意は微塵も衰えていないのだから。
◆
月影なのははキュアムーンライトに変身していた。最愛の姉・
月影ゆりの遺志を受け継いで、ココロポットを手にしてガミオの前に立っている。
キュアムーンライトに変身するようになったのはこれで二度目だ。大道克己が変身した仮面ライダーエターナルとの戦いの末、ゆりのパートナーであるコロンの魂と出会って、認められるようになったことを忘れない。
今、こうしてまたキュアムーンライトを名乗ったけど、一度目の時とは違って違和感はなくて、むしろ心が満たされていた。姉の衣装を再び着ることができて、嬉しかった。
(姉さんは……この力を、私やお父さんの為に使ってくれた。本当は辛かったはずなのに……)
ゆりは自分の為に殺し合いに乗って、えりかの命を奪った。姉に望まない殺戮をさせてしまい、そして自分自身もいくつもの命を奪ったことに対して、後ろめたさを感じてしまう。
だけど、それはこれから償ってみせる。生きているみんなを救う為に、今度こそキュアムーンライトの力を正しく使わなければならなかった。
(お父さん、姉さん、いつき、えりか、源太さん、アインハルト、ヴィヴィオ……見ていてね、私が絶対にみんなを守るから!)
ここにいない人達に想いを捧げるように、キュアムーンライトは構えを取る。
隣には友達になった花咲つぼみが変身するキュアブロッサムと、こんな自分を見守ってくれている響良牙が変身する仮面ライダーエターナルがいてくれて、それだけでも非常に頼もしかった。
かつて、エターナルとは敵対したけど、今のエターナルは克己が望んでいた正義のエターナル。ある意味では、キュアムーンライトと似ている存在かもしれなかった。
そんな奇妙な偶然を体験したことで、不思議な気持ちになってしまう。
「……お前達、やはりこの世界に存在してはならない者だな」
相対する深紅の怪物は、唐突にそう呟いた。
「本来の世界では生まれなかったはずの戦士が二人……まさか、こんなにも早く巡り会えるとは」
「はぁ? てめえ、いきなり何だよ?」
「お前達も俺と同じ。殺し合いによって生まれた、この世界にあってはならない歪んだ存在だ……そんな俺達が出会うのも、必然かもしれないな」
「……訳のわからねえことを、ごちゃごちゃ抜かすな!」
エターナルは激昂する。その気持ちはキュアムーンライトも同じだった。
怪物は、ここにいるみんなが同じ存在だと言った。どうしていきなりそんなことを口にしたのかはわからないし、肯定する気が微塵も起きない。罪を重ねた自分ならまだしも、誰かの為に戦ってきたエターナルとキュアブロッサムが、怪物と同じなんて絶対にありえなかった。
「あなたとこの二人が同じだなんて、私は思わない!」
だからキュアムーンライトは、その想いを全力で口にする。
「エターナルとブロッサム……いいえ、良牙さんとつぼみはいつだって誰かの為に頑張ってきた! そんな二人があなたと同じだなんて、絶対にない!」
キュアムーンライトは宣言しながら地面を蹴り、ガミオに向かって突貫した。
距離は瞬時に縮んでいき、一瞬で目前にまで到達する。同時にハイキックを叩きこむが、ガミオは交錯させるように構えた両腕で防いだ。衝突によって、大気が破裂するような轟音が響き渡る中、キュアムーンライトは反対側の脚でキックを繰り出す。それはガミオの肉体に到達するが、手ごたえはない。
今度はガミオが拳を振るってくるが、キュアムーンライトは跳躍することで回避する。だが、それで終わることはない。
キュアムーンライトを見上げてくるガミオは、発達した右腕を向けてきたのだ。
「受けろッ!」
咆哮と共に、雷撃が襲いかかる。
闇を照らす邪な光はバリバリと音を鳴らして、辺りの植物ごと空気を焼いていく。しかしキュアムーンライトは微塵も動揺せずに、両腕を真っ直ぐに向けながら叫んだ。
「ムーンライト・リフレクション!」
宣言と共に掌から白銀のバリアが生じたことにより、ガミオの稲妻から守られる。
これは、ゆりが生前に何度も行った防御技だ。キュアサンシャインのように、空の輝きを力に変えてたくさんの人を守ったのだ。
しかし、ガミオの放つ光の威力も凄まじく、両腕に振動を感じてしまう。この身体を守る盾にも亀裂が生じていて、破られるのは時間の問題だった。
だが、キュアムーンライトは悲観していない。
「はああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「おりゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
キュアブロッサムとエターナルは打撃を与え続ける。
スピードを重視したキュアブロッサムと、パワーを重視したエターナル。どちらの一撃も、ガミオの肉体に突き刺さっていた。
ガミオも四肢をフルに活用して反撃を繰り出してくる。だが、ある一撃は軽々と避けられてしまい、ある一撃はエターナルローブに遮られてしまう。一方で、二人は重い一撃を見切りながらガミオに攻撃を続けていた。
一進一退とも呼べる状況だが、これはチャンスでもある。それを確信したキュアムーンライトは、地面に着地すると同時にムーンタクトを再び握り締めた。
「花よ、輝け! プリキュア! シルバーフォルテ・ウェイブ!」
彼女の叫びによって、ムーンタクトの先端から銀色のエネルギーは解放されて、射線上にいたエターナルとキュアブロッサムは横に跳躍する。その結果、残ったガミオは飲み込まれるしかなかった。
しかし、ムーンタクトを握る両手からは圧力が襲いかかる。ガミオの抵抗に表情を顰めながらも、キュアムーンライトは他の二人に目を向けた。
「エターナル、ブロッサム! 今よ!」
「ああ!」
「わかりました!」
エターナルとキュアブロッサムはすぐに頷く。
その勢いを保ったまま、二人はそれぞれの武器を手に取った。キュアブロッサムはブロッサムタクトを、エターナルはエターナルメモリを。
「花よ、輝け! プリキュア! ピンクフォルテ・ウェイブ!」
『Etarnal Maximum Drive』
ブロッサムタクトから桃色に輝く花のエネルギーが放たれるのと同時に、エターナルメモリからガイアウィスパーが響き渡る。エターナルはマキシマムドライブを発動しようとしているのだ。
姉の命を奪った一撃が、今度は妹である自分を守る為に使われる。それは複雑な気持ちだったが、同時に頼もしさも感じていた。
「はああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「はああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「うおおおおぉぉぉぉぉぉりゃああああああああっ!」
キュアムーンライトとキュアブロッサムのフォルテ・ウェイブがガミオを圧倒し、跳躍したエターナルはそのエネルギーを上乗せするようにエターナル・レクイエムを放つ。
膨大な力が込められたキックはガミオの肉体に到達した後、その反動を利用したエターナルは宙返りをしながら地面に降りた。彼の一撃によってガミオは体勢を崩し、そのまま大爆発を起こす。
爆音を響かせながら大気は荒れ狂い、周囲の植物を無差別に振動させていく。ほんの一瞬だけ周りが照らされたが、またすぐに闇で包まれてしまう。
これでガミオは倒れるか? 一瞬だけそんな期待が芽生えたが、すぐに打ち砕かれてしまう。何故なら、ガミオはすぐに立ち上がったからだ。
「フハハハハハハハ……面白いな、リント達よ」
ガミオは平然と笑っている。
数えるのも馬鹿馬鹿しくなる程の打撃を与えて、三人で力を合わせて必殺技も叩き込んだ。それによるダメージも半端ではないはずなのに、ガミオから放たれる戦意は微塵も衰えていない。
その瞳は未だにギラギラと輝いていた。
「やはり、目覚めた甲斐があったか……お前達のような望まれない存在は、やはり比類なき力を誇っている。お前達と戦うことで俺の存在も刻まれて、お前達の価値も証明されている」
「いいえ、違います!」
ガミオの言葉を否定するのは、キュアブロッサムだった。
「二人は……エターナルとムーンライトは歪んでもいなければ、誰にも望まれていない訳がありません! だって、二人のことを想ってくれている人がたくさんいますから!」
「だが、本来のそれらは歪んだ目的に使われた力……これが何故、正しいと言える?」
「過去を反省して、今を生きているからです! エターナルもムーンライトも、正しくなれるようにチェンジしました! それを否定するなんて……私、堪忍袋の緒が切れました!」
まるでキュアムーンライトの気持ちを代弁するように、彼女は大きく叫ぶ。
一方のガミオは何も感じないで、当たり前のように聞き流しているようにしか見えなかった。やはり未確認生命体は、かつてのダークプリキュアのように人を思いやる心を持っていない。ガドルもガミオもそうだ。
ガミオの態度がキュアブロッサムの言葉が冒涜されているように見えて、キュアムーンライトは視線に怒りを込める。その時だった。
「たああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
殺気と共に、この場に新たなる叫びが割り込んでくる。
それに気付いたキュアムーンライトが振り向いた先では、翼を生やした青い怪人が闇の中から姿を現すのが見えた。凄まじい速度で飛翔するその怪人は、一瞬でエターナルの身体にしがみつく。
反攻の余裕など与えないとでも言うように飛び上がり、二人は木々の間に消えていった。
「なっ、てめえ……!」
エターナルの抵抗する声が聞こえてくるが、それは怪物の叫びに掻き消されてしまう。
キュアブロッサムとキュアムーンライトはエターナルの名前を呼ぶが、返答はなかった。怪人……ナスカ・ドーパントのスピードも凄まじかったので、追いつくのは難しそうだった。
「……グロンギではない、殺し合いによって生まれた存在か」
そんな中、ガミオは思い当ることがあるかのように呟く。
「あれも面白そうだが……今はお前達からだ。さあ、来るがいい!」
ガミオは吠える。
どうやら、逃がすつもりも戦いをやめるつもりもなさそうだ。エターナルは心配だけど、まずはガミオを倒さなければならないと、瞬時に察する。
ン・ガミオ・ゼダを前にしたキュアムーンライトとキュアブロッサムは、静かに構えを取った。
【1日目/夜中】
【D―8/森】
【花咲つぼみ@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、加頭に怒りと恐怖、強い悲しみと決意、デストロン戦闘員スーツ着用、キュアブロッサムに変身中
[装備]:プリキュアの種&ココロパフューム、プリキュアの種&ココロパフューム(えりか)@ハートキャッチプリキュア!、こころの種(赤、青、マゼンダ)@ハートキャッチプリキュア!、ハートキャッチミラージュ+スーパープリキュアの種@ハートキャッチプリキュア!
[道具]:支給品一式×5(食料一食分消費、(つぼみ、えりか、三影、さやか、ドウコク))、鯖(@超光戦士シャンゼリオン?)、スティンガー×6@魔法少女リリカルなのは、破邪の剣@牙浪―GARO―、まどかのノート@魔法少女まどか☆マギカ、大貝形手盾@侍戦隊シンケンジャー、反ディスク@侍戦隊シンケンジャー、デストロン戦闘員スーツ(スーツ+マスク)@仮面ライダーSPIRITS、デストロン戦闘員マスク(現在着ているものの)、着替え、『ハートキャッチプリキュア!』の漫画@ハートキャッチプリキュア!、姫矢の首輪、大量のコンビニの酒
[思考]
基本:殺し合いはさせない!
0:今はキュアムーンライトと一緒に怪物(ガミオ)と戦う。
1:良牙、“なのは”とともに警察署に向かう。
2:この殺し合いに巻き込まれた人間を守り、悪人であろうと救える限り心を救う
3:南東へ進む、18時までに沖たちと市街地で合流する(できる限り急ぐ)
4:……そんなにフェイトさんと声が似ていますか?
[備考]
※参戦時期は本編後半(ゆりが仲間になった後)。少なくとも43話後。DX2および劇場版『花の都でファッションショー…ですか!? 』経験済み
そのためフレプリ勢と面識があります
※
溝呂木眞也の名前を聞きましたが、悪人であることは聞いていません。鋼牙達との情報交換で悪人だと知りました。
※良牙が発した気柱を目撃しています。
※プリキュアとしての正体を明かすことに迷いは無くなりました。
※
サラマンダー男爵が主催側にいるのはオリヴィエが人質に取られているからだと考えています。
※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました。
※この殺し合いにおいて『変身』あるいは『変わる事』が重要な意味を持っているのではないのかと考えています。
※放送が嘘である可能性も少なからず考えていますが、殺し合いそのものは着実に進んでいると理解しています。
※ゆりが死んだこと、ゆりとダークプリキュアが姉妹であることを知りました。
※大道克己により、「ゆりはゲームに乗った」、「えりかはゆりが殺した」などの情報を得ましたが、半信半疑です。
※所持しているランダム支給品とデイパックがえりかのものであることは知りません。
※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。
※
第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。
※良牙、一条、鋼牙と125話までの情報を交換し合いました。
※全員の変身アイテムとハートキャッチミラージュが揃った時、他のハートキャッチプリキュアたちからの力を受けて、スーパーキュアブロッサムに強化変身する事ができます。
※ダークプリキュア(なのは)にこれまでのいきさつを全部聞きました。
【月影なのは(ダークプリキュア)@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:健康、人間化、キュアムーンライトに変身中。
[装備]:プリキュアの種&シャイニーパフューム@ハートキャッチプリキュア!、プリキュアの種&ココロポット(ゆり)@ハートキャッチプリキュア!
[道具]:支給品一式×5(ゆり、源太、ヴィヴィオ、乱馬、いつき(食料と水を少し消費))、ゆりのランダムアイテム0~2個、ヴィヴィオのランダムアイテム0~1個(戦闘に使えるものはない)、乱馬のランダムアイテム0~2個、パワーストーン@超光戦士シャンゼリオン、ふうとくんキーホルダー@仮面ライダーW、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、須藤兄妹の絵@仮面ライダーW、霧彦の書置き、山千拳の秘伝書@らんま1/2、水とお湯の入ったポット1つずつ、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ガイアメモリに関するポスター×3、『太陽』のタロットカード、大道克己のナイフ@仮面ライダーW、春眠香の説明書、ガイアメモリに関するポスター
[思考]
基本:罪を償う。その為にもプリキュアとして戦う。
0:今はキュアブロッサムと一緒に怪物(ガミオ)と戦う。
1:つぼみ、良牙とともに警察署に向かう。
2:姉さんやいつきのようにプリキュアとして戦う。
3:源太、アインハルト…。
[備考]
※参戦時期は46話終了時です
※ゆりと克己の会話で、ゆりが殺し合いに乗っていることやNEVERの特性についてある程度知りました
※時間軸の違いや、自分とゆりの関係、サバーク博士の死などを知りました。ゆりは姉、サバークは父と認めています。
※筋肉強化剤を服用しました。今後筋肉を出したり引っ込めたりできるかは不明です(更に不明になりました)。
※キュアムーンライトに変身することができました。衣装や装備、技は全く同じです。
※エターナル・ブルーフレアに変身できましたが、今後またブルーフレアに変身できるとは限りません。
※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。
※心が完全に浄化され、プリキュアたちの力で本当の人間の体を手に入れました。かつてほどの戦闘力は失っている可能性が高いと思われますが、何らかの能力があるのか、この状態では無力なのか、その辺りは後続の書き手さんにお任せします。顔や体格はほとんどダークプリキュアの時と同じです。
※いつきにより、この場での仮の名前として「月影なのは」を名乗る事になりました。
※つぼみ、いつきと“友達”になりました。
※いつきの支給品を持っています。
※プリキュアとして戦うつもりでいます。
【ン・ガミオ・ゼダ@仮面ライダークウガ?】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)
[装備]:?????????
[道具]:?????????
[思考]
基本:この世界に存在する。そして己を刻む。
0:腕試しの為、目の前のリント達(キュアブロッサム、キュアムーンライト)と戦う。
1:ガドルを倒し、究極の闇を齎す者となる。そして己の力と存在を証明する。
2:この世界にいてはならない者を──。
[備考]
※この殺し合いやこの「クウガの世界」について知っているかのような発言をしています。
※黒い霧(究極の闇)は現在使用できません。もう一人のグロンギの王を倒して初めてその力を発現するようです。
※この世界にいてはならない者とは、ロワのオリ要素や、設定上可能であっても原作に登場しなかった存在の事です(小説版クウガも例外ではありません)。
※仮面ライダーエターナル、キュアムーンライト、ナスカ・ドーパントを「この世界にいてはならない者」と思っています。
※首輪は存在しません。
◆
叫び声を追いかけていたナスカ・ドーパントが見たのは、二人の少女とあの仮面ライダーエターナルが謎の怪物と戦っている場面だった。
赤い怪物のベルトに存在するバックルはあのダグバと全く同じ。だから、あの怪物がガドルかもしれない。実際、三人同時を相手にしても有利に戦っていて、ダグバに匹敵する力を誇っていた。
キュアピーチやキュアベリーの仲間に見える少女達が、どうしてあの仮面ライダーエターナルと力を合わせているのかという疑問はある。だけど、今はどうでもいいことだった。
ガドル(ナスカ・ドーパントがそう思っているだけで、実際はガミオ)を殺してしまいたいが、まともに戦っても勝てる見込みはない。だからといって、三人に加勢をしても有利になるとは思えなかった。逃げる選択肢もあるが、それでは優勝への道が遠ざかってしまう。
キルスコアを稼ぐなら、仮面ライダー二号の時のように分断させるしかなかった。仮面ライダーエターナルには借りがあるのだから、憎しみの鬱憤晴らしには最適だし、何よりも負ける気がしない。
「やあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ナスカ・ドーパントの振るうナスカブレードが、エターナルの胸板を横に一閃する。
エターナルは呻き声と共によろめいたので、ダメージになっていた。その反応に愉悦を感じてしまい、ナスカ・ドーパントは更に得物を振るう。だが、エターナルもただ受けているだけではなかった。
「おりゃああああぁぁぁぁっ!」
咆哮と共にエターナルは拳を振るうが、ナスカブレードでそれを受け止める。しかし、その衝撃が凄まじすぎて、ナスカ・ドーパントは吹き飛んでしまった。咄嗟にナスカウイングを展開させて、空中で体勢を立て直す。
そこからゆっくりと地面に着地して、ナスカブレードを握り締めた。だが。
「てめえ……いきなり何だ!? 俺の邪魔をするんじゃねえ!」
エターナルのマスクから響いた叫び声によって、力が緩んでしまう。
その声は、前に出会った時とは明らかに違う。ほんの少しだけ籠って聞こえるけど、その声はナスカ・ドーパント……いや、天道あかねにとって聞き覚えがあった。
この声は誰なのか? それを思い出そうとするが、思い出せない。誰の声なのかはわからないけど、知っている。そんな確信があったけど、顔が思い浮かばなかった。
知っているはずなのに、わからない。あと少しだけど思い出せない。もどかしくなるだけで、思い出せない。疑問と葛藤によって心が大きく揺れてしまい、ナスカ・ドーパントの動きは止まってしまったのだ。
「……あなたは、一体……?」
「はぁ? お前は一体……何がしたいんだよ!?」
ナスカ・ドーパントに対するエターナルの問いかけは怒号。
決して長くない言葉だが、それは心に深く突き刺さっていた。
やっぱり、この声を知っている。元の日常で何度も聞いた声だけど、誰の声なのかは思い出せない。お姉ちゃん達でもないし、お父さんでもないし、男子生徒達でもないし、九能先輩や校長でもないし、東風先生でもなかった。
頭の中には思い浮かばないはずだけど、知っている。だけど、やっぱり思いだせなかった。
「……あ、あ、あ、あ、あ、あ……!」
ナスカ・ドーパントは頭を抱えてしまう。致命的な隙を晒しているとは考えられなかった。
エターナルは勿論のこと、ダグバやガドルのことを憎んでいた。だけど、この声を聞いたことで憎しみが揺らいでしまった。優勝したいのは変わらないし、今だってガドルのことを殺したいと思っているのに、この声を聞いた途端に奇妙な違和感が芽生えてしまう。
それを振り払う為にナスカブレードを振うが、呆気なく避けられてしまう。二度、三度と続けても同じだった。感情が揺れる中で力任せに振り回しても、当たる訳がない。
苛立ちが募っていく中、エターナルが背後に跳んだことで距離が開いてしまう。その距離を縮める為に、ナスカ・ドーパントは走るが──
「獅子、咆哮弾ッ!」
エターナルの両腕から気の塊が放出される。それを前に急ブレーキをかけた後、ナスカ・ドーパントは咄嗟に回避行動を取った。
行き場を無くしたエネルギーは大木を破壊して、そのまま四散する。もしも命中したら、ダメージは避けられなかった。
しかし、今の技に対する警戒は芽生えず、それどころか懐かしさすらあっる。何故ならこの技も、あかねにとって見覚えがあるからだ。
元の日常にいる誰かが、不幸をエネルギー源にしたこの技で誰かと喧嘩をしていた。その二人はいつも喧嘩ばかりしていたけど、友情があったのは確かだった。
でも、その二人が誰なのかは思いだせない。喉まで出かかっているのに、顔が思い浮かばなかった。
「……獅子、咆哮……誰なの……誰なの……誰なの……!?」
「お前……一体、何なんだ?」
エターナルの言葉に、ナスカ・ドーパントは何も答えられない。エターナルに対する闘争の意識がまたしても揺らいでいるからだ。
しかし、戦いは未だに続いている。勢いは弱まっているが、ナスカ・ドーパントは再び剣を振るった。
二人は知らなかった。エターナルに変身している響良牙は、目の前にいるナスカ・ドーパントが天道あかねの変身した姿であることを知らない。また、ナスカ・ドーパントこと天道あかねも、目の前にいるエターナルが響良牙の変身した姿であることを知らない。
いや、もしかしたら事実から目を背けているだけかもしれない。これまで、早乙女乱馬と良牙のことを忘れようとしていたが、その場凌ぎに過ぎなかった。
一度でも罪を犯してしまえば、償わない限り解放されることはない。例えどれだけ逃げたとしても消える訳ではないし、人の心を苦しめてしまう。ようやく己の罪と向き合う時が近づいてきたのだ。
天道あかねと響良牙は運命の再会を果たしている。だが、二人はまだそれを認識していない。一人は苦しみ、一人は困惑している。真実を知るのは主催者しかいなかった。
【1日目/夜中】
【D―8/森】
【響良牙@らんま1/2】
[状態]:全身にダメージ(大)、負傷(顔と腹に強い打撲、喉に手の痣)、疲労(大)、腹部に軽い斬傷、五代・乱馬・村雨の死に対する悲しみと後悔と決意、男溺泉によって体質改善、デストロン戦闘員スーツ着用、ナスカ・ドーパントに対する困惑、仮面ライダーエターナルに変身中
[装備]:ロストドライバー+エターナルメモリ@仮面ライダーW、T2ガイアメモリ(ゾーン、ヒート、ウェザー、パペティアー、ルナ、メタル)@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式×16(食料二食分消費、(良牙、克己、一条、五代、十臓、京水、タカヤ、シンヤ、丈瑠、パンスト、冴子、
シャンプー、
ノーザ、ゴオマ、速水、
バラゴ))、水とお湯の入ったポット1つずつ×3、志葉家のモヂカラディスク@侍戦隊シンケンジャー、ムースの眼鏡@らんま1/2 、細胞維持酵素×6@仮面ライダーW、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、歳の数茸×2(7cm、7cm)@らんま1/2、デストロン戦闘員マスク@仮面ライダーSPIRITS、プラカード+サインペン&クリーナー@らんま1/2、呪泉郷の水(娘溺泉、男溺泉、数は不明)@らんま1/2、呪泉郷顧客名簿、呪泉郷地図、特殊i-pod、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、バッドショット+バットメモリ@仮面ライダーW、スタッグフォン+スタッグメモリ@仮面ライダーW、テッククリスタル(シンヤ)@宇宙の騎士テッカマンブレード、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW、まねきねこ@侍戦隊シンケンジャー、滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、黒子の装束@侍戦隊シンケンジャー、『戦争と平和』@仮面ライダークウガ、『長いお別れ』@仮面ライダーW、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、双眼鏡@現実、ランダム支給品1~6(ゴオマ0~1、バラゴ0~2、冴子1~3)、バグンダダ@仮面ライダークウガ
[思考]
基本:天道あかねを守り、自分の仲間も守る
0:こいつ(ナスカ・ドーパント)は一体……?
1:あかねさん…
2:つぼみ、“なのは”とともに警察署に向かう。
3:いざというときは仮面ライダーとして戦う。場合によってはあかねも…。
[備考]
※参戦時期は原作36巻PART.2『カミング・スーン』(高原での雲竜あかりとのデート)以降です。
※夢で遭遇したシャンプーの要望は「シャンプーが死にかけた良牙を救った、乱馬を助けるよう良牙に頼んだと乱馬に言う」
「乱馬が優勝したら『シャンプーを生き返らせて欲しい』という願いにしてもらうよう乱馬に頼む」です。
尚、乱馬が死亡したため、これについてどうするかは不明です。
※ゾーンメモリとの適合率は非常に悪いです。
※エターナルでゾーンのマキシマムドライブを発動しても、本人が知覚していない位置からメモリを集めるのは不可能になっています。
(マップ中から集めたり、エターナルが知らない隠されているメモリを集めたりは不可能です)
※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。
※第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。
※つぼみ、一条、鋼牙と125話までの情報を交換し合いました。
※男溺泉に浸かったので、体質は改善され、普通の男の子に戻りました。
※エターナル・ブルーフレアに変身できるようになりました(ただし彼の人間としての迷いや後悔がレッドフレアにしてしまう事もあります)。
※あかねが殺し合いに乗った事を知りました。
【天道あかね@らんま1/2】
[状態]:ファウストの力注入による闇の浸食(進行中)、肉体内部に吐血する程のダメージ(回復中)、ダメージ(大・回復中)、疲労(大)、精神的疲労(大)、胸骨骨折、 とても強い後悔、とても強い悲しみ、ガイアメモリによる精神汚染(進行中)、伝説の道着装着中、自己矛盾による思考の差し替え、夜の森での一人歩きが少し怖い模様、困惑、ナスカ・ドーパントに変身中。
[装備]:伝説の道着@らんま1/2、T2ナスカメモリ@仮面ライダーW、T2バイオレンスメモリ@仮面ライダーW、バルディッシュ(待機状態、破損中)@魔法少女リリカルなのは、二つに折れた裏正@侍戦隊シンケンジャー
[道具]:支給品一式×2(あかね、溝呂木)、首輪×7(シャンプー、ゴオマ、まどか、なのは、流ノ介、本郷、ノーザ)、女嫌香アップリケ@らんま1/2、斎田リコの絵(グシャグシャに丸められてます)@ウルトラマンネクサス、evil tail@仮面ライダーW、拡声器、双眼鏡、溝呂木のランダム支給品1~2
[思考]
基本:"東風先生達との日常を守る”ために”機械を破壊し”、ゲームに優勝する
0:エターナルを倒したい……けど……
1:ガドルを倒す。
2:ダグバが死んだ…。
[備考]
※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前、少なくとも伝説の道着絡みの話終了後(32巻終了後)以降です。
※伝説の道着を着た上でドーパントに変身した場合、潜在能力を引き出された状態となっています。また、伝説の道着を解除した場合、全裸になります。
また同時にドーパント変身による肉体にかかる負担は最小限に抑える事が出来ます。但し、レベル3(Rナスカ)並のパワーによってかかる負荷は抑えきれません。
※Rナスカへの変身により肉体内部に致命的なダメージを受けています。伝説の道着無しでのドーパントへの変身、また道着ありであっても長時間のRナスカへの変身は命に関わります。
※ガイアメモリでの変身によって自我を失う事にも気づきました。
※第二回放送を聞き逃しています。 但し、バルディッシュのお陰で禁止エリアは把握できました。
※バルディッシュが明確に機能している事に気付いていません。
※殺害した一文字が機械の身体であった事から、強い混乱とともに、周囲の人間が全て機械なのではないかと思い始めています。メモリの毒素によるものという可能性も高いです。
※黒岩によりダークファウストの意思を植えつけえられました。但し、(死亡しているわけではないので)現状ファウスト化するとは限りません。
あかねがファウストの力を受ける事が出来たのは肉体的なダメージが甚大だった事によるものです。なお、これらはファウストの力で回復に向かっています。
完全にファウスト化したとは限らない為、現状黒岩の声が聞こえても洗脳状態に陥るとは限りません。
※二号との戦い~メフィスト戦の記憶が欠落しています。その為、その間の出来事を把握していません。但し、黒岩に指摘された(あかね自身が『機械』そのものである事)だけは薄々記憶しています。
※様々な要因から乱馬や良牙の事を思考しない様になっています。但し記憶を失っているわけではないので、何かの切欠で思考する事になるでしょう。
※獅子咆哮弾を見たことによって、意識に揺らぎが生じています。
※ガミオのことをガドルだと思い込んでいます。
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最終更新:2014年05月08日 09:19