84 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 09:30 [ qUq6iUEM ]
「地震・・・?」
その知らせを聞いてから一週間も経たないうちに俺は葬式会場にいた。
写真の中で微笑んでいる父さんと母さん。
二人でちょっと旅行に出かけてくる。
そう言って出かけていった二人は変わり果てた姿で帰ってきた。
「偶然」起こった地震に巻き込まれ。
「ん、いってらっしゃい。」
なぜあんなぶっきらぼうな見送りをしてしまったのか。
なぜもっと話しておかなかったのか。
涙ももう枯れ果てていた
85 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 09:31 [ qUq6iUEM ]
返ってきた成績表に目を通す。
順位の欄には見慣れた「1位」の文字がある。
そしてこれを褒めてくれた二人はもういない。
教師達のわざとらしい賞賛ばかりが耳障りだった。
教師も友人も皆、「テンサイサマ」と俺に距離を持っていた。
あの二人がいないんだったらこんな頭要らない、邪魔になるだけなんだ。
防衛大学に入ったのは学費を払う余裕が無いからでもあった。
準国家公務員として給料が貰えるここしか選択肢が無かったのだ。
86 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/06/27(日) 15:41 [ qUq6iUEM ]
しかし教師達は大反対をした。
それだけの頭脳を持ちながらもったいない、と。
もったいない・・・っとはなんのか。
人殺しの大学って何なんなのか。
お前達が父さんたちを助けてくれようとしたのか?
ただお前らは学校の箔付けに俺に東大に入ってほしいだけだろう?
あの人たちは瓦礫の中で父さん達を必死に助けようとしてくれた。
お前達はこの悲しみを受験勉強で忘れろなんて言っただけだ。
87 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 15:42 [ qUq6iUEM ]
自分に向けられる理不尽な期待、誰も助けてくれようとはしない。
あの人たちなら助けてくれる?自衛隊なら・・・。
淡い期待もあった。
どこの組織も変わらないのだろうか?
俺を将来の幕僚として期待しているのか、俺はどこへいってもお客様扱い。
直属の部下という建前まで使って護衛がそばについている。
88 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 15:43 [ qUq6iUEM ]
そして俺は今、紅い月を眺めている。
ここがどこなのか誰にもわからない。
ただ分かることがある。
ここなら俺は、俺でいられる。
生きるか死ぬか、その境界線でなら。
俺の名は青島、青島秀司。
俺は64式7.62mm自動小銃を敵へと向けた。
「地震・・・?」
その知らせを聞いてから一週間も経たないうちに俺は葬式会場にいた。
写真の中で微笑んでいる父さんと母さん。
二人でちょっと旅行に出かけてくる。
そう言って出かけていった二人は変わり果てた姿で帰ってきた。
「偶然」起こった地震に巻き込まれ。
「ん、いってらっしゃい。」
なぜあんなぶっきらぼうな見送りをしてしまったのか。
なぜもっと話しておかなかったのか。
涙ももう枯れ果てていた
85 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 09:31 [ qUq6iUEM ]
返ってきた成績表に目を通す。
順位の欄には見慣れた「1位」の文字がある。
そしてこれを褒めてくれた二人はもういない。
教師達のわざとらしい賞賛ばかりが耳障りだった。
教師も友人も皆、「テンサイサマ」と俺に距離を持っていた。
あの二人がいないんだったらこんな頭要らない、邪魔になるだけなんだ。
防衛大学に入ったのは学費を払う余裕が無いからでもあった。
準国家公務員として給料が貰えるここしか選択肢が無かったのだ。
86 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/06/27(日) 15:41 [ qUq6iUEM ]
しかし教師達は大反対をした。
それだけの頭脳を持ちながらもったいない、と。
もったいない・・・っとはなんのか。
人殺しの大学って何なんなのか。
お前達が父さんたちを助けてくれようとしたのか?
ただお前らは学校の箔付けに俺に東大に入ってほしいだけだろう?
あの人たちは瓦礫の中で父さん達を必死に助けようとしてくれた。
お前達はこの悲しみを受験勉強で忘れろなんて言っただけだ。
87 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 15:42 [ qUq6iUEM ]
自分に向けられる理不尽な期待、誰も助けてくれようとはしない。
あの人たちなら助けてくれる?自衛隊なら・・・。
淡い期待もあった。
どこの組織も変わらないのだろうか?
俺を将来の幕僚として期待しているのか、俺はどこへいってもお客様扱い。
直属の部下という建前まで使って護衛がそばについている。
88 名前:F猿 投稿日: 2004/06/27(日) 15:43 [ qUq6iUEM ]
そして俺は今、紅い月を眺めている。
ここがどこなのか誰にもわからない。
ただ分かることがある。
ここなら俺は、俺でいられる。
生きるか死ぬか、その境界線でなら。
俺の名は青島、青島秀司。
俺は64式7.62mm自動小銃を敵へと向けた。