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その2

最終更新:

homuhomu_tabetai

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それから数日後の、とある日のこと。

ザッ…ザッ…ザッ…

本来、立ち入り禁止のため、
人が近寄るはずのないこの区域に人影があった。

「ううー、寒い…」
「ここはいったい何処なんだ…?麓はどっちだ…?」
「おおーーーーい! みんなーーーー! 何処だーーーー!?」

シーン…

「くそっ! まさか雪崩に巻き込まれるとは…」
「ついてねぇ… 立ち入り禁止区域内でもなかったのに何で雪崩がおきるんだよ!?」

この男は登山者。

仲間達と共にこの雪山に臨んだものの、不運なことに、一行は雪崩に襲われてしまい、
逃げ遅れたこの男だけが、ここまで流されてしまったのだった。

不幸中の幸いだったのは、雪崩が小規模なものだったため、
怪我などもなく、ただ流されただけですんだことであろうか。

しかし、一難さってまた一難。

「さっきからだんだん雪が強くなってきたな… 視界が悪くなってきた」
「風も出てきたし… 吹雪いてきそうな感じだ」

宛てもなく彷徨っているうちに、徐々に雪と風は強くなり、
男の視界と体力を奪っていこうとする。

「まずいぞ… このままじゃ吹雪に巻き込まれて凍死しちまう」
「くそっ! どこか凌げる場所はないか!?」

悪化する状況に焦りを隠せない男。
現状を乗り切る術を見出そうと必死に周囲の様子をうかがっていた、その時。

……………ムゥ…………………………

「ん?何か聞こえるぞ…」

耳を済ませ、音の出所を必死に探る男。
その耳は微かではあるが、確実に何者かの気配を捕らえていた。

……ミャ…………………………………

「間違いない! なんか声が聞こえる!」
「これは…人の声か!?」

残された猶予はわずか。
藁にもすがる思いで、男は音の出所に向かっていく。

「おおーい! 誰かいるのかー!?」ザッザッザッ



山小屋のほむほむ達は、その日も雪遊びに興じていた。

ワイワイ ガヤガヤ
ホミュー! ホミュミュゥ! ホーミャ♪ マデョオ♪

ヒュウウウウゥゥゥゥーーーー

親ほむ「ホムムゥ」フブキソウダネ
親まど「マドォ、ホムラチャァン?」ソロソロ ヒキアゲヨウカ?

めがほむ「ホミャミャーーーー!」オウチニカエルヨー

仔ほむまど「「ホミュッ! マデョッ!」」

トテトテ チテチテ
タノシカッタ♪ オナカヘッタネ ツカレタ ネムーイ

家路に着こうとした、その時。
彼女達の耳に、何者かの呼ぶ声が届いてきた。

……ィ…………………ォーィ………………

親まど「マドォ?」

……オーイ…………ダレカ……………カ?……

親ほむ「ホムムムム…?」

「おーーーーい! 誰かいるのかーーーー!? 返事してくれーーーーー!」

仔ほむ1「ホミュン! ホミュン!」ピョンピョン

「おーーーーーぃ…ってうわっ!? こんな所にほむほむだと?」

仔ほむ2「ホミャァ?」ナニ?
仔ほむ3「ホミャミャァーン?」オッキイ ドウブツサン?

「なんだ… 誰かいるのかと思って思ってきてみれば、ほむほむかよ…」ガックリ

めがほむ「ホミュウ?」

「くそぅ… 俺はこのまま吹雪に巻き込まれて死ぬしかないのか…?」

うなだれ、その場に膝をつく男。
藁にもすがる思いでたどり着いた先にいたのは、
彼の期待を大きく裏切るものであった。

仔ほむ4「ホミャア!」オッキイー
仔ほむ5「ホミャホミャア!」スゴーイ
仔めが「ホミュー…」チョットコワイ…

親ほむ「ホムムー…」オチコンデルネ…
親まど「マドー…」ドウシタノカナ…

通常、野生のほむほむであれば、人間を恐れ、
その姿を見た途端に逃げ出すものである。

しかし、この近辺は人間が立入らなくなってから久しく、
そのため彼女達は、人間という、恐れるべき動物の存在を知らなかったのである。

また、ほむほむとは本来、好奇心旺盛な動物である。
人間への恐れを知らない彼女達は、未知の存在として目の前の立ちはだかる動物に対し、
恐怖心ではなく、好奇心を持ってしまった。

そして、ほむほむとは、非常に純粋で情け深い動物でもある。

親ほむ「ホムホム? ホムホーム?」マイゴカナ?
親まど「マドマドォ、マドンマドマド」フブキニ マキコマレチャウヨ
めがほむ「ホミュミュウ…」カワイソウダネ

目の前で困っている山の仲間がいる。
このまま見捨てれば、吹雪に巻き込まれて死んでしまう。

助けてあげよう。

愚かなほど純粋な彼女達は、目の前の不憫な動物に手を差し伸べてしまった。

親ほむ「ホムー!」トテテテ

クルッ

親ほむ「ホムンホムン!」ピョンピョン
親まど「マドマドー!」ツイテオイデヨ!

「なんだ…? ついて来いって言ってんのか?」

ほむほむ「ホムムー!」

トテテテテテ… ホムンホムン マドンマドン

「…このままむやみに彷徨っていても、吹雪に巻き込まれて凍死しちまうだろうし、かといって行く宛てもない…」
「なら一か八か、神頼み…もとい、ほむ頼みに賭けてみるか…」
「…おい! 待ってくれ!」ザッ

トテトテトテ ホムーホムー ザッザッザッ

ほどなくして。
男の視界は、あの忘れ去られた山小屋を捕らえていた。

「これは…こんな所に山小屋が!?」

仔ほむs「「ホミューン!」」トテトテ スッ
ほむほむ「ホムッホムッ!」ピョンピョン

トテテテ スッ

「壁の穴から入っていったな… あいつら、ここを巣にしているのか…」

ガタガタガッ ギギー

「お邪魔しまーす…」
「ずいぶん長いこと使われてない感じだな…」
「だがこれなら、ひとまず吹雪をやり過ごすことはできそうだ…!」

九死に一生。
男の縋った藁は、何とか男の命を繋ぐ命綱となってくれたのだった。

「携帯の電波は… だめか」
「だが、吹雪がやめばきっと救助が来てくれるはずだ。それまでは不用意に動きまわらず、ここで大人しくしていよう」




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