不器用
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homuhomu_tabetai
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作者:iwNrJ8sdo
113 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage] 投稿日:2011/11/30(水) 04:16:30.74 ID:iwNrJ8sdo
ある十二月の日曜日の事だ。公園のベンチに一人の少女が腰かけていた。
やや短めの青い髪と少しタレ気味の可愛らしい目が印象的な活発そうな美少女で、
顔つきは幼いが胸の成長はそこそこ……
おそらく、歳は十代半ばといったところだろう。
気温が低かったせいもあり、日曜日だと言うのに公園で遊ぶ子供達の姿もない。
青い髪の少女はコンビニの袋の中から菓子パンとペットボトルのカフェオレを取り出して、
そんな冬の始まりの公園で、のんびりと食事を始めた。
間食にしてはやや量が多く、一見すると遅めの朝食か早めの昼食に見えなくもない。
少女の持っているコンビニの袋には、それくらいの量の菓子パンが入っている。
しかし、彼女がこの菓子パンを用意した目的は他にあったようだ。
バサバサッ バサッ トテテテ ホムゥー
クルルッ ククッ ホムホムッ ホミッ♪ ポゥ
この季節にこの公園で食事をすると、餌を求めてほぼ確実に集まって来る生き物がいる。
鳩とほむほむだ。
冬本番が近くなり、野生や野良の生物が自力で餌を入手する事が困難になってくるこの時期には、
人間に与えられる良質の餌がとても魅力的なのだろう。
特に冬眠間近のほむほむ達は、この時期に巣に蓄えた餌や自身の身体に蓄えた脂肪分が少なければ、長く厳しい冬を越す事が難しくなる。
つまり何らかの理由でこの時期に、十分な冬への対策をとれなかったほむほむは、
冬眠中に暗い巣穴の中で眠ったまま、春の訪れを待つ事なく、その儚い生涯を閉じてしまう可能性が高い……
……越冬の準備のためには多少の危険を犯してでも、自分達より遥かに大きくて遥かに強い生き物である人間に近づいて食料を分けてもらう……
都会や人里の近くに住むほむほむ達の多くは、この選択をする。
運が良ければ寒い冬の間だけの条件で、人間の家で保護される場合もある。
そしてさらに運が良ければ、保護してくれた人間に気に入られて、そのまま飼いほむになれる場合もある。
人里のほむほむの運命は、人間の気まぐれでほぼ決まる。
知力が高くても身体能力が高くても、人間に気に入られなければ、ほむほむは幸せになれない……
少女は静かにカフェオレを飲みながら、しばらく優しく微笑んでいたが、やがて何かを思い出したかのように……
わざと意地の悪い小悪魔のような表情を作っておいてから、鳩とほむほむ達にこう言った。
「甘えてちゃダメだよ。そんなにパンが食べたいなら、何か芸でもして見せてよ」
ポポーッ ククッ バサバサッ ホムホムッ♪ ホミャン コクコク
残念ながら、鳩には言葉が通じなかった。しかしほむほむ達は、少女の言葉を理解したようだ。
ドジを踏む事が多いためによく誤解されているが、ほむほむは小さな体格の割りには、かなり頭の良い生き物だ。
ホムホム ホム~ッ トテトテ ホミャホミャッ ホミューン♪ ホムムッ ピョコピョコ ピョンピョン
バサッ バサバサ バサバサーッ
ほむほむ達は少女の前で「ホムホム」「ホミャホミャ」と歌いながら踊り出した。
どう贔屓目に見ても、見事だとか上手だなどと言えるレベルではないのだが、
ほむほむ達は小さな手足をパタパタと動かして、元気よく跳び跳ねている。
「……」
少女は無言で小動物の踊りを眺めていた。
自慢のタレ目の目尻が、さらに下がりそうな衝動を必死で押さえながら……
そして踊りが始まってからしばらくすると……
ホムホムー ホミー テテテ トトト ホムムー ホムー マドー ホミ トタトタ
また新しく次々と、かなりの数のほむほむが少女の前に集まって来た。
少数だが、まどまども混ざっている。
仲間の歌声を聞いたほむほむ達が、食事のチャンスだと思ってやって来たのだろう。
ホムムーッ ホミュホミュゥ♪ コクコク ホムムン ホムゥ~ マドッ マドカァ/// チョコチョコ
ホムムッ♪ マドッ ピョン ホムーッ ホムゥ~ ホミ… ヒョコッ ホミャア~
そして後から来たほむほむ達も、最初のほむほむ達と同じように、
少女の前でパタパタ・ピョコピョコ・ホムホム・ホミャホミャと、
愛らしい仕草でほむほむダンスを披露し始めた。
ホミー ホムムン♪ マドドッ ピョコッ マドカァ/// トテトテ ホムー ホミュッ♪
ホームー ホムムー マドッ? ホミャッ! ポテン ホ~ム~ ホムムゥ~ ミャ~/// ピョコッ
仲良く歌って跳んだり跳ねたり、若いほむほむが踊りながら意中のまどまどを追いかけたり、
お茶目にお尻や腰を振っていた仔ほむが、小石につまづいて転んで、恥ずかしそうに笑ったり……
決して上手な踊りではないのだが、とても可愛らしく、それなりに面白い。
バサバサッ バサッ ククッ クルックー ポゥ
鳩達は少し迷惑そうな仕草で飛び立って、ほむほむ達から少し離れて彼女達の踊りを見ていた。
ホムムッ ホミャミャッ ピョンピョン ホミュ~ ホムムッ♪ ホムホム~ ホムラチャーン
ホミューン♪ チョコチョコ ホミィ ホムムー トタタタ ホムゥ~ ホミホミー ホム♪
ほむほむは元来が遊び好きで単純で、お調子者の小動物なのだろう。
最初は餌を貰うための芸として踊らされていたのに、
いつの間にか、純粋に歌と踊りを楽しんでいた……
ホムッ ホムホムーッ ホミミーッ♪ ピョコピョコ トテテ ホームホムッ♪ ホミャン
楽しそうに踊り続けるほむほむに、少女は冷たい言葉を送った……
「……ホント下手くそだね。救いようがないよ……」
少女は一言だけ憎まれ口を呟いたが、その顔は寂しそうに笑っている。
このまま放っておけば一時間でも二時間でも、楽しそうに踊り続けるのではないだろうか……
疲れて眠るまで、楽しそうに踊り続けるのではないだろうか……
少女は、無邪気なほむほむ達を見てそう思った。
「全く。この大事な時期に、こんな事で無駄な体力を使うなんてね……」
少女はここで、いつまでも続きそうな小さなお祭りを止めさた。
そしてベンチから立ち上がり、さっき食べかけていた菓子パンを小さく千切り始めた。
ホムッ!? ポウッ ホミミッ クークーッ ホムムゥ トタトタ バサッ クルゥゥー
途端に、ほむほむと鳩達の目の色が変わった。
そしてその目線の先にある物は、当然お目当ての菓子パンだ。
「はい……。食べていいよ……」
バサッ バサバサーッ ポウ クルルゥ ホムゥゥ? ホムムッ!? ホミャーッ!!
少女が千切った菓子パンをベンチの上に置いた。鳩達が我先にとパンに群がっていった。
しかし、ほむほむ達は菓子パンに近づく事が出来なかった。
「どうしたの? 食べないの?」
少女が意地悪く、ほむほむ達に問いかけた。
ホムムッ ホビャァ… ホムゥゥ… ホミィ
少女は菓子パンを、さっきまで自分が座っていたベンチの上に置いたのだ。
そんな場所にパンを置かれても、羽を持たないほむほむ達が餌場に到着するまで菓子パンが残っているはずがない。
ほむほむ達がベンチをよじ登っている間に、翼と言う移動手段もつ鳩達に、全ての菓子パンを食べ尽くされてしまっているはずだ。
ホムゥゥ… ショボーン ホビッ… グスッ ホミィ… ポロポロ マドォォ シクシク
ほむほむ達は大きく落胆していた。感情を隠す術を知らない小動物は、大粒の涙を流していた。
少女は、ほむほむが理不尽な扱いを受けるのを見るのが大好きだった。
彼女は俗に言う、ほ虐愛好家だった……
「あはっ、いい顔だね。やっぱり、ほむほむは可愛いよ。泣いてる顔が一番可愛い……」
ホミャァ… ポロポロ ホムムゥ グスン マドォ… ショボーン… ホミミィ…
「ありがとう、ほむほむ。楽しかったよ。でも、今年はこれで虐納めかな……」
青い髪の女の子は、ほ虐愛好家……
ほむほむの悲鳴が大好きな、少し危ない女の子……
しかし今回は……
「冗談だよ。アンタ達の踊り、面白かったよ……」
ホビッ? ホミィ? ホムー? ?? マドォ……
「いつか、フライパンの上でも踊ってくれるかな?」
ホムゥ? ホムッ… マドォ? ホミー
彼女は物騒な台詞を言いながらも、今回は、ほむほむを虐めようとしなかった。
そして、それどころか……
「ほら、こっちで食べなよ。アンタ達が鳩とケンカしても勝ち目なんてないでしょ」
ホムムッ! ホミィ♪ ホムーッ ピョコン ホミミッ! マドォ~ タタタタタ
少女はベンチから少し離れた場所に、ほむほむが食べやすいように、菓子パンを置いてやった。
ホミィ~♪ トテトテ ホムホムー マド ホムゥ♪ ホミャア ヨチヨチ ホムン テテテ
ホムゥ~ パクパク ホミィ アムアム♪ ホムホム モグモグ マドォ ゴックン♪
ほむほむが大喜びで食事をするのを見ながら少女は……
「全滅されたら困るんだよ。どっかのバカが、つまらない規則を作っちゃったけどさ……」
ホムー ホムムー ホミュー♪ マドォ ホムッ ホムホム♪
『アタシさあ意地悪もするけど、アンタ達のこと大好きなんだよ。
だから、ちゃんと冬を越してくれないと困るんだよね。
春になったら、思いっきり虐めてあげるから覚悟しといてよね。
それじゃあね。おやすみ、ほむほむ。冬眠中にいい夢見られるといいね……』
この公園では、明日から動物への餌やりが全面的に禁止される
人間の協力無くしては、冬を越す能力の無い生き物への餌やりも全て……
おわり
- つまんない規制?冬を越してもらう?
こいつさやかじゃないね
本物ならほむまどはほっといても増えるし気を使う必要なんてないって分かってるから - さやかちゃんマジさやさや!