「どうなると思う?」

 瞳に星を宿した偶像が話を切り出した。
 菓子パンを頬張りながら、話の矛先を向けた相手は傍らの運転手。
 正しくは破壊の八極道。今はライダーのサーヴァント。真名を、殺島飛露鬼という彼。
 紫煙を燻らす佇まいを崩すことなく、殺島はアイの質問に端的に答えた。

「地獄だろうよ。それ以外には有り得ねえ」

 この先には、地獄しか待っていない。 
 それ以外の何一つとして、存在しない。
 少なくとも界聖杯を巡る聖杯戦争の歴史は、これから派手に塗り替えられることになる。
 どちらが勝つにしてもだ。誰が笑うとしてもだ。
 皇帝達が順当に勝つにしても。敵連合が全てを崩すとしても。はたまたそれ以外の勢力が掠め取るとしても。

「どうなるにせよ大勢死ぬさ。あの老人(ロートル)共の乱痴気騒ぎに耐えられる奴なんざ限られてる」

 そこには数え切れないほど多くの屍と、数え切れないほど多くの無念が付き纏う筈だ。
 彼らにはそれだけの力がある。あの暴力が解き放たれれば、誰一人ただでは済まない。
 ましてや勝者となった存在には、東京タワーとスカイツリーそれぞれの龍脈に眠る力が担保されるのだ。
 戦いの最中も、いやさ戦いが終わっても。この先の東京に安息の地、極楽など存在しない。殺島はそう断言していた。

「大詰めとまでは言わねえが……天下分け目の関ヶ原って奴だな。ありとあらゆる命が篩に掛けられる。オレ達だって例外じゃない」

 更に言うならば。
 彼は、今此処に居る面々でさえ全員揃って生き抜ける可能性は低いだろうと踏んでもいた。
 社会ロール、割り振られたサーヴァントのスペック。数多の不平等が溢れるこの界聖杯内界で、唯一命の軽さだけが平等だ。
 これだけ派手な戦乱が幕を開けるというのに、皆雁首揃えて生き残れるなんて虫の良い話はそうそうあるまい。
 死ぬのは神戸しおかもしれない。死柄木弔かもしれない。そして、星野アイかもしれない。

 こればかりは殺島にも分からない。
 文字通り"道を極めた"者である殺島でさえ、人の生き死ににだけは逆らえなかった。
 聖華天として黄金時代(オウゴン)を駆け抜けていた時も。
 暴走を止め、大人になろうとしていた時も。
 全てを失い、そして拾い上げられた先でさえも。
 そして今も。どれほど悪行を積み重ね、道を極めた者であろうが――各々がベットした命(チップ)がいつ胴元に巻き上げられるかは分からない。

「ライダーさ。ちょっとわくわくしてるでしょ」

 アイの言葉に、殺島は悪戯のバレた子どものような横顔で苦笑する。
 取り繕っていたつもりだったが、流石に一月そこらも顔を合わせ続けている相手には隠し切れなかったらしい。

「……ハハ。こればっかりは性分でな」

 殺島飛露鬼は今、確かに高揚していた。
 地獄だけしかゴールの存在しないレース。
 そのスタートラインに立ちながら、不安以上に胸を弾ませていた。
 何故なら彼は"暴走族神(ゾクガミ)"。暴走師団聖華天という烏合の衆を一つの"伝説"に変えた、現人神。

「生前(むかし)も大分やんちゃしてた。色々あって一度ショボくれちまったが、ある人が燃えカスだったオレにもう一度火を点けてくれた。
 そんで死ぬまで、それどころか死んでも暴走(あそ)んだよ。天国行きの切符を断って、地獄の果てまで出発(デッパツ)キメてやった」

 殺島の人生は幼稚と自業自得の賜物だった。
 大人になれない男は、当然のように全てを失った。
 それでも彼は走り続け、その果てに断罪を受けて死んだ。
 そして今でも殺島は、見果てぬ何処かへの暴走を夢に見ている。
 脳裏に焼き付いた皇帝の面影。
 冗談だとしか思えないような巨躯(サイズ)と武威。
 殺島は破壊の八極道の中では下から数えて二番手。技巧でも力でも、彼の上を行く極道は数居たが。だとしても――

「――それでも、あんな怪物(バケモン)見たのは初めてだ」

 あれは、次元が違った。
 心胆が震える感覚を久方ぶりに味わった。
 逃げろと本能が警告していた。関わるなと理性が絶叫していた。
 海賊という名の極道。あれに比べれば自分など路地裏でチンケな悪事を働くチンピラに過ぎないと、心からそう理解させられた。
 それなのに今、殺島は……愚かにも神を僭称する落伍者達の偶像(アイドル)は、死への暴走を喜び勇んで敢行しようとしている。

「そこまで分かってるのに、怖くないんだ?」
「バカ、怖えに決まってんだろ? けどなあ――感情(ココロ)が二つあるんだよ。
 弾丸(ギョク)も短刀(ドス)も通らねえ怪物に挑むのが恐ろしい心と、あの老害共のツラをぐちゃぐちゃに曇らせてやりたい心が」

 もしもそれが出来たなら。
 もしも本当に、あの皇帝(ロートル)連中を玉座から蹴落とせたなら。
 それはさぞかし――気持ちがいいだろうなと。
 殺島は思ってしまった。思わされて、しまった。
 全ては、あの瞬間に。

「死柄木くんの"あれ"で、ライダーもちょっと燃えちゃった?」
「……ガキってのは強えよ。自分は何にだってなれると本気でそう信じてる。そしてその信じた方角に、何もかも巻き込みながら突っ走れるのさ」

 殺島にも覚えがあった。
 全ての鬱屈を破壊に変えて解き放ち、王と成った青年。
 あれは、偶像(アイドル)だ。神に成れる逸材だ。
 かつて親を喪った自分が騎馬(バイク)を駆り、暴走の果てにそう成ったように。
 連合の王は神に届く。あの手は全てを滅ぼせる。
 "崩壊"を望む全ての者にとっての――偶像(アイドル)になれる。

死柄木弔(あいつ)なら皇帝を殺せる。問題は、全部終わった時にオレ達が生きてるかどうかだ」
「そんなの問題じゃないと思うけどな。自分が死ぬ可能性なんて、考えたってしょうがないでしょ」

 殺島の言葉に、アイは素早くそう答えた。
 殺島が狐につままれたような顔をする。
 それを見て、アイはしてやったりと微笑んだ。

「約束、守ってよね。送迎(おく)ってくれるんでしょ?」

 つくづくしたたかな女だと、そう思う。
 そんでもって狡い。どんな言葉を使えば男が引き下がれないか、よく分かっているのだ。
 殺島は懐から取り出した携帯灰皿に短くなった煙草を放り込んで揉み消し、アイに向けて肩を竦める。

「応よ。オレはお前の運転手だぜ――仕事はしっかりするさ。安心して任せときな、"お母さん(アイ)"」

 親に先立たれた子どもの気持ちは、殺島にはよく分かる。
 ……子と引き離された親の気持ちも。殺島には、よく分かる。

 アイはいい女だ。きっと、いい母親にもなるだろう。
 いつまでもこんな世界に留まっていていい存在ではない。
 偉そうに言えるような人生は送っていない、傷だらけの脛を持つろくでなしだが。
 それでも既に一度死んだ身だ。であればそんなこと、今更深く考えなくても良いだろう。

「お前が極道(ヴィラン)から足洗って、立派な母親(カタギ)に戻るまで――ちゃんと面倒見てやるよ」


 ……。
 …………。
 ……………………。


「そろそろ時間だね、らいだーくん」

 神戸しおの言葉に、"らいだーくん"こと――ライダー・デンジは頬をぱんぱんに膨らませながら答える。

「んぐ、あぐ、あんむ――んあぁ? おう、そーらな。やえーな、あじで
 (訳:あ? おう、そうだな。やべーな、マジで)」
「もう、食べながらしゃべらない。お行儀悪いよ?」
「逆に聞くけどよ~……お前、俺がお行儀のいい人間に見えたことが一度でもあんのか?」
「……、……ないかも!」
「な? お前がやってることは、野良犬を引っ捕まえて箸の使い方を教えてるみたいなもんだ。
 分かったらお前も食っとけ、こんな高そうなパン食い放題出来ることなんてそうそうねえぞ?」

 食べすぎないように、と先ほどモリアーティが注意していたが。
 そもそもサーヴァントであるデンジには、満腹感は足を引っ張る要素として機能しない。
 それを良いことにデンジはマスター連中顔向けの勢いで、この早朝のビュッフェで元を取ろうとしていた。
 元を取るも何も一円も支払っていないのだったが、そんな細かなことを彼に対し指摘したところで何にもならない。

「これもうめえぞ。サラミとベーコンとバターが入ってて、バカみてえな味がする」
「もうお腹いっぱいだよぅ。それに、お腹いっぱいになってまた寝ちゃったら困るし」
「ガキなんだからいっぱい食わないとでかくなれねえぞ?
 ……まあ俺は、ロクなもん食わなくても気付いたらこの図体になってたけどよ」

 知性の感じられない食レポと、しおの至極真っ当な主張。
 そもそもサラミ・ベーコン・バターを全部一緒くたにしようと考えた人物は、デンジと本当に同程度の脳みそをしているのではないか――という疑問はさておいて。
 デンジはもしゃもしゃとパンを咀嚼し、ごくんと飲み込むと。
 それから若干嫌そうな目でしおを見て、少し迷った後に問いかけた。

「お前さ。またあいつ呼ぶのかよ」
「ポチタくん? うん、そのつもりだよ。あと二回だけしか呼べないから、ちょっとだけこわいけどね」
「ならなるべく取っとけよ。もったいねえだろ」

 ……まあ、そんなこと言ってられるか分かんねえけど。
 そう思いながら、デンジは先の悪夢みたいな戦いを思い返す。
 あのババア――ビッグ・マムとかいう怪物は、"自分もそれなりにはやれるようになった"と思っていたデンジの自負をぺしゃんこに踏み潰した。

 とはいえ一度見た相手。もう一度やり合うことになったなら、少しはマシな戦いが出来るかもしれない。
 ただし勝てるとは正直微塵も思えないのが実情だった。
 あれに比べたら悪魔だってちょっと気性の荒い野良犬みたいなものだろうと、デンジは思う。
 そしてあれに匹敵するヤバいジジイがもう一人居るのだと聞かされた時には、さしものデンジもイヤそうな顔をするのを禁じ得なかった。
 いっそ全部死柄木に任せてトンズラしてしまった方がいいんじゃねえのか――彼がそう考えてしまったことを、一体誰が責められるだろう。

「――来るのかな。お前の兄貴」

 そこでふとデンジが思い浮かべたのは、しおの兄の存在だった。

「来ると思うよ。ガムテくんが出てくるなら、必ず」

 彼についての話は既に済ませてある。
 そうでなくても、所詮は他所様の家の問題だ。
 部外者の自分が口を出すことではないし、本来ならどうなろうが知ったことではない、という姿勢が自分らしいのではないかと。
 デンジ自身そう思っていた。なのにやっぱり、どうしても気になってしまう。

 きょうだいなんてもの。
 自分にはそもそも、居たことなんてないのだから。

「私ね、らいだーくんに言われて……もう一回考えてみたの。
 だけどやっぱり私は、お兄ちゃんを殺すしかないんだとおもう」
「……、……」
「だってお兄ちゃんはきっと、私を見てないから。
 お兄ちゃんが私の知ってるお兄ちゃんなのか、そうじゃないのかはわかんないけど――」

 そもそもまともな家庭で生きたことからして、ない。
 そんなデンジの脳裏に過ぎるのは、"あの部屋"で暮らした記憶だった。
 とても短い間だった。今思うと、一瞬のことだったようにすら感じる。
 自分が居て、生真面目な"先輩"が居て、虚言癖持ちのエゴイストが居て。
 ひとつ屋根の下で、三人で暮らした記憶。それが、本来"家族"の引き出し(フォルダ)に相当するべき位置に押し込まれていた。

「今の私は、お兄ちゃんにはいらない子だと思うしね。
 だからやっぱり、私がおわらせてあげなくちゃ。
 テレビの人も言ってたよ、"ちゅうとはんぱが一番よくない"って」

 記憶が――移る。

   顔から銃が生えていた。
   腕も銃になっていた。

  『あ、マジか……そうか、じゃあ、まあ……戦うか……?』

   "それ"は、確かに自分の名前を呼んだ。
   恐るべき力を秘めた魔人が自宅にやって来たことよりも。
   その方が遥かに、何百倍も嫌だったのを覚えている。
   後は銃声、銃声銃声銃声。ただひたすらに銃声。一から十まで、頭から足の先まで。全部が、銃声。
   崩れていく建物、撃ち抜かれていく人間。
   何度声を掛けても叫んでも、結局それが止まることはなくて。
   そして、最後――

「……そうかよ。ならまあ、仕方ねえか」
「そう。仕方ないよ」
「そっかあ」

 そうだ。
 そうだな、とデンジは思う。
 この世には、どうにもならないことがある。
 むしろそういうことの方が多い。少なくともデンジの人生は、どうにもならないことだらけだった。
 ならこれもきっと、神戸しおにとっての"どうにもならないこと"なのだろう。
 じゃあ、仕方ない。結局話は、その一言で終わるのだ。

「――じゃあ……ブッ殺すか。兄貴」

 どの道、あっちは殺しに来るのだという。
 それでもってしおに対話のつもりが微塵もないのなら、最早あれこれ気を回す必要もないだろう。
 デンジが示した結論に、しおはにこりと笑って頷き。
 それから、彼の言葉を反芻した。

「うん。ぶっ殺しちゃおう」



 ……。
 …………。
 ……………………。



「――さて、諸君。それではこの地を発ち、作戦行動に移ろうか」

 斯くして、時は満ちる。
 既に夜は明け始めて久しく、しかし朝よりも早く訪れるは戦乱。
 口を開けた混沌が、これから全てを呑み込もうとしているその気配を誰もが感じ取る中で。
 敵連合の頭脳(ブレイン)であり、二柱の皇帝を失脚させるべく策を編む大蜘蛛は満を持して計画(プラン)の伝達を始めた。

「まず第一に、今回の我々の目標は四皇"ビッグ・マム"だ。
 彼女を落とし、そしてその配下である"割れた子供達"を殲滅する」
「異議はねえな。こっちは居心地の良い拠点をブッ壊されてんだ、落とし前付けさせなくちゃ」
「それもあるがね。より合理的な理由としては、件の鏡を用いた盗聴及び転移(ワープ)能力だ。これは野放しにしておくには、少々厄介すぎる」

 ミラミラの能力は、大海賊時代にあっても驚異的な万能性を誇っていたが。
 百万都市と呼ばれるこの東京都においての脅威度は元の世界でのそれの比ではない。
 ましてや策謀と社会的人脈に大きく依存している敵連合にとっては、天敵と呼んでもいい能力だった。
 ビッグ・マムとの因縁の話を脇に退けたとしても、鏡世界の異能への対処を放置してまで青龍カイドウの討伐を急ぐ理由は見当たらない。
 斃すべき相手は決まった。となれば当然、話は次の段階へと進む。

「でもさ、霊地っていうのは二つあるんでしょ? いざ行ってみて、望んでたのとは別な相手が居ましたとかなったら大変じゃない?」
「その点については恐らく問題ない。私の予想が正しければ、ビッグ・マムはスカイツリーへと向かう筈だ」
「……根拠とか、聞いてもいい?」
「東京タワーには、峰津院大和が居るからだ」

 峰津院大和。及び、そのサーヴァントである"鋼翼(ベルゼバブ)"。
 彼らはカイドウに喧嘩を売り、皮下医院に潜伏していたと思われる明王を塒から引きずり出した。
 結果として新宿は吹き飛び、当然皮下医院も瓦礫の山と化した――

「極道の君ならば、私の言わんとすることは分かるね。星野アイのライダーよ」
「――生まれた時代が違えど、世界が違えど……名前が違えど。
 極道(ヤクザ)ってのは、面子を大事にする生き物だ。売られた喧嘩には必ず報復(カエシ)決めたがる」
「グッド。模範解答だ」

 ……つまり。
 四皇カイドウが極道(かいぞく)なら、彼は間違いなく東京タワーへ向かう。
 自分の陣営に多大な損害を齎した峰津院主従に"落とし前"を付けさせるべく、金棒携えて突撃する。
 二つ有る霊地のどちらに峰津院組が居るのかを把握する手段については、深く考える必要はないだろうとモリアーティは踏んでいた。
 あの次元(レベル)まで極まった強者ならば、自分と同格の規格外が放つ気配にはさぞかし目聡いに違いない。
 そんな理屈になっているかも怪しい無茶苦茶な話が大真面目に罷り通るのが、サーヴァントの世界なのだ。

「皇帝が二人がかりで一箇所に集中するという可能性もあるが……此方についてはまあ、考え難いからネ。
 余程の事態が起こらない限り、標的(マム)はスカイツリーに顕れる。カイドウについては峰津院の鋼翼殿が仕留め損ねた時、また考えるとしよう」

 四皇ビッグ・マムの討伐、及びマム消滅による鏡世界の封鎖。
 殺し屋集団"割れた子供達"の完全殲滅。 
 そして……

「暴虐の皇帝を蹴落とし、我々は霊地をこの手に掴む。
 その力を得たならば、何処にでも手が届くようになるだろう」

 モリアーティは、"誰が"掴むとは言わなかった。
 それもその筈。敵連合はあくまで打算と利害の一致で成り立っている組織である。
 しおも、アイも。死柄木弔の思い描く未来に同調して此処に身を寄せているわけではない。
 皇帝の撃破と霊地の簒奪は別腹の話なのだ。だからこそ、敢えて誰が掴むと明言はしなかった。
 しかしモリアーティが霊地の獲得者を誰にしようとしているのか、そこに察しの付かない者は此処には一人も居なかったが。

「……何でもいいけどよお」

 頭をぼりぼりと雑に掻きながら、デンジが言う。

「またさっきみたくムチャな戦いするって訳じゃあねえだろうな。
 あの時上手く行ったのはどう見てもたまたまだったぜ。あのババアも明らかに俺達のこと舐めてかかってたしよ」
「勿論、その点については考えてあるとも。とはいえ相手は規格外。君にも多少の無茶はして貰うことになるが、ネ」

 上手く誤魔化されているような気もしたが、どうせ深く突っ込んだところで考えの全容を明かす気がないだろうことは見えていた。
 となると、デンジ達としては彼の――悪の犯罪卿、ジェームズ・モリアーティの脳内のチェス盤を信じるしかない。
 そして事実。彼は既にチェス盤に並べた駒を動かし終え、盤面の形成を完了させていた。
 後は、今は脳内にしか存在しないこの棋譜を現実の都市に反映させるだけ。

「彼女達には、とびきりの策を見せてあげよう。さあ――総力戦だ、楽しんでいこうか」


◆◆◆


「連絡があった。敵連合はスカイツリーで、海賊ビッグ・マムとその傘下達を叩くつもりらしい」

 通信を切り、そう伝えたのはアシュレイ・ホライゾン
 それを受けたメロウリンク・アリティは微かに眉を動かした。

「ということは、東京タワーにはカイドウとやらが向かうのか」
「そうなるだろうな。Mの話によると、東京タワーには峰津院財閥の御曹司が現着しているらしい。
 どうも連中に"してやられた"らしい青龍にしてみれば、此処らで一発借りを返しておきたいところだと思う」

 それにしても、とアシュレイは思う。
 悪の大蜘蛛"M"と本格的に繋がってから、一気に視野が広がったのを感じていた。
 これだけの情報量を常に俯瞰しながら最適に限りなく近い手を打ち続ける頭脳には、正直空寒いものを感じずにはいられない。
 そして同時に、そんな怪物とシーソーゲームを繰り広げていた今は亡き"彼"の手腕にも改めて脱帽だった。
 偉い役目を預けられてしまったもんだと、苦笑の一つも零したくなる。

「たださ、アーチャー。どうもお前の敵(かたき)も、そっちの方に向かいそうだ」
「……詳しく聞かせてもらえるか?」
「リンボが目論んでいた御大層な計画の"核"にする予定のサーヴァント……正しくはそのマスター。
 そいつに対して、Mは"大切な人"の居所を教えてやったらしいんだ。再会の斡旋もしてやる手筈らしい」
「――東京タワー。峰津院と関係を持っている人間か」

 アルターエゴ・リンボ。
 メロウリンクをただの弓兵から復讐者へと変えた、ある諦めた少女の仇。
 あの嘲笑が蔓延り続けることをメロウリンクは許さない。
 その奸計が脈打ち続けることを、メロウリンクは許せない。
 かの悪鬼が存在し続けることを――メロウリンクは認めない。
 必ず殺すと、メロウリンクは"七草にちか"の亡骸にそう誓ったのだ。

 そして、それだけ強くリンボへの復讐心を燃やしている彼だからこそ……分かることがあった。
 あの男は、想定し得る限り最悪の形で動く。
 大戦争の隙を縫って自分の目的を達成し、更なる混沌をこの東京に具現させるなど。如何にもあの怪僧の考えそうなことではないか。

「どの道、リンボは倒さなくちゃいけない相手だ。その役割をお前が担うって言うんなら、俺は止めないよ」
「……悪いな。苦労をかける」
「気にするな。むしろお前が奴の対処を買って出てくれるんなら、その分こっちも海賊との戦いに集中出来る」
「ああ。こっちも仕事が済み次第、海賊共を瓦解させることに向けて動くよ」

 照準は定まった。
 その頭を撃ち抜く機会も、見えた。
 メロウリンクは敢えて脳裏に、死にゆくにちかの姿を想起させ。
 己が心に燃え上がる黒くどろついた衝動(もの)が、今も褪せることなく健在であることを再確認した。

 ……と、そこで。

「話は聞かせてもらったわ」
「……いや、お前ずっとそこに居て一緒に話聞いてただろ」
「むっ。ライダー君はノリが分かってないな~。此処は「セイバー!」とかノリよく反応してくれないと」

 なんて冗談めかして笑うのは、しかしほんの一瞬。
 浮かべた笑みはそのままに、セイバー……宮本武蔵はその双眸に覚悟の光を凛と灯す。

「東京タワーに向かうのよね。だったら用心棒代わりに、私も同行します」
「――そうか。梨花のことがあるもんな」
「そういうこと。それに、あの美形外道とも根深い因縁がありまして。
 とうとうこの剣(て)で斬り損ねた外道の末路を見届けつつ、囚われのマスターも取り返して汚名返上と洒落込みたいの」

 今のところ、現界に問題は生じていない。
 梨花は無事な筈だが、しかし虎の巣穴の中に居ることに変わりはないのだ。
 カイドウを斬り伏せて、鬼ヶ島から梨花を吐き出させる。 
 それが武蔵が今回の大戦争において取ると決めた自らのスタンスだった。

「そういうわけで、迷惑じゃなければよろしくね。アーチャー」
「いや、助かる。お前が同行してくれるのなら、目的を達成出来る確率も上がるからな」

 社交辞令ではなく、本心だった。
 メロウリンクはリンボを討つと決めているが、しかし現実は理解出来ている。
 自分が単独であれを撃破出来る可能性は相当に低く、ともすれば相討ちに終わる可能性も加味して事に及ぶ必要がある。
 そう思っていたものだから、武蔵の進言は素直にありがたかった。
 彼女は強く、そして何より"アルターエゴ・リンボを知っている"。
 彼女の助力さえあれば、あの忌まわしき道化を討てる確率は何倍にも上がるだろう。
 照準は合った。射程距離にも、入った。そしてこれで――命中精度も十分になった。

「そうと決まったら、話をしようか。
 ……ちょっと心苦しいけどな。つかの間の安息を終わらせてしまうことになるから」

 とはいえ、こればかりは延ばせない。
 安息は終わり。物語を、進めなければ。
 これから始まる混沌に出遅れることは即ち、死を意味するから。

「マスター達を呼んでくるよ。そして方針を伝えたら、早速動き出そう」


 ……。
 ……、……。
 …………、…………。


 ポケットのスマートフォンが、ぶぶ、と振動した。
 それは最初から決めてあった合図。
 なんで今、とか。もうちょっと待って、とか。
 そんなわがままは言えない。だから私は、目の前で安心したような顔をしているお姉ちゃんに切り出した。

「――ごめん、お姉ちゃん。私、もう行かないと」
「え……、……行くって、何処に?」
「……言えない。言ったらお姉ちゃん、絶対行かせてくれないと思うし」

 やっぱり、お姉ちゃんは心配そうな顔をしていて。
 目もなんだか潤んでいて、私は心がきゅっと締め上げられるような感覚になった。
 だけど背を向けて、立ち上がった。
 心の中でもう一度「ごめんなさい」をして、振り返らない。
 振り返ったら、きっと――行きたくない、って思ってしまうから。

「…………そんな顔しないで。また、絶対帰ってくるから」

 ――ごめん。
 約束は、出来ない。
 謝ってばっかりだ。
 こんなことになる前だったら、こんなに素直に色々言えなかったかもなあと思った。

「どうしても、行くの?」
「――うん。行かなくちゃいけないの」
「何処に、って言ったら教えてくれる?」
「無理。お姉ちゃん、付いてくるとか言い出しかねないし」
「……、……そっか」

 お姉ちゃんは、寂しそうに笑って。

「必ず帰ってくるのよね。嘘だったら――怒るからね」
「……うん。帰るから、必ず」

 ……聖杯戦争のことを、本当は全部吐き出したかった。
 今までの何もかも。これからの何もかもも。
 だけどそれをすることに、きっと意味はないから。
 それはきっと、お姉ちゃんを危険に晒すだけだから。
 ぐっと堪えて。私はなんだか水っぽくてよく見えない視界のまま、最後まで振り返ることはせずに言った。

「――行ってきます」
「……行ってらっしゃい。気をつけて」

 家族の団欒にさよならをして。
 私は、聖杯戦争に――ただいまをする。


◆◆◆


【杉並区(中野区付近・杉並区立蚕糸の森公園)/二日目・早朝】

七草にちか(騎)@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:精神的負担(大/ちょっとずつ持ち直してる)、決意、全身に軽度の打撲と擦過傷
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:高校生程度
[思考・状況]基本方針:283プロに帰ってアイドルの夢の続きを追う。
0:――行ってきます。
1:アイドルに、なります。……だから、まずはあの人に会って、それを伝えて、止めます。
2:殺したり戦ったりは、したくないなぁ……
3:ライダーの案は良いと思う。
4:梨花ちゃん達、無事……って思っていいのかな。
[備考]聖杯戦争におけるロールは七草はづきの妹であり、彼女とは同居している設定となります。

【ライダー(アシュレイ・ホライゾン)@シルヴァリオトリニティ】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)
[装備]:アダマンタイト製の刀@シルヴァリオトリニティ
[道具]:七草にちかのスマートフォン(プロデューサーの誘拐現場および自宅を撮影したデータを保存)、ウィリアムの予備端末(Mとの連絡先、風野灯織&八宮めぐるの連絡先)、WとMとの通話録音記録
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:にちかを元の居場所に戻す。
0:方針を伝え、動き出す
1:今度こそ、P、梨花の元へ向かう。梨花ちゃんのセイバーを治療できるか試みたい
2:界奏による界聖杯改変に必要な情報(場所及びそれを可能とする能力の情報)を得る。
3:情報収集のため他主従とは積極的に接触したい。が、危険と隣り合わせのため慎重に行動する。
[備考]宝具『天地宇宙の航海記、描かれるは灰と光の境界線(Calling Sphere Bringer)』は、にちかがマスターの場合令呪三画を使用することでようやく短時間の行使が可能と推測しています。
アルターエゴ(蘆屋道満)の式神と接触、その存在を知りました。
割れた子供達(グラス・チルドレン)の概要について聞きました。
七草にちか(騎)に対して、彼女の原型はNPCなのではないかという仮説を立てました。真実については後続にお任せします。
星辰光「月照恋歌、渚に雨の降る如く・銀奏之型(Mk-Rain Artemis)」を発現しました。
宝具『初歩的なことだ、友よ』について聞きました。他にもWから情報を得ているかどうかは後続に任せます。
ヘリオスの現界及び再度の表出化は不可能です。奇跡はもう二度と起こりません。

【アーチャー(メロウリンク・アリティ)@機甲猟兵メロウリンク】
[状態]:全身にダメージ(中・ただし致命傷は一切ない)、疲労(中)、アルターエゴ・リンボへの復讐心
[装備]:対ATライフル(パイルバンカーカスタム)、照準スコープなど周辺装備
[道具]:圧力鍋爆弾(数個)、火炎瓶(数個)、ワイヤー、スモーク花火、工具、ウィリアムの懐中時計(破損)
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:マスターの意志を尊重しつつ、生き残らせる。
0:待っていろ。
1:田中摩美々は任された。
2:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)への復讐を果たす。
3:武装が心もとない。手榴弾や対AT地雷が欲しい。ハイペリオン、使えそうだな……
[備考]※圧力鍋爆弾、火炎瓶などは現地のホームセンターなどで入手できる材料を使用したものですが、アーチャーのスキル『機甲猟兵』により、サーヴァントにも普通の人間と同様に通用します。また、アーチャーが持ち運ぶことができる分量に限り、霊体化で隠すことができます。
アシュレイ・ホライゾンの宝具(ハイペリオン)を利用した罠や武装を勘案しています。
田中摩美々と再契約を結びました。

田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(中)、ところどころ服が焦げてる
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー)
[所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)
[思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。
1:悲しみを増やさないよう、気を付ける。
2:プロデューサーと改めて話がしたい。
3:アサシンさんの方針を支持する。
4:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。
[備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています
※アーチャー(メロウリンク=アリティ)と再契約を結びました。

櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(中)、精神的疲労(大/ちょっとずつ持ち直してる)、深い悲しみ、強い決意、サーヴァント喪失
[令呪]:喪失
[装備]:なし
[道具]:予備の携帯端末
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:どんなことがあっても、ひかるちゃんに胸を張っていられる私でいたい。
0:――ひかるちゃん。私、もうちょっと頑張ってみるね。
1:優しい人達に寄り添いたい。そのために強くありたい。
2:あさひくんとプロデューサーさんとも、いつかは向き合いたい。
3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。
[備考]※星野アイ、アヴェンジャー(デッドプール)と連絡先を交換しました。
プロデューサー田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。

【セイバー(宮本武蔵)@Fate/Grand Order】
[状態]:ダメージ(中)、霊骸汚染(中)、魔力充実、 令呪『リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』
[装備]:計5振りの刀
[道具]:
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:マスターである古手梨花の意向を優先。強い奴を見たら鯉口チャキチャキ
0:梨花を助ける。そのために、方舟に与する
1:おでんのサーヴァント(継国縁壱)に対しての非常に強い興味。
2:アシュレイ・ホライゾンの中にいるヘリオスの存在を認識しました。武蔵ちゃん「アレ斬りたいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。でもアレだしたらダメな奴なのでは????」
3:あの鬼侍殿の宿業、はてさてどうしてくれようか。
4:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)は斬る。今度こそは逃さない。
※鬼ヶ島にいる古手梨花との念話は機能していません。


【重要】
※この話の後、田中摩美々の携帯電話に幽谷霧子から着信が入ります。


◆◆◆


【文京区(豊島区の区境付近)・ホテル/二日目・早朝】

幽谷霧子@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康、お日さま
[令呪]:残り二画
[装備]:包帯
[道具]:咲耶の遺書、携帯(破損)、包帯・医薬品(おでん縁壱から分けて貰った)
[所持金]:アイドルとしての蓄えあり。TVにも出る機会の多い売れっ子なのでそこそこある。
[思考・状況]
基本方針:もういない人と、まだ生きている人と、『生きたい人』の願いに向き合いながら、生き残る。
1:摩美々ちゃんに、霧子は無事だって伝えないと……。
2:色んな世界のお話を、セイバーさんに聞かせたいな……。
3:摩美々ちゃんと……梨花ちゃんを……見つけないと……。
4:包帯の下にプロデューサーさんの名前が書いてあるの……ばれちゃったかな……?
5:摩美々ちゃんと一緒に、咲耶さんのことを……恋鐘ちゃんや結華ちゃんに伝えてあげたいな……
[備考]
※皮下医院の病院寮で暮らしています。
※"SHHisがW.I.N.G.に優勝した世界"からの参戦です。いわゆる公式に近い。
 はづきさんは健在ですし、プロデューサーも現役です。

【セイバー(黒死牟)@鬼滅の刃】
[状態]:健康、生き恥、ホテル周辺で警戒中
[装備]:虚哭神去
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:不明
0:呪いは解けず。されと月の翳りは今はない。
1:私は、お前達が嫌いだ……。
2:どんな形であれこの聖杯戦争が終幕する時、縁壱と剣を交わす。
[備考]
※鬼同士の情報共有の要領でマスターと感覚を共有できます。交感には互いの同意が必要です。
 記憶・精神の共有は黒死牟の方から拒否しています。

光月おでん@ONE PIECE】
[状態]:全身滅多斬り、出血多量(いずれも回復中。ほぼ治った)
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:二刀『天羽々斬』『閻魔』(いずれも布で包んで隠している)
[所持金]:数万円程度(手伝いや日雇いを繰り返してそれなりに稼いでいる)
[思考・状況]
基本方針:界聖杯―――その全貌、見極めさせてもらう。
0:鳥子と一緒に霊地へ向かいたい。
1:他の主従と接触し、その在り方を確かめたい。戦う意思を持つ相手ならば応じる。
2:界聖杯へと辿り着く術を探す。が――
3:カイドウを討つ。それがおれの現界の意味と確信した。
4:ヤマトの世界は認められない。次に会ったら決着を着ける
5:何なんだあのセイバー(武蔵)! とんでもねェ女だな!!
6:あの変態野郎(クロサワ)は今度会った時にぶちのめしてやる!
7:あさひ坊のことが心配。頃合を見て戻りたい
[備考]
古手梨花&セイバー(宮本武蔵)の主従から、ライダー(アシュレイ・ホライゾン)の計画について軽く聞きました。
※「青い龍の目撃情報」からカイドウの存在を直感しました。
※アヴェンジャー(デッドプール)の電話番号を知りました。
※廃屋に神戸あさひに向けた書き置きを残してきました。
※全集中の呼吸を習得してました。

【セイバー(継国縁壱)@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:日輪刀
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:為すべきことを為す。
0:今はただ、この月の下で兄と共に。
1:光月おでんに従う。
2:他の主従と対峙し、その在り方を見極める。
3:もしもこの直感が錯覚でないのなら。その時は。
4:凄腕の女剣士(宮本武蔵)とも、いずれ相見えるかもしれない。
5:この戦いの弥終に――兄上、貴方の戦いを受けましょう。
[備考]


仁科鳥子@裏世界ピクニック】
[状態]:体力消耗(中)、顔面と首筋にダメージ(中)、右手首欠損(火傷で止血されてる→再止血・処置済)
    ……以上の消耗・疲労を帳消しにするほどのモチベーション。
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:護身用のナイフ程度。
[所持金]:数万円
[思考・状況]基本方針:生きて元の世界に帰る。
0:――空魚。今行くよ。
1:アルターエゴ・リンボを打倒したい。
2:霧子ちゃん達との協力関係を維持したい。向こうとこっちが持ってる脱出プランを組み合わせたりとか、色々話したい。
3:私のサーヴァントはアビーちゃんだけ。だから…これからもよろしくね?
4:この先信用できる主従が限られるかもしれないし、空魚が居るなら合流したい。その上で、万一のことがあれば……。
5:できるだけ他人を蹴落とすことはしたくないけど――
6:もしも可能なら、この世界を『調査』したい。できれば空魚もいてほしい。
7:アビーちゃんがこの先どうなったとしても、見捨てることだけはしたくない。
[備考]※鳥子の透明な手はサ―ヴァントの神秘に対しても原作と同様の効果を発揮できます。
式神ではなく真正のサ―ヴァントの霊核などに対して触れた場合どうなるかは後の話に準拠するものとします。
※荒川区・日暮里駅周辺に自宅のマンションがあります。
※透明な手がサーヴァントにも有効だったことから、“聖杯戦争の神秘”と“裏世界の怪異”は近しいものではないかと推測しました。

【フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)@Fate/Grand Order】
[状態]:体力消耗(小)、肉体にダメージ(小)、精神疲労(大)、魔力消費(大)、決意
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:マスターを守り、元の世界に帰す
0:今度こそ、マスターを守ってみせるわ。
1:鳥子に自身のことを話す。
2:アルターエゴ・リンボを打倒したい。
3:マスターにあまり無茶はさせたくない。
4:あなたが何を目指そうと。私は、あなたのサーヴァント。

田中一@オッドタクシー】
[状態]:サーヴァント喪失、半身に火傷痕(回復済)、地獄への渇望、緊張(極大。一周回って落ち着いてきた)
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:スマートフォン(私用)、ナイフ、拳銃(6発、予備弾薬なし)、蘆屋道満の護符×3
[所持金]:数千円程度
[思考・状況]基本方針:『田中革命』。
0:もうなるようにしかなんねえよ……
1:死柄木弔に従う。彼の夢に俺の道を託す。
2:敵は皆殺し。どんな手段も厭わない。
3:SNSは随時チェック。地道だけど、気の遠くなるような作業には慣れてる。
4:リンボに鞍替えして地獄界曼荼羅を実現させたかったけど、今は敵連合にいたい。
5:峰津院大和のことは、保留。その危険度は理解した。
6:星野アイ、めちゃくちゃかわいいな……
[備考]
※界聖杯東京の境界を認識しました。景色は変わらずに続いているものの、どれだけ進もうと永遠に「23区外へと辿り着けない」ようになっています。
※アルターエゴ(蘆屋道満)から護符を受け取りました。使い捨てですが身を守るのに使えます。

※トランペット@僕のヒーローアカデミアを始めとした田中の護衛達はエントランスで伸びています。


◆◆◆


【中野区・デトネラット関係会社ビル/二日目・早朝】
死柄木弔@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:健康、覚醒、『地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)』服用
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円程度
[思考・状況]基本方針:界聖杯を手に入れ、全てをブッ壊す力を得る。
0:さぁ――行こうか。
1:勝つのは連合(俺達)だ。
2:四皇を殺す。方舟も殺す
3:便利だな、麻薬(これ)。
[備考]
※個性の出力が大きく上昇しました。

【アーチャー(ジェームズ・モリアーティ)@Fate/Grand Order】
[状態]:腰痛(小)、令呪『本戦三日目に入るまで、星野アイ及びそのライダーを尊重しろ』
[装備]:超過剰武装多目的棺桶『ライヘンバッハ』@Fate/Grand Order
[道具]:なし?
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:死柄木弔の"完成"を見届ける
0:さぁ、さらなる混沌(プルス・ケイオス)を始めよう
1:標的はビッグ・マム。スカイツリーで皇帝と子供達を鏖殺する。
2:蜘蛛は卵を産み育てるもの。連合の戦力充実に注力。
3:課題『グラス・チルドレン殲滅作戦』を実行。
4:禪院君との折衝。仁科鳥子への連絡。あわよくば彼らも連合に加えたいところだがあくまでも慎重に。
5:しお君とライダー(デンジ)は面白い。マスターの良い競争相手になるかもしれない。
6:田中一の再契約先のサーヴァントも斡旋したい。
7:さらばだ、犯罪卿。
[備考]※デトネラット社代表取締役社長、四ツ橋力也はモリアーティの傘下です。
デトネラットの他にも心求党、Feel Good Inc.、集瑛社(いずれも、@僕のヒーローアカデミア)などの団体が彼に掌握されています。
※禪院(伏黒甚爾)と協調した四ツ橋力也を通じて283プロダクションの動きをある程度把握していました。
※アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)から"窮極の地獄界曼荼羅"の概要を聞きました。また彼の真名も知りました。
アラフィフ「これ先に知れて本当によかったなァ~…(クソデカ溜め息)」
田中一からアサシン(吉良吉影)と仁科鳥子によるリンボ奇襲の作戦を聞きました。(詳細は田中が知らないので不明)。
アサシン(吉良吉影)の能力の一部も知りました(真名は田中が知らないので不明)。
星野アイおよびそのライダーから、ガムテ&ビッグ・マムの情報および一日目・夕方までの動向を聞きました

※ライダー(アシュレイ・ホライゾン)に、手持ちの情報の内自分達の内情に関わらないものを一通り共有しました。
 意図的に伏せている事柄があるのかどうかについては、後のお話に準拠します

星野アイ@推しの子】
[状態]:疲労(小)
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:子どもたちが待っている家に帰る。
1:敵連合の一員として行動。ただし信用はしない。
2:ガムテ君たちについては殺島の判断を信用。
[備考]
櫻木真乃紙越空魚、M(ジェームズ・モリアーティ)との連絡先を交換しています。
※グラス・チルドレンの情報をM側に伝えました。

【ライダー(殺島飛露鬼)@忍者と極道】
[状態]:魔力消費(微)
[装備]:大型の回転式拳銃(二丁)&予備拳銃
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:アイを帰るべき家へと送迎(おく)るため、聖杯戦争に勝ち残る。
0:――良いね。楽しくなってきやがった。
1:アイの方針に従う。
2:M達との協力関係を重視。だが油断はしない。厄(ヤバ)くなれば殺す。
3:ガムテたちとは絶対に組めない。アイツは玄人(プロ)だし、それに――啖呵も切っちまった。
[備考]
※アサシン(伏黒甚爾)から、彼がマスターの可能性があると踏んだ芸能関係者達の顔写真を受け取っています。
現在判明しているのは櫻木真乃のみですが、他にマスターが居るかどうかについては後続の書き手さんにお任せいたします。
※スキルで生成した『地獄への招待券』は譲渡が可能です。サーヴァントへ譲渡した場合も効き目があるかどうかは後の話の裁定に従います。

神戸しお@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:疲労(小)
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数千円程度
[思考・状況]
基本方針:さとちゃんとの、永遠のハッピーシュガーライフを目指す。
0:壊すじかんだね
1:お兄ちゃんは、いつかおわらせなくちゃ。
2:アイさんとらいだーさん(殺島)とは仲良くしたい。でも呼び方がまぎらわしいかも。どうしようねえ。
3:とむらくんとえむさん(モリアーティ)についてはとりあえず信用。えむさんといっしょにいれば賢くなれそう。
4:最後に戦うのは。とむらくんたちがいいな。
5:れーじゅなくなっちゃった。だれかからわけてもらえないかなぁ。

【ライダー(デンジ)@チェンソーマン】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円(しおよりも多い)
[思考・状況]
基本方針:サーヴァントとしての仕事をする。聖杯が手に入ったら女と美味い食い物に囲まれて幸せになりたい。
0:やるしかねえのかァ……(クソデカ溜息)
1:死柄木とジジイ(モリアーティ)は現状信用していない。特に後者。とはいえ前者もいけ好かない。
2:星野アイめちゃくちゃ可愛いじゃん……でも怖い……(割とよくある)
3:あの怪物ババア(シャーロット・リンリン)には二度と会いたくなかった。マジで思い出したくもなかった。
  ……なかったんだけどな~~~~~~~~~~~~~~~……ハア~~~~……
[備考]
※令呪一画で命令することで霊基を変質させ、チェンソーマンに代わることが可能です。
※元のデンジに戻るタイミングはしおの一存ですが、一度の令呪で一時間程の変身が可能なようです。


◆◆◆



 ――――そして。


 混沌の幕開けを告げるように、二つの流星が天を駆けていた。

 この世における最強生物。明王カイドウは、東京タワーへ。
 天候を操る女。"ビッグ・マム"シャーロット・リンリンは、スカイツリーへ。
 戦乱開幕、待ったなし。

 界聖杯は、朝の訪れと共に鳴動する――。


【中央区・某タワーマンション(グラス・チルドレン拠点)→移動開始(東京タワーへ)/二日目・早朝】

【ライダー(カイドウ)@ONE PIECE】
[状態]:健康、首筋に切り傷
[装備]:金棒
[道具]:
[所持金]:
[思考・状況]
基本方針:『戦争』に勝利し、世界樹を頂く。
0:あの日の悔恨に"決着"を。
1:峰津院の霊地(東京タワーとスカイツリー地下)を強奪ないし破壊する。
2:組んでしまった物は仕方ない。だけど本当に話聞けよババア!! あと人の真名をバラすな馬鹿!
3:鬼ヶ島の顕現に向けて動く。
4:『鬼ヶ島』の浮上が可能になるまでは基本は籠城、気まぐれに暴れる。
5:リップは面白い。優秀な戦力を得られて上機嫌。てめェ戻って来なかったらブチ殺すからな
6:リンボには警戒。部下として働くならいいが、不穏な兆候があれば奴だけでも殺す。
7:アーチャー(ガンヴォルト)に高評価。自分の部下にしたい。
8:峰津院大和は大物だ。性格さえ従順ならな……
9:ランサー(ベルゼバブ)テメェ覚えてろよ
10:"ガキども"? ……下らねェ
[備考]
※鬼ヶ島の6割が崩壊しました。復興に時間が掛かるかもしれません


【中央区・某タワーマンション(グラス・チルドレン拠点)→移動開始(スカイツリーへ)/二日目・早朝】

【ライダー(シャーロット・リンリン)@ONE PIECE】
[状態]:高揚、右手小指切断、両拳の裂傷と出血(小)
[装備]:ゼウス、プロメテウス@ONE PIECE
[道具]:なし
[所持金]:無し
[思考・状況]
基本方針:邪魔なマスターとサーヴァント共を片づけて、聖杯を獲る。
0:挑んでやるさ―――どこまでも!
1:プロデューサーからの報告を聞く。ガムテが何やら揉めている気配もあるが……とりあえずは前者優先。
2:北条沙都子! ムカつくガキだねェ~!
3:敵連合は必ず潰す。蜘蛛達との全面戦争。
4:ガキ共はビッグマムに挑んだ事を必ず後悔させる。
5:北条沙都子プロデューサーは傘下として扱う。逃げようとすれば容赦はしない。
6:ナポレオンの代わりを探さないとだねェ…面倒臭ェな!
[備考]
※ナポレオン@ONE PIECEは破壊されました。


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129:THE DAY 新時代:オリジン 死柄木弔 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
アーチャー(ジェームズ・モリアーティ
129:THE DAY 新時代:オリジン 神戸しお 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
ライダー(デンジ)
129:THE DAY 新時代:オリジン 星野アイ 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
ライダー(殺島飛露鬼
129:THE DAY 新時代:オリジン 田中一 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
129:THE DAY 新時代:オリジン 櫻木真乃 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
129:THE DAY 新時代:オリジン 田中摩美々 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
アーチャー(メロウリンク=アリティ)
129:THE DAY 新時代:オリジン 七草にちか(騎) 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
ライダー(アシュレイ・ホライゾン)
129:THE DAY 新時代:オリジン セイバー(宮本武蔵) 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
129:THE DAY 新時代:オリジン 幽谷霧子 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
セイバー(黒死牟
129:THE DAY 新時代:オリジン 光月おでん 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
セイバー(継国縁壱
129:THE DAY 新時代:オリジン 仁科鳥子 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ
128:ウィーアー! ライダー(カイドウ) 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)
128:ウィーアー! ライダー(シャーロット・リンリン) 133:地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1)

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最終更新:2022年11月19日 00:22