自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

207 第160話 上陸作戦前夜

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第160話 上陸作戦前夜

1484年(1944年)7月20日 午前7時 カレアント公国エスピリットゥ・サント

エスピリットゥ・サントを含むミレーネンブルツ地方の領主である、リミネ・レインツェルは、自宅のベランダから
今しも港から出港しつつある艦隊をじっと見つめていた。
この日のエスピリットゥ・サントの天候は、雲が多めであるものの、心地の良い晴れ模様に覆われていた。
水平線から太陽が上がりかけ、鮮やかなオレンジ色の光が広大な港や町を美しく染め上げている。
その美しい陽光に、彼女が見つめているアメリカ艦隊は鮮やかに照らし出されていた。

「ハルゼー提督の艦隊が出掛けていくわね。」

彼女は感慨深げな口ぶりで呟いた。
今月初めからエスピリットゥ・サントに停泊し続けていたアメリカ機動部隊は、3日前から出港準備を整え始めた。
リミネは、軍にいる知り合いから、北大陸に対する大反攻が近いらしいと聞いている。
それがいつなのかは全く分からなかったが、ハルゼーの直率する機動部隊が大急ぎで出港している事から、
リミネはここ数日の内に、港の中に居るアメリカ艦隊は姿を消すだろうと思っていた。
その思いは現実の物となり、眼前のアメリカ艦隊は、1隻ずつが港から出港し、新たな戦いに赴こうとしている。
港には、アメリカ艦隊の出港を見送る多数の住民が押し掛け、空母や戦艦といった大型艦は勿論、巡洋艦や駆逐艦等の
艦艇にも惜しみない歓声が送られる。
ミスリアルが、他の連合国軍と共に北大陸に上陸し、そして叩き出されてから早4年以上が経った。
ミスリアル軍も含む連合軍は、新たな味方、アメリカを含む強大な戦力でもって、精強なシホールアンル軍が
たむろする北大陸・・・・それも、シホールアンル本土に近いジャスオ領に上陸し、再び挑もうとしている。
出港しつつあるアメリカ艦隊は、その攻撃の先兵を務めることになるだろう。

「北大陸よ、再び・・・・か。今度こそは上手く行くといいけど。」

リミネは、これから北大陸に上陸しようとする自国軍の将兵達に思いを馳せながら、アメリカ機動部隊の出港を見守り続けた。

「出港用意!」

その声がかかるや、泊地内にいた各艦が出港に向けて行動を開始しようとしている。
第3艦隊旗艦である戦艦ニュージャージーの艦橋で、第3艦隊司令長官であるウィリアム・ハルゼー大将は姿勢を正して、
出港の時を待った。
第3艦隊魔導参謀であるラウス・クレーゲルもまた、珍しくしゃんとした表情で機動部隊の出港模様に見入っていた。

「艦隊の出港は、何度見ていても胸が熱くなるなぁ。」

ラウスは小声で呟く。それがハルゼーに聞こえたのだろう。振り返ってラウスの肩を叩いてきた。

「お、ラウスにしては珍しい言葉じゃねえか。その言葉が言えるんなら、お前も立派な海軍軍人だぜ。」
「はぁ、どもっす。」

彼はどこか照れ臭そうに笑いながら頭を掻いた。

「第1任務群、出港を開始します!」

見張りがTG38.1の出港模様を伝えてくる。
まず、先導の駆逐艦が先に出港する。
港には多数の住民達が押し掛けており、歓声を上げながら艦隊の出港を見送っている。
駆逐艦が5隻ほど出港した後、重巡洋艦のアストリア、ヴィンセンス、軽巡洋艦のナッシュビルとアトランタが続く。
その後に空母の出番が回って来た。群衆の歓声はここで一際大きくなった。
第38任務部隊の中では、最も精鋭と謳われるヨークタウン級航空母艦の2隻、ヨークタウンとホーネットが
巡洋艦の先導を受けながら出港しつつある。
開戦以来、数々の激戦を潜り抜けてきた両空母は、ゆっくりと港の出入り口に向かう。
その勇姿は、歴史に残るであろう大作戦に参加できることを誇らしげに自慢しているようにも見える。
本来ならば、3姉妹の残り1隻であるエンタープライズが混じっているはずなのだが、今はまだ艦隊には戻っておらず、
24日まで、TG38.1が保有する正規空母はヨークタウンとホーネットのみとなる。

この2隻の正規空母の後に、小振りなインディペンデンス級軽空母のフェイトとカウペンスが付き従う。
空母部隊が出港した後は、護衛艦の顔役でもある戦艦ノースカロライナ、ワシントンが出港する。
この2隻が出港する際にも、観衆は大声援でもって見送る。
この2戦艦とも、2年前のミスリアル救出作戦に参加した歴戦艦であり、ミスリアル国民にとってはヨークタウン級航空母艦と
共に、最も馴染みの深い艦となっている。
TG38.1の各艦があらかた出港した後、今度はTG38.2に出番が回ってきた。
まず、先導役の駆逐艦が出港していく。その次に巡洋艦が出港し、その後は空母の番となる。
旗艦ニュージャージーの右舷で待機していた正規空母エセックスが、空母群の中では最初に動き出した。
ヨークタウン級よりも洗練されたデザインと向上した搭載機数、そして、多数の姉妹艦保有するエセックス級空母のネームシップは、
竣工から既に1年半が経過し、これまでに数々の戦場で戦ってきた。
エセックスを覆っていた新米臭さはとうに消えており、今では精鋭空母群にも共通する特有のオーラを身に纏いながら、
エスピリットゥ・サントを出港していく。
その次にランドルフ、ボノム・リシャールと続く。
正規空母の後には、軽空母のインディペンデンスとサンジャシントが追従する。

「前進微速!」

艦長が航海科に指示を下した。ニュージャージーの艦体が動き始める前に、左舷で待機していたアイオワが先に出港していく。
基準排水量57000トン。48口径17インチ砲9門を搭載した巨艦のネームシップが、圧倒的な威容を周囲に見せ付けながら出港する。
やや少し遅れて、2番艦ニュージャージーも動き始めた。
大西洋戦線で、この新鋭戦艦の姉妹艦がマオンド側の新鋭戦艦を圧倒したという事は、既にミスリアル国民にも伝わっている。
その姉に当たるアイオワ、ニュージャージーが航行していく様子は、見る者の目を例外なく釘付けにした。

「ラウス。外の連中は今頃、アイオワとニュージャージーの姿に度肝を抜いているだろうな。」

ハルゼーが愉快そうな口ぶりでラウスに言った。

「何しろ、17インチ砲装備の巨大戦艦が2隻揃って出港するんだ。その姿は、外から見たらさぞかし壮観だろう。」
「ハルゼーさんも戦艦が好きなんですねぇ。普段は航空機が主力だと言いまくってるのに。」

「確かにそうだがね。でも、こんな俺でも戦艦は嫌いではないぜ。今は空母が主力だが、その空母も、戦艦の護衛無し
では要られないからな。アイオワ級を始めとする戦艦が有する対空火力のお陰で、空母群は安心して作戦に没頭できるんだ。
そんな縁の下の力持ちもしっかり評価してやらんとな。でなきゃ、男が廃るという物よ。」

ハルゼーはニヤリと笑いながらラウスに返した。
第38任務部隊の全艦が出港した後は隊形を整え、すぐさま第37任務部隊との会合地点に向かっていった。


1484年(1944年)7月24日 午後6時 ジャスオ領フィグミムンド

シホールアンル陸軍第20軍司令官を務めるムラウク・ライバスツ中将は、主任魔導参謀であるレーミア・パームル大佐
(今年1月に昇進した)と共に緊急に開かれた作戦会議に出席しようとしていた。

「すまんな。君を呼び出してしまって。参謀長が急病で倒れてしまってからは、君ぐらいしか居なかったからな。」

ライバスツは、馬車の中で同席しているパームル大佐に詫びた。

「いえ、別に謝らなくても。私としてはいい勉強になります。」
「勉強か。確かにな。」

ライバスツは苦笑した。

「流石は秀才君と言われるパームルだ。勉強熱心で大いに結構だ。」

彼がパームル大佐に言ったとき、馬車が止まった。

「目的地に着いたようだ。降りよう。」

ライバスツはそう言ってから、馬車のドアを開けて外に出た。

彼は、ジャスオ領中部方面軍総司令部の命令を受けて、急遽会議に参加する事になった。
ライバスツの第20軍は、ジャスオ領中西部にあるエルネイルの後方に予備軍として配備されている。
後方予備軍は、中西部と南西部方面に計4個軍が配置されている。
そのうち、2個軍は中部方面軍の指揮下にあり、この2個軍は第20軍と第27軍である。
ライバスツとパームルは、昔ながらの古い城の中に置かれた中部方面軍総司令部の中に入っていった。
会議室に入ると、中部方面軍の司令部の面々と、第11軍の軍司令官や幕僚達が座って待っていた。
ライバスツは末席に座り、他の参加者達が来るまで待った。
5分ほどして、新たに第9軍と第27軍の軍司令官が幕僚1人を連れて室内に入ってきた。
これで、今日の会議の参加者達は全員集まったのだろう、長テーブルの真ん中に座っていた大将の階級章を付けた将官。
ジャスオ領中部方面軍総司令官であるウリンド・テイマート大将が立ち上がった。

「諸君。日々多忙の中、よくぞ集まってくれた。」

テイマート大将は張りのある口調でそう切り出した。

「去る7月22日に、ホウロナ諸島から連合軍の大船団が出港したことは既に知っていると思うが。連合軍は早くても明日、
遅くても明後日にはこのジャスオ領に接近するだろう。上陸予想地点は、現在、最も激しい空襲を受けているデムヘナン周辺と
定められているようだ。敵船団の詳細は不明だが、海軍側からの報告を吟味した結果。敵船団1000隻から1500隻。
上陸するであろう兵力は最低でも8万以上と、本国総司令部ではそう予測している。上陸部隊の中核は、恐らく、完全装備の
施されたアメリカ軍だろう。」

テイマート大将は淡々とした口調で参加者達に説明する。
去る7月21日早朝。アメリカ軍はジャスオ領中西部と南西部沿岸に攻撃を仕掛けてきた。
特に南西部沿岸地区の攻撃は激しかった。
アメリカ側は、中西部地区はホウロナ諸島から飛び立った重爆隊が担当し、南西部地区は太平洋艦隊所属の第3艦隊が担当した。
第3艦隊は、21日早朝から夕方に掛けて、延べ1400機もの攻撃隊を差し向けた。
南西部地区の沿岸陣地には高度な沿岸要塞があり、多数の対空火器と1個空中騎士軍相当のワイバーン隊が配備されていた。
戦闘は激戦となったが、アメリカ機動部隊の波状攻撃は苛烈を極め、翌22日にも延べ800機以上の艦載機が押し寄せた。

22日には艦載機のみならず、北ウェンステル領から飛び立ったB-29やB-17等も参加し、夜間にはアイオワ級戦艦、
アラスカ級巡洋戦艦各2隻ずつを主体とした砲戦部隊による艦砲射撃も行なわれた。
この相次ぐ猛攻に要塞陣地は半壊し、守備部隊にも少なからぬ損害が出た。
シホールアンル軍上層部は、中西部よりも南西部沿岸のほうが敵の攻撃が事から、連合軍は戦力の弱体化した南西方面に部隊を
上陸させるであろうと確信していた。
そのため、南方方面軍の指揮下にある残り2つの後方予備軍は、いつでも作戦に移れるように臨戦態勢に入っていた。
本来ならば、後方予備軍を加えた計5個軍で敵の上陸部隊に当たる予定であった。
だが、24日に行なわれた敵の空襲が、本来の計画を大きく狂わせる原因になった。

「事前に計画された作戦案では、沿岸部の張り付け部隊とその後方軍、そして2個の後方予備軍を用いて敵の侵攻を
食い止める予定だった。だが、今日も行なわれたアメリカ軍の空襲で、第32軍が甚大な損害を被った。このため、
南方方面軍ですぐに動ける後方予備軍は第41軍のみとなってしまった。私は3時間前に、本国の総司令部から、
中部方面軍に所属する後方予備軍を南部方面に回せと、命令を受け取った。」

その言葉を聞いたライバスツは顔色を変えた。

「そこでだ。中部方面軍に属している軍司令官各位は、この命令に対してどう思うかね?率直な意見を聞きたい。」

ライバスツは真っ先に手を上げた。

「先ほど、大将閣下は中部方面軍所属の後方予備軍を移動せよとおっしゃられましたが、どれぐらいの規模を
南方に移されるのでしょうか?」
「予定では、我が軍の保有する予備軍を全て南方に回そうと考えている。敵船団は往復することによって、
兵力の増員が可能だ。敵が兵力増強を考えるならば、こちらもなるべく短期間で、敵を上回る兵力を増員
するのが良いと、私は考えている。」

テイマート大将の発した言葉に、他の軍司令官と幕僚達がどよめきを発する。
沿岸に近い位置に配置されている2個軍は、後方予備軍を頼りにしている。
その頼りの2個軍がそっくりそのまま居なくなってしまうのは、軍司令官達にとって不安を感じさせた。

第11軍司令官が手を上げた。

「閣下。もし、敵が中西部地区に上陸した場合はどうするのですか?敵船団は確かに南部方面に向かっているようですが、
途中で進路を変えて中西部に上陸したらどうなります?後方予備軍が居なくなった後は我々だけで、しばらくの間敵の
猛攻を支えねばなりません。」

不安げな口ぶりで第11軍司令官は語るが、テイマート大将はそれを予測していたのか、笑みを浮かべながら返答した。

「私は先ほど、後方予備軍を全て送ると言ったが、実を言うと、あれは建前だ。予定では第27軍を先に送り出して、
第20軍に留まって貰おうと思っている。それに、移動する第27軍にも、敵が中西部に上陸した場合はすぐに戦闘に
参加出来るように、遅すぎず、早すぎずに移動せよと命じようと思っている。第27軍司令官、君には後で、追って
命令を送るつもりだ。」

ライバスツの隣に座っていた第27軍司令官が、テイマートに向けて軽く会釈する。

「それはともかく、諸君は後方予備軍が居なくなる事は、出来れば反対である、という事で良いのだな?」

テイマークは各軍司令官に問う。4軍の司令官達は誰もが深く頷いていた。

「ふむ。皆の考えは、確かに理解した。しかし、命令は命令だ。第27軍にはご苦労だが、これから南下してもらう。
第20軍は、準備のために待機していると本国に知らせておく。今の所、敵は南部に上陸すると我々に見せかけているが、
先のマオンド戦を見ても分かるように、敵は、我々の裏を付こうと考えている可能性がある。我々は密かに、これに備えよう。
南西部に敵の大部隊が上陸すれば、第20軍にも南部方面に行って貰う。」
「はっ。」

ライバスツは軽く頭を下げながら、パームルに目配せする。

「どうやら、杞憂であったようだ。」

ライバスツは小声で彼女に伝えると、彼女は安堵したように苦笑する。
実を言うと、テイマーク大将は、軍部ではあまり評判が芳しくない事で知られていた。
先の北大陸統一戦では1度ならず、2度までも敵の術中に嵌り、危うく指揮下の軍を壊滅の危機に追いやっている。
普通なら、この時点で軍を追放されてもおかしくないのだが、貴族とも繋がりの深いテイマークは、コネを使って軍に留まり続けた。
そんな彼が、今度の作戦でも謝った判断をするのではないかと、ライバスツのみならず、中部方面軍に属している全ての軍司令官が
そう考えていた。
もしテイマークが南部地区に後方予備軍を全て移動させるなら、ライバスツは断固反対するよていだった。
その切り札として、彼は先の南大陸戦で連合軍の意図をいち早く見抜いたパームルを連れてきたのである。
しかし、彼女の出番は無かった。
これまでのテイマークからすれば珍しく、アメリカ側の動きをよく見ており、今度の上陸作戦でも敵が裏を掻くかも知れぬと予想していた。
先のマオンド戦で、沿岸配置部隊の後方に上陸したアメリカ軍が後方を遮断し、7月18日に50万近い大軍が降伏に
追い込まれた事はシホールアンル全軍に知れ渡っている。
マオンド軍はヘルベスタン派遣軍の主力が壊滅した事によって、陸軍の余剰戦力が無くなり、本格的な攻勢に出られなくなった。
それと同じ事が、このジャスオ領で起こらぬとは限らない。
南大陸戦時に、敵の謀略で攻勢開始日を見誤った末に連合軍の大攻勢を受け、結果的に大損害を負った事は記憶に新しい。
それと同じ轍を踏んで溜まるかと、テイマークは考えていた。
その結果が、後方予備軍の温存であった。

「さて、前置きはこれぐらいにして。もし、敵が中西部地区に上陸した場合、我々はどう動くかだが。」
「作戦案に関しては、以前にも説明したとおりですが、念のため、もう1度だけ説明します。」

テイマークの側に控えていた作戦参謀が立ち上がり、後ろの壁に掛けられていた作戦地図の前に歩み寄った。

「まず、敵は上陸前に艦砲射撃と空爆を行なった後に、上陸部隊を沿岸に送り込むでしょう。ここでは第11軍の6個師団で
もって海岸部を守って貰います、沿岸部には新式の防塁で補強した防御陣地を備えており、敵の空爆にもある程度耐えられます。
ここ3日間連続した空襲では、沿岸の部隊にも被害が出ていますが、各部隊とも死傷者想定の範囲内で収まっています。
もし、新式の防塁が未完成であれば、今頃はファスコド島守備隊と同様な事態に陥っていたでしょう。第11軍の6個師団が
守備している間、後方の山岳地帯越しに待機している第9軍には橋や渓谷の入り口を経て、第11軍の増援に当たって貰います。
それから4日間の間に後方予備軍を一気に投入し、ワイバーン隊と協力して敵上陸部隊の殲滅を図ります。」

作戦参謀は丁寧な口調で説明した。
第11軍は、いわば沿岸の防衛部隊であり、敵の攻撃を真っ先に受ける事になっている。
上陸部隊は第11軍を突破して内陸部に突き進むであろう。
それを阻止するのが、第9軍である。第9軍は、沿岸部より10ゼルド(30キロ)離れた内陸に配備されており、第9軍は
は狭い狭隘部と街道を通って沿岸部に急行する。
敵の侵攻を阻止出来るか否かは、第9軍の迅速な移動にかかっており、もし空爆で移動が遅れれば、第11軍は壊滅し、敵を内陸に
入れてしまうであろう。

「敵が上陸して、24時間以内に第9軍を投入できなければ、我々は窮地に陥ってしまう。そうならぬ為にも、第11軍の将兵には
出来る限り持ち場を死守して貰いたい。そして、第9軍には、増援を待つ第11軍の下にいち早く駆け付けて貰いたい。最後に、
第20軍と第27軍には敵を壊滅させるための決定打になってもらう。ここで敵の反攻を阻止できれば、我々は優位のうちに
敵と講和を結ぶことが出来るだろう。」

テイマークは自信に満ちた口ぶりでそう言いはなった。
この時点で、彼らは万全に備えたと思っていた。後は、敵の上陸を待つだけであった。
ただ、彼らが気に掛かっていたことは、敵が中西部と南西部、どちらかに上陸するかであったが、どちらに上陸するにせよ、
今度の戦いは今まで以上に苛烈な物になるだろうと考えていた。

それから2時間後。

「ふぅ、ただいま~。」

パームル大佐は、疲れた表情で自らの宿舎に帰ってきた。
休憩室で本を読んでいた、副官のラクド・リクマ中尉は、その声を聞くなり彼女に顔を向けた。

「あ、お帰りなさい。どうでした?会議は?」
「ええ。上々だったわ。」

彼女は機嫌が良さそうな声音で返事した。

「珍しく、テイマークのおじさんが出来る人になっていたから、会議も順調に進んだわよ。」
「ほう。となると、いよいよですか・・・・・」

リクマ中尉は顔を硬くしながら呟く。

「これから数日は、恐らく歴史に残るような戦いが繰り広げられるでしょうね。敵も味方も、大勢死ぬわね。」
「でも、これがきっかけで敵の反攻を潰せれば、後が楽になりますよ。」
「そうね。調子に乗るアメリカ人や連合国に、シホールアンルの真の力を見せ付けられるわ。とりあえず、
時間だから私は寝るね。あんたも早く寝なさいよ。」
「はい。仰せのままに。」

リクマ中尉はふざけた口調でそう言った。パームルは苦笑しながらも、自分の部屋に戻っていった。
部屋に入ってから、彼女はあからさまに顔をしかめた。

「はぁ・・・・部屋が散らかしっぱなしだって事を忘れてたわ。」

彼女の自室は書類や本があちこちに散らばっていた。特にベッドの上が汚い。
げんなりとしながら、彼女はせめて、寝る場所だけでも確保しようと、ベッドの上にある書類を片付けにかかった。
片付けをしている最中にも、彼女の頭の中には、会議で説明された、敵が上陸した場合の対応策が浮かんでくる。

「第11軍が粘っている間に、第9軍が増援に向かう。そして、最後の締めに後方予備軍が突入・・・か。ちょっと
都合の良い部分もあるけど、まっ、現状ではこれが現実的ね。第9軍が橋や狭い街道をどれだけ早く抜けるかが、
最初の関門になるわね。」

彼女は小声で呟きながらも、手早い動きで書類を片付けていく。
最後の書類の束をベッドの上から取ったとき、彼女は手を滑らして、書類を落としてしまった。
バサッ、という音がして部屋中に紙がばらまかれた。

「もう・・・・・最悪!」

レーミアは苛立った口調で叫びながら、面倒くさそうな動作で書類を纏めに掛かった。
とある1枚のイラストを手に取ったとき、彼女の動きが止まった。

「あ、これは久しぶりに見るわねぇ。」

レーミアは何故か、懐かしそうな目付きでイラストを見つめた。
このイラストは、1年以上前に、燃えるアメリカ軍機から脱出する敵兵を描いた物だ。
そのイラストには、墜落するP-40と、白い大きな傘状の物体に吊られている敵兵が描かれている。
何故か、彼女はそのイラストが気になってしまった。

「・・・・なんか、妙に気になる。それに・・・・この胸騒ぎは一体・・・?」

レーミアの心中に、言いしれぬ不安が沸き起こったが、彼女の思いも、急激に襲ってきた眠気に打ち消された。
ここ3日間、徹夜で仕事をこなしていた彼女は、この時限界に達していた。
迫り来る眠気は彼女の思考能力を奪い去っていた。

「まぁ、今はいいとして。早く寝ないと死んじゃう。」

レーミアは欠伸をしながら、そのイラストを書類の束に突っ込み、部屋の隅に置いたところで眠りに落ちてしまった。


1484年(1944年)7月25日 午後10時 ホウロナ諸島ファスコド島

アメリカ陸軍第115空挺旅団は、この日の午後10時から、用意された輸送機に乗り込みを開始した。
第115空挺旅団第726連隊第1大隊に所属するアールス・ヴィンセンク軍曹は、広大な飛行場にずらりと並んだ
C-47を見て感嘆の声を漏らした。

「本当に1個空挺軍団が乗せられるほどの輸送機を集めるとは、本当に凄いぜ。流石は大工業国アメリカだ。」

ファスコド島の第3飛行場には、115旅団用に用意された物だけでも、270機もの輸送機が駐機している。
これに加え、30機ほどのグライダーも続く。

「あたし達の部隊だけでこれだから、82師団や101師団に用意された輸送機の数は、もっとあるんだろうなぁ。」

後ろでテレス・ビステンデル軍曹が相槌を打ってくる。
2人とも、初の実戦に赴くため、内心では軽く興奮している。
2人は仲間の助けを借りながら(装備が重いため、1人ではなかなか上がりにくい)C-47の機内に乗り込んだ。
26日に開始される上陸作戦に先立って、115旅団を含む第10空挺軍団は、全兵力でもって敵の交通路の遮断や要衝を
占領する事になっている。
この作戦はラインリッパー作戦と呼ばれ、第10空挺軍団を空輸するために、1300機のC-47と200機のグライダーが用意された。
輸送機の搭乗員は、既に本国で夜間の空中集合訓練などを終えており、実戦に対する備えは万全だ。
テレスとアールスのC-47には、残りの仲間達が乗り組み、あっという間に機内は同僚のレスタン人空挺隊員で一杯になった。
10分ほど待たされてから、小隊長のレイド・ファムシス中尉が立ち上がった。

「野郎共!今から離陸を開始するようだ!これから数時間はのんびりと空の旅行を堪能するわけだが、ここで降りたいという奴は
今のうちに言ってくれよ!さもないと運ちゃんに迷惑がかかっちまうぞ!」

小隊長の冗談めいた言葉に、機内にいた部下達は一斉に笑い声を上げた。

「小隊長!あいにくと、全員旅行を楽しみたいようですよ!」

テレスがにこやかな笑みを浮かべながらファムシス中尉に言い返した。

「そうか。なら上出来だ!という訳で運ちゃん、後はよろしく頼むぜ!」

ファムシス中尉は、操縦席のパイロットに向かってそう言った。操縦席からは、機長と副操縦士が親指を上げて了解と伝えた。
それからパイロットがエンジン始動のキーを押し、左右のエンジンを始動させる。
機内にエンジンの轟音と、心地の良い振動が伝わる。降下訓練の時に何度も聞いた音と振動だ。

(最初の頃を思い出すな。)
アースルは脳裏に、1回目の降下時の光景を思い起こした。
最初の訓練の時は、初めて乗る飛行機に動揺し、初めて見る大空に感動もした。
それから回数を重ねるにつれて、落下傘降下にもすっかり慣れた。
その慣れた一連の行動を、今日もやることになる。ただ、今日は実戦だ。
敵中後方に降下するため、色々と不足の事態が起きるだろう。
(だが、俺達は無事に乗り切って見せるぞ。そして、祖国に帰るんだ。)
アースルの決意をよそに、輸送機は次々と離陸を開始していく。
しばらく待たされた後、ようやく彼らの番がやって来た。C-47は滑走路に乗ったのだろう。
しばしの間停止した。
1分ほど経ってから、C-47のエンジン音は一層唸りを上げた。機体がガタガタと揺れつつも、次第に速度を増していく。
やがてフワリとした感覚が伝わり、彼らの乗機は夏の夜空に舞い上がっていった。

ここにして、参加兵員200万、艦船4000隻、使用航空機・ワイバーン約9000機を投入した史上最大の作戦がついに開始された。





歴史の歯車は、これまでにも増して勢い良く回り始めたのであった。

1484年(1944年)7月25日現在

戦闘序列

シホールアンル軍中部方面軍 総司令官ウリンド・テイマート大将
第11軍
第101軍団
 第71歩兵師団
 第85歩兵師団
 第79重装砲兵師団
第105軍団
 第63歩兵師団
 第56歩兵師団
 第81重装砲兵師団

第9軍
第29軍団
 第51歩兵師団
 第201石甲師団
 第91石甲旅団
第37軍団
 第9歩兵師団
 第31重装歩兵師団
 第7石甲旅団

第20軍
第32軍団
 第173石甲師団
 第123石甲師団
 第82機動歩兵旅団
第109軍団 
 第72魔法石甲騎士師団
 第202石甲師団
 第68機動砲兵旅団

第27軍
第50軍団
 第120石甲師団
 第205石甲師団
 第18機動砲兵旅団
第63軍団
 第21石甲師団
 第36石甲師団
 第70機動歩兵師団

航空戦力

シホールアンル軍中部航空軍
第7空中騎士軍
 第72空中騎士隊(ワイバーン120)
 第76空中騎士隊(ワイバーン140)
 第79空中騎士隊(ワイバーン132)
 第82空中騎士隊(ワイバーン120)

第9空中騎士軍
 第51空中騎士隊(ワイバーン144
 第54空中騎士隊(ワイバーン102
 第57空中騎士隊(ワイバーン134
 第59空中騎士隊(ワイバーン118)

第12空中騎士軍
 第69空中騎士隊(ワイバーン89)
 第75空中騎士隊(ワイバーン102)
 第77空中騎士隊(ワイバーン123)
 第79空中騎士隊(ワイバーン50)

第3飛空挺集団
 第4戦闘飛行隊(戦闘飛空挺72)
 第5戦闘飛行隊(戦闘飛空挺68)
 第3攻撃飛行隊(攻撃飛空挺68)

連合国軍

アメリカ軍(総司令官:ドワイト・アイゼンハワー大将)

第1軍(オマリー・ブラッドレー中将)
第1軍団
 第1機甲師団
 第3歩兵師団
 第4歩兵師団
第2軍団
 第2機甲師団
 第1歩兵師団
 第12歩兵師団

第3軍(ジョージ・パットン中将)
第7軍団
 第3機甲師団
 第27歩兵師団
 第5歩兵師団
第8軍団
 第4機甲師団
 第5歩兵師団
 第32歩兵師団

第4軍(ドニー・ブローニング大将)
第5軍団
 第4機甲師団
 第9歩兵師団
 第18歩兵師団
第6軍団
 第2歩兵師団
 第6機甲師団
 第23歩兵師団

第7軍(ジョン・エイラー中将)
第9軍団
 第22機甲師団
 第45歩兵師団
 第41歩兵師団
第10空挺軍団
 第82空挺師団
 第101空挺師団
 第115空挺旅団(亡命レスタン軍)

第3水陸両用軍(ホランド・スミス中将)
第1海兵軍団
 第1海兵師団
 第2海兵師団
 第3海兵師団
第2海兵軍団
 第4海兵師団
 第5海兵師団

バルランド軍(総司令官:ウォージ・インゲルテント大将)

第62軍
第1機械化軍団
 第2自動車化歩兵師団
 第3自動車化歩兵師団
第2軍団 
 第32歩兵師団
 第33歩兵師団
 第4騎兵師団

第64軍
第3軍団
 第2機械化騎兵師団
 第31騎兵旅団
第7軍団
 第83歩兵師団
 第15軽装機動師団

第67軍
第1親衛軍団
 第1親衛師団
 第2親衛師団
第27軍団
 第5歩兵師団
 第17機動歩兵旅団

ミスリアル軍(総司令官:マルスキ・ラルブレイト大将)

第1軍
第3軍団
 第5機械化歩兵師団
 第6機械化騎兵師団
第4軍団
 第8軽装機動歩兵師団
 第12軽装機動歩兵師団

第2軍
第21軍団
 第1親衛機動師団
 第2親衛機動師団
 第3親衛騎兵師団
第22軍団
 第37軽装機動旅団
 第38軽装機動旅団

カレアント軍(総司令官:フェルディス・イードランク中将)

第13軍
第3軍団
 第5機械化歩兵師団
 第7機械化歩兵師団
 第8機動旅団
第4軍団
 第8機動歩兵師団
 第9騎兵師団
 第1機械化騎兵旅団

第8軍
第7軍団
 第6歩兵師団
 第7歩兵師団
 第12親衛重装旅団
第11軍団
 第15機動歩兵師団
 第2機械化騎兵旅団

グレンキア軍(総司令官:スルーク・フラトスク中将)

第2軍
第9軍団
 第2歩兵師団
 第6歩兵師団
 第19機動旅団
第13軍団
 第9歩兵師団
 第5機動歩兵旅団

第5軍
第14軍団
 第5親衛魔導歩兵師団
 第12特殊兵旅団
第16軍団
 第6親衛魔導歩兵師団
 第13特殊兵旅団

レースベルン軍(総司令官:ホムト・ロッセルト中将)

第19軍
第34軍団
 第8機動歩兵師団
 第7軽装騎兵師団
第35軍団
 第9歩兵師団
 第15機動旅団

第27軍
第3親衛軍団
 第6親衛魔動兵団
 第7親衛騎兵旅団
第4軍団
 第127歩兵師団
 第89機動兵師団

北大陸志願兵部隊
第1自由ヒーレリ機甲師団
第2自由ヒーレリ歩兵師団
第1自由ジャスオ機甲旅団

航空戦力
アメリカ第3航空軍(ホウロナ諸島トラド島、タウスラ島、スナウ島駐留)
戦闘機690機 重爆撃機・軽爆撃機600機

アメリカ第6航空軍(ホウロナ諸島ファスコド島、ジェド島、ベネング島、エゲ島)
戦闘機702機 重爆撃機・軽爆撃機620機 夜間戦闘機72機

アメリカ第21輸送航空軍団(臨時編成:ホウロナ諸島ファスコド島、ベネング島、エゲ島駐留)
輸送機1387機 グライダー220機

アメリカ第5航空軍(北ウェンステル領駐留)
戦闘機692機 重爆撃機・軽爆撃機620機

アメリカ第1海兵航空軍(ホウロナ諸島サウスラ島駐留)
戦闘機190機 艦上爆撃機93機 艦上攻撃機64機 水上偵察機48機 陸上偵察機18機

バルランド軍第3飛行騎士軍(ホウロナ諸島サウスラ島駐留)
ワイバーン380騎

カレアント軍第2新鋭飛行騎士軍(ホウロナ諸島ファスコド島駐留)
ワイバーン280騎

カレアント軍第12飛行騎士軍(ホウロナ諸島ファスコド島駐留)
ワイバーン180騎 戦闘機92機

ミスリアル軍第8飛竜軍(ホウロナ諸島エゲ島駐留)
ワイバーン270騎

海軍戦力

バルランド軍
第1艦隊
巡洋艦3隻 駆逐艦9隻 快速スループ船18隻

第2艦隊
巡洋艦4隻 駆逐艦12隻 快速スループ船20隻

ミスリアル海軍
駆逐艦9隻 小型快速艇17隻

グレンキア海軍
一級戦列艦3隻 2級戦列艦8隻 小型快速艦16隻

カレアント海軍
1等重武装戦列艦2隻 2等重武装戦列艦4隻 3等武装戦列艦8隻

レースベルン海軍
駆逐艦12隻 小型高速艇7隻

アメリカ海軍太平洋艦隊(総司令官:チェスター・ニミッツ大将)

第3艦隊(司令長官:ウィリアム・ハルゼー大将)

第37任務部隊(司令官:ジョセフ・パウノール中将)
第1任務群
正規空母レキシントン サラトガ
軽空母ベローウッド モントレイ
戦艦インディアナ マサチューセッツ
重巡洋艦ポートランド
軽巡洋艦ヘレナ モービル バーミンガム
駆逐艦21隻

(F6F139機 SB2C36機 TBF53機 S1A12機)

第2任務群
正規空母フランクリン イントレピッド
軽空母プリンストン ラングレー
巡洋戦艦アラスカ コンステレーション
重巡洋艦ボルチモア ボストン
軽巡洋艦コロンビア サンアントニオ リノ
駆逐艦24隻

(F6F145機 SB2C48機 TBF65機 S1A15機)

第3任務群
正規空母バンカーヒル タイコンデロガ
軽空母キャボット
戦艦アラバマ サウスダコタ
重巡洋艦ノーザンプトンⅡ ピッツバーグ
軽巡洋艦バサディナ アンカレッジ リノ 
駆逐艦22隻

(F6F76機 F4U53機 SB2C50機 TBF41機 S1A16機)

第38任務部隊(司令官:マーク・ミッチャー中将)
第1任務群
正規空母ヨークタウン エンタープライズ ホーネット
軽空母フェイト カウペンス
戦艦ノースカロライナ ワシントン
重巡洋艦アストリア ヴィンセンス
軽巡洋艦ナッシュヴィル デンバー アトランタ
駆逐艦22隻

(F6F165機 SBD24機 SB2C50 TBF61 S1A22機)

第2任務群
正規空母エセックス ボノム・リシャール ランドルフ
軽空母インディペンデンス サンジャシント
戦艦アイオワ ニュージャージー
重巡洋艦ニューオーリンズ
軽巡洋艦 サンタ・フェ モントピーリア クリーブランド サンディエゴ
駆逐艦24隻

(F6F159機 F4U54機 SB2C51機 TBF59機 S1A24機)

艦上機計1418機

第32任務部隊(司令官:トーマス・キンケイド中将)
第1任務群(艦載機補充部隊)
護衛空母サンガモン ケストレル スワニー バザード シャスター
駆逐艦16隻

(F6F72機 F4U48機 SB2C48機 TBF30機 S1A12機)

第2任務群
護衛空母サンティー チャージャー ライダー リスカム・ベイ オマニー・ベイ
駆逐艦16隻
(FM-2 66機 F6F12機 TBF78機)

第3任務群
護衛空母ボーグ カード コア バーンズ ブロック・アイランド
護衛駆逐艦16隻
(FM-2 60機 SBD30機 TBF30機)

第4任務群
護衛空母レアルタ・アイランド ミッション・ベイ ガルクレルフ グンリーラ・アイランド
護衛駆逐艦16隻
(F6F32機 FM-2 32機 TBF48機機)

第5任務群
護衛空母バゼット・シー キトカン・ベイ バルチャー ファスコド・アイランド ペトロフ・ベイ
駆逐艦15隻
(FM-2 68機 F6F18機 TBF62機)

艦上機計542機


第33任務部隊
北部攻撃群
輸送船・LST・舟艇1500隻

中部攻撃群
輸送船・輸送帆船・LST・舟艇980隻

南部攻撃群
輸送船・LST・輸送帆船・舟艇1700隻

第34任務部隊(司令官:ジェフ・オルデンドルフ少将)
第1任務群 
戦艦メリーランド ウェスト・バージニア コロラド
重巡洋艦サンフランシスコ ミネアポリス シカゴ ルィスヴィル クインシー
駆逐艦16隻

第2任務群
戦艦カリフォルニア テネシー ペンシルヴァニア アリゾナ オクラホマ
軽巡洋艦ブルックリン フェニックス フィラデルフィア ビロクシー
駆逐艦16隻

第3任務群
護衛駆逐艦24隻

第4任務群
護衛駆逐艦24隻
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