異世界の大ゲート間の移動が解放される《奇跡の刻》
それに合わせて異世界各国で開催される祭の様子などをフリーダムに伝えます
イストモスでの競技大会や異世界から地球サイドに来た異種族さんの様子etcetc…
※過剰なdisや行き過ぎた擁護は控えましょう。ルールとマナーを守ってE&E!
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【イストモス】
【】
【ラタ内殻】
ここ三日四日内に開催されると噂されているレースに向けてあちこちで“仕込み”も完成間近
盛大に星の降る夜来るという星の使いの言葉はかつての星騎士ラタへの挑戦に道開くレースに相応しい“時”を知らしめた
走る権利は万人にある。ただ一つ、合図をラタの外で聞き走り出せばよい
【ラタリンピック・アーツ競技場】
如何にも歴戦の猛者然とした
オーガが肉体ぶつかり合うアーツ競技場にやってくる
まさかあれが出場するのか?!と参加登録を済ませた面々がぎょっとする
ラウダフル「団旗は持って来てはいないが流石に団長が出るというのは何かとまずいだろう。見たところ甲板で海に落ちないように組み合う船リングに似ているな」
決められた円周の中で無手で対峙し戦法を問わず相手の膝から下を地につけると勝利という単純明快なアーツ競技
ラウダフル「よし、これならお前にもできるだろう?出てみるか、ヤンソン」
ヤンソン「おれ?」
ラウダフルよりも一回り、胴回りで見れば三回りは大きいトロールがきょとんとした表情で自分を指す
【東の港町に続く街道】
『大門祭だよ
ゲートのあるラタで歌とか音楽とか募集しているよー』
『ラタでは毎日あちこちで舞台が開かれてるんだよー』
『誰でも参加できるんだよー』
街道を行き交う乗用動物の間を風精霊たちが風のうわさと共に吹き抜けていく
「姉さま姉さま、今のを聞きましたですか?」
「しっかり聞こえたよ妹。 主さま主さま、どうなさいますか?」
軽装に小ぶりな武器をさげ楽器箱を背負った狗人の姉妹。一緒に荷台で揺れる
ケンタウロスの少女に問いかける
毛々馬が牽く荷馬車の行き先は東
イストモスの草原にて氏族キャラバンの多く集う星草の湖駅
肩にかかる三つ編みを数秒指に絡めて思案していたケンタウロスがすっくと立ち上がり車主に下車の旨を伝え降りる
街道の端を少し歩く三人。遠くからやって来る大きな蟹がシャカシャカと牽く大型客車を見つけたケンタウロスが両手を振って乗車を願った
「主さま主さま、色んな氏族やケルピーとの特訓の成果を試すのですね」
「姉さま姉さま、私たちも上達した演奏を頑張るのですね」
少女達の視線はもうすでにイストモスの中央、ラタへと向いていた
【星空のどこか】
光の粒子が寄り集まってケンタウルスの姿になる
???「ふあぁぁ~、よー寝たのー」
太い四肢、出た腹、伸ばし放題でゴワゴワな白髭と白髪、お世辞にも整っているとは言いがたい顔、鼻の上には自己主張の激しい角、ずんぐりむっくりな体に毛は少ない
???「何じゃい、騒がしい。どっこらせっ、と」
小汚ないケンタウルスが下界を覗きこむ。
???「えらい人が集まっとるのー。祭りかいな。おー、懐かしい匂いがするやん。ガルパオやな。どれどれ…」
胃袋を刺激する香りに鼻孔をくすぐられラタへと引き寄せられていく
???「おーおーおー!カワイコちゃんがよーけ!」
だが鼻息を荒くしたのは各国から訪れた女性客にだった
???「こうしちゃおれん、降りよ」
【ラタ東側入り口の門】
「ただならぬ気配に引き寄せられてやってきてみたものの…なんでしょうこの『モグタイ』という競技は?!」
ふくよかな
エルフは配られているラタリンピックの紹介チラシを見てふっくらとしたほっぺをわなわなと揺らしている
「モグタイにもガルパオにも罪はありません…悪いのは
オークです!これは参加せねばなりません!」
「うーん、本当にエルフさんは思考が変わってるなぁ」
ふくよかなエルフがのっしのっしと進む後ろを大きなリュックを担ぎそれに乗るサボテンを伴うオークの青年が続いてラタへと入っていった
【ラタ外縁街・東側】
優衣「隠し芸大会面白かったねー。夜中もあちこちで催し物があって楽しいお祭り!」
アデーレ「ユイ、もうすぐ夜明けだからどこかで宿を取らないと」
優衣「東は綺麗な生地装飾の陣宿が目玉ってパンフに書いてる、どこか寝床の広い宿ないかなっ」
アデーレ「陣宿は遮音の面で、その、ちょっと」
優衣「ぐぐっと声出すのを我慢すればいいんだよっ!ヌェヘヘヘ」
【モグタイ競技場併設ガルパオ調理場】
嵐のように食べ消えていくガルパオを賄うべく大勢の料理人がぐつぐつと焼き石窯で熱せられる鉄鍋に思い思いのガルパオを盛り込んでいく
狗人係員「あつあつあつつっ!では持っていきまっす」
狗人係員「それにしても物凄い食いっぷりだ、いくら作っても片端から平らげられる」
狗人係員「東西から集めた食材だけじゃ三日ともたなかっただろうなコレ」
狗人係員「あちこちの商人が沢山の食材を提供してくれているんだとさ。闇精霊の室で保存もばっちりってさ」
狗人係員「協力の対価に競技場あちこちの垂れ幕や道具に商店商会の名や紋を描き入れることが出来るんだとさ」
狗人係員「鉄鍋の猫だ魚だ鷲だと彫り込まれているのもそうってことか。イストモスもあれこれ考える様になったもんだ」
【ラタ郊外:草原射的競技場】
タァーン タァーン
射場からは豆粒ほどにしか視認できない木盾が割れる。次いで狼煙が上がり命中を報せる
どうだと顔で主張する軽装革鎧の狗人。しかし周囲はしんとしている
「どうもイェゾの外はゆるくてかなわぬな」「緊張感が薄まれば甘くなるのは仕方なし」
溜め息と共に古風漂う鉄板と布袴姿の狗人が二人、これまた古の空気を纏う鉄、火縄銃を担いで現れる
息を吸うように流れる所作ですぅっとしゃがみながら銃を構える。火精の媒種がちりちりと焦げる匂い
ッタァーーン ッタァーーン
くるりっ 狗人は振り返る
「常に己の限界を一歩越える目標を立て精進すべし」「今に満足しては先は永遠の霧中ぞ」
そして狼煙が二筋立つ。先に見える丘の向こう、山肌より
【ラタ城塞旧兵舎・現ラタリンピック選手食堂】
「やいやいやい!これっぽっちのスープで1500ルーメンだと!?ぼったくりじゃねえか!」
湯飲みサイズの器をわなわなと震わせる地球人。
「あー、違うんだよ。ホラ」
宥める狗人がテーブルを指差す。
次から次へと星竹で編まれた笊に乗った太ちぢれ麺の大山が運ばれてきて、選手たちは一心不乱に麺を手繰る。
「食べ放題だよ」
「はい?」
ドロリとしたスープに浸された麺が滝を巻き戻すように啜られていく。
異様な空気に支配された、さしずめ逆ナイアガラ。
「付け合わせは別料金だからね」
呆然とする人間を尻目に狗人は身の丈以上に麺が盛られた笊を担いで仕事に戻っていった。
【ラタリンピック会場】
「モグタイ用の鉄丼届きました~」
「ガルパオの食材ももう少しで揃いますね。仕込みの方も進めていきましょうか」
さながら青天炊き出し場の様相になったモグタイ会場には、山ほどのガルパオを調理するためにイストモス以外の料理人も集まっている
「お腹がぐぅと鳴ってしまいます」
「マリアンヌ様、つまみ食いなどなさらぬように」
「ちょっとだけも?」
「いけません」
【ラタ郊外:屋外劇場】
大ゲート祭のためにラタ外殻からすぐの草原に建てられた劇場。祭初日から様々な催しが開かれ昼夜通して人が集まる
今宵開かれているのは城塞都市の名の由来となった星騎士ラタの物語
「私は確かに勝利しました!しかし私はどちらの氏族の出でもありません。これからは互いに手を取り合ってこの地で生きていきましょう!」
「何を世迷言を!所詮余所者、勝負のやり直しを要求するッ!」
「往生際が悪いぞ!少女だからと侮りすぐに勝負を受けたのはヘルデン氏族の方ではないか!」
激しい一騎打ちを終えた二人を余所に周囲の声はどんどん強くなる
「分かりました!良いでしょう!文句がある方はいつでも勝負を申し込んで下さい!日に三度まで受けましょう!」
『こうしてラタは数多の戦いに勝利し万人に認められたのでした。そんな彼女の平和への願いを皆は聞き入れ、この地と民は新たな一歩を踏み出したのでした』
星空を震わせるほどの拍手喝采。幕はするすると下りる
いそいそと裏方達が次の演目の準備を始める
「本当に迫真の演技ですねー。目の前に景色が広がってきましたよ」
「あぁ君は臨時雇いだから知らないのか。…あの人は本人様だから」
「えっ?!本人って400年も前の人なんですよね??」
「今年は何か星神様の助けということで降りてきて下さってるんだ」
驚く獣人の足元を小荷物を担いだ星のような光る何かがあっちこっちへと往復している
【一週間前・ラタ大ゲート祭総合受付所前】
ラニ「ふんふんふふーん。一番に出店の申請をして最高の場所を取るんだもんねっと…まだ“受付準備中”の看板が出てる」
カナヘビ「じゃあこの酒樽積んだ荷車はどこに持ってっとけばいいんだ? あと、受付所前に変なテントあるぞ」
ラニ「ん?んん?“大延一番犬塚飯店”ってでかでかと書いてます。…ひょっとしたら」
テントの前を何気なく通り過ぎる振りをして横目でテントを見たラニ
そこにはまな板の上でぐったりした魚のような目をした狐人と狸人が乾物をかじっていた
ラニ「まさかの場所取りに先人が!しかしこのなんというかその…狂気!」
【ラタリンピック会場】
マリアンヌ「私は競技に参加してはいけませんのでしょうか?」
ポルスレーヌ「モグタイへの参加は絶対に無理とブレソール卿も仰っていたではありませんか」
マリアンヌ「どうしても駄目でしょうか?」
ポルスレーヌ「駄目でしょう」
【オルニト】
【】
【とある図書館の前】
管理人「
オルニトの図書館もえらく人がやって来るようになったもんだ」
管理人「大ゲート祭ともなるとあっちの世界からも沢山やってきますしね」
管理人「しかしそうなると図書館内での遭難事故なども増加してしまうんですけども、今年は一味違いますぞ」
管理人「図書館に入るから事故が起こる!」管理人「ならば入らなければいいんじゃない?」管理人「しかしそれでは本が読めぬ」
管理人「「「ということで図書館の前に写本館を建てました」」」
写本館では図書館に入り様々な書を開き無事生還し記憶もある程度維持している者に対して管理人が依頼して写本を製作してもらっている
多少は元の書と内容は違うかも知れないが、実際読んだことのない人にとってはそんなことはわからんちん
ヒロト「いやいや…割の良いバイトがオルニトにありますよと紹介されて来たら一日中写本とか予想外も斜め上ですよ」
トガリ「ヒロト、字が汚いぞ。それでは読む人が困る」
ヒロト「いやぁトガリさんチェックが厳しい」
ディエル「あーあそこで読んだのどんな内容だっけか…赤い氷の、うんまぁざっくり行こうざっくり」
毛玉「ウニャス」
【蜥蜴牧場】
サバーニャ「シメた分から蜥蜴肉はどんどん出荷していくにゃ。鮮度が命にゃ」
ディエル「はいよっはいよっ。っとこのでっけぇのは何等分かに切り分けるか。分けたのはかっちんこちんに凍らせるんだぞ」
毛玉『ウニャ』
ディエル「今回の試練はヒャッハーで押し寄せる蜥蜴の群れ退治と肉処理ってな。うーん、血抜きって思ってたより難しいな」
サバーニャ「もう少しで今回出荷分はしまいにゃ。終わったら皆に
新天地風蜥蜴肉料理を振舞うにゃ」
シメイ「蜥蜴肉は薬味を加える前に棍棒で叩いておくとよく馴染むんだ。フンッフンッフンッ」
【オルニトゲート周辺:屋台列】
「今日もいっぱい空から人が降ってくるね」
「降ってくるねー。お祭りが始まってから毎日だね」
「串焼けたよ」
「焼けましたー」
【((@)】
~~三(((@)
(@))))三三~
三(@)三
そしてどこかでだれかがとばされる
【マセ・バズーク】
【】
【大ゲートから虫バスで10分!ディルカパーク】
様々な建材を担いだ建築蟲人が通り過ぎることもあるパークは現在進行形で拡張工事中
電波塔の如く聳え立つ七色の光閃が走る石碑を中心に色んな施設が拡がり並ぶ
施設の入り口にて発光するバイザーを渡され装着し席に座ると…
『よーこそおいで下さいました!これから皆様と一緒に
マセ・バズークの歴史をめくるめくライドしていきたいと思いまーす』
陽気なアナウンスと共に視界が開け、荒野に突如巨大なモノリスが降り立ったかと思えば地より大量の水が噴出する
観客達は気付くと巨大な蟹の背中に乗っていた
『それではールミナス号…レッツゴー!』
【大ゲート周辺:御土産店列】
世界交流が始まって幾十年、異種族も人間との交渉に理解を深めている
「出)高栄養価ブロック食品」
「求)地球産甘味物」
「需要と供給」
「365日以前よりも高成果」
「甘味」
「甘味」
【エリスタリア】
【】
【世界樹の森:種の創造洞】
「国と上層の全面的にして無条件の帰参受け入れの準備、という噂を方々から流したのですけれど…今年もやってきませんでしたか残念残念」
暗い樹木の中。様々なエルフ種が創造される房が並ぶ中で
エリスタリア全土の様子を確認しながらため息をつくエルフの影
「手先はこそこそとやってきては色々と探っているようですけれど…流石にそろそろこの繰り返しにも飽きましたね」
一際豪勢で煌びやかだが中は空の琥珀の房。丹精を込めて製造したのであろうそれを眺めて影は口端を吊り上げるのだった
【秋季領ゲート付近 エルフ接客大講習会】
運営
ホビット職員「おお…本当に人が沢山集まってる」
ホビット職員「主に接客を中心とした業種、それに従事するエルフ達にその道の玄人さん達が講義実演する。傍から聞くと何だそれはというイベントなんですけど」
ホビット職員「報酬は講習で作ったものなどとエルフとへ学ばせ上達させる喜びとか、ぼったくりもいいとこなんですけど」
ホビット職員「喫茶に小売り販売に調理製造まで…どの講習会も満員御礼ですよ!これでエルフ達のレベルアップも間違いなしですね!」
ホビット責任者「それもこれも地球へ渡ったエルフ達の活躍の賜物だぁ。 …余程『何とかしてやらねばいかん』と思われたんだろうなぁ」
【ミズハミシマ】
【】
【ゲート近くの港町】
「暴れハイエスが出たぞー!」「大通りに向かって走って行った!」「鼻の中を虫に刺されたって?!」
叫び声に反応した屈強な蜥蜴人は買い物も放り投げ急いで大通りへと走る
「翁!お二方、大丈夫ですか?!」
亀の様な竜人の老人と蜥蜴人の和装少女を庇う様に固まっているカメラを提げた人間青年。その背後向こうにはひっくり返ったハイエスが一頭
「私達は何ともなかったんですけど…セージさんがショックで固まってしまいまして」
「一体何があったんです?ハイエスが暴れていたのでは?」
「ふぅむ。突進してきたハイエスの前に飛び出した影が音もなく投げ飛ばしたんじゃ」
「なんと!あのハイエスを… してその御仁は何処へ?」
辺りを見回してもそれらしい影は見当たらなかった
「困り顔と頭に被った逆さ盃が印象に残る獣人様でした。 一言、「すもうをとりにいすともすにいくんです」とだけおっしゃってました」
【ミズハゲート関所】
士族「すまないが身分証を改めさせてもらいますよ」
え?何かあったんですか?
士族「ちょいとばかし気になることがあってねぇ。旅人さん、あんた名前はトモハラっていうそうじゃねえか」
はあ、確かに友原ですが
士族「詮議がいるなぁ。そこの番屋まで来てもらおうか」
え?え?
士族「恨むんならおたくの国の重罪人を恨みねぇ。おめえら引っ立てろぃ!」
「「「へい!」」」
うわっ、ちょっと!横暴だー!?
【港町:乗用獣乗り場】
「今年も祭りの客で盛況だなぁ」
「昨日もあちこちを何往復もしたからな。乗り手を増やしたは良いが獣の数がおっつかないってな」
『そう言ってる内に来たのだわ。方々に声を飛ばしておいた甲斐があったのだわ』
急に海面がぶくぶくざわざわと騒がしくなったと思えば、次々と海豹の様で短い翼と鰭とも鶏冠とも見える頭頂を備えた羽毛竜が飛び出してくる
だわ だわ だわわ なのだわ だわ だわ
あっという間に乗り場が羽毛竜に埋め尽くされる
「こりゃあ想像以上に集まったもんだ…しっかしだわだわうるさいぞ!」
【ミズハミシマ幕府直轄界門関所総監督所】
「今年はずいぶんと人の往き来が多いな」
「はっ、昨年に比べましても三割ほど上回っておりまする」
「…わかっておろうな?」
「心得て御座います。例年通り、手配書と各所への圧力は既に」
「手ぬるいな」
「……」
鯰の一言に役人が凍りつく。
「あの者に同情的な意見が増えていると聞き及んでおるぞ?しかも肩入れする者まで現れた、と」
「そ、それは、ただの噂では」
「このワシを誰と心得る」
「……も、申し訳ありませんでした」
「分かればよい。些末な讒言に惑わされるな。如何な事があろうと奴は日本と我が国を混乱せしめた者の身内。かような輩が水喰島の水を吸ってよいはずがない」
「仰るとおりにござまする!」
「彼奴はまたこの祭りに乗じて門を越えようとしておるに違いない。許されぬことだ……。ワシの名を使ってもかまわん。何なら援助もしよう。確実に勤めあげよ」
「ははぁっ!!」
【ラ・ムール】
【】
【王都】
大ゲート祭の真っ最中、ゲートのある廃神殿より大勢の観光客が毎日押し寄せてくる
ともなると、あちこちでもめ事が発生するのも自然の成り行きというもの
「ひったくりをとっ捕まえてくれてありがとうございます。この工具バッグがなかったら羽をもがれたワイバーンになってた」
「うむ。
ノーム他小人種はスリやひったくりに狙われやすいからな。周囲には注意を、犯罪に出会ったら笛を、だ」
イケメンなパンダのようなパンダがノーム女性にバッグを渡す。もう片方の腕でがっちりとひったくりを捕らえて
「ユッコユッコ~、はぁはぁ…いくら大事なバッグだからって一人で走っていったら危ないじゃない…ってパンダ!」
「すまんすまん。異世界用に作っておいた精霊駆動のローラーシューズの加速力にはみよっちでは追いつけないのは当然か。
バッグの方はこの親切なパンダさんに取り返してもらったよ」
「それでは良い旅を」
のっしのっしと歩いたかと思えばとうっと空へ跳び消えたパンダ
「
ラ・ムールからの留学生が話してたけど、ほんとにいたんだ正義のヒーロ・パン・ダー!」
「口の中に何かがチラっと見えたんだが…深く考えるのはやめておこう」
【王都の大通り】
大ゲート祭ということもあってか王都はいつもより大勢の観光客で賑わっている
「お茶はどうですかにゃ~あったかいものからくーるなものまで色々取り揃えておりますにゃ~。カレーもお出ししてますにゃ~」
行き交う観光客への呼び込みも平時より倍増しで活気付いている
「お茶とお食事以外にも何か売りがあればもっとお客さんが来てくれそうなのににゃぁ。…はっ!店の二階を整理して宿泊や休憩できるようにするとかどうかにゃ」
一人で思案し思いつき、持った試飲茶をぱっと落としそうになってキャッチした猫人は急いで店に戻っていった
「店長店長~良いあいであを思い付いたのですにゃ~」
【蜃気楼王墓】
ぽこっと開いたゲートから、ぽとりと人影ひとつ。
???「ふニャあ!? え? え? 何? どこ此処!? 何コレ? また中近東の紛争地帯? ってか私昼休みの真っ最中だったんですけどぉ!」
???「此処はラ・ムール、カー・ラ・ムールにしか訪れる事の出来ない特別な墓標に御座います」
???「はぁぁぁぁ!? 何でまたそんなトコに飛ばしてくれちゃってんのぉ!? 午後の授業どうすんのよぉ!」
???「これも試練にございますれば。 さらに申しますと、今は2018年6月に御座いますれば」
???「・・・え? 何? 80年前? ちょっとぉ~・・・もう勘弁してよぉ・・・」
【大延国】
【】
【塞王前:戦場】
「誰でもいい!俺とタイマンしてくれぇえーーっっ!!」
大延軍と南蛮軍の戦いは陣形も組めぬほどの乱戦に突入。そんな中で銅鑼の音より激しく大きく叫ぶ声
「誰かいないか?!俺と ──
「煩い!黙れ!ここを何処だと思ってる!訳の分らん吠え声をやめろ!」
突如男の眼前に投げ突き刺さる巨大な戟。そして突進してくる巨大な象人
戟が兵の波を裂き空白地帯を生み出し二人を対峙させる
「一対一?戦気を乱すにも程があるわ!一撃で叩き潰してくれる!」
「ありがてぇ!こいつは戦り甲斐のあるデカブツだ、力の肥やしにゃ度が過ぎるかもしれねぇが! よぉし、俺の名前は武力一 ──
「黙れ。生き残れば聞いてやる! ぬぅぉおおおぁっっ!!」
【塞王前線防壁】
獅子人剣兵「世の中じゃ大ゲート祭で賑わっているってのに今日も塀の上ってなぁ。今年も大食祭には行けそうもねぇや」
鼬人弓兵「塞王で務めるってのはそういうもんだろ?南蛮の奴らは祭りも平時も関係なしに攻めてくるんだから仕方ない」
獅子人剣兵「分かっちゃいるがよ、後二年の任期がずっとこんな感じだと思っちまうとよぉ~。気のせいか交代要員の数も減って番の時間も長くなってねぇか?」
鼬人弓兵「給金は良いんだから我慢だろ。 しかし、防人の数が減ってるのは事実だな。都からの補充も年々明らかに少なくなってる」
獅子人剣兵「おいおい簡便してくれよぉ、俺ぁ二日連続で徹夜番して慰問の歌舞台を見逃してるってのにもっと忙しくなるってのかぁ?」
鼬人弓兵「いや、それには都も対応策として大々的に国軍以外からの兵士登用を始めたんだとさ。他国の傭兵やらを期間雇いとしてな」
獅子人剣兵「へぇ。しかしよ、国軍として訓練していない連中は陣形や指揮連携が満足に出来ないんじゃないか?」
鼬人弓兵「そこまでは私も分からんね。さてさてどうなることやら」
【門市城から都までの水路】
長牙「羽振りの良い急募と聞いて雇われてみたものの…っととと、流れが穏やかでも操船は一朝一夕とはいかねぇや」
河渡し「大祭りで客も倍どころじゃないかんな。皆気張ってくれよ」
河渡し「そういや昨日は大泥魚が出たんだって?あいつら地中を進んでくっからいきなりなんだよなぁ」
長牙「おいおい大丈夫なのか?丘の上なら腕の自信はあるが船上だとそこまででもないぞ」
河渡し「大丈夫さぁ。水路運航を大々的に始める前に市城の公主が灰河伯と話をして安全は十二分にってな」
河渡し「そういや昨日も河の娘っこが大立ち回りしてたってな」
長牙「へぇ、そいつぁちょいと興味あるな。一目見てみたいもんだ」
【クルスベルグ】
【】
【ゲートのある山中町:バザー会場】
「きのこっ!きのこっ!おいしくてめずらしいきのこですよー!」
「お姉ちゃん、お客さんを集めるのはいいけど売るのも手伝って」
ノームの少女が先陣を切って元気よく声を発する後ろでは人間の少女、獣人の子供達が大勢の客の相手をしながらキノコを袋に詰め込んでいる
「せいこうのひけつはてきざいてきしょなの!わたしのやくめはおきゃくさんをあつめることなんだよ!」
困り顔で会計に追われる人間の少女にコボルトの子供がポンポンと肩を叩いて励ます
深くかぶったフードから少し覗くコボルトの顔は微笑んでいた
【建材工房】
大ゲート祭がいよいよ始まったというのに正に大仕事の真っ最中という様相の工房
「親方ァ!最後の鋼瓦が出来揃いましたぜ!」
「よっしゃ!これで先にラタに送った分と合わせて注文は全部だな!大ゲート祭のゲート自由通過を使って一気にラタまで運んじまうぞ!」
「しっかし親方ァ、運賃のかかる重量物だから最後なのは分かりやすが、こんな頑丈な屋根材なんてイストモスにゃ必要あるんですかい?」
「何でも祭りの催しで世界中から集まった連中がラタ中の屋根という屋根を走るんだとよ。なもんでその前に屋根を補強しておこうって話らしい」
「ふぅん、へんてこな催しがあるもんだ」
【ドニー・ドニー】
【】
【デジマ・フタバ亭】
「お邪魔する」
「これはこれはネモチーの大旦那様。今日はどういったご用件で?」
エルフの給仕は自然体、流れるように店に入ってきた
ゴブリンをテーブルへ促し椅子を引く
「エルフのそういう完璧なところが逆に鼻痒くなってくる。ドニーの空気に合わせて多少粗を混ぜた方が良いかもしれないぞ?」
テーブルにつき差し出された北方氷塊島ロック微甘味泡水割りをぐいっと飲み干す
「ラニ嬢が見当たらないようだが?まぁ金の話は後日でも構わないのだが」
「へい。ラニちゃんは雇い者に泡酒樽を持たせてイストモスの大ゲート祭に店を出すと向かいまして。
何やら今年はラタで大きな祭りがあって出し物に広く開放するとのこと、良い場所を取るため先週に」
「成程、旺盛で何より。 しかしイストモスで酒勝負となると中々の強者揃いだ。さてさてどうなることやら」
【スラヴィア】
【】
【スラヴィア大迷宮】
監獄姫「迷宮と謎解きの融合、“挑戦!大脱出”はお客さんの入りもいっぱいです。大ゲート祭までに完成できてよかったです」
岩窟王「もふもふ」
歯応えのあるギミックとクイズだ何だの謎解きに途中でギブアップの鈴を鳴らす挑戦者も少なくない
チリリンという音を聞く度にふふんと自慢げに垂れた獣耳をぴょこぴょこさせてサルベージに向かう監獄姫であったが…
ゲッショー「ラビス様、ラビス様。大脱出コースがストレートの最速越えも越えのタイムで突破されてしまったでげしょ」
アタタカイ「こまった…こまった…」
あわあわ焦る蚯蚓人スラヴィアンの隣で無数の黒いもやがつるはしやスコップにもたれかかり打ちひしがれている
監獄姫「何てことなのです?!こんなタイムは全く想定外です。一体全体どんな挑戦者なのですか、顔を見てやりに行くのです」
ゲッショー「それが、その挑戦者二人、いや、賑やかやかましい眼鏡を含めての人間三人はもう他の観光地へ向かってしまいましてげしょ。そう言えば手紙を預かってげしょ」
監獄姫「なになに?」
“本題と囮の配置仕組みが安直なので改善を希望。さわがしいハンデ一人がいても手間取ることもありませんでした。 ──鳩”
【サミュラ邸】
モルテ「サミュラぁ~一緒に大ゲート祭を周ろうヨー」
サミュラ「何を言ってるんですかモルテ。これから大勢のお客様方を
スラヴィアにお迎えしなくてはいけませんのに…モルテは兎も角、私がいないと駄目でしょう?」
モルテ「そんなのキエムに任せとけばいいじゃン。あいつ口は達者だからどうにでもできるだろう?」
サミュラ「審議侯はイストモスの祭事の司会に呼ばれていませんよ。モルテはすぐ人任せにするんですから、いけませんよ」
ヤフヌール『私もサミュラ様の代わりは無理です』
モルテ「ヤダやだヤダやだぁ~っ!サミュラと一緒に祭りにいくんだヨー!」
髑髏王「仕方ありませんな。ここは私めが代わりを引き受けましょうぞ。お二人は暫くは祭りを楽しまれよ」
モルテ「ヤッフーっ!話が分かるじゃんギュリウス。そうと決まれば早速出発ー!」
サミュラ「モ、モルテっ、そんなに手を引っ張らないで下さい」
【新天地】
【】
【新天地上空】
「ちっくしょう!このままじゃ離される一方だ、風はまだ掴めないのかっ?!」
「もう八割方飛んだのだわ。ゴールは近いのだわ。疲れて翼の感覚もなくなってきたのだわ」
「ぐわーはっはっは!グライフリッターとグリフォンの体力を舐めてたな小僧ども!このままワシらが優勝じゃい!」
「メノー!来たよ!後方下から集まりに集まった風精霊の塊!」
「よぉっしゃ!一発逆転かますぞ!」
【ニシューネン市:フタバ亭】
ランチの混雑も過ぎた午後少し過ぎ。一階に並ぶテーブルは片付けも終わり綺麗に清掃されている
そんな中でカウンターに突っ伏して倒れて動かない屈強なオーガは町でもよく聞く酒場の店主だろう
アタシはそんな光景を目の前にして今しがた目覚めたところ。暫しの記憶がないのは多分恐らくいや確実にこの“泡泡酒”にあるのは間違いない
十七歳の思い切った大冒険は生活指導の目も届かない異世界でのドリンクアルコールは大失敗であった
「違う違うそうじゃないって。こんなとこ誰かに見られたら如何にもアタシが何かしたとか思われるじゃないの」
周囲をぐるっと見ても客はなし。何かが暴れたという痕跡もなし。一体全体何がどうなってこうなった?
「アニーちゃんでーっす!マスター、肉ミミズ持ってきたので何かと交換してくだ…あれれれーっ??」
この時、瞬時に悟った。
「この事件は迷宮入りするっ!」
【レギオンの座】
『最近他国の観光地が新天地の目立った都市の真似事をしているとは思わんか?』
『人ノ想像ハ並列化スルコトモアル。気ノセイデハ無イノカ』
『気のせいだとしても人の流入が逸れるのは勿体無いわね…』
『これは皆様方、珍しくお悩みのようで。その議題の解決の糸口になるような“概念”を向こう側から学んできましたよ』
『概念だと?』
『力デ畏怖タラシメルノデハナイノカ?』
『興味あるわね。その腕に抱えている“モノ”が鍵となるのかしら?』
老紳士は浅く頷くと徐に黒く丸い二つの耳を頭にかざして見せ妙にカン高い声を発する
『っ!?何だこの“圧”は!』
『意味モ分カラヌガ何故カ逆ラッテハイケナイ気持チ』
『何だかよく分からないけど兎に角凄いのは分かったけど…それ、どうするの?』
『さてさて、どうしましょうか?』
【地球・その他地域】
【】
【イギリス・某酒場】
ケンタウロスの一団が酔っ払って暴れている。これはもう手が付けられない
「オラオラ!新天地で泣くオーガも黙る騎攻団のバーンとは俺様のことよ!酒持ってこぉー!」
「団長!」「いいぞ団長!」「そうだそうだ!酒持ってこーい!」
「通報を聞いて来ました。暴れている皆さん、落ち着いて下さい」
「ダメだ和那。聞くような輩ではない」
やってきた警備会社の男性の脇から小さなダークエルフが暴徒網を投げ拡げる
酔っ払いケンタウロス達はまとめて網に巻かれどかどかと倒れていく
「どうもお騒がせしました。この後の処遇についてお聞きしたいのですが」
一団の交渉役と名乗った狗人サンクスが申し訳なさそうに御辞儀をする
【極点:ポイントX】
猛吹雪の中を完全防寒の一団が進む
「先生!本当にここでよろしいのですか?!」
「レーダーに反応ありません!…?いや、極小ですが付近に影が…」
ぺんぺんぺん ぺんぺんぺん
丸いペンギンの列が足元を通り過ぎて先に進む
「あの方々についていきましょう」
「本気ですか?!」
「彼の地に戻るために私は此度救いの手を求めるのです。信じる心の重要さを今になって大きく実感します」
白と黒の荒れる壁の向こう側にぼうっと大きな影が浮かび上がった
【ポートアイランド某コンビニ】
「今年もクラスの三分の一くらいが異世界行っちゃったのよねー」
「先輩は帰郷とかしないんです?私はちょくちょく手紙を出していれば安心してくれるんですけども」
「うーん、特に帰る理由もないし結婚でもすれば帰るかも?」
午後のひととき。コンビニで立ち読みしながら雑談するギャル淫魔系スキュラと清楚サキュバス系スキュラの女子学生二人
【ポートアイランド内スクランブル交差点】
日本淡路ゲートから最寄りの交通拠点である交流特区のポートアイランドには日々異世界からの来訪が絶えない
大ゲート祭ともなるとその数は倍以上になるのである。が、そうなると様々な問題も発生するわけで…
地球にやって来る際に講習めいたものである程度の地球常識を知っている場合は良いのだが、そうであってもそうでなくてもいざ地球にやってくると戸惑うというのは少なくない
元原「はい!そこ止まってー!黄色になったら渡ったら駄目なんでー!」
色の変化で通行の可否が決まる信号機、横断歩道であるがこれが意外と戸惑う異種族が多いのである
なので大ゲート祭の期間中は交差点に人員を配置し声と旗振りで交通の補助をするのだ
主に臨時バイトや免許更新での違反者講習実地奉仕活動が充てられる
声が大きく立ちっ放しに耐えうる体力のある者が重宝されるのだ
【京都・一日体験修行ツアー】
地球にやってきて暮らす異種族が同郷の異種族の地球観光を案内するということも珍しくなくなった昨今
36「常日頃思考を絶やさぬ種として、それを“無”にする行為には興味がある」
蟲人「一聞では意味のない行動と思ったが、この“寺”という場の空気が妙な説得力を生む」
蟲人「この“座禅”という形を作り無に入るのだな」
一同が座禅修行コースを開始する
和尚(これは…なんという無我の境地!夜の静けさの中で波紋すらない水面のようだ!)
【カナダ・沿岸部カヌー大会】
色彩様々、十人乗りカヌーが船着き場に向けて叩き付ける荒波を掻き分け無数のカヌーがゴールを目指して突き進む
実況「今大会は荒波を超えての大荒れも大荒れ!前回優勝の異種混成カナダチームを僅かに先んじるのは飛び入り参加の丸太…いや、丸太をくり抜いたものを漕ぐオークチームです!」
鬼の形相で一致団結カヌーを漕ぐのはドニーから旅行できたオーク海賊団。団から離れたものの一家には変わりはない息子の嫁の提案でゲート自由化を利用してのカナダ旅行
しかし泊まったホテルで酒宴からのホテル冷蔵庫を枯渇させるほどの大食をした翌日のレストラン三軒焼け野原により予算を大幅にオーバー
何とか息子嫁のカードで支払ったものの翌月の支払日までに工面しなければ嫁が破産という。それは一家もとより団の恥として何としても避けねばならぬ。しかし物はあっても金はなし
ならばと山林樵大会で巨木をえっさほいさの息を合わせて切り倒し優勝し、そのままの勢いでカヌーを彫ってのカヌー大会への参加である
ビッグマム「あんたら!下の兄弟共は見事サーモン釣り大会で優勝してきたよ!あんたら上の兄弟がこれに勝てばツケも完済だ!気張って漕ぎな!負けたらそのまま海に沈めて宝探しさせるよ!」
オーク兄弟「へっ、へいっっ!」「オラオラ!もっと気合と息を合わせろい!」「負けたら母ちゃんマジで海で沈める気だぞぉ!?」「えっさほいさっえっさほいさっ!」
【ハワイビーチ】
パル「あ~ドニーの海で甲板で浴びる陽射しとは全然違うわ~。肌にピリピリ刺す感じがクセになりそ~」
アドミ「んあ~、異世界だと陽の下で寝そべるとか無理じゃっとん、気持ちよか~。あっ売り子さん、ビールとカクテルもう三杯おかわりたのむっちゃ~」
【ゲート行きフェリー乗り場】
人の行き交う待合室を見回る学生たち
腕には生徒会と風紀委員とおぼしき腕章を巻いている
「あーあ、何で俺たちは仕事しなきゃいけないんだよ」
「持ち回りなんだから我慢しろって」
「でもなぁたかが一人のためにここまでしなくてもいいだろ」
壁に目立つように貼られた人相書き、しかも一枚や二枚ではない
学内では有名な札付きのワルだ
「こんなヤツ、いなくなればいいんだ。そうすれば」
「おいおいやめとけって」
「いいだろ皆そう思ってるんだから」
「……まあ否定はできないけどな」
【ポートアイランド:淡路ゲート行きフェリー乗り場】
当然の様に大ゲート祭期間中は乗る人も降りる人も増える増えるフェリー乗り場
そんな多様な種族の列にあくまで自然体で並んで進む六本脚の青馬とそれに跨る女生徒
「すみません。ペットの乗船はまず検疫を受けて許可証の方を取ってもらわなければ ──
「アオはドニーから太鼓判付で贈られてきた由緒正しきVIPなんだから全然大丈夫!」
幾つかおかしい点もあるが、青馬は器用に首にぶら下げた各種検査を通った認可証をくいっと咥え見せると係員はすっと道を開ける
「楽しみよね、草原の国イストモスのお祭り!色んな競技が参加自由のラタリンピック、挑戦せざるを得ないわっ!」
フフゥ
「思いっきり走った後はいつも行くミズハ以外の国の海でも走りに行こうね」
ヒヒーン
【ドイツ・ベルリンゲート周辺】
地球でも交流に意欲的なドイツは
クルスベルグに住む異種族のために彼の地と似た様な環境を作り受け入れの緩衝とした
「地上は中々に喧噪じゃったが地下道は静かで涼しくていいもんじゃな」
「工房山の鎚と歯車の音の方がじどうしゃよりもうるさいじゃろ?」
「そりゃお前さんは何度もこっちに来とるから慣れておるだけじゃろうに」
「はっは!確かにの!ではではこのままベルリンの繁華街まで行くとしようかの!岩鉄工房御一行の進軍じゃい!」
鎚の代わりに大きな革と鉄鞄を担いだ大勢の
ドワーフが市街地下道をのっしのっしと歩いていく
【ポートアイランド商店街】
「異種族の受入枠で人件費がかさんじゃって無理ですね」
「ゲート祭だから頭数は揃えてるから」
「不良は雇えないかな。いい噂も聞かないし…」
「あの事件の関係者なんだろ?そんな奴を雇うわけには」
元原「なんだよ、今年はこういう扱いかよ…ちきしょうッ…」
大ゲート祭の喧騒の外で少年は人知れず息筋を張る……
最終更新:2018年07月11日 22:45