アジ・ダハーカ

概要

魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)

ゾロアスター教最大の悪神アンラ・マンユによって産み出された、「邪龍の筆頭格」に数えられる3つ首で6枚の翼を持つ黒いドラゴン

ゾロアスターの善神の軍勢に牙を剥き、英雄スラエータオナによって封印に近い形で滅ぼされたと言われているが、「幽世の聖杯」の力で復活する。

首それぞれに意思があるようで、内2人はかなり口が悪く、リゼヴィムを口汚く罵ったり煽るような言動をしている。
普段はリゼヴィムのように人を小馬鹿にした態度が目立つが、幻術で生み出した甘美な世界の誘惑を断ち切った者は好敵手として認め真摯に向き合う。
また、クロウ・クルワッハと同様、シンプルに強敵とケンカすることだけを望んでおり、自分の戦いを邪魔されることを嫌い、敵よりも水を差してきた味方の方に怒りを覚える性格である。

能力

千の魔法を操ったと伝えられる通り、魔法力については神の領域に達しているほどで、数にして5桁におよぶ空一面を覆い尽くすほどの魔法陣を同時に生み出し、そこから禁術をも織り交ぜた多種多様な魔法を放出できる。
  • 「炎」「氷」「百雷」「暴風」「闇」「光」といったあらゆる属性の攻撃魔術。
  • 「ドクロを形作る紫色の炎」「呪詛にまみれた突風」「暗黒色の雷」「血の涙を流す呪われた聖母」「見つめられるだけで命を奪われかねない1つ目の巨人」などの召喚。
といったこの世の全ての不吉を体現した禁止級の魔法は、どれも直撃すれば骨も残らないような威力を誇る。

さらに、攻撃魔法以外でも「時間や空間の魔術*1」「欠損部位すら治す再生魔術*2」「極めて現実に近い精巧な幻術」といった様々な禁術に精通する。

世界中の強者と戦ってきたヴァーリチームの面々からも「今まで戦ってきた中で一番強い」と評され、20巻時点の実力は天龍に匹敵するほどで、リゼヴィムより遥かに強い。
全身から血を流していても笑っているなど、グレンデルと同様のしぶとさと狂気を持つ。

活躍

聖杯の力によって現世に蘇りヴァーリチームを襲うが、駒王町での一戦を終えたグレンデルが横槍を入れてきたため、交戦権をかけて仲間割れしている間に逃げられてしまう。

17巻ではレプリカの「赤龍帝の籠手」で底上げされた力を使い、アウロスに集まった魔法使いたち全員の魔法力を封じたうえに、ラードゥンの結界に包まれたアグレアスとアウロスの時間を隔絶することで外界と遮断し、18巻の天界襲撃では魔法で外部からの侵入や階層間の自由な移動を妨害する。
その後はアポプスとともにリゼヴィムを見限り、彼が異空間に隠していた聖杯を盗み出す。

邪龍戦役」では「偽赤龍帝」に増幅された魔法力を利用して結界をも素通りできる転移魔法を使い、トライヘキサらと共に様々な勢力の世界を襲撃、終盤は分裂したトライヘキサの1体と共にヨーロッパへ向かう。

白銀の極覇龍」を発動したヴァーリをも圧倒し、幻術で強烈なまでに待ち望んだ「平凡な家族と暮らす世界」を見せて陥れようとする。
しかし幻術を破ったヴァーリを最大の好敵手と認識したことで自身の行動を詫びて本気で迎え撃ち、「魔王化」に成功した彼と死闘を繰り広げるうちに次第に劣勢に立たされ、魔法力が尽きてからも肉弾戦を挑むが、「サタン・ルシファー・スマッシャー」で肉体の大半を吹き飛ばされ敗北。

戦いの中でヴァーリからも好敵手として認められ、数千年後に復活してヴァーリに再戦を挑むことを誓いながら消滅する。

モチーフはキングギドラ。

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最終更新:2023年01月07日 14:43

*1 魔神バロールの邪眼を体現するような魔法。

*2 使い手が限られており、最上級の魔法に属し、失った体の一部を再生する魔法とまでになると、異常なまでの魔法力か禁術でも使わない限り、まず無理とされている。