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金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス


金融機関のための農業経営・分析改善アドバイス



1.農業経営基盤強化準備金
(全額損金出来、解約でお金が戻る、倒産防止共済的なもの)
  • 実務的には負債の部に計上されていることが多い
  • 損金経理の方法か剰余金の処分の方法どちらか選ぶ

2.農業分野の経営指標
日本政策金融公庫農林水産事業 「農業経営動向分析の結果」
農業13種、地域別

3.売上高増減分析
売上高=売上数量×単価

(1)売上高の数量差異・単価差異の算出
前年~ 1,800俵×14,000円=25,200千円
当年~ 2,000俵×15,000円=30,000千円

数量差異 200×14,000円=2,800千円
単価差異2,000×1,000円=2,000千円


(2)数量差異を、面積差異と反収差異に分解
反収差異(単位面積当りの収穫量)~反収(俵/10a)とする

前年~反収8.0、面積225a
当年~反収8.8、面積227.273a

反収差異~(8.8-8)×227.273=181.818
面積差異~(227.273-225)×8=18.184

収支分岐点(別ページへのリンク)


[書評]最新農業の動向としくみがよ~くわかる本



図解入門業界研究
最新農業の動向としくみがよ~くわかる本
2018年4月 秀和システム

第一章
1942年食糧管理法(食管法)

生産米価の引き上げ 米価の逆ザヤによる財政赤字

1969年 次週流通米

1981年 食管法改正
コメの配給制・米殻通帳廃止

1993年 コメ不足によるコメの緊急輸入
ミニマムアクセス

1995年食糧法制定

自主流通米→県単位→全農

減反政策の見直し (2013年まで)
10アール当たり15千円
米平年価格を下回った場合の差額支払
2018年減反政策廃止

飼料米の転作奨励~10アール当たり80千円→10アール当たり105千円

転作奨励金制度の制定

市場開放圧力~日欧EPA、TPP11

第二章

生産資材価格の引き下げ
農協~肥料8割、機械6割のシェア
組合員に高い資材を押し付けてた?
全農改革の必要性
中間流通の合理化→生産者有利へ
米卸売業の淘汰
六次化
ICT
直販
土壌診断
原産地表示の導入

収入保険制度~農業共済とは別、8割まで保険方式、9割までプラス積立金で補填

土地改良・農地集約(農地中間管理機構)




3章
小麦~北海道7割
麺用小麦~きたほなみ、きたもえ
パン用小麦~キタノカオリ、ゆめちから、春よ恋、はるきらり
大豆~(道)ユキホマレ
納豆用(道)ユキシズカ、スズマル
枝豆(道)=サッポロミドリ(雪印)、サヤムスメ(雪印)、ユキムスメ(雪印)中札内「そのままえだ豆」

第四章
2015年 農薬 20万トン 4000億円
農薬メーカー →全農(40%)  → JA → 生産者
       →商社系(60%) →小売 →

高いが下がらない、ジェネリック農薬作る

肥料メーカー 輸入に頼る
飼料メーカー JA全農が 1/3のシェア
共同飼料・日本配合飼料が合併しフィードワン
伊藤忠飼料・中部飼料→みらい飼料

農機メーカー
クボタ 46%
ヤンマー25%(ションディア(米国))
井関農機31%

シェアリングリース~大型農機を3~4軒の農家で使い、リース会社が利用料を受け取る。

種苗メーカー
サカタのタネ
カネコ種苗
タキイ種苗
雪印種苗

5章
六次化産業
例~自作物のレストランなど
事業計画での認定メリット
無利子融資、補助金、A-fiveによるサブファンド出資など

農商工連携の例
旭川~ペポカボチャと焼き菓子
青森~寒冷地用低アミロース米「ゆきのはな」を使った冷凍押し寿司

第六章
農業金融
2015年5.1兆円 民間15%
日本公庫~「経営ビジョンシート」による事業性評価融資
Haccp導入のための設備投資

第7章
スマート農業
Gps 自動運転田植機
営農支援ツール「アグリノート」
全国デジタル土壌図
ドローンなど

食品加工技術
レトルト
野菜ペースト
ドライフルーツ
フレーバー
ジュースの濃縮

第8章
Gap
BSEと牛肉トレーサビリティ

第9章
中山間地域 ~集落営農 →人口流出で困難に
グリーンツーリズム
都市と農村の交流事業



稲作農業


第13次業種別審査事典 1001稲作農業

1.減反政策(生産調整)
  • 政策に対する意向はどうか?生産調整に従わないと補助金がもらえない。
  • 自主的取り組み、流通自由化への政策転換
H22 個別所得補償モデル事業
H23 農業戸別所得補償
H25 経営所得安定対策

同事業の「米の直接支払交付金」を活用するには、生産数量目標に即して生産する必要がある。

「転作作物」の助成⇒22年度から生産調整とは切り離される。

流通面~農協に出荷(販売委託)するケースが多い

2.近況等
米の作付面積160万HA下回る
10アール当たり536kg(H26)
1万2481円/60kg 参照:農水省(コメの相対取引価格)HP
ミニマムアクセス

3.補助金
(1)水田活用の直接支払交付金
飲料用・米粉用米 55~105千円/10a
(2)ナラシ対策
米・畑作物の収入減少影響緩和対策。加入の有無を確認する
(3)米の直接支払交付金(H30年廃止)

4.その他注意点
  • 水田購入は減価償却が効かないので購入費がそのまま長期借入金となっているケースが多い
  • 農業外の住宅ローン、自動車ローンの存在
  • 作業工程、作業機械
  • 日本公庫のスーパーL資金(長期運転資金・設備資金)



1a=100㎡
1ha=100アール=10,000㎡
1俵=60kg





参考
第13次業種別審査事典 1001稲作農業




米穀卸・小売業

1042 米穀卸・小売業
業種の歴史
S30 食糧管理法制度化の配給機構としての色合いが強く、品質より量の分配だけが問題。
S40 過剰米発生
S47 小売の新規参入の開始
S56 食管法改正
H2 自主流通米価格形成機構の成立と入札制度の導入
H5 米不作に伴う緊急輸入
H16新食糧法成立
  販売が登録制から届出制となり自由化される

生産者 → jA等 →全農 →卸売業者 → 消費者
    →   (庭先集荷)→卸売業者→
    →  (     直売   )→

平成26年 836万トンの消費。米の消費量の低下 毎年1%ずつ低下
1世帯2万5千円(年)

卸売業の動向
神明〜米卸売大手、元気寿司買収し川下に進出
卸が集荷業務に川上統合するケースなど、水平統合の動きが加速

小売業の動向
米殻小売店からスーパーなどの量販店にシフト。近年はネット販売も増加

運転資金〜販売先が量販店や外食・中食などだと売掛金が長期化する傾向あり
収益力は低位

小売〜量販店との差別化が図られているか
地域に親しまれる店作りがされているか
トレーサビリティ、ISO、精米

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最終更新:2022年05月15日 21:57