自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

308 外伝68

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973 :陸士長:2011/08/06(土) 12:42:15 ID:R/sYg.pQ0





1485年 レスタン領戦線は米軍の砲火と空爆につつまれた!!

大地は抉れ、陣地は裂け……あらゆる防衛戦力が全滅したかにみえた……。

だが……シホールアンル軍は死滅してはいなかった!!!!







ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!


地鳴りが響く。まるで、津波か何かが迫っているような音だ。

その例えは決して比喩ではない。事実、それらは鉄と人で出来た暴威なる津波だった。


無数の軍用バイクが排気ガスと砂煙を立てて走る。

彼らは米軍だった。シホールアンルという悪しき帝国主義からこの地を解放すべく戦う、民主主義の尖兵だった。


「ヒャッハー!!」
「シホットはどこだぁ!?」


カチカチに押っ立てた雄々しきモヒカン!

身長は2mを余裕で超え、パッツンパッツンの野戦服に勝手に付属したらしい肩パットなどを装着!

手にはハンドアックス、ソウドオフショットガン、火炎放射器、軍用クロスボウ!!


彼らは奇声や蛮声を挙げつつ、まるで荒野を征くが如く前進し続ける。


「フハハハハハハハ!! 前進せよ、我が軍団には制圧前進あるのみ!!」


彼らの進撃を鼓舞するように、楽しむかのように笑い声が響き渡る。

キャビン部分全部を玉座に置き換えたM3ハーフトラック。
運転手(モヒカン)の運転席の後部、デンと設えた悪趣味な玉座で仮面を付け軍用マントを羽織った師団長様は寛いでいた。

ちなみにモヒカン、肩パッドはこの快速師団の服装規定である。
彼らは米国紳士、身嗜みには軍規以上に厳しいのだ。

「シホット共さがれぇ!! 進撃路をあけろ~!! 師団長様の前線ご視察だ~っ!!」

ハーフトラックの回りにはパーシングが十数両護衛についており、その更に外周をモヒカン米兵軍団がバイクで追随している。

更にその前には十数両の火炎放射器を搭載したM4中戦車が進撃していた。

彼らの仕事はただ1つ。師団長閣下のご視察時に邪魔な『汚物を消毒』する事だ。


例えばの話、進撃路に生き残ったトーチカが存在し、対戦車砲や魔導銃を撃ってきたら、


「汚物は消毒だぁ~~~!!!」


10両以上の一斉火炎放射を浴び、トーチカと塹壕は一瞬にして消毒された。
火炎放射で綺麗さっぱり『消毒』し、師団長閣下のご視察に支障がないようにするのがお仕事なのだ。

974 :陸士長:2011/08/06(土) 12:43:52 ID:R/sYg.pQ0






「わはははは、投降しろぉ、消毒されてぇかぁ!?」
「前進勝利、前進勝利せよ!!」
「我が米軍にあるのは制圧前進のみだ、俺は分隊の反抗も許さん!!」

師団長の命令と共に、米兵達は獰猛な叫びを挙げつつ突進を再開する。
ちなみに彼らへ投降した、しようとした数奇なシホールアンル兵は皆無だった。
誰だって奇声を挙げながら怒濤の如く押し寄せるモヒカン軍団に投降して生き延びられるとは思わないだろうが……。

「ヒャッハー、師団長のご命令だぁー!!」
「逃亡兵だって逃がしゃしねぇぜー!!」
「ヒャア、もう我慢できねぇー!!」
「この米軍に無抵抗は武器にならぬわっ!!」

奇声と爆音を挙げながら縦横無尽、傍若無人に進撃していくモヒカン…………もとい米軍快速師団。
尚、彼らを見た現地民達が意味もなく土下座して見送ったというが事実は定かではない。





そして、彼らに捕捉された哀れな者達が居る。

それは……。



「し、車長、まだあいつら追ってきますよぉぉぉ」
「いいから逃げろ、とにかく逃げろガキンチョぉぉぉぉ」
「こ、降伏出来ないでしょうか……」
「あんな奴らに降伏なんて出来るかこのウスノロぉぉぉぉ」


悪路を必死に逃げる一両のキリラルブスと、後ろから追いかけてくる……


「ヒャッハー、新鮮なキリラルブスだぁ!!」
「ヒャッハー、通行税(損害)を払いなぁ!!」
「ヒャッハー、追跡タイムだぁ!!」
「ヘァイ!!」

モヒカン軍団の群れ。
キリラルブスの車体には幾つもの矢が突き刺さっており、この襲撃が執拗に続いている事を物語っている。
左右から接近しつつクロスボウをぶっ放してくるその様は某オーストラリア映画に出て来る暴走族そのもの。


「だ、誰か、誰か居ないのか、友軍はぁー!?」


立場が立場故に指揮系統と情報伝達が煩雑な彼らは知らない。
親衛石甲師団を初めとする反撃戦力の中枢たる機甲兵力が既に半減し、この戦域での友軍は既に大半が後退している事に。

特異な存在が故に後退の連絡が遅れ、モヒカン軍団に捕捉されてしまったのだ。


「だ、誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇ!!」
「ヒャッハー!! 逃がしはしねぇぜぇぇぇぇ!!」


試作型輸送キルラルブスの乗員達の災難はまだ終わらない……。






尚、彼らを助けたのは通りがかりの胡座をかいたまま両手からビームを放つ聖人だったとか何とか。





おまけ


「おい、あいつら軍票なんて持ってたぜ」
「シホットが降伏しちまえばケツを拭く紙にもなりゃしねぇってのにヨォ!!」

ゴミクズでもぶちまけるように投げ捨てられたシホールアンル軍の軍票の束は、バラバラになり冬の空へと泳いでいった……。

975 :陸士長:2011/08/06(土) 12:44:33 ID:R/sYg.pQ0
ネタ投下終了。

976 :名無し三等陸士@F世界:2011/08/06(土) 16:52:47 ID:hFlL9d4s0
陸士長様、ネタ話の投下乙であります。

シホット輜重隊を救ったのは七つの傷を持つ男ではなかったのですね(ぇ
???「あたたたたたたたたたたたた!!!」
モヒカン軍団「たわばひでぶあべし!!!!」
謎の男が立ち去った後には、原形をとどめず破壊され尽くしたモヒカン軍団の屍の山が築かれていたのだった…?
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