なのはの決意! プリキュアとして、戦います!! ◆LuuKRM2PEg
プリキュアの奇跡で生まれ変わった
ダークプリキュア……いや、月影なのはの案内に従って、響良牙は
花咲つぼみと共に森の中を進んでいた。
目的は、つぼみの友達である
明堂院いつきの遺体を埋葬してあげる為。
来海えりかと
月影ゆりが眠る地に、いつきも眠らせようとしている。元の世界では一緒に仲良く過ごしていたのに、殺し合いなんかによって居場所を無理矢理壊されてしまう……だから、せめて一緒の場所で眠らせてあげたいと、つぼみとなのはは思っているのだ。
その気持ちは良牙だって同じ。本当なら、
早乙女乱馬とシャンプーの遺体を同じ場所に眠らせてあげたいけど、不可能だ。乱馬はどこにいるのかわからないし、シャンプーは
スバル・ナカジマによって跡形もなく消されている。
パンスト太郎や、
五代雄介と
一条薫だって同じだ。
何もできない中途半端な自分がもどかしい。数時間前、中途半端はするなと一条から言われたばかりなのに、一体何をやっているのか。
ウジウジしていても何も始まらないし、みんなからも怒られてしまう。仮面ライダーの先輩である
左翔太郎やつぼみからも認められたのだから、彼らの為に正義の仮面ライダーを目指さなければならなかった。
その為にも、あのガドルやドウコクをまた見つけたら今度こそ叩き潰す。そして、大切な仲間達を守らなければならなかった。あかねさんのことだって、絶対に止めてみせる。
良牙は改めて自分にそう言い聞かせた。
「もうすぐ、着くと思うけど……周りに、気を付けて」
そんな中、先頭を歩いていたなのはの声が聞こえる。
彼女の声は、黒い翼が生えていた頃とは打って変わって、優しさに満ちていた。元の彼女のことを詳しく知らない良牙ですらも、随分と変わったと思ってしまう。
良牙がそんなことを考えていると、なのはが振り向いて来る。
「あの、良牙さん。一つ、いいですか?」
「ん? どうかしたのか」
「えっと、私はエターナル……いや、
大道克己さんのことを憎んでいました。お姉さんがあの人に殺されたから……でも、克己さんも、元々はいい人だったのでしょうか?」
彼女の口から出てきたのは、問いかけだった。
気になってしまう気持ちはわかる。大道克己は自らの口で、月影ゆりのことを殺したと言っていた。そんな克己など、なのはからすれば憎い仇であるはずなのに、今は憎悪が感じられない。
プリキュアの奇跡によって、心が綺麗になったのか。そんなことを考えながら、良牙はなのはの疑問に答えることにする。
「……さあな。俺達は昔の大道のことは何一つ知らない。でも、大道の仲間は言っていたぞ。『克己はヒーローだった』って」
「ヒーロー……?」
「ああ。それに大道自身だって、この殺し合いの新しい希望となる仮面ライダーだって言っていた……だから、あいつも昔は人々の為に戦っていたはずだ。本当かはわからないけどな」
言葉を紡ぐ度に、克己と良の最期が脳裏に過ぎっていく。
克己は、キュアブロッサムと仮面ライダーゼクロスのおかげで心を取り戻して……この世を去った。そこに、憎悪や無念の感情は微塵もない。
良は、克己が間違いを繰り返す前に死力を尽くして戦い……笑顔のまま死を迎えた。彼の笑顔は、五代雄介のように優しさと力強さで溢れていた。
だから、良牙はそんな二人の遺志を尊重するつもりでいる。
「それに俺の仲間も言っていた。あいつのことを恨まないでやってくれって……俺は正直、大道にはあんまりいい印象はない。だけど、少なくとも恨むつもりはない」
「それは、仲間に言われたからですか?」
「それもあるかもな……でも、何かが違っていたら大道だって俺達の仲間になってくれたかもしれない。克己だって、道を踏み外さないように案内をしてくれている誰かが必要だった。だから、俺は憎むつもりはない。だからって、なのはまで俺達みたいになる必要はないぞ」
「……私も、あの人のことはまだ許せないです。だって、お姉さんが殺されたのだから……」
「そっか……でも、それが普通だよな」
なのはの返答に良牙は頷いた。
いくら克己の過去を知ったとしても、それでゆりが殺された事実が消える訳ではない。殺人者に特別な事情があるのなら、親しい人が殺されても許せてしまう……そんなことができる人間なんていないだろう。それは死者への冒涜だ。それがまかり通るのなら、薫といつきを殺したガドルのことだって許さなければいけなくなってしまう。
「でも、克己さんだってもしかしたら、私みたいに生まれ変わることができたかもしれません。だから、私も克己さんの想いを受け継ごうと思います。みんなだって、それを望んでいるはずですから」
「そうか……なら、俺も力を貸すぜ。いつきも、えりかやゆりって子も、一条も、同じことを言うはずだ」
「私も、良牙さんと同じ気持ちです……なのはさん、一緒に頑張りましょう」
良牙だけでなく、つぼみも助言をしてくれた。
彼女は微笑んでいる。先程、いつきが殺されたばかりなのに、なのはに笑顔を向けていた。今も穏やかな笑顔を保ち続けているいつきのように。最期まで微笑んでいたのだから、彼女の前では泣いていたくないのだろう。
そんなつぼみの強さが、胸に突き刺さってしまう。これが、ガドルとの戦いで余計なことをしたせいで、二人を死なせてしまった俺自身の罰なのではないか……ならば、それを受け止めなければならない。
(なのはだって罪を償おうとしているのなら、俺もそうするべきだな。そして、今度こそみんなを守って、あかねさんも救う……そうだろ、一条、いつき、乱馬)
殺し合いの中で散った仲間達や、親友のことを考えながら前に進む。
早乙女乱馬。いつ頃に出会ったのかはもう覚えていない、永遠のライバルだ。
最初は購買部のパンを奪い合うだけの縁だったが、戦っている内に確かな信頼が芽生えていた。怒ったこともあった、憎たらしいと思ったことはあった、消えろと願ったことはあった……でも、乱馬を始めとした仲間達との日常が愛おしかったのも確かだった。
一条薫と明堂院いつき。この島で出会ったかけがえのない仲間。もしも、巡り会えたのがもっと違う場所だったら、きっと素敵な毎日を一緒に過ごしていたはずだった。時には一緒に飯を食って、時にはくだらないことで喧嘩をして、時には力を合わせる……だが、そんなささやかな幸せが、こんな殺し合いによって壊されてしまう。
非常にやりきれないし、許せる訳がない。絶対に、仮面ライダーとなって殺し合いを破壊する為に戦わなければならなかった。
「あ、ここだよ……二人が眠っているお墓は」
自らを奮起させる為に闘志を燃やしている良牙の前で、なのはは足を止める。
彼女の前では、不自然に盛り上がった土が存在していた。そこは、周りに比べて色も茶色に染まっている。
一見すると、ただの土の山にしか見えない。しかし、良牙はこの地にえりかとゆりが眠っていると察していた。
「えりか……ゆりさん……!」
二人を呼ぶつぼみの声は震えている。恐る恐る振り向くと、彼女の目から涙が溢れ出ていた。
それは当たり前だった。こんな形でしか大切な友達と再会できないなんて残酷すぎる。それに、ようやく再会できたいつきだって、すぐに別れさせられてしまった。
「やっと、二人に会えましたね……ごめんなさい、二人の所に来るのが遅くなってしまって。できることなら、もっと早く二人に会いたかったです……そうすれば、みんなが揃っていたはずなのに」
土の下に眠るえりかとゆり、そしてなのはの腕で眠っているいつきに語りかけるつぼみは、涙を流し続けている。
そんな彼女の姿を見るのが辛かった。なのはもつぼみのように憂いに満ちた表情を浮かべている。
「姉さん、えりか……つぼみといつきを連れてきたよ。二人とも、姉さん達に会いたがってた……ごめんなさい、今までみんなの邪魔をしてきたりして」
そして、なのはは頭を下げる。きっと、これまでの行いを懺悔しようとしているのだろう。
「でも、私はこれからみんなの為に戦う。姉さんが私の為に戦ってくれたように、今度は私が姉さん達の愛をみんなに分けてあげる。だから、姉さん達はみんなを守って……みんな、一生懸命に頑張っているはずだから」
彼女の言葉は、つぼみやいつきのように慈愛に溢れていた。
なのははつぼみ達のおかげで変わることができたのだ。自分がエターナルになれたように、なのはは普通の少女として生まれ変わった。その姿を、見せたかったのだろう。
だけど、それはもう永遠に叶わなかった。
(どうしてだよ……? どうして、彼女達がこんな目に遭わないといけないんだ? みんな、大切な人の為に頑張っていただけだろ?)
良牙は疑問を抱くが、それに答えてくれる者は誰もいない。
プリキュア達は誰かの心を守る為に戦っていた。なのはも前はプリキュアの敵だったが、大切な人の為に戦おうとしている点では変わらない。ベクトルが違うだけで、一生懸命な所は共通していた。
だけど、そんな想いは無残にも踏み躙られてしまう。こんな不条理な世界に対する憤りと彼女に対する後ろめたさ。それが良牙の中でどんどん膨れ上がっていき、いてもたってもいられなくなってしまう。
「……爆砕、点穴ッ!」
だから良牙は、今に対する鬱憤を晴らすかのように人差し指を地面に叩きつけて、穴を開けた。
こんなことをしても、自分のやったことは消えない。だけど、せめて少しくらいでも力になりたかった。この技は墓穴を作る為にある訳ではないが、他に適任な方法がない。
こんなことの為につぼみとなのはには力を使わせたくないし、だからといって獅子咆哮弾やエターナルも墓を作るには強すぎる。だから、土木工事用の技しか思い浮かばなかった。
「良牙さん……」
「二人とも、すまない……俺にできるのは、これくらいだ」
「……いいえ、ありがとうございます。いつきを眠らせてくれるお手伝いをしてくれて」
つぼみの言葉が良牙には辛かった。
彼女は優しい少女だ。友達の仇である克己やガドルにさえも、怒りはしたが憎んでいない。きっと、主催者すらも心を救おうとしているはずだった。
同じことができるかと聞かれたら、良牙は間違いなく首を横に振る。つぼみのように、誰かの心を思いやるなんて滅多にないからだ。
「ありがとう、良牙さん……それじゃあ、眠らせるね」
良牙の開けた穴に、なのははゆっくりといつきを乗せる。そのまま、彼女の遺体に土を被せ始めた。
いつきは今も太陽のような笑顔を浮かべている。もしかしたら、本当の太陽のように朝になれば瞼を開けてくれるのではないかと思ってしまうが、それはありえない。良の時だって、目覚めなかったのだから。
「いつき、今までありがとうございます……私達はいつきの笑顔と優しさが大好きです。あなたの光は、いつまでも私達の心を照らしています」
額に伝った雫が地面に落ちて、弾けていく。それは留まる気配を見せず、むしろつぼみが喋る度に勢いを増していた。
それはいつきを埋めているなのはも同じだった。彼女達を繋いでいる絆と優しさが、死んでしまった三人に届いていく。
「みんなのことは絶対に忘れません。みんなの分まで、私達は頑張ります……そして、プリキュアの力でこころの花を守ってみせます。そして、たくさん勉強をして、たくさんの人と仲良くなって、たくさんの人を守って、たくさんの人と夢を語り合います。ファッション部だって、みんなの分まで頑張ります……だから、みんなはゆっくり休んでいてください。今まで、いっぱい頑張ったのですから……」
そして、つぼみは溢れ出る涙を拭った。
それから沈黙が広がってしまう。つぼみの目元は真っ赤になっていて、良牙はますます気まずくなった。
周囲の雰囲気がどんよりと重くなってしまう。まるで、獅子咆哮弾を使っているようだった。このままでは嫌な空気を引きずったままになるが、どうすればいいのかがわからない。人の心のケアなど、良牙には不可能だった。
どうすればいいのか。そんなことを考えていた時だった。
「……私、堪忍袋の緒がブチ切れました!」
つぼみが急に、大声で叫ぶ。
突然の声によって良牙の鼓膜をジンジンと刺激される。
あまりにも予想外の行動に、良牙は呆気に取られていた。
「つ、つぼみ……?」
「良牙さんになのはさん、ごめんなさい……私のせいで暗い雰囲気になってしまって。でも、私は大丈夫ですから!」
「……大丈夫な訳がないだろう。だって、お前は……!」
「お気持ちは嬉しいです! でも、私は挫けることも折れることもしません! むしろ、一度はそうなりそうだった自分の心に、堪忍袋の緒がブチ切れているのです!」
「本当、なのか……?」
「はい! 私がしっかりしないと、えりかも、ゆりさんも、さやかも、五代さんも、村雨さんも、克己さんも、京水さんも、一条さんも……それに、いつきだって怒るはずです! 皆さんは、いつだって諦めなかったはずですから!」
そう宣言するつぼみからは迫力が感じられてしまい、良牙も思わず圧倒されてしまう。
考えてみれば、彼女はスバルや克己が変身したエターナルにも啖呵を切ったほどの度胸を持っていた。そこに、一片の憎しみを混ぜないで。
「えりか、いつき、ゆりさん……私達は行きます。もしかしたら、みんなの所にまた来るまで時間がかかるかもしれません。だけど、絶対にみんなの所に戻ってきます! だから、本当のお別れはその時に言います……今はまだ、さよならを言いません。もう少しだけ、待っていてください」
寂しげな雰囲気が漂っていたが、それでもつぼみは笑っていた。
この下で眠る彼女達の前では笑っていたかったのだろう。そうしないと、みんなだってあの世で悲しむはずだから。
乱馬やシャンプー、それにパンスト太郎はどうだろうか。あの三人が悲しむ姿はいまいち想像できないが、自分の為に泣くことは望まないかもしれない。特に乱馬はそうだろう。
つぼみには言いたいことはあるが、ここでそれを口にするのは無粋だ。彼女の意志を尊重するなら、余計なことを言わずに支えるのが筋かもしれない。
「みんな、私もつぼみの為に頑張るから。そして、全てを終わらせたらみんなの所に戻ってくるよ……だから、それまで待っていてね」
つぼみに続いて、なのはもこの地で眠る三人に語りかける。
「えりか、いつき、ゆり……二人のことは俺が絶対に守る。だから、三人は安心して休んでいてくれ。俺は不甲斐無いが、それでも守り続ける……もう、あんなことは二度と御免だからな」
そして、彼女達に続くように良牙も語った。
きっと、この地で三人とも笑顔でいるだろう。そんな彼女達を笑顔にするのなら、これ以上の中途半端は許されなかった。
「皆さん、行きましょう」
「そうだな」
「うん」
つぼみの言葉に良牙となのはは頷く。
振り向くことも、止まることもせずに……ただ、真っ直ぐに進み続けていた。
この先にいる、仲間達と巡り合えることを信じて……
◆
明堂院いつきの遺体を埋葬してから、一同はライディングボードに乗って森の中を進んでいた。
今のままでは、例え変身をしていても徒歩では時間がかかってしまう。それにつぼみと良牙はガドルとの戦いで消耗をしているので、ここで体力を消耗する訳にはいかない。なので、なのはが持っていたライディングボードに乗って移動していた。
三人も乗っているせいなのか、ビートチェイサー2000やサイクロン号に比べるとスピードが落ちている。しかし、それでも移動するには何の障害もなかった。
まるで、空飛ぶ絨毯に乗っているようだとつぼみは思う。三人もいるせいでほんの少しだけ窮屈だけど、今は我慢しなければならない。
「そうだ、つぼみ……いつきの持っていたシャイニーパフュームはあなたが持っているべきだと思う」
木々が通り過ぎていく中、隣にいるなのははシャイニーパフュームを差し出してくる。
「だって、いつきだってあなたに持っていて欲しいと思う気がするの……これは、あなた達プリキュアが使っていたから」
なのはの表情は曇っている。ここで残酷な言葉を言ってしまったら、泣き出してしまいそうだった。
彼女の気持ちはわかる。たくさんの罪を犯してきたのに、誰かを守る為の力を手にするなんて簡単にできない。罪を認めたなら、尚更だ。
だけど、つぼみにはなのはの言葉を受け入れることはできなかった。
「いいえ……それは、なのはさんが持っているべきです」
「えっ? どうして……? だって、これは……」
「いつきは最期まであなたのことを友達だと言ってくれました。きっといつきは、なのはさんがこれからみんなの為に戦ってくれると、信じていたはずです。だから、シャイニーパフュームはあなたが持っているべきだと思います」
そうなのはに諭しながら、つぼみはデイバッグに手を伸ばす。
その中から、かつてなのはから手渡されたプリキュアの種とココロポットを取り出した。
「それって、もしかして……」
「そうです。なのはさんが取り戻してくれた、ゆりさんの持っていた種とココロポットです。これも、あなたが持っているべきだと私は思います」
「……本当にいいの? 姉さんといつきは、それを望んでいるのかな……?」
「絶対に望んでいますよ! だって、二人はなのはさんの為に最後まで頑張ったのですから! 私だって、なのはさんに持っていて欲しいと思っています!」
「私が……」
つぼみは説得するが、なのはの手はまだ震えている。
やはり、簡単に受け取ることはできないのだろう。聞いた話によると、
東せつなだってプリキュアとして戦うまで時間がかかったらしいのだから。せつなだって、すぐにキュアパッションとして戦えるようになった訳ではない。なのはだって、同じだった。
「おい、なのは……お前は悩んでいるけど、本当はどうしたい?」
そんな中、良牙がなのはに問いかけてくる。
「お前は生まれ変わったんだろ? 罪を償って、みんなの為に戦うって言ったよな……それは嘘だったのか?」
「違います! 嘘じゃありません! みんなの為に……戦いたいです!」
「なら、その気持ちを嘘にするな。お前がそんな風に悩んでいたら、守りたい人だって守れなくなるぞ……それに、どうか中途半端だけはしないでくれ」
そう語る良牙の表情は、どことなく寂しげだった。
きっと、彼は一条から言われたことを思い出しているのかもしれない。
村雨良の死体にメモリーキューブを埋め込む少し前に、そう言われたのだから。
「俺は前に、仲間から中途半端はするなと言われた。でも、俺は怖気づいたせいで、守れなかった……なのは、どうかお前は俺のようにならないでくれ」
「良牙さん……わかりました。確かに、良牙さんとつぼみの言う通りです。私も、お姉さんやいつきのようにプリキュアとなって戦います。だって、二人は私の為にプリキュアの力を使ってくれたのですから」
頷きながら、なのははプリキュアの種とココロポットを受け取る。
それを見て、つぼみは一気に表情を明るくした。
「なのはさん……ありがとうございます!」
「つぼみこそ、ありがとう。それに、良牙さんもありがとうございます」
「礼ならいいさ。それでなのはが頑張ってくれるのなら、それだけでいいんじゃないのか」
「……はい!」
真っ直ぐに頷いてくれるなのはを見て、つぼみは笑顔を浮かべる。
そして、希望はまだたくさんあると確信した。なのははプリキュアとして戦ってくれると決めて、良牙だって仮面ライダーになっている。それに街には、たくさんの仲間達が集まっているはず。
彼らと力を合わせれば、どんな敵にも負けないはずだった。それに、良牙の友人である
天道あかねだって元に戻せるはずだった。
そう、花咲つぼみは信じていた。
……しかし、つぼみは知らない。いや、良牙となのはも知らなかった。
ゴ・ガドル・バが一条薫と明堂院いつきを殺害したことがきっかけで、ここから離れたグロンギ遺跡でもう一つの『究極の闇』が蘇ろうとしていることを。また、彼女達が通り過ぎてしまった森の中には、
高町なのはの相棒であるレイジングハートがいたことも、知らなかった。
なのはは一度、街に向かったことがあるので、彼女の案内でライディングボードを動かしている。そして、不幸にもその道に
バラゴの遺体は存在しなかった。もしも、レイジングハートと出会うことができていたら、鋼牙への誤解が解けたかもしれない。
しかし、ここにいる三人はレイジングハートの怨念に気付けなかった。もしもレイジングハートが人間の身体を得たら、きっと鋼牙に牙を向けるだろう。無論、その矛先は鋼牙の仲間であるつぼみ達だって例外ではないかもしれない。
希望と絶望は表裏一体。新たなる希望が生まれた一方で、また新たなる絶望が育とうとしている。彼女達がそれに立ち向かえるのかどうかは、まだ誰にもわからない……
今はただ、仲間達と再会する為に市街地に向かって進むことしかできなかった。
【1日目/夜中】
【D―8/森】
※明堂院いつきの死体は【C-8/森】に埋められました。
【響良牙@らんま1/2】
[状態]:全身にダメージ(大)、負傷(顔と腹に強い打撲、喉に手の痣)、疲労(大)、腹部に軽い斬傷、五代・乱馬・村雨の死に対する悲しみと後悔と決意、男溺泉によって体質改善、デストロン戦闘員スーツ着用、ライディングボードに乗っている
[装備]:ロストドライバー+エターナルメモリ@仮面ライダーW、T2ガイアメモリ(ゾーン、ヒート、ウェザー、パペティアー、ルナ、メタル)@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式×16(食料二食分消費、(良牙、克己、一条、五代、十臓、京水、タカヤ、シンヤ、丈瑠、パンスト、冴子、シャンプー、
ノーザ、ゴオマ、速水、バラゴ))、水とお湯の入ったポット1つずつ×3、志葉家のモヂカラディスク@侍戦隊シンケンジャー、ムースの眼鏡@らんま1/2 、細胞維持酵素×6@仮面ライダーW、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、歳の数茸×2(7cm、7cm)@らんま1/2、デストロン戦闘員マスク@仮面ライダーSPIRITS、プラカード+サインペン&クリーナー@らんま1/2、呪泉郷の水(娘溺泉、男溺泉、数は不明)@らんま1/2、呪泉郷顧客名簿、呪泉郷地図、特殊i-pod、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、バッドショット+バットメモリ@仮面ライダーW、スタッグフォン+スタッグメモリ@仮面ライダーW、テッククリスタル(シンヤ)@宇宙の騎士テッカマンブレード、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW、まねきねこ@侍戦隊シンケンジャー、滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、黒子の装束@侍戦隊シンケンジャー、『戦争と平和』@仮面ライダークウガ、『長いお別れ』@仮面ライダーW、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、双眼鏡@現実、ランダム支給品1~6(ゴオマ0~1、バラゴ0~2、冴子1~3)、バグンダダ@仮面ライダークウガ
[思考]
基本:天道あかねを守り、自分の仲間も守る
0:あかねさん…
1:つぼみ、“なのは”とともに警察署に向かう。
2:いざというときは仮面ライダーとして戦う。場合によってはあかねも…。
[備考]
※参戦時期は原作36巻PART.2『カミング・スーン』(高原での雲竜あかりとのデート)以降です。
※夢で遭遇したシャンプーの要望は「シャンプーが死にかけた良牙を救った、乱馬を助けるよう良牙に頼んだと乱馬に言う」
「乱馬が優勝したら『シャンプーを生き返らせて欲しい』という願いにしてもらうよう乱馬に頼む」です。
尚、乱馬が死亡したため、これについてどうするかは不明です。
※ゾーンメモリとの適合率は非常に悪いです。
※エターナルでゾーンのマキシマムドライブを発動しても、本人が知覚していない位置からメモリを集めるのは不可能になっています。
(マップ中から集めたり、エターナルが知らない隠されているメモリを集めたりは不可能です)
※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。
※
第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。
※つぼみ、一条、鋼牙と125話までの情報を交換し合いました。
※男溺泉に浸かったので、体質は改善され、普通の男の子に戻りました。
※エターナル・ブルーフレアに変身できるようになりました(ただし彼の人間としての迷いや後悔がレッドフレアにしてしまう事もあります)。
※あかねが殺し合いに乗った事を知りました。
【花咲つぼみ@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、加頭に怒りと恐怖、強い悲しみと決意、デストロン戦闘員スーツ着用、ライディングボードに乗っている
[装備]:プリキュアの種&ココロパフューム、プリキュアの種&ココロパフューム(えりか)@ハートキャッチプリキュア!、こころの種(赤、青、マゼンダ)@ハートキャッチプリキュア!、ハートキャッチミラージュ+スーパープリキュアの種@ハートキャッチプリキュア!
[道具]:支給品一式×5(食料一食分消費、(つぼみ、えりか、三影、さやか、ドウコク))、鯖(@超光戦士シャンゼリオン?)、スティンガー×6@魔法少女リリカルなのは、破邪の剣@牙浪―GARO―、まどかのノート@魔法少女まどか☆マギカ、大貝形手盾@侍戦隊シンケンジャー、反ディスク@侍戦隊シンケンジャー、デストロン戦闘員スーツ(スーツ+マスク)@仮面ライダーSPIRITS、デストロン戦闘員マスク(現在着ているものの)、着替え、『ハートキャッチプリキュア!』の漫画@ハートキャッチプリキュア!、姫矢の首輪、大量のコンビニの酒
[思考]
基本:殺し合いはさせない!
1:良牙、“なのは”とともに警察署に向かう。
2:この殺し合いに巻き込まれた人間を守り、悪人であろうと救える限り心を救う
3:南東へ進む、18時までに沖たちと市街地で合流する(できる限り急ぐ)
4:……そんなにフェイトさんと声が似ていますか?
[備考]
※参戦時期は本編後半(ゆりが仲間になった後)。少なくとも43話後。DX2および劇場版『花の都でファッションショー…ですか!? 』経験済み
そのためフレプリ勢と面識があります
※
溝呂木眞也の名前を聞きましたが、悪人であることは聞いていません。鋼牙達との情報交換で悪人だと知りました。
※良牙が発した気柱を目撃しています。
※プリキュアとしての正体を明かすことに迷いは無くなりました。
※
サラマンダー男爵が主催側にいるのはオリヴィエが人質に取られているからだと考えています。
※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました。
※この殺し合いにおいて『変身』あるいは『変わる事』が重要な意味を持っているのではないのかと考えています。
※放送が嘘である可能性も少なからず考えていますが、殺し合いそのものは着実に進んでいると理解しています。
※ゆりが死んだこと、ゆりとダークプリキュアが姉妹であることを知りました。
※大道克己により、「ゆりはゲームに乗った」、「えりかはゆりが殺した」などの情報を得ましたが、半信半疑です。
※所持しているランダム支給品とデイパックがえりかのものであることは知りません。
※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。
※第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。
※良牙、一条、鋼牙と125話までの情報を交換し合いました。
※全員の変身アイテムとハートキャッチミラージュが揃った時、他のハートキャッチプリキュアたちからの力を受けて、スーパーキュアブロッサムに強化変身する事ができます。
※ダークプリキュア(なのは)にこれまでのいきさつを全部聞きました。
【月影なのは(ダークプリキュア)@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:健康、人間化、ライディングボードに乗っている
[装備]:プリキュアの種&シャイニーパフューム@ハートキャッチプリキュア!、プリキュアの種&ココロポット(ゆり)@ハートキャッチプリキュア!
[道具]:支給品一式×5(ゆり、源太、ヴィヴィオ、乱馬、いつき(食料と水を少し消費))、ゆりのランダムアイテム0~2個、ヴィヴィオのランダムアイテム0~1個(戦闘に使えるものはない)、乱馬のランダムアイテム0~2個、パワーストーン@超光戦士シャンゼリオン、ふうとくんキーホルダー@仮面ライダーW、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、須藤兄妹の絵@仮面ライダーW、霧彦の書置き、山千拳の秘伝書@らんま1/2、水とお湯の入ったポット1つずつ、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ガイアメモリに関するポスター×3、『太陽』のタロットカード、大道克己のナイフ@仮面ライダーW、春眠香の説明書、ガイアメモリに関するポスター
[思考]
基本:罪を償う。その為にもプリキュアとして戦う。
1:つぼみ、良牙とともに警察署に向かう。
2:姉さんやいつきのようにプリキュアとして戦う。
3:源太、アインハルト…。
[備考]
※参戦時期は46話終了時です
※ゆりと克己の会話で、ゆりが殺し合いに乗っていることやNEVERの特性についてある程度知りました
※時間軸の違いや、自分とゆりの関係、サバーク博士の死などを知りました。ゆりは姉、サバークは父と認めています。
※筋肉強化剤を服用しました。今後筋肉を出したり引っ込めたりできるかは不明です(更に不明になりました)。
※キュアムーンライトに変身することができました。衣装や装備、技は全く同じです。
※エターナル・ブルーフレアに変身できましたが、今後またブルーフレアに変身できるとは限りません。
※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。
※心が完全に浄化され、プリキュアたちの力で本当の人間の体を手に入れました。かつてほどの戦闘力は失っている可能性が高いと思われますが、何らかの能力があるのか、この状態では無力なのか、その辺りは後続の書き手さんにお任せします。顔や体格はほとんどダークプリキュアの時と同じです。
※いつきにより、この場での仮の名前として「月影なのは」を名乗る事になりました。
※つぼみ、いつきと“友達”になりました。
※いつきの支給品を持っています。
※プリキュアとして戦うつもりでいます。
【備考】
※月影なのはの案内で、ライディングボードに乗りながら市街地に向かっています。
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最終更新:2014年04月18日 22:39