昭和九年警察操典

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昭和九年警察操典 - (2018/09/30 (日) 16:12:30) の編集履歴(バックアップ)


昭和九年改正警察操典と、昭和15年改正歩兵操典を並べてみました。ほとんど歩兵操典のパクリじゃないかと(笑)

ま、警察も国家に於ける暴力装置ですからねぇ。

歩兵操典はwar bard(http://www.warbirds.jp/sudo/infantry/souten_index.htm)から引用しました。

 

 

 

改正 警察操典 (昭和九年十月五日内務省訓令第十五号)

 

 

警察操典左の通り改正す

警察操典

 

  • 総則

 

第12

各個教練の目的は、兵を訓練して諸制式及び諸法則に習熟せしむると同時に、軍人精神を鍛え軍紀を練り、部隊教練の確乎たる基礎を作るに在り

 

 

第一条 教練の目的は、警察官吏を訓練して諸制式に習熟せしむると共に、堅固なる警察精神を涵養し体力気力を鍛ひ同時に規律厳正なる警察力を練成しその団体行動を敏活適正ならしめ以て警察諸般の要求に適応せしむるに在り

 

第二条 警察署長及警察官吏の教養を掌る官衙又は部署の長は操典を遵守して能く部下及生徒を教育し教練の目的を達すべき責任を有す

本庁勤務の警察官吏の教練に付ては警察部長(警視庁に在りては警務部長)其の責に任ず

 

 

第10

教練を行なうには先ず目的を定め計画及び実行をして之に副わしむ。特に戦闘教練に在りては、現地に就き勉めて周到なる準備を整え、常に実戦の光景及び感想を現し、其の経過を過早ならしむべからず

 

 

第三条 教練は順序を逐ひて之を行ひ其の経過を急遽ならしむべからず之が実施に方りては常に熱心懇切事に従ひ且些末の事項と雖も苟も紀律に関するものは決して之を等閑に附すべからず

 

 

 

第13

各個教練を行なうに方りては、兵をして其の目的及び精神を会得し、之を実施の上に現さしむること緊要なり
兵教育の要は巧妙にあらずして熟練に在り。熟練は教育の懇篤適切なると、復習を厭わざるとに依りて得らるるものとす

 

第四条 教練を行なうに際しては部下に其の目的及び精神を説明し其の心得べき要点を会得せしめ之を実施の上に現さしむること緊要なり

 

第五条教練の要は巧妙にあらずして熟練に在り。熟練は教育の懇切なると、復習を厭わざるとに依りて得らるるものとなり故に教練は絶えず之を行ふを必要とす

 

第六条指揮官其の他の幹部は常に指揮能力の練成に努め特に其の態度及び服装を正しくし活発厳正なる動作の模範を示すことに努むるべし

 

第9

号令及び命令は、堅確なる決意、厳粛なる態度を以って下すべし。而して、号令は明快なる音調を以って発唱し、命令は簡明確切にして下達迅速なるを要す。之が為、命令には勉めて号令詞を用うるを便とす
号令中、予令は明瞭に長く、動令は活発に短く発唱す。記号、若しくは号音を以って、号令、命令に代うることあり
指揮官は状況に応じて下すべき号令及び命令の徹底、ならびに記号に依る指揮につき常に練磨して熟達せざるべからず。而して、号令及び命令の下達後は、之が実行を確認するを要す

 

第七条

指揮官の意図は号令若しくは命令に依り告達す

号令及び命令は、堅確なる決意、厳粛なる態度を以って下すべし。

号令は明快なる音調を以って発唱し、命令は簡明確切なるを要す。

号令を予令及動令に分つべき場合に於いては予令は明瞭に長く、動令は活発に短く発唱し其の間適当なる時間を存すべし

 

第八条

指揮官部隊は指揮するに方り抜刀せざるものとす

 

第九条

指揮官及び小隊長以上の幹部は部下の注意を喚起する為特に必要ある場合に於ては警笛又は左の信号を用ふることを得

 

前進 右手を高く上げ、次で之を進むべき方向に伸す

停止 右手を高く上げ直ちに下ろす

駈歩 前進の記号を迅速に数回連続す

 

 

第12

各個教練の目的は、兵を訓練して諸制式及び諸法則に習熟せしむると同時に、軍人精神を鍛え軍紀を練り、部隊教練の確乎たる基礎を作るに在り

 

 

  • 各個教練

第十条 各個教練の目的は、警察官吏を訓練して諸制式及び諸法則に習熟せしむると同時に、警察精神を鍛え紀律を練り、部隊教練の確乎たる基礎を作るに在り

 

第十一条

各個教練に於いて生じたる弊習は常に固著して之を除去することを難く各個教練の不完全は部隊教練に於いて補ふこと亦難し故に各個教練は綿密厳格に之を行ひ必要ある場合に於ては其の動作を分ちて丁寧懇切に説明し反復練習することを要す

 

第一篇 各個教練

第一章 基本

第一節 不動の姿勢、右(左)向、半右(左)向、後向

  1. 第15

不動の姿勢は軍人基本の姿勢なり。故に、常に軍人精神、内に充溢し外厳粛端正ならざるべからず
不動の姿勢を取らしむるには左の号令を下す

  • 気ヲ着ケ

両踵を一線上に揃えて着け、両足は約60度に開きて斉しく外に向け、両膝は凝らずして伸ばし、上体を正しく腰の上に落ち着け、背を伸ばし少しく前に傾け、両肩を稍々後ろに引き一様に下げ、右手にて銃を握り、左臂(うで)を自然に垂れ(徒手に在りては両臂を自然に垂れ掌を股に接す)、指は軽く伸ばして並べ、中指を概ね袴(こ)の縫目に当て、頸及び頭を真直ぐに保ち、口を閉じ、眼を正しく開き前方を直視す
銃を握るには腕関節(てくび)を稍々前に出し、銃身を拇指(おやゆび)と食指(ひとさしゆび)との間に置き、他の指は食指と共に閉じ、軽く屈めて銃床に添う。銃口は右臂より約10糎離し、銃身を後ろにし、床尾踵(しょうびしょう)を右足尖の傍に置き、銃身を概ね垂直に保つ
軽機関銃を持つときに在りては右手にて脚桿(きゃくかん)を併せ握る
擲弾筒を持つときに在りては、右手にて筒口を前にし、転輪を上にして柄桿(へいかん)上部を握り、筒身を概ね水平にす

  1. 第16

休憩せしむるには左の号令を下す

  • 休メ

先ず左足を出し、爾後片足を旧の所に置き、その場に立ちて休憩す。此の際、照星を擦らざる如く銃を保つ。休憩中、許可なく話すことを禁ず

  1. 第17

右(左)向、又は半右(左)向を為さしむるには左の号令を下す

  • 右(左)向ケ 右(左) 又は 半右(左)向ケ 右(左)(なかばみぎ(ひだり)むけ みぎ(ひだり))

右手にて銃を少しく上げ腰に支え、左踵にて90度、又は45度右(左)に向き、銃を静かに下ろす
後向を為さしめるには左の号令を下す

  • 廻レ 右

右手にて銃を少しく上げ腰に支え、右足を其の方向に引き、足尖を僅かに左踵より離し、両踵にて後ろに廻り、右踵を左踵に引きつけ、銃を静かに下ろす
軽機関銃を持つときに在りては、予令に依り左手にて銃口の下を握り、動令に依り両手にて銃を少しく上げ、小銃を持つときの如く動作したる後、左手を旧に復す

 

不動の姿勢

第十二条

不動の姿勢は教練に於ける基本の姿勢なり。警察精神内に充溢し外厳粛端正ならざるべからず

 

第十三条

不動の姿勢を取らしむるには左の号令を下す

  気ヲ着ケ

両踵を一線上に揃えて着け、両足は約60度に開きて斉しく外に向け、両膝は凝らずして伸ばし、上体は正しく腰の上に落ち着け、背を伸ばし且少しく前に傾け、両肩を稍々後ろに引き一様に之を下げ、両臂(うで)を自然に垂れ右掌を股に接し、指は軽く伸ばして之を並べ、中指を概ね袴(こ)の縫目に当て、左手掌は指を軽く伸ばして之を並べ、刀柄を左脇下前に出して刀柄を押へ頚及頭を真直に保ち口を閉じ両眼を正しく之を開き前の方を直視す