夢
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作者:z0WUYWq8o
113 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2012/01/09(月) 18:03:00.03 ID:z0WUYWq8o
……ヒュンッ ヒュンヒュンッ……
「サヤカッ !?」!?
「キョウコ !!」!!
「…ホムッ !?」
突然の出来事。りぼほむの奇襲攻撃だった。
りぼほむの強力な弓が、あんさやの家族を襲った。
……ブスッ……
「アンギャァァア…アァ…ァッ…」……
「チャヤァァアアア !!!!」オカアサン !!!!
このりぼほむは、憐れなほむほむを助けに来たようだ。
パトロールの途中で、あんさや家族の前に一匹で放り出された憐れなほむほむを発見した彼女は、
りぼほむの持つ、弱者を助ける強者の掟に従って、この部屋に侵入して来たのだろう。
……ヒュンヒュン…ヒュヒュン……ザクザク…ザクッ……
「ザヤァァアア !!!」コドモォ…ォァア !!!
「アニャァァアア !!!!!」!!!!!
力の差は歴然だった。人間に武器を処分された愛玩動物に、りぼほむの相手など出来るわけがなかった。
しかも相手は空の上。安全圏からの一方的な狙い撃ち。
言うなれば、一方的な虐殺だった……
「ホビャァァアアアア!!!!!」!!!!!
……ザシュッ……
「…テン…コー…チェ…」…
「ホビャッ !? ホビャビャッ !!!!!」!!!!!
「ホムゥ ?」?
仔さやの小さな頭が、りぼほむの弓矢にあっさりと射抜かれ……
仔さやが倒れて、カーペットが小さく血で染まり……
それを見たほむほむが狂乱した叫び声を上げて……
……この虐殺は終わった……
…………………………
………………
ほむほむも夢を見るらしい。
幸せそうな寝顔。幸せそうな寝言……
……幸せなほむほむは、幸せな夢を見るらしい……
ほむほむも夢を見るらしい。
苦しそうな寝顔。悲しそうな寝言……
……ほむほむも夢を見るらしい……
ほむほむは、さやさやが嫌いだった。
さやさやに母親を斬殺されたから……
ほむほむは、あんあんが嫌いだった。
あんあんに姉を刺殺されたから……
ほむほむは、まみまみが嫌いだった。
まみまみに妹を撃ち殺されたから……
ほむほむは、人間が大嫌いだった。
……人間だけは大嫌いだった……
ザクッ 「ホビャァァアアアッ !!!」 ザシュ ザシュッ 「サヤッ !」
今日も夢の中で、母が死んだ。
ブスッ 「ホビィィッ…ッ…」 ズズッ… ズボッ 「クーカイ♪」
今日も夢の中で、姉が死んだ。
パァーン 「ホミャァ…ァアアーッ !!」 パキューン…… 「…フィナァレ///」
今日も夢の中で、妹が死んだ。
あの子も死んだ。あの子も死んだ。あの子まで死んだ。
今日もまた、あの子が死んだ。
何度助けても助けても、また捕まって殺される。
何度死んでも終わらない。またすぐに表れて、そしてまた殺される。
……何度も何度も繰り返される悪夢……
毎日見る夢。過去の現実が見せる夢。見たくもない夢。
眠るのが怖い。ほむほむは眠るのが怖い。
ほむほむは夜が怖い。
眠りたくないのに、身体が勝手に眠ってしまうから……
……しかし、夜は毎日やってくる……
…………………………
………………
「ホムゥゥ…」ハァ…ハァ…
ほむほむは、夜中に悪夢で目を覚ました。いつもの事だ。
そしておそらく、今夜はもう眠らない。
……いや、もう今夜は眠れない……
「…サ…ヤ」スースー…
「ホムゥ…」チラッ
ほむほむの隣で、さやさやが寝ている。
そしてさやさやの隣には、仔あん仔さやと、さやさやの妻のあんあんが寝ている。
「ホムムッ…」…
「クー…カ…」Zzz…
「チャ…」…
ほむほむの見る悪夢の原因の一部は、おそらくこの同居人達の寝息と寝言。
産まれてすぐに人間に武器を処分され、主に野菜を食べて育った、
ほむほむにとって実質無害なあんさや夫婦と、先週産まれたばかりの子供達の寝息と寝言。
「……」
「クー…キャ…」ムニャ…
「…サヤ…」グー
ほむほむは、しばらくあんさや家族の寝顔を眺めながらぼんやりとしていた。
彼女はこの家族が嫌いではない。
あんあんさやさや達が大嫌いなはずなのに、この家族は嫌いではない。
「チャ…ヤ」?
「クーカ…」Zzz…
「……ホムッ///」
小さな声がした。ほむほむが気がつくと、仔さやも目を覚ましていた。
この子はほむほむのお気に入りだ。出産の場面にも立ち会った。
飼い主が用意した小皿とキッチンペーパーを使って、
この仔さやを産湯につけたのも彼女だった。
「チャヤッ♪」トテトテ…
「ホムムッ///」ニコニコ
仔さやも、ほむほむの事が大好きだ。もちろん食料としての意味は全く無い。
愛玩動物として産まれた彼女は、既に武器も野性も奪われている。
ほむほむが先に起きていた事が分かると、仔さやは大急ぎで彼女の傍に移動した。
もう既に仔さやの指定席となっている、ほむほむの膝の上に座るために……
「テンコーチェ///」チョコン スリスリ
「ホムムゥ///」ナデナデ…
「ヨメニナリュノラ~」チュッ
「ホムゥ///」…
ほむほむは、今までは幸せに生きてはこれなかった。
それ故に、ほむほむは毎日悪夢を見る……
……今……
……ほむほむは、確かに幸せを感じていた……
……しかし……
……彼女はもうすぐ、りぼほむが大嫌いになる……
──完──
130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2012/01/09(月) 23:54:48.57 ID:z0WUYWq8o
>>126 指摘ありがとうございます
↓言い訳と番外編の代わりに悪夢の内容の一部です
>>126 指摘ありがとうございます
↓言い訳と番外編の代わりに悪夢の内容の一部です
──夜は毎日やって来る──
「ホムッ…ホムゥゥ ?」?
ほむほむは、広い場所にいた。見覚えはある場所だが、ここが何処なのかは分からない。
数十匹の仲間がいた。もう二度と会えないはずの顔も、チラホラと混ざっている……
……おそらくまた、ほむほむは夢を見ている……
サヤヤッ♪ アンアンッ ホビャァァアアアア !!
ティローッ パァーン ホミャァアア……
……仲間が、さやさやに殺された。あんあんに殺された。まみまみに殺された……
文字通りの地獄絵図だった。夢の中のほむほむは、仲間の救助に奔走していた。
だが、仲間を一匹助けている間に、そのすぐ隣で五匹の仲間が敵の餌食になっていた。
己の非力を痛感しながら、ほむほむは効率の悪い救助作業に追われていた。
自分も早く逃げなければならない。
しかし、自分が逃げてしまえば仲間達は……
だが、逃げなければ自分が……
「ミャロォォオォ…オッ !!」!!
後ろから叫び声が聞こえた。仔まどの声だった。
もう二度と聞けないはずの声だった。
人間の玩具にされて殺された、彼女の幼馴染みの声だった……
……夢の中に、彼女が一番大嫌いな生き物。人間が登場した……
- りぼほむ拷問しようぜ