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目次 &link_anchor(師範農業,pageid=329){師範農業} &link_anchor(金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス,pageid=329){金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス} &link_anchor([書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本){[書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本} &link_anchor(稲作農業){稲作農業} (事業性評価) &link_anchor({米穀卸・小売業){米穀卸・小売業} (事業性評価) [[ロフォフォラ>https://w.atwiki.jp/internetkyogakusys/pages/96.html]](別ページ) &link_anchor({農業簿記){農業簿記} *&anchor(師範農業){師範農業} 本文は[[広島大学にアップロードされている師範農業(昭和18年)>http://dc.lib.hiroshima-u.ac.jp/text/detail/507420180510182140]]の第一章我が國の農業 をOCRにかけ、手補正したものである。 手補正の際、繁体字(旧字体)とすべきところを効率のため新字体にて補正している。実際の文言はPDFを参照することでご容赦願いたい。 入力者:[[金融経済学教科書まとめサイトwiki(倭人の練習帖)>https://twitter.com/kinyukeizairom]] 入力日:2020.5.7 第一章我が國の農業 第一節 肇国と農業 我が國は肇國以来農業を重んじ,豐原千五百秋瑞穂の地と たたへられ,既に高天原に於て農事の營まれたことが伝へられ てゐる。 あめくまのうし  うけもちのかみ 天照大神の仰せを蒙りて,天熊大人が葦原の中つ国の保食神 のもとに往き,その躰にに生れる稻・粟・豆等を持ち歸ると,大 神がこれを御覧になり嘉みせられて「この物は則ち顯見蒼生の 食ひて活くべきものなり」とのたまひ,即ち粟・稗・麥・豆を おたつもの   たたつもの           ながた 陸田種子とし稻を水田種子とし給うた。稻種を天田及び長               たりほ やつかほ 田に植ゑさせられたが,その秋の垂穂は八握にしなひで,豊か な稔りをあげたのである。 天孫降臨の際に,天照大神は三種の神器を授け給ひ,天壤無 窮の勅を宣り給うたが,また扈從の神々に稻種を授け給ひて,            ゆにま いなほ 「わが高天原にきこしめす齋庭の穂を以て,亦吾が兒にまかせま つるべし」と仰せられた。 かやうに我が國の農業は皇祖の授け給うたところてあって, 爾來この業を子々孫々に相伝へてきた。かくして臣民は神の御 業に仕へまつつて國民食糧の生産に精勵しまた衣服の原料を も作って,いよいよ国家の基礎に培つてゐる。 まことに,農業は國民生業の最も重要なものであって,国民 をおほみたからと稱するのは大御田族の意とも解される。 崇神天皇の詔に農は國の大本,と仰せられたのも國民の業 の根柢たることを示これたもので,御第代の勸農は祭祀・軍事 と並んで重要なことであった。 (金融経済教科書まとめサイトwiki) 第二節 日本農業精神 豊業は大自然の中にあって,天地の惠を受け,作物や家畜を 愛育して天地の化育に參じ,皇國無窮の發展に奉仕する聖業で ある。この農業に一貫する精紳は,我が國に固有の「仕へ」の 精精で,天つ神が國土を生成し給うた「むすび」の精神にほか ならない。 およそ生きとし生けるものにその所を得させ,その生命を全 うさせるために, かやうな伝統的精神を以て生成・化育にいそ しむのが農人の態度てある。賀茂真淵の おおみた みなわ ひだ 大御田の水泡も泥もかきたれて とるや早苗は我が君のため の歌には,遠く神代から伝はった稻を作って, 大君に奉仕する 国民の誇りと喜びとがよくいひ表されてゐる。また この秋は雨かあらしかしらねども けふのつとめに田草とるなり の古歌は,ひたすらに天地の化育に參じて皇國に奉仕する農人 の心と姿とを如實に示してゐる。 かくて,我が農業は,国土を荒しては相済まぬといふ心で祖 先の辛苦のこもってるる田畑をまもり,一家をあげ力を盡くし て豊かな稔りを祈念するものである。寝食を忘れて蠶を養ひ, 朝夕に牛馬をいたはるなどの愛育の姿は,實に専統的な日本農 業精訷の露である。 神國農業の貴い姿は,先づ皇室の御祭に拜し奉る。天皇登極 に際し,御一代ただ一度行はせ給こ大嘗祭は,極めて重大な御 儀式である。特に選定された悠紀・主基の御田からの産米で御 饌・御酒をつくらせ給ひ,天皇御手づからこれを皇祖訷に供進 し給ひ,また御親らもこれを食召して後,これを臣下に分ち 給ふ。これは,紫宸殿に於て深夜執り行はせらるる最も神聖な御 祭であるが,毎年の新嘗祭はこれに準じて新穀を皇祖と共に食 召す大祭である。豊作は一に神意によるものとし宮中三殿を 始め,全國の神社では二月十七日に祈年祭が行はれる、,また, 神嘗祭は秋の稔りの初譓を捧げまつる祭である。 この大御心をかしこみ,民間にも風祭・虫追ひ・雨乞ひ等, 農業にする行事がある。農民は心身を賭して化育に參するの を天職と信じ,感謝して「なりはひ」の道に朝夕いそしみ,祖 先の祭祀もこの心をもつて行ふ,- かやうに,生命の愛育に從ふ農民の生活は美しい自然の詩境 に惠まれてゐる。農村の淨い空気とうららかな日光とは常に健 康の源泉であり,その環境は,堅實で從順な人がらを作る、-, 實に靜寂と簡素のうちに豊かな情趣を味ふことは,日本的な生 き方といはなければならない。 われらの祖先は自然並びに經濟條件に適した所を選んで, 三五々聚落を形成して協同生活を營み,そこに定住するに至っ た。この聚落が農業を本とする村落生活の初めであって,最初 は小敏の血縁者でらったものが,世の進み人口の増加するに件 なひ,他より入り來たるものもあって,複雑な村落をなすやう になつた。ここに於て村落は,社會的に,經濟的に,はたまた 精神的に融合されて協同團體として發展し健全な生活場所と なってきたのである。 實に,農業を以て生活の根柢とする農村は健民の母體であり, 健全な國民思想の源泉であり,日本精神の殿堂である。 第三節 我が国農業の發達 我が農業が遠く神代から行はれたことは古事記・風十記等に よってもよく知られるが,素戔鳴尊や大國主神が農耕を行はせ られたことも見えてゐる。その初め稻年が中心であったが,そ れに,粟・稗・麥・豆等の畑作が加はり,穀菽相竝び重要な地 位を占めるに至った。特に稻は連年同じ所に栽培することがで き,我が國十・氣候に適し,他には見られないやうな優良種を 育成し得て国民食糧の根源をなしてるる。 農具も初めは簡單で木製の鍬が用ひられたが,漸次に改良さ れ,殊に海外と交通するやうになって大陸からの農法や農具が 傳へられ,我が農業の進歩に寄與したのである。 我が農業は,上代に於ては唯一の産業として經濟の中心であ った。士地は氏族の氏上によって支配され,農民はそのもとで に從事し,自給經済を營みつつ天皇に仕へまつった。 やがて地方の豪族が勢力を振るふ弊が起ったが,大化の改新 によって政權を中央に歸するとともに班田收授の法などが行は れた。班田收授の法も色々の事情によって永續せす,逑に崩解 し,地方の豪族は盛んに土地の兼併を行ひ,農民はその豪族に 屬して農業に從事した。これが後の莊園のもとである、, 奈良・平安朝の文化は實に燦然たるものて,初めは多く都市 に輝いたが,漸く地方に及んで莊園がはびこった。かくして武 家の起ることとなり,兵亂がつづき耕地は荒らされ,農民は徴 發されるのてあった かく,時代によって消長はあったが,安上・桃山を經て江戸 時代となると,世は泰平となり,農民は安んじてその業にいそ しむことができた。各地に治水・開墾に力を盡くすものか現れ, また,宮崎安貞・大藏永常・佐藤信淵等が農書を著して,農業 の進歩・改善に貢献するところが多かった。 さらに時代は変轉して明治維新となり,歐米の文物は盛んに 輸入されて,我が政治・經濟・敎育・産業等に著しい影響を へたが,農業も亦彼の学理の長所をとり,それを實際に応用し てこれが振興を圖り,政府は常に勸農に努めた さうして農事試驗場,各種産業團體の活動,農業致育の發達 となり,明治二十七八年及び同三十七八年の兩戦役は各:一時期 を劃したが,第一次歐洲大戰は,我が産業界の好況とともに, 農業上にも亦非常な影響を及ぼし,更に,滿洲事變を契機とし て大陸發展の機運が興り,續いて支那事変となり,再轉して大 東亞戦爭と進展し,今や我が農業は東亞を一體となして一大共 榮圈を形成し,南方諸地域の開発を期して,これが指導にあた ることとなり,肇國以來の使命を達成すべき重大時局に當面し た。 第四節 日本農業の特質と地位・使命 日本農業の特質 我が國はアジヤ大陸の東海季節風圈内にあって,概ね温帶に 位置し各種の農作物はよく生育して永く國内の自給を充たし てゐた。特に久しい間改良を加へられた稻は,世界にその比を 見ない程發達を逑げてゐる。 のうにんかうさく こと ふか  いね しやう もの 「それ農人耕作の事。其の理り至て深し。稻を生する物は てんなりこれやしな    なか 天也。是を養ふものは地なり。人は中にゐて,天の氣によ    よろし  したが  かうさく   そのつとめ り,土地の宜きに順ひ,時を以て耕作をつとむ。もし其の勤 てんち せいやう なくば,天地の生養も遂ぺからず。」 といふ宮崎安直の言葉は,天の氣・地の理を人の技によって融 させて生産をあげるといふ日本農業の特質をよくいひ表した ものである。 我が國の稻は米粒が豊滿で質が堅く,精り氣が強くて 美味であり,薬は柔軟であるが丈夫で倒伏せず,俵や繩等種々 の細工に適するのも特質の一つである。 かやうに日本國土の豊饒,日本人の優秀性は,稻を主體とし, その他各種の作物をよく生育させる特質がある。 元來,農業は,地域の特異性によって作物の種願を選び 法を定むべきで,我が國のやうな,南北により,また地勢によ って環境の異なるところでは,よくこの特異性に順応した各種 の形態の農業があることに注意しなければならない。交通の便 利な都市附近には園藝が著しく發達し,蔬菜や花卉の供給を豊 富にしてゐるが如きはこれである。 また,夏期に於ける日照と降水の適量とは我が農産を豊かに してゐる一原因であるが,蠶業の發達にも大きな影響を与へて ゐる。しかし,ひとり養畜は甚だ振るはなかったが, その原因 は色々あって,佛教の影響によるところともいへる。 農業經營上からみるときは,概して小規模で主として家族勞 作によって營まれてゐることが一つの特色であるといってよい。 即ち,我が國の農耕地は約六百萬ヘクタールで,農家戸數は五 百五十萬戸であるから,一戸當りの経営囲積は平均一へクター ル餘りに過ぎす, その上,耕地が細かく分散されてゐる。それ 故,深耕と多肥とに勞力や資本を惜しまず,ひたすら農業生産 をあげることに精進してきたのである。 なほ,農家の約七割は小作または自作兼小作農家であって, なんらかの副業をとり入れ,その收入によって生計を維持する 農家が過半数を占めてゐる。 更に,我か國に於ける農耕作業は主として勞力によってなさ れ,畜力を利用することが甚だ少く,殊に機械力に至っては殆 ど數ふるに足りない。したがって,我が國には大經營による農 業は全くみられなかった。しかし集約的に行はれる關係上,単 位面積の收穫高は非常な高度を示してるる。 かやうに我が國の農業は極めて小規模な經營であり,家長と 家族とが一體となって協力し生産に從事してゐることは,歐 米の農業が大規模に經營され,賃金勞働者を使役して純企業形 態をなしてゐるのとは大きな相違がめる。 更に,我が國の農業はその由来するところが神授にあつて, 肇國このかた永い歴史をもち,農民は神の御教へのまにまにこ れを天職としこれを通じて天業を翼賛し奉り,國家の發展に 寄與しつつあることは,また一大特質といはなければならない。 我が國農業の地位 古來,農業は唯一の生業として國民經濟の主體であったが、 中世以降,商工業も漸次に勃興し明治維新このかた,諸般の 事項の変轉は各種産業の著しい發展を促し、ために,農業の地 位はややもすれば軽視されるやうな情勢にあった。しかしこの 國民經濟上の変動を以て直ちに農業の地位が低下したと考へる ことは誤りである。試みにこれを産業人口からみても、い我が國 の有業者人口中,農業者は約五割で,今なほ重要な地位を占め てゐる。そればかりでなく,我が農業は商工業の發展に伴なひ 著しく進歩して,その重要性は決して減少してはゐない。即ち 食糧の供給,原料-生産等がかかつて農業にあるが,その上, 我が農業は東亞共榮圈の指導を一身に背負はなければならない 地位にある. 我が國農業の使命 我が農業の地位が重要なことは、またその使命を大ならしめ てゐる。 もとより農業は國民食糧の源泉であり,工業原料の給源であ るから、國カ充實,國民生活の安定は当然ここに基礎が置かれ てゐる。我が農業は今やこの重大な使命を完うすべく力をあ げて努力してゐるのである。 思ふに、東亞共榮圈の農業は東亞十億の民の生命源である。 しかもこれの開發は我が國農業によって始めてその成果があげ られるのである。されば,我が農業は國内開發によって國民食 糧の自給を圖るとともに,東亞共榮圈を指導して資源の確保を 期さなければならない。この意味に於て,我が農業は東亞の繁 榮を圖るため最も重大な使命を有してゐるといへる。 われら師範學校生徒は,この雄大な使命を遂行するために農 業に課せられた責務を自覺し農業精神の體得、農業技術の錬 磨にはげみ、以て國民敎育の任に當る覺悟を堅くしなければな らない。 *&anchor(金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス){金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス} 金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス #amazon(4322123651) 1.農業経営基盤強化準備金 (全額損金出来、解約でお金が戻る、倒産防止共済的なもの) ・実務的には負債の部に計上されていることが多い ・損金経理の方法か剰余金の処分の方法どちらか選ぶ 2.農業分野の経営指標 日本政策金融公庫農林水産事業 「農業経営動向分析の結果」 農業13種、地域別 3.&anchor(売上高増減分析){売上高増減分析} 売上高=売上数量×単価 (1)&anchor(売上高の数量差異・単価差異の算出){売上高の数量差異・単価差異の算出} 前年~ 1,800俵×14,000円=25,200千円 当年~ 2,000俵×15,000円=30,000千円 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/attach/307/128/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%A2%97%E6%B8%9B%E5%88%86%E6%9E%90%E3%80%80%E6%95%B0%E9%87%8F%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%A8%E5%8D%98%E4%BE%A1%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.png,width=450) 数量差異 200×14,000円=2,800千円 単価差異2,000×1,000円=2,000千円 (2)&anchor(数量差異を、面積差異と反収差異に分解){数量差異を、面積差異と反収差異に分解} 反収差異(単位面積当りの収穫量)~反収(俵/10a)とする 前年~反収8.0、面積225a 当年~反収8.8、面積227.273a #IMAGE(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/attach/307/132/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%A2%97%E6%B8%9B%E5%88%86%E6%9E%90%E3%80%80%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%A8%E5%8F%8D%E5%8F%8E%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.jpg,width=500) 反収差異~(8.8-8)×227.273=181.818 面積差異~(227.273-225)×8=18.184 **&link_anchor(収支分岐点,pageid=78){収支分岐点}(別ページへのリンク) *&anchor([書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本){[書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本} #amazon(4798054259) 図解入門業界研究 最新農業の動向としくみがよ~くわかる本 2018年4月 秀和システム 第一章 1942年食糧管理法(食管法) ↓ 生産米価の引き上げ 米価の逆ザヤによる財政赤字 ↓ 1969年 次週流通米 1981年 食管法改正 コメの配給制・米殻通帳廃止 1993年 コメ不足によるコメの緊急輸入 ミニマムアクセス 1995年食糧法制定 自主流通米→県単位→全農 減反政策の見直し (2013年まで) 10アール当たり15千円 米平年価格を下回った場合の差額支払 2018年減反政策廃止 飼料米の転作奨励~10アール当たり80千円→10アール当たり105千円 転作奨励金制度の制定 市場開放圧力~日欧EPA、TPP11 第二章 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/attach/301/121/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%B5%81%E9%80%9A%E7%B5%8C%E8%B7%AF.png,width=800) 生産資材価格の引き下げ 農協~肥料8割、機械6割のシェア 組合員に高い資材を押し付けてた? 全農改革の必要性 中間流通の合理化→生産者有利へ 米卸売業の淘汰 六次化 ICT 直販 土壌診断 原産地表示の導入 収入保険制度~農業共済とは別、8割まで保険方式、9割までプラス積立金で補填 土地改良・農地集約(農地中間管理機構) |A|B|A| |B|A|B| ↓ |A|A|A| |B|B|B| 3章 小麦~北海道7割 麺用小麦~きたほなみ、きたもえ パン用小麦~キタノカオリ、ゆめちから、春よ恋、はるきらり 大豆~(道)ユキホマレ 納豆用(道)ユキシズカ、スズマル 枝豆(道)=サッポロミドリ(雪印)、サヤムスメ(雪印)、ユキムスメ(雪印)中札内「そのままえだ豆」 第四章 2015年 農薬 20万トン 4000億円 農薬メーカー →全農(40%)  → JA → 生産者        →商社系(60%) →小売 → 高いが下がらない、ジェネリック農薬作る 肥料メーカー 輸入に頼る 飼料メーカー JA全農が 1/3のシェア 共同飼料・日本配合飼料が合併しフィードワン 伊藤忠飼料・中部飼料→みらい飼料 農機メーカー クボタ 46% ヤンマー25%(ションディア(米国)) 井関農機31% シェアリングリース~大型農機を3~4軒の農家で使い、リース会社が利用料を受け取る。 種苗メーカー サカタのタネ カネコ種苗 タキイ種苗 雪印種苗 5章 六次化産業 例~自作物のレストランなど 事業計画での認定メリット 無利子融資、補助金、A-fiveによるサブファンド出資など 農商工連携の例 旭川~ペポカボチャと焼き菓子 青森~寒冷地用低アミロース米「ゆきのはな」を使った冷凍押し寿司 第六章 農業金融 2015年5.1兆円 民間15% 日本公庫~「経営ビジョンシート」による事業性評価融資 Haccp導入のための設備投資 第7章 スマート農業 Gps 自動運転田植機 営農支援ツール「アグリノート」 全国デジタル土壌図 ドローンなど 食品加工技術 レトルト 野菜ペースト ドライフルーツ フレーバー ジュースの濃縮 第8章 Gap BSEと牛肉トレーサビリティ 第9章 中山間地域 ~集落営農 →人口流出で困難に グリーンツーリズム 都市と農村の交流事業 *&anchor(稲作農業){稲作農業} 第13次業種別審査事典 1001稲作農業 1.減反政策(生産調整) ・政策に対する意向はどうか?生産調整に従わないと補助金がもらえない。 ・自主的取り組み、流通自由化への政策転換 H22 個別所得補償モデル事業 H23 農業戸別所得補償 H25 経営所得安定対策 同事業の「米の直接支払交付金」を活用するには、生産数量目標に即して生産する必要がある。 「転作作物」の助成⇒22年度から生産調整とは切り離される。 流通面~農協に出荷(販売委託)するケースが多い 2.近況等 米の作付面積160万HA下回る 10アール当たり536kg(H26) 1万2481円/60kg 参照:農水省(コメの相対取引価格)HP ミニマムアクセス 3.補助金 (1)水田活用の直接支払交付金 飲料用・米粉用米 55~105千円/10a (2)ナラシ対策 米・畑作物の収入減少影響緩和対策。加入の有無を確認する (3)米の直接支払交付金(H30年廃止) 4.その他注意点 ・水田購入は減価償却が効かないので購入費がそのまま長期借入金となっているケースが多い ・農業外の住宅ローン、自動車ローンの存在 ・作業工程、作業機械 ・日本公庫のスーパーL資金(長期運転資金・設備資金) 1a=100㎡ 1ha=100アール=10,000㎡ 1俵=60kg 参考 第13次業種別審査事典 1001稲作農業 *&anchor({米穀卸・小売業){米穀卸・小売業} 1042 米穀卸・小売業 業種の歴史 S30 食糧管理法制度化の配給機構としての色合いが強く、品質より量の分配だけが問題。 S40 過剰米発生 S47 小売の新規参入の開始 S56 食管法改正 H2 自主流通米価格形成機構の成立と入札制度の導入 H5 米不作に伴う緊急輸入 H16新食糧法成立   販売が登録制から届出制となり自由化される 生産者 → jA等 →全農 →卸売業者 → 消費者     →   (庭先集荷)→卸売業者→     →  (     直売   )→ 平成26年 836万トンの消費。米の消費量の低下 毎年1%ずつ低下 1世帯2万5千円(年) 卸売業の動向 神明〜米卸売大手、元気寿司買収し川下に進出 卸が集荷業務に川上統合するケースなど、水平統合の動きが加速 小売業の動向 米殻小売店からスーパーなどの量販店にシフト。近年はネット販売も増加 運転資金〜販売先が量販店や外食・中食などだと売掛金が長期化する傾向あり 収益力は低位 小売〜量販店との差別化が図られているか 地域に親しまれる店作りがされているか トレーサビリティ、ISO、精米 *&anchor({農業簿記){農業簿記} 1.資産の部 ①生物   生物の減価償却はいつ行うかは、当該生物の成熟の時点から行う 乳牛:初産分娩時 乳牛以外の繁殖用家畜:初産のための種付け時 ぶどうなど果樹 収支相償う樹齢 間接法で減価償却を行う ②繰延生物 ばらの親株・採卵用鶏 減価償却は直接法を使う ③育成仮勘定 自己育成させた生物の取得かがくは、育成仮勘定を用いて、取得価額を集計する |育成仮勘定|480,000|育成振替高|480,000| 成熟した場合は生物に振り替える |生物|600,000|育成振替高|480,000| |^|^|育成振替高|120,000| 2.PL ①経営安定対策の補填金は特別利益に経営安定補填収入 収入保険 国庫補助相当分を収入保険補填収入 ②農業経営基盤強化準備金 原則はその他利益剰余金の区分における任意積立金として表示(剰余金処分経理方式) 固定負債の部における引当金として計上する方式いも認められている(損金経理方式) 損金経理で積み立てる場合 |農業経営基盤強化準備金繰入額|1,000,000||農業経営基盤強化準備金|1,000,000| 農業経営基盤強化準備金繰入額は特別損失として計上し、 取り崩す際は農業経営基盤強化準備金戻入額として特別利益に計上 ③生物売却収入:売り上げだかに表示 ④生物売却原価:売却直前の帳簿価格を振り替えて売上原価に表示 ⑤売上:作業受託収入、価格補填収入~農産畜物の価格差交付金、価格安定基金の補填金などの数量払交付金 ⑥営業収益 作付助成収入~面積払交付金 一般助成収入~中山間地域等直接支払い交付金 ⑦製造原価 材料費:種苗費、素畜費・肥料費、飼料費、農薬費、敷料費、諸材料費 飼料補填収入→飼料費の次行に控除する ⑧棚卸し:正しく期間損益を計算するために、期末に未販売あるいは未使用となっている棚卸資産を実地に確認して売上原価・製造原価から控除する手続き ⑨収穫基準:個人農業者のみ 仕訳 |農産物|500,000|期末農産物棚卸高|500,000| ⑩減価償却 減価償却資産の取得価額を一定の方法によって使用可能期間の各年分の費用として配分していく手続き 定額法・定率法 少額減価償却資産 10万円未満の特例~初年度に損金計上 一括償却資産( 20万円未満の損金算入 一括償却対象額×12/36 月割計算しなくてよい 少額減価償却資産の30万円未満の特例 中小企業者であること、青色申告していること。デメリットは固定資産税の対象となること 3.損益通算ー不動産所得・事業所得・土地建物を除く譲渡所得・山林所得の4つだけ 法人成りートラクター等の固定資産は譲渡(壊れる可能性があるため)、不動産は個人から法人に貸し付け(赤字になっても損益通算可能)するケースが多い。 令和2年譲渡→H27年取得までは短期譲渡 H26年長期譲渡 4.農業経営基盤強化準備金 ①農業経営改善計画記載の農業用固定資産を取得しなかったため圧縮記帳しなかった場合は、7年目に取り崩す必要がある ②対象者青色申告を行う認定農業者・認定新規就農者、人農地プランの中心経営体 ③譲渡所得にかかわる特別控除 ・特定土地区画整理事業、農用地利用規程による農地中間管理機構への譲渡 2000万円の特別控除 ・特定住宅地造成事業、農業経営基盤強化法に基づく農地中間管理機構による譲渡1,500万円の特別控除 ・農業委員会のあっせん、農地中間管理機構の譲渡、農地保有の合理化・農地利用集積計画による譲渡 800万円の特別控除 ④仕訳 損金経理 |農業経営基盤強化準備金繰入額|1,000,000||農業経営基盤強化準備金|1,000,000| 積立金経理方式 |繰越利益剰余金|1,000,000|農業経営基盤強化準備金|1,000,000| 直接減額方式 損金経理 |固定資産圧縮損|999,999|機械装置|999,999| 対象資産は農用地(農地・採草放牧地) 取り崩す場合 |農業経営基盤強化準備金|1,000,000||農業経営基盤強化準備金戻入額|1,000,000| 5.肉用牛免税 年間1,500頭まで免税対象飼育牛の売却について免税 家畜市場・中央卸売市場などで売却したもの 肉専用種は1頭100万円、F1は80万円、乳用種は50万円となる 所得税計算 個人は(①+②) ①(免税対象飼育⽜に該当しない特定の⾁⽤⽜の売却価額 +年間合計が1,500頭を超える免税対象飼育⽜の売却価額)×5% ② その年において特定の⾁⽤⽜に係る事業所得の⾦額がないものとみなして 計算した場合におけるその年分の総所得⾦額について計算した所得税相当額 農地所有適格法⼈の場合、免税対象飼育⽜の売却による利益の額とは、次の算式で表される 売却による利益= 免税対象飼育⽜に係る収益-(収益に係る原価+売却に係る経費) 6.収入保険 ①保険料・事務費支払 |共済掛金|100,000||普通預金|800,000| |経営保険積立金|700,000|||| ②保険金の見積もり計上 |未決算|20,000,000|収入保険補填収入|20,000,000| ③保険金の請求・通知 |未収入金|20,100,000|未決算|20,000,000| |||雑収入|100,000| ④保険金の入金 普通預金 |普通預金|23,100,000|未収入金|20,100,000| |||経営保険積立金|3,000,000| 7.従事分量配当 農事組合法人が、その組合員に対して事業に従事した程度に応じて分配する配当。 配当金額は配当計算の対象となった事業年度に損金参入する。 剰余金配当 |繰越利益剰余金|3,000,000|未払配当金|3,000,000| 8.消費税 (1)事業者免税点 2年前の売上高が1千万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除される 法人成りすると2年免税になるが、免税になる代わりに還付になる権利も放棄するので、個人から法人に譲渡が多い場合、必ずしも有利とは限らない (2)一般課税 一般課税納付税額=課税売上に係る消費税-課税仕入に係る消費税(実額) マイナスになれば還付を受ける (3)簡易課税 簡易課税納付税額=課税売上に係る消費税-課税売上に係る消費税×みなし仕入率 計算式上、還付は絶対に受けられない 9.贈与税 暦年課税又は相続時精算課税 相続時精算課税を一度選択すると、暦年課税に変更できない 農地の相続税猶予は受けられない 暦年贈与納付税額 =(課税価格- 基礎控除額 年110万円)× 超過累進税率 相続税精算課税(贈与者の相続時に精算) 納付税額 =(課税価格 -特別控除額 ※2,500万円)× 20% 10.相続税 ①株式評価 原則的評価方式 株式価額=算類似業種⽐準価額 ×L+ 1株当たりの 純資産価額 ×(1-L) 特例的評価方式(配当還元方式) 1年間受け取る配当の10%で還元して株価を算定 農事組合法人は純資産価額方式のみで、併用方式より高くなってしまう →株式会社に変えると、併用方式が使える ②贈与 法人からの贈与は時価との差額が一時所得となる 個人からの贈与は贈与税の対象 ③ 投資育成株式会社から取得する場合 個⼈の同族株主がアグリビジネス投資育成㈱から 譲り受けた場合には、原則的評価⽅式による評価額を 下回る価額であっても、 評価基準に基づいて個⼈が譲り受けた場合には⼀時所得課税は⽣じない
目次 &link_anchor(師範農業,pageid=329){師範農業} &link_anchor(金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス,pageid=329){金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス} &link_anchor([書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本){[書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本} &link_anchor(稲作農業){稲作農業} (事業性評価) &link_anchor({米穀卸・小売業){米穀卸・小売業} (事業性評価) [[ロフォフォラ>https://w.atwiki.jp/internetkyogakusys/pages/96.html]](別ページ) &link_anchor({農業簿記){農業簿記} &link_anchor(農地制度){農地制度} &link_anchor(農業・農村構造と農業政策){農業・農村構造と農業政策} *&anchor(師範農業){師範農業} 本文は[[広島大学にアップロードされている師範農業(昭和18年)>http://dc.lib.hiroshima-u.ac.jp/text/detail/507420180510182140]]の第一章我が國の農業 をOCRにかけ、手補正したものである。 手補正の際、繁体字(旧字体)とすべきところを効率のため新字体にて補正している。実際の文言はPDFを参照することでご容赦願いたい。 入力者:[[金融経済学教科書まとめサイトwiki(倭人の練習帖)>https://twitter.com/kinyukeizairom]] 入力日:2020.5.7 第一章我が國の農業 第一節 肇国と農業 我が國は肇國以来農業を重んじ,豐原千五百秋瑞穂の地と たたへられ,既に高天原に於て農事の營まれたことが伝へられ てゐる。 あめくまのうし  うけもちのかみ 天照大神の仰せを蒙りて,天熊大人が葦原の中つ国の保食神 のもとに往き,その躰にに生れる稻・粟・豆等を持ち歸ると,大 神がこれを御覧になり嘉みせられて「この物は則ち顯見蒼生の 食ひて活くべきものなり」とのたまひ,即ち粟・稗・麥・豆を おたつもの   たたつもの           ながた 陸田種子とし稻を水田種子とし給うた。稻種を天田及び長               たりほ やつかほ 田に植ゑさせられたが,その秋の垂穂は八握にしなひで,豊か な稔りをあげたのである。 天孫降臨の際に,天照大神は三種の神器を授け給ひ,天壤無 窮の勅を宣り給うたが,また扈從の神々に稻種を授け給ひて,            ゆにま いなほ 「わが高天原にきこしめす齋庭の穂を以て,亦吾が兒にまかせま つるべし」と仰せられた。 かやうに我が國の農業は皇祖の授け給うたところてあって, 爾來この業を子々孫々に相伝へてきた。かくして臣民は神の御 業に仕へまつつて國民食糧の生産に精勵しまた衣服の原料を も作って,いよいよ国家の基礎に培つてゐる。 まことに,農業は國民生業の最も重要なものであって,国民 をおほみたからと稱するのは大御田族の意とも解される。 崇神天皇の詔に農は國の大本,と仰せられたのも國民の業 の根柢たることを示これたもので,御第代の勸農は祭祀・軍事 と並んで重要なことであった。 (金融経済教科書まとめサイトwiki) 第二節 日本農業精神 豊業は大自然の中にあって,天地の惠を受け,作物や家畜を 愛育して天地の化育に參じ,皇國無窮の發展に奉仕する聖業で ある。この農業に一貫する精紳は,我が國に固有の「仕へ」の 精精で,天つ神が國土を生成し給うた「むすび」の精神にほか ならない。 およそ生きとし生けるものにその所を得させ,その生命を全 うさせるために, かやうな伝統的精神を以て生成・化育にいそ しむのが農人の態度てある。賀茂真淵の おおみた みなわ ひだ 大御田の水泡も泥もかきたれて とるや早苗は我が君のため の歌には,遠く神代から伝はった稻を作って, 大君に奉仕する 国民の誇りと喜びとがよくいひ表されてゐる。また この秋は雨かあらしかしらねども けふのつとめに田草とるなり の古歌は,ひたすらに天地の化育に參じて皇國に奉仕する農人 の心と姿とを如實に示してゐる。 かくて,我が農業は,国土を荒しては相済まぬといふ心で祖 先の辛苦のこもってるる田畑をまもり,一家をあげ力を盡くし て豊かな稔りを祈念するものである。寝食を忘れて蠶を養ひ, 朝夕に牛馬をいたはるなどの愛育の姿は,實に専統的な日本農 業精訷の露である。 神國農業の貴い姿は,先づ皇室の御祭に拜し奉る。天皇登極 に際し,御一代ただ一度行はせ給こ大嘗祭は,極めて重大な御 儀式である。特に選定された悠紀・主基の御田からの産米で御 饌・御酒をつくらせ給ひ,天皇御手づからこれを皇祖訷に供進 し給ひ,また御親らもこれを食召して後,これを臣下に分ち 給ふ。これは,紫宸殿に於て深夜執り行はせらるる最も神聖な御 祭であるが,毎年の新嘗祭はこれに準じて新穀を皇祖と共に食 召す大祭である。豊作は一に神意によるものとし宮中三殿を 始め,全國の神社では二月十七日に祈年祭が行はれる、,また, 神嘗祭は秋の稔りの初譓を捧げまつる祭である。 この大御心をかしこみ,民間にも風祭・虫追ひ・雨乞ひ等, 農業にする行事がある。農民は心身を賭して化育に參するの を天職と信じ,感謝して「なりはひ」の道に朝夕いそしみ,祖 先の祭祀もこの心をもつて行ふ,- かやうに,生命の愛育に從ふ農民の生活は美しい自然の詩境 に惠まれてゐる。農村の淨い空気とうららかな日光とは常に健 康の源泉であり,その環境は,堅實で從順な人がらを作る、-, 實に靜寂と簡素のうちに豊かな情趣を味ふことは,日本的な生 き方といはなければならない。 われらの祖先は自然並びに經濟條件に適した所を選んで, 三五々聚落を形成して協同生活を營み,そこに定住するに至っ た。この聚落が農業を本とする村落生活の初めであって,最初 は小敏の血縁者でらったものが,世の進み人口の増加するに件 なひ,他より入り來たるものもあって,複雑な村落をなすやう になつた。ここに於て村落は,社會的に,經濟的に,はたまた 精神的に融合されて協同團體として發展し健全な生活場所と なってきたのである。 實に,農業を以て生活の根柢とする農村は健民の母體であり, 健全な國民思想の源泉であり,日本精神の殿堂である。 第三節 我が国農業の發達 我が農業が遠く神代から行はれたことは古事記・風十記等に よってもよく知られるが,素戔鳴尊や大國主神が農耕を行はせ られたことも見えてゐる。その初め稻年が中心であったが,そ れに,粟・稗・麥・豆等の畑作が加はり,穀菽相竝び重要な地 位を占めるに至った。特に稻は連年同じ所に栽培することがで き,我が國十・氣候に適し,他には見られないやうな優良種を 育成し得て国民食糧の根源をなしてるる。 農具も初めは簡單で木製の鍬が用ひられたが,漸次に改良さ れ,殊に海外と交通するやうになって大陸からの農法や農具が 傳へられ,我が農業の進歩に寄與したのである。 我が農業は,上代に於ては唯一の産業として經濟の中心であ った。士地は氏族の氏上によって支配され,農民はそのもとで に從事し,自給經済を營みつつ天皇に仕へまつった。 やがて地方の豪族が勢力を振るふ弊が起ったが,大化の改新 によって政權を中央に歸するとともに班田收授の法などが行は れた。班田收授の法も色々の事情によって永續せす,逑に崩解 し,地方の豪族は盛んに土地の兼併を行ひ,農民はその豪族に 屬して農業に從事した。これが後の莊園のもとである、, 奈良・平安朝の文化は實に燦然たるものて,初めは多く都市 に輝いたが,漸く地方に及んで莊園がはびこった。かくして武 家の起ることとなり,兵亂がつづき耕地は荒らされ,農民は徴 發されるのてあった かく,時代によって消長はあったが,安上・桃山を經て江戸 時代となると,世は泰平となり,農民は安んじてその業にいそ しむことができた。各地に治水・開墾に力を盡くすものか現れ, また,宮崎安貞・大藏永常・佐藤信淵等が農書を著して,農業 の進歩・改善に貢献するところが多かった。 さらに時代は変轉して明治維新となり,歐米の文物は盛んに 輸入されて,我が政治・經濟・敎育・産業等に著しい影響を へたが,農業も亦彼の学理の長所をとり,それを實際に応用し てこれが振興を圖り,政府は常に勸農に努めた さうして農事試驗場,各種産業團體の活動,農業致育の發達 となり,明治二十七八年及び同三十七八年の兩戦役は各:一時期 を劃したが,第一次歐洲大戰は,我が産業界の好況とともに, 農業上にも亦非常な影響を及ぼし,更に,滿洲事變を契機とし て大陸發展の機運が興り,續いて支那事変となり,再轉して大 東亞戦爭と進展し,今や我が農業は東亞を一體となして一大共 榮圈を形成し,南方諸地域の開発を期して,これが指導にあた ることとなり,肇國以來の使命を達成すべき重大時局に當面し た。 第四節 日本農業の特質と地位・使命 日本農業の特質 我が國はアジヤ大陸の東海季節風圈内にあって,概ね温帶に 位置し各種の農作物はよく生育して永く國内の自給を充たし てゐた。特に久しい間改良を加へられた稻は,世界にその比を 見ない程發達を逑げてゐる。 のうにんかうさく こと ふか  いね しやう もの 「それ農人耕作の事。其の理り至て深し。稻を生する物は てんなりこれやしな    なか 天也。是を養ふものは地なり。人は中にゐて,天の氣によ    よろし  したが  かうさく   そのつとめ り,土地の宜きに順ひ,時を以て耕作をつとむ。もし其の勤 てんち せいやう なくば,天地の生養も遂ぺからず。」 といふ宮崎安直の言葉は,天の氣・地の理を人の技によって融 させて生産をあげるといふ日本農業の特質をよくいひ表した ものである。 我が國の稻は米粒が豊滿で質が堅く,精り氣が強くて 美味であり,薬は柔軟であるが丈夫で倒伏せず,俵や繩等種々 の細工に適するのも特質の一つである。 かやうに日本國土の豊饒,日本人の優秀性は,稻を主體とし, その他各種の作物をよく生育させる特質がある。 元來,農業は,地域の特異性によって作物の種願を選び 法を定むべきで,我が國のやうな,南北により,また地勢によ って環境の異なるところでは,よくこの特異性に順応した各種 の形態の農業があることに注意しなければならない。交通の便 利な都市附近には園藝が著しく發達し,蔬菜や花卉の供給を豊 富にしてゐるが如きはこれである。 また,夏期に於ける日照と降水の適量とは我が農産を豊かに してゐる一原因であるが,蠶業の發達にも大きな影響を与へて ゐる。しかし,ひとり養畜は甚だ振るはなかったが, その原因 は色々あって,佛教の影響によるところともいへる。 農業經營上からみるときは,概して小規模で主として家族勞 作によって營まれてゐることが一つの特色であるといってよい。 即ち,我が國の農耕地は約六百萬ヘクタールで,農家戸數は五 百五十萬戸であるから,一戸當りの経営囲積は平均一へクター ル餘りに過ぎす, その上,耕地が細かく分散されてゐる。それ 故,深耕と多肥とに勞力や資本を惜しまず,ひたすら農業生産 をあげることに精進してきたのである。 なほ,農家の約七割は小作または自作兼小作農家であって, なんらかの副業をとり入れ,その收入によって生計を維持する 農家が過半数を占めてゐる。 更に,我か國に於ける農耕作業は主として勞力によってなさ れ,畜力を利用することが甚だ少く,殊に機械力に至っては殆 ど數ふるに足りない。したがって,我が國には大經營による農 業は全くみられなかった。しかし集約的に行はれる關係上,単 位面積の收穫高は非常な高度を示してるる。 かやうに我が國の農業は極めて小規模な經營であり,家長と 家族とが一體となって協力し生産に從事してゐることは,歐 米の農業が大規模に經營され,賃金勞働者を使役して純企業形 態をなしてゐるのとは大きな相違がめる。 更に,我が國の農業はその由来するところが神授にあつて, 肇國このかた永い歴史をもち,農民は神の御教へのまにまにこ れを天職としこれを通じて天業を翼賛し奉り,國家の發展に 寄與しつつあることは,また一大特質といはなければならない。 我が國農業の地位 古來,農業は唯一の生業として國民經濟の主體であったが、 中世以降,商工業も漸次に勃興し明治維新このかた,諸般の 事項の変轉は各種産業の著しい發展を促し、ために,農業の地 位はややもすれば軽視されるやうな情勢にあった。しかしこの 國民經濟上の変動を以て直ちに農業の地位が低下したと考へる ことは誤りである。試みにこれを産業人口からみても、い我が國 の有業者人口中,農業者は約五割で,今なほ重要な地位を占め てゐる。そればかりでなく,我が農業は商工業の發展に伴なひ 著しく進歩して,その重要性は決して減少してはゐない。即ち 食糧の供給,原料-生産等がかかつて農業にあるが,その上, 我が農業は東亞共榮圈の指導を一身に背負はなければならない 地位にある. 我が國農業の使命 我が農業の地位が重要なことは、またその使命を大ならしめ てゐる。 もとより農業は國民食糧の源泉であり,工業原料の給源であ るから、國カ充實,國民生活の安定は当然ここに基礎が置かれ てゐる。我が農業は今やこの重大な使命を完うすべく力をあ げて努力してゐるのである。 思ふに、東亞共榮圈の農業は東亞十億の民の生命源である。 しかもこれの開發は我が國農業によって始めてその成果があげ られるのである。されば,我が農業は國内開發によって國民食 糧の自給を圖るとともに,東亞共榮圈を指導して資源の確保を 期さなければならない。この意味に於て,我が農業は東亞の繁 榮を圖るため最も重大な使命を有してゐるといへる。 われら師範學校生徒は,この雄大な使命を遂行するために農 業に課せられた責務を自覺し農業精神の體得、農業技術の錬 磨にはげみ、以て國民敎育の任に當る覺悟を堅くしなければな らない。 *&anchor(金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス){金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス} 金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス #amazon(4322123651) 1.農業経営基盤強化準備金 (全額損金出来、解約でお金が戻る、倒産防止共済的なもの) ・実務的には負債の部に計上されていることが多い ・損金経理の方法か剰余金の処分の方法どちらか選ぶ 2.農業分野の経営指標 日本政策金融公庫農林水産事業 「農業経営動向分析の結果」 農業13種、地域別 3.&anchor(売上高増減分析){売上高増減分析} 売上高=売上数量×単価 (1)&anchor(売上高の数量差異・単価差異の算出){売上高の数量差異・単価差異の算出} 前年~ 1,800俵×14,000円=25,200千円 当年~ 2,000俵×15,000円=30,000千円 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/attach/307/128/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%A2%97%E6%B8%9B%E5%88%86%E6%9E%90%E3%80%80%E6%95%B0%E9%87%8F%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%A8%E5%8D%98%E4%BE%A1%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.png,width=450) 数量差異 200×14,000円=2,800千円 単価差異2,000×1,000円=2,000千円 (2)&anchor(数量差異を、面積差異と反収差異に分解){数量差異を、面積差異と反収差異に分解} 反収差異(単位面積当りの収穫量)~反収(俵/10a)とする 前年~反収8.0、面積225a 当年~反収8.8、面積227.273a #IMAGE(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/attach/307/132/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%A2%97%E6%B8%9B%E5%88%86%E6%9E%90%E3%80%80%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%A8%E5%8F%8D%E5%8F%8E%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.jpg,width=500) 反収差異~(8.8-8)×227.273=181.818 面積差異~(227.273-225)×8=18.184 **&link_anchor(収支分岐点,pageid=78){収支分岐点}(別ページへのリンク) *&anchor([書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本){[書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本} #amazon(4798054259) 図解入門業界研究 最新農業の動向としくみがよ~くわかる本 2018年4月 秀和システム 第一章 1942年食糧管理法(食管法) ↓ 生産米価の引き上げ 米価の逆ザヤによる財政赤字 ↓ 1969年 次週流通米 1981年 食管法改正 コメの配給制・米殻通帳廃止 1993年 コメ不足によるコメの緊急輸入 ミニマムアクセス 1995年食糧法制定 自主流通米→県単位→全農 減反政策の見直し (2013年まで) 10アール当たり15千円 米平年価格を下回った場合の差額支払 2018年減反政策廃止 飼料米の転作奨励~10アール当たり80千円→10アール当たり105千円 転作奨励金制度の制定 市場開放圧力~日欧EPA、TPP11 第二章 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/attach/301/121/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%B5%81%E9%80%9A%E7%B5%8C%E8%B7%AF.png,width=800) 生産資材価格の引き下げ 農協~肥料8割、機械6割のシェア 組合員に高い資材を押し付けてた? 全農改革の必要性 中間流通の合理化→生産者有利へ 米卸売業の淘汰 六次化 ICT 直販 土壌診断 原産地表示の導入 収入保険制度~農業共済とは別、8割まで保険方式、9割までプラス積立金で補填 土地改良・農地集約(農地中間管理機構) |A|B|A| |B|A|B| ↓ |A|A|A| |B|B|B| 3章 小麦~北海道7割 麺用小麦~きたほなみ、きたもえ パン用小麦~キタノカオリ、ゆめちから、春よ恋、はるきらり 大豆~(道)ユキホマレ 納豆用(道)ユキシズカ、スズマル 枝豆(道)=サッポロミドリ(雪印)、サヤムスメ(雪印)、ユキムスメ(雪印)中札内「そのままえだ豆」 第四章 2015年 農薬 20万トン 4000億円 農薬メーカー →全農(40%)  → JA → 生産者        →商社系(60%) →小売 → 高いが下がらない、ジェネリック農薬作る 肥料メーカー 輸入に頼る 飼料メーカー JA全農が 1/3のシェア 共同飼料・日本配合飼料が合併しフィードワン 伊藤忠飼料・中部飼料→みらい飼料 農機メーカー クボタ 46% ヤンマー25%(ションディア(米国)) 井関農機31% シェアリングリース~大型農機を3~4軒の農家で使い、リース会社が利用料を受け取る。 種苗メーカー サカタのタネ カネコ種苗 タキイ種苗 雪印種苗 5章 六次化産業 例~自作物のレストランなど 事業計画での認定メリット 無利子融資、補助金、A-fiveによるサブファンド出資など 農商工連携の例 旭川~ペポカボチャと焼き菓子 青森~寒冷地用低アミロース米「ゆきのはな」を使った冷凍押し寿司 第六章 農業金融 2015年5.1兆円 民間15% 日本公庫~「経営ビジョンシート」による事業性評価融資 Haccp導入のための設備投資 第7章 スマート農業 Gps 自動運転田植機 営農支援ツール「アグリノート」 全国デジタル土壌図 ドローンなど 食品加工技術 レトルト 野菜ペースト ドライフルーツ フレーバー ジュースの濃縮 第8章 Gap BSEと牛肉トレーサビリティ 第9章 中山間地域 ~集落営農 →人口流出で困難に グリーンツーリズム 都市と農村の交流事業 *&anchor(稲作農業){稲作農業} 第13次業種別審査事典 1001稲作農業 1.減反政策(生産調整) ・政策に対する意向はどうか?生産調整に従わないと補助金がもらえない。 ・自主的取り組み、流通自由化への政策転換 H22 個別所得補償モデル事業 H23 農業戸別所得補償 H25 経営所得安定対策 同事業の「米の直接支払交付金」を活用するには、生産数量目標に即して生産する必要がある。 「転作作物」の助成⇒22年度から生産調整とは切り離される。 流通面~農協に出荷(販売委託)するケースが多い 2.近況等 米の作付面積160万HA下回る 10アール当たり536kg(H26) 1万2481円/60kg 参照:農水省(コメの相対取引価格)HP ミニマムアクセス 3.補助金 (1)水田活用の直接支払交付金 飲料用・米粉用米 55~105千円/10a (2)ナラシ対策 米・畑作物の収入減少影響緩和対策。加入の有無を確認する (3)米の直接支払交付金(H30年廃止) 4.その他注意点 ・水田購入は減価償却が効かないので購入費がそのまま長期借入金となっているケースが多い ・農業外の住宅ローン、自動車ローンの存在 ・作業工程、作業機械 ・日本公庫のスーパーL資金(長期運転資金・設備資金) 1a=100㎡ 1ha=100アール=10,000㎡ 1俵=60kg 参考 第13次業種別審査事典 1001稲作農業 *&anchor({米穀卸・小売業){米穀卸・小売業} 1042 米穀卸・小売業 業種の歴史 S30 食糧管理法制度化の配給機構としての色合いが強く、品質より量の分配だけが問題。 S40 過剰米発生 S47 小売の新規参入の開始 S56 食管法改正 H2 自主流通米価格形成機構の成立と入札制度の導入 H5 米不作に伴う緊急輸入 H16新食糧法成立   販売が登録制から届出制となり自由化される 生産者 → jA等 →全農 →卸売業者 → 消費者     →   (庭先集荷)→卸売業者→     →  (     直売   )→ 平成26年 836万トンの消費。米の消費量の低下 毎年1%ずつ低下 1世帯2万5千円(年) 卸売業の動向 神明〜米卸売大手、元気寿司買収し川下に進出 卸が集荷業務に川上統合するケースなど、水平統合の動きが加速 小売業の動向 米殻小売店からスーパーなどの量販店にシフト。近年はネット販売も増加 運転資金〜販売先が量販店や外食・中食などだと売掛金が長期化する傾向あり 収益力は低位 小売〜量販店との差別化が図られているか 地域に親しまれる店作りがされているか トレーサビリティ、ISO、精米 *&anchor({農業簿記){農業簿記} 1.資産の部 ①生物   生物の減価償却はいつ行うかは、当該生物の成熟の時点から行う 乳牛:初産分娩時 乳牛以外の繁殖用家畜:初産のための種付け時 ぶどうなど果樹 収支相償う樹齢 間接法で減価償却を行う ②繰延生物 ばらの親株・採卵用鶏 減価償却は直接法を使う ③育成仮勘定 自己育成させた生物の取得かがくは、育成仮勘定を用いて、取得価額を集計する |育成仮勘定|480,000|育成振替高|480,000| 成熟した場合は生物に振り替える |生物|600,000|育成振替高|480,000| |^|^|育成振替高|120,000| 2.PL ①経営安定対策の補填金は特別利益に経営安定補填収入 収入保険 国庫補助相当分を収入保険補填収入 ②農業経営基盤強化準備金 原則はその他利益剰余金の区分における任意積立金として表示(剰余金処分経理方式) 固定負債の部における引当金として計上する方式いも認められている(損金経理方式) 損金経理で積み立てる場合 |農業経営基盤強化準備金繰入額|1,000,000||農業経営基盤強化準備金|1,000,000| 農業経営基盤強化準備金繰入額は特別損失として計上し、 取り崩す際は農業経営基盤強化準備金戻入額として特別利益に計上 ③生物売却収入:売り上げだかに表示 ④生物売却原価:売却直前の帳簿価格を振り替えて売上原価に表示 ⑤売上:作業受託収入、価格補填収入~農産畜物の価格差交付金、価格安定基金の補填金などの数量払交付金 ⑥営業収益 作付助成収入~面積払交付金 一般助成収入~中山間地域等直接支払い交付金 ⑦製造原価 材料費:種苗費、素畜費・肥料費、飼料費、農薬費、敷料費、諸材料費 飼料補填収入→飼料費の次行に控除する ⑧棚卸し:正しく期間損益を計算するために、期末に未販売あるいは未使用となっている棚卸資産を実地に確認して売上原価・製造原価から控除する手続き ⑨収穫基準:個人農業者のみ 仕訳 |農産物|500,000|期末農産物棚卸高|500,000| ⑩減価償却 減価償却資産の取得価額を一定の方法によって使用可能期間の各年分の費用として配分していく手続き 定額法・定率法 少額減価償却資産 10万円未満の特例~初年度に損金計上 一括償却資産( 20万円未満の損金算入 一括償却対象額×12/36 月割計算しなくてよい 少額減価償却資産の30万円未満の特例 中小企業者であること、青色申告していること。デメリットは固定資産税の対象となること 3.損益通算ー不動産所得・事業所得・土地建物を除く譲渡所得・山林所得の4つだけ 法人成りートラクター等の固定資産は譲渡(壊れる可能性があるため)、不動産は個人から法人に貸し付け(赤字になっても損益通算可能)するケースが多い。 令和2年譲渡→H27年取得までは短期譲渡 H26年長期譲渡 4.農業経営基盤強化準備金 ①農業経営改善計画記載の農業用固定資産を取得しなかったため圧縮記帳しなかった場合は、7年目に取り崩す必要がある ②対象者青色申告を行う認定農業者・認定新規就農者、人農地プランの中心経営体 ③譲渡所得にかかわる特別控除 ・特定土地区画整理事業、農用地利用規程による農地中間管理機構への譲渡 2000万円の特別控除 ・特定住宅地造成事業、農業経営基盤強化法に基づく農地中間管理機構による譲渡1,500万円の特別控除 ・農業委員会のあっせん、農地中間管理機構の譲渡、農地保有の合理化・農地利用集積計画による譲渡 800万円の特別控除 ④仕訳 損金経理 |農業経営基盤強化準備金繰入額|1,000,000||農業経営基盤強化準備金|1,000,000| 積立金経理方式 |繰越利益剰余金|1,000,000|農業経営基盤強化準備金|1,000,000| 直接減額方式 損金経理 |固定資産圧縮損|999,999|機械装置|999,999| 対象資産は農用地(農地・採草放牧地) 取り崩す場合 |農業経営基盤強化準備金|1,000,000||農業経営基盤強化準備金戻入額|1,000,000| 5.肉用牛免税 年間1,500頭まで免税対象飼育牛の売却について免税 家畜市場・中央卸売市場などで売却したもの 肉専用種は1頭100万円、F1は80万円、乳用種は50万円となる 所得税計算 個人は(①+②) ①(免税対象飼育⽜に該当しない特定の⾁⽤⽜の売却価額 +年間合計が1,500頭を超える免税対象飼育⽜の売却価額)×5% ② その年において特定の⾁⽤⽜に係る事業所得の⾦額がないものとみなして 計算した場合におけるその年分の総所得⾦額について計算した所得税相当額 農地所有適格法⼈の場合、免税対象飼育⽜の売却による利益の額とは、次の算式で表される 売却による利益= 免税対象飼育⽜に係る収益-(収益に係る原価+売却に係る経費) 6.収入保険 ①保険料・事務費支払 |共済掛金|100,000||普通預金|800,000| |経営保険積立金|700,000|||| ②保険金の見積もり計上 |未決算|20,000,000|収入保険補填収入|20,000,000| ③保険金の請求・通知 |未収入金|20,100,000|未決算|20,000,000| |||雑収入|100,000| ④保険金の入金 普通預金 |普通預金|23,100,000|未収入金|20,100,000| |||経営保険積立金|3,000,000| 7.従事分量配当 農事組合法人が、その組合員に対して事業に従事した程度に応じて分配する配当。 配当金額は配当計算の対象となった事業年度に損金参入する。 剰余金配当 |繰越利益剰余金|3,000,000|未払配当金|3,000,000| 8.消費税 (1)事業者免税点 2年前の売上高が1千万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除される 法人成りすると2年免税になるが、免税になる代わりに還付になる権利も放棄するので、個人から法人に譲渡が多い場合、必ずしも有利とは限らない (2)一般課税 一般課税納付税額=課税売上に係る消費税-課税仕入に係る消費税(実額) マイナスになれば還付を受ける (3)簡易課税 簡易課税納付税額=課税売上に係る消費税-課税売上に係る消費税×みなし仕入率 計算式上、還付は絶対に受けられない 9.贈与税 暦年課税又は相続時精算課税 相続時精算課税を一度選択すると、暦年課税に変更できない 農地の相続税猶予は受けられない 暦年贈与納付税額 =(課税価格- 基礎控除額 年110万円)× 超過累進税率 相続税精算課税(贈与者の相続時に精算) 納付税額 =(課税価格 -特別控除額 ※2,500万円)× 20% 10.相続税 ①株式評価 原則的評価方式 株式価額=算類似業種⽐準価額 ×L+ 1株当たりの 純資産価額 ×(1-L) 特例的評価方式(配当還元方式) 1年間受け取る配当の10%で還元して株価を算定 農事組合法人は純資産価額方式のみで、併用方式より高くなってしまう →株式会社に変えると、併用方式が使える ②贈与 法人からの贈与は時価との差額が一時所得となる 個人からの贈与は贈与税の対象 ③ 投資育成株式会社から取得する場合 個⼈の同族株主がアグリビジネス投資育成㈱から 譲り受けた場合には、原則的評価⽅式による評価額を 下回る価額であっても、 評価基準に基づいて個⼈が譲り受けた場合には⼀時所得課税は⽣じない &anchor(農地制度){農地制度} 農地~農作物栽培高度化施設も含む |農用地等|農用地(農地等)|農地| |||採草放牧地| ||混牧林地|| |~|農業用施設用地|~| 1a=100㎡=1畝 10a=1000㎡=1反 1ha=10,000㎡=1町=100a 昭和21年自作農創設特別措置法 昭和27年農地法制定~自作農主義、農地移動制限、農地転用制度 昭和37年農地法改正 昭和43年都市計画法 昭和44年農業振興地域の整備に関する法律(農振法) 平成5年農業経営基盤強化促進法~認定農業者(農業経営改善計画の認定制度)、農用地利用集積計画 平成21年農地法、基盤強化法改正 「耕作者主義」に転換、解除条件付き貸借による一般法人の農業参入 平成26年農地中間管理事業の推進に関する法律 農地中間管理機構を設立、農地利用配分計画を創設 平成28年農地法改正 農地所有適格法人に名称変更 農地所有適格法人の要件緩和 ① 農業者以外の構成員の議決権に関し、1/2未満を認める 平成30年農地法・基盤強化法改正 農作物高度化栽培施設の農地をコンクリート等で覆う行為の農地転用に該当しない 基盤強化法=共有不明のうちの農用地利用集積計画の同意手続きの特例 令和元年中間管理法・農地法・基盤強化法改正 農用地の借受と転貸とを一括して農用地利用集積計画で行える仕組み 利用状況報告の毎年の報告義務を廃止 農地制度の概要 農地法第2条の2 農地の権利を有する者の債務規定 「農地について、適正かつ効率的な利用を確保しなければならない」 所有権移転~法3条に基づき、農業委員会に許可申請書を提出し、許可を受ける必要がある 許可なしは無効 許可不要~土地収用、遺産分割・包括遺贈・相続人への特定贈与 農地権利取得の届け出制度 相続、時効取得等~届け出 法4条~自己所有農地を転用 法5条~他社所有農地を売買、賃借し転用 許可申請書を農業委員会経由して知事・指定市町村長の許可が必要 市街化区域内農地の転用は、農業委員会に届け出書を提出し、知事等許可は不要 基盤強化法 農地賃借・売買は市町村が農用地集積系かっくを作成し、農業委員会の決定を経て市町村が計画を公告する。農地法の許可は受けることなく効果がある 中間管理法 農用地等を借受け、借受希望者を募集し、市町村が農業委員会の意見を聞いて、農用地利用配分計画(案)を作成、農地中管理機構法が農用地利用配分計画を決定し、知事が認可・広告する 農振法 農用地区域=農振青地 それ以外=農振白地 農地の貸借・売買 農地法3条の許可要件 一般要件 1. 全部効率利用要件 農地等を含め、全て効率的に耕作すること 2.農地所有適格法人要件 法人に適用される 3.農作業常時従事要件 個人に適用される 原則的に農作業に年間150日以上従事する 4.下限面積要件 耕作する面積が都府県では50a、北海道では2ha以上 5.地域との調和要件 地域における農地等の効率的、総合的な利用が確保できること 解除条件付き貸借の条件 1.農地等を適正に利用していない場合に、賃借契約書に賃借を解除する条件が付されていること 2.地域との他の農業者と適切に役割分担して継続的安定的に経営すること。 3.法人の場合は業務を執行する役員または責任を有する使用人1人以上がその法人の行う耕作の事業に常時従事すること。 なお、毎事業年度終了後3か月以内に、許可を受けたスべえての農業委員会に農地等利用状況報告書を提出する必要がある 3.農地賃貸借の解約 期間満了の1年前から6か月前までに更新しない旨の通知をしなければ従前の賃貸借と同一条件でさらに賃貸借したものとみなされる。 ※ただし、この同一条件には特約がない限り期間が含まれない。 このため、更新してしまうと賃借人は永遠に借り続けることが出来てしまうために、地主は一旦通知をする必要がでてくる 当事者が農地等の賃貸借の解除、解約の申し入れ、更新拒絶の通知等をする場合は、都道府県知事の許可をうけなえればならない。 ただし、書面上明らかな合意解約、10年以上の定めがある場合の更新拒絶の通知等については知事許可不要。 農地権利移動の実態 売買(有償譲渡)→基盤強化法、中間管理法が多い これは特別控除が適用されるため 後継者、親族に対する無償譲渡・使用貸借→農地法 第三者に対する使用貸借・賃貸借→基盤強化法・中間管理法 これは農地法17条の自動更新が適用除外となるため 農地所有適格法人 1.法人形態要件 株式会社(株式譲渡制限) 合名会社 合資会社 合同会社 農事組合法人 2.事業要件 農業及び関連事業の売上高が過半 3.議決権要件 総議決権または総社員の過半は農地の権利提供者、農業従事者等 4.役員要件 過半のものが農業に常時従事する構成員 農地転用 1.立地基準 1~5種類 農用地区域内農地・甲種農地・第一種農地、第二種農地・第3種農地 2.一般基準 転用の確実性 転用後の周辺営農条件への影響審査 一時転用~砂利採取等 農地に関する税制 固定資産税 本則固定資産税評価額×1.4% 農地としての評価は売買実例価格×限界収益修正率0.55に際絵、負担調整措置が講じられた農地課税 おおむね千円/10a 市街化区域農地のうち、生産緑地地区指定農地は一般農地として扱われる 市街化区域農地のうち、一般市街化区域農地は宅地並み評価のうえ、一般農地同様の負担調整措置が適用された農地に準じた課税・・・数万円/10a 三大都市圏特定市街化区域農地は宅地並み評価 数十万円/10a 農地売却の税制 所得は分離課税、所得税・住民税が課される 5年以内は短期譲渡、長期譲渡 800万円の特別控除 農用地利用集積計画または農業委員会のあっせん 農地中間管理機構等に譲渡 1,500万円の特別控除 基盤強化法の買入協議により中間管理機構に譲渡 2,000万円 農用地利用規程に基づき中間管理機構に譲渡 不動産取得税 本則4% 登録免許税2% 農用地利用集積計画は 不動産取得税1/3控除 登録免許税は1% (令和3.3.31まで) 農地を相続した場合の課税の特例 (相続税納税猶予制度) 相続または遺贈により農地等を取得し、当該農地が引き続き農業、本来の相続っ税額のうち農業投資価格を超える部分に対応する相続税が、一定の要件をもとに納税が猶予される。 (相続人が死亡した場合に納税猶予が免除) 市街化区域外農地に限り、特定貸付を行った場合にも適用。 (基盤強化法・中間管理法による貸付) 贈与税納税猶予制度 農地の全部を後継者等推定相続人1人に一括して贈与 納税猶予を受けている農地を譲渡、貸付、転用、耕作放棄した場合、猶予税額を利子税加えて納付する必要ある 当該面積が20%超えた場合は猶予税額の全てを納付する必要がある。 &anchor(農業・農村構造と農業政策){農業・農村構造と農業政策} 1日本の農業政策と農業 ① 90年から日本農業の失われた20年 ② 保護農政・成長農政、その違いと論理 ③ 成長農政「攻めの農林水産業」 2.日本の農業・農村構造の特徴と今後の変化の方向 ①変わる農業・農村の構造と高まる大規模農家の算出シェア ② 農業生産性・所得拡大の可能性 ③ 農家の定義 3日本の農業のポテンシャルを高める ① EUの成熟先進国型農業を目指す ② フードバリューチェーン ③ フードチェーン(FVC)農業 1日本の農業政策と農業 1-190年から日本農業の失われた20年 (1)農産物輸出高 1位米国 2位オランダ、3位ドイツ 日本は51位 (2)農家比率 稲作は69%に対して、産出額比率は稲作17% (3)保護農政(戦後農政)の失敗 マーケットではなく政策で農産物価格を決定 輸出入に消極 1-2保護農政・成長農政、その違いと論理 保護農政~農協法・農地法・食管法 政官業のトライアングルによる保護 1-3成長農政「攻めの農林水産業」 (1)攻めの農林水産業(2013年) (2)TPP交渉参加 (3)生産調整の見直し (4)農協改革 「攻めの農林水産業」とは 1.需要フロンティアの拡大 オールジャパン、食文化、輸出体制 2.バリューチェーンの構築 6次産業化、A-FIVE、医福食農連携 3.生産現場の強化 農地中間管理機構の活用、農協改革 4.多面的機能の維持発揮 日本型直接支払制度の創設 農山漁村の活性化 「攻めの農林水産業」のKPI 1.需要フロンティアの拡大 2.フードバリューチェーンの構築 3.生産現場の強化 4.多面的機能の維持発揮 2.日本の農業・農村構造の特徴と今後の変化の方向 2-1変わる農業・農村の構造と高まる大規模農家の算出シェア 農村人口は年率0.5%ずつ減少 農業経営体数は農地解放618万→2020年108万→年6.3万減少し、2030年43万戸に 稲作農家は年5.4万減少、内訳は農家現状の86%が稲作農家、98%が小規模農家 小規模農家~一千万円未満 現状戸数割合88% 中規模農家~5千万円未満 10.6万戸 9.9% 大規模農家~5千万円以上 2.1万戸 1.9% (中+大=12.7万戸(11.8%) 2015年農業産出額8兆8千億円 算出額(2020年現状→10年後予想) 小規模農家~2割→1割 中規模農家~3割→2割 大規模農家~5割→7割 日本はフランス、ドイツに似た農業構造を経て、オランダに近づいていくのではないかと予想 ヨーロッパは小規模農家が減っても力がある成熟先進国である。 若手新規就農者が増える~2010年新規就農者は33.4万人55%、2020年15.7万人26% 新規就農者が年6万人程度、うち若手が2万人 若手は農家出身・非農家出身がほぼ半々 2-2農業生産性・所得拡大の可能性 大規模農家の生産性が5.72倍だとすると、もし2030年の大規模農家の算出シェアが7割強になったら、日本農業の生産性は4.2倍になる。 農業所得は2010年と比べて、1990年はほぼ1倍、2015年1.4倍、2020年1.8倍 2-3農家の定義 |>|農業経営体107万|自給的農家| |団体経営体|個人経営体|自給的農家| |/|販売農家102.8万戸|自給的農家72.0万戸| |/|>|農家174.7万戸| |>|農業経営体107万| |団体経営体|個人経営体| |個人経営体|自給的農家| |販売農家102.8万戸|自給的農家72.0万戸| |>|農家174.7万戸| 農業経営体 ・「効率的かつ安定的な農業経営」 ・従事者の年間労働時間が他産業と同等 ・一人当たりの生涯所得が他産業と遜色ない ・生産性の高い営農を行う 販売農家~30a以上または50万円以上 自給的農家~30a未満かつ50万円未満 農家~経営耕地面積10a以上または15万円以上 主業経営体 農業所得が50%以上で1年間に60日以上農業に従事している65歳未満の世帯がいる経営体 23万戸 準主業経営体 14.1万戸 副業的経営体 66.6万戸 認定農業者:農業経営改善計画を市町村に認定を受けた農家。 23万戸 基幹的農業従事者136.3万人 農業就農者 208万人、2020年160万人 3日本の農業のポテンシャルを高める 3-1EUの成熟先進国型農業を目指す (1)開発途上国型農業 自国の国民を養うことが第一 食糧問題が生じやすい。 トウモロコシ、大豆、小麦、鶏・豚、大豆油、菜種油、コーヒー、 (2)新大陸先進国型農業 新大陸諸国 過剰から輸出へ転換、輸出目的の農業 輸出品目~(1)に同じ (3)成熟先進国型農業 ヨーロッパ 付加価値の高い農産物で輸出力を持つ 豚、チーズ、ワイン、オリーブオイル、チョコレート、たばこ、ビールなど 原料農産物から食品加工へと高付加価値 ヨーロッパに対して、日本は全く伸びてない →日本は市場へのアクセス、商品開発・輸出に消極的な政策 マーケットインのシステムづくり 日本(かつてのオランダ)の流通市場 生産者→農協・出荷団体→卸売市場→小売・外食→消費者(単方向の物流) グリーナリーのフードチェーン(双方向の情報流) The Greenery~集荷・パッキング、輸出入を総合的に行う会社 生産者⇔Greenery(coforta) ⇔輸出・小売業者・外食業者→消費者 他産業との連携でノウハウを吸収 3-2フードバリューチェーン 農業生産9.27兆円 農林水産業12.8兆円 食品製造・外食含めるとエンドユーザー116.8兆円 3―3フードチェーン(FVC)農業 フードチェーンの最適化 マーケットニーズに合わせてボトルネックを最適化する 農業は誰でもできる→完全競争状態に陥る 完全競争状態を避けて、付加価値を高める→何らかの差別化を図る(農業は誰でもできるものではない!ものにする) バリューチェーンの最適化 吉野家・松屋 神明(コメ卸) 伊藤忠食糧 ヤマタネ

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