「な………んだと……!!!」
「ダ……ダービー………貴様…何故ッ……!!!」
腹から別の腕を生やした億泰は吐血し、その激痛に苦しむ。
何が起こったのか分らない音石をよそに、ダービーは恐るべき怪力で億泰の体を両腕でまっぷたつに引き裂き、億泰は上半身と下半身を分断させられる。
そしてバラバラになった億泰の体は地面に打ち付けられ、ダービーは億泰の血にまみれた両腕を、先ほどの怪物と同じように銃口を作り音石に向けて構える。
「フウ……、やっとまともに会話ができるな…… こいつの記憶によると…貴様の名は
音石明…か?
私の名は『
フー・ファイターズ』……… いや、既に名前など捨てた只のプランクトンの戦士だ……
さっきの身体……あれは駄目だな…… まるで『知性』が感じられない………
継ぎ接ぎの身体で神経伝達が上手くいかずに動きはノロイし、言葉も話せない…… 脳も死んでいたからまともな思考も行えない……
おかげで、何度も死ぬ思いをした……… いやはや…貴様らは強敵だったよ……」
『チリ・ペッパー』が復活したとき、上空に打ち上げられた
F・F弾の散弾……
あれは『チリ・ペッパー』を攻撃するために撃ったものでは無い。
仮初めの怪物の肉体から、『フー・ファイターズ』の『司令塔』を逃がすための撃ち出したもの……
復活した『チリ・ペッパー』が『電気のスタンド』であることを悟り、真っ向勝負で戦っても勝ち目がないと判断したF・Fが、隙をついて反撃するために行ったこと……
『フー・ファイターズ』は何にも寄生していない露出した体でも、30秒から1分ほどなら活動することができる。
それだけの時間があれば辿り着ける……
つい数分前に殺害した、そこいらに転がっているはずの、このテレンス・T・ダービーの死体にまで……
「ま…… 懲罰房でケンゾージジイに電気イスを喰らったっていう『思い出』が活きたってところか……
あれがなけりゃあ、貴様のスタンドが『電気』だっていう発想は生まれなかった……
あと一瞬……司令塔の脱出が遅れていたら、私がやられていたよ………」
こんなことをいまさら言っても仕方ないことではあるが、億泰と音石の二人の心には、どうしようもない決定的な油断が存在していたのだ。
それは、目の前の敵は鈍重で愚かな『怪物』であり、得体の知れない『化け物』であるという認識だった。
これまで『フー・ファイターズ』の事を『怪物』と表現し、億泰たちは彼のことを『化け物』と呼称していた。
しかし、事実はそうではない。
彼…… ――『フー・ファイターズ』―― は、殺すためには策を練り、生き延びるためには自分の身体をも捨て、そして守るべきヒトのためには手段を選ばない……
『フー・ファイターズ』は、怪物でも化け物でもない、『知性』を持った一人の『戦士』なのである。
「う……うわぁぁぁ!!!『チリ・ペッパー』ァァァァ――――――!!!!!」
銃口を向けられた音石がスタンドを発現させ身を守ろうとする。
しかし、『チリ・ペッパー』は現れない…… 当然である。
『チリ・ペッパー』は強い電源が近くに無ければ発現できないスタンドだ。
地下鉄はとっくの昔に通り過ぎてしまい、二台しかない地下鉄がもう一度近くを通るのは、まだまだ先の話である。
当然、他に強い電気を帯びた物質は存在しない。
音石がこの場所でスタンドが使えたのは、真下を地下鉄が通過する、その一瞬だけだったのだ。
「悪あがきをするな…… いま…『楽』にしてやる……」
ダービーの腕からF・F弾が撃ちだされた。
音石は今度こそ、自分の最期を悟り、目をつぶって覚悟を決めた。
そして、とどめの一発が音石の額に命中――――しない!?
「……行けッ!! 逃げるんだ………音石………ッ!
こいつは……俺が……引き受ける………!」
音石が目を開けると、そこにはダービーの体にしがみつき、抑え込もうとしている『ザ・ハンド』の上半身。
そして、その傍らには最期の力を振り絞りスタンドを操っている、腰から下の無い
虹村億泰の姿があった。
傷口からは肝臓や小腸……内臓器官がはみ出し、膨大な量の出血をしていた。
「貴様!! まだ生きていたのかッ!!! チクショウ、離れろッ!!!」
必死に億泰を引っぺがそうとするダービー。
その隙をついて、音石が負傷した腹を押さえながら全力で逃げ出した。
億泰の最期の、本当に最期の根性が、ダービーから音石を逃がすことに成功した。
ダービーに掴みかかっても、その体が削り取られることは無かった。
それだけ、億泰のパワーは弱り切っている。
しかし、それでも、たとえ自分が死んでも、一度喰らいついたスタンドは解除しなかった。
「なんて奴だッ…… こいつ、脳天にトドメの一撃をくらわせてやるぜッ……!!!」
ダービーが億泰の額に銃口を向ける。
億泰はここで死ぬ……しかし、億泰は満足していた。
今まで誰一人助けることができなかった……
しかし、最期の最期で億泰は音石明を……、『仲間』を助けることができた。
悔いはねえ…… これでよかったんだ………
俺なんか死んでも変わりはいる…… だが、音石は違う………
音石は『首輪解除』ができるかもしれない俺たちの切り札だ…………
荒木に抗うためには、音石の命は欠かせない……
ここで俺が死んでも、音石がリゾットにさえ再会できれば……みんな助かるかもしれねえ……
俺は音石を……助けられたんだ………
すでに体は動かない。
億泰は、最期の力を振り絞り、鉄のように重たい瞼を持ち上げた。
そして、音石が走り去って行った方へ、最後の視線を向けた。
「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
億泰が最期に見たものは、逃がしたはずの音石明が頸動脈から血の雨を降らし倒れる姿だった。
億泰が最期に聞いたものは、助けたはずの音石明の無残な断末魔だった。
億泰が最期に感じたのは、音石明の傍に立つもう一つの別の気配だった。
億泰が最期に理解したことは、自分は結局、音石明の命を助けることもできなかったという現実だった。
別の……敵……か………ッ!!
チクショウ……結局、こういう結末かよ………ッ!!
最期まで……俺は誰も守れなかった……情け……ねえぜ………
兄貴……すまねえ………
音石……露伴………、すまねえ………
…康一…………、仗……助……………、………………
――――奇妙な銃声と共に、億泰の脳髄は破壊され、心臓が鼓動を停止した。
★
「ようF・F……だいたい8時間ぶりぐらいか? あんな小物を取り逃がしちまうなんて、らしくないな……
前とずいぶん姿が変わったようだが、そのせいでもあるのか?」
音石明を一瞬で仕留めた男、
ナルシソ・アナスイが軽口を叩きながらF・Fに語りかける。
音石は間一髪で自分を逃がした億泰の方に意識が偏り、後方を気にしながら逃走していた。
前方不注意の音石明の首筋を『ダイバー・ダウン』で切り裂くなど、正面から不意に現れたアナスイには造作もないことだ。
「そいつの力じゃあない、こっちの不良野郎の『諦めの悪さ』にしてやられただけさ……
それに『変わった』……といっても、こいつは前の俺の身体だった奴の弟らしいぜ……
しかも、ついさっきまで荒木の所にいた『途中参加者』だそうだ……
『途中参加者』がいるなんて聞いてなかったが、どちらにしてもこいつに対した情報は『記憶』に無いみたいだけど……」
そして、億泰にとどめを刺したテレンス・T・ダービーの身体を操る者、F・Fも、アナスイに対し軽口で返す。
それぞれ人を一人ずつ殺した後の会話とはとても思えない。
しかし、彼らにとってはごく当たり前の会話だった。
F・Fは徐倫を優勝させるために修羅となり殺人を繰り返しているが、その徐倫自身には敵視されていた。
このアナスイは今のF・Fにとって、唯一等しい目標を持った『仲間』なのだ。
しかし、それにしても、アナスイの様子は以前と変わっていた。
「……『変わった』……と言うならアナスイ、お前もじゃあないのか?
お前は徐倫の為に人を殺すかという問いに「保留だ」と答えていたと思うが……?」
今、音石明への問答無用の一撃を繰り出したアナスイは、明らかに数時間前の彼とは別人であった。
少なくとも以前の彼は、無差別に殺人を行って回るような存在ではなかった。
そう、自分とは違って………
「あー、そのことなんだが、考えが変わったんだよ………
俺だって、まだ「荒木を倒す手段が無い」と決め付けたわけじゃあ無いんだがな……
ただ、『確率』の問題なんだ――――――」
徐倫と拳を交えたことや花京院との一件があって、嫌ってほど思い知ったのだ。
この町にいる『徐倫の敵』は、なにも荒木だけじゃあない。
本気で優勝を狙っている凶悪な殺人鬼がいくらでも存在する。
荒木を倒すために行動することは間違っちゃあいない。
まかり間違って、荒木を倒す方法が見つかるかもしれない。
何とかして荒木を倒し、正義を志す人間たちが何人も脱出することができるかもしれない。
―――だが、その時まで徐倫が生き残っているという保証がどこにある?
もし脱出に成功したとしても、その場に徐倫がいなければ、その大団円は何の意味も為さない。
そこに、アナスイたちの『勝利』は存在しない。
花京院との一件や、ティムを殺してしまったことが引き金になったのは確かだ。
だが、遅かれ早かれアナスイは、同じ結論に達していただろう。
いや、これでも遅すぎるくらいだ。
つまるところ、徐倫はアナスイの全てであり、徐倫が死んでしまってはアナスイは存在する価値が無い。
徐倫が生き残るには、確率の薄い脱出に懸けるより、徐倫を優勝させる方が最善で確実。
たとえそれが自分の死を意味するとしても、アナスイにはなんの後悔も残りはしない。
そして、多くは語らずとも、F・Fはアナスイの決意を理解する。
F・Fもまた、アナスイと同じ考えを持っているからだ。
「―――それでF・F、お前はこの後どうするつもりだ……?」
「……そうだな………、徐倫には会いたくねえし、
エシディシと戦えるくらい強力な身体を探そうかな……?
この身体も、さっきの化け物よりはマシだが、どうもゲームばっかやってた奴らしく肉体が貧弱なんだよ……
『フー・ファイターズ』のパワーを乗せても、せいぜい生身の人間をぶち抜く程度しか………」
「―――俺の身体を使ってみる気は無いか?」
F・Fの漠然とした計画語りをぶった切り、アナスイが予想外の提案を投げかける。
しかしこれは、アナスイがティムを殺害した後、F・Fに再会できたら提案しようと考えていた策であった。
もっとも、こんなに早く実現するとは思っていなかったが……
「どういうことだ? 身体を使う……? お前の身体を乗っ取るってことか?
お前がこの私に命を差し出すってこと……なのか?」
「違う、そうじゃあ無い。それじゃあ俺である意味が無いだろう…… 主導権はあくまで俺が持つ……
お前は俺を『生きたまま寄生する』んだッ!! 宿主である俺を乗っ取らず、『体内で共存するかのように寄生する』んだッ!!
そうすれば、俺や『ダイバー・ダウン』の力を失う事は無く、さらに力を上乗せした最強の『フー・ファイターズ』になれるはずだッ!!
お前ならそれが『できるはず』だッ!!!」
これがアナスイの考えだった。
もうすぐ殺し合いが始まって丸24時間が経過しようとしている。
途中参加者が一人加わったとしても、既にゲームは佳境……
次の放送にもよるが、以前までのペースが続けば、もう既に残りは20人を切っているかもしれない。
さらに、エシディシやDIOのような巨大な敵がまだ生き残っているはずだった。
もしかしたら、徒党を組んだ対・荒木派の集団との戦闘になるかもしれない。
そうなったとき、これ以上戦力を分散するメリットは少ない。
F・Fと出会えたなら、二人の力を一つに集中させ、強力な一人を戦士となった方が、明らかに効率が良い。
「なるほど……。……いいだろう、わかった…………」
F・Fは二つ返事で了承する。
申し出を断る理由はどこにもなかった。
ダービーの身体が力無く倒れ、中から剥き出しの『フー・ファイターズ』が姿を現す。
そしてアナスイを殺さぬよう細心の注意を施しながら、ゆっくりと身体に侵入していく。
アナスイの身体に奇妙な感覚が広がっていく。
それは気味が悪くもあり、また心地よくもある不気味な感覚だった。
―――これでついに、俺も人間をやめちまったってことになるのかな……
だが、そんなことは大して問題にならない………
どうせ俺はあと数時間で死んじまうんだ……………
そう、徐倫以外の人間はすべて……もうすぐ死ぬ運命なんだからな――――――――――
アナスイとF・Fとの『融合』が完了した。
背格好も、肌の色も、見た目は元のアナスイの何も変わっていない。
だが、中身はまるっきり別物……
アナスイは軽く手のひらを何度か握り、首の骨を鳴らしてみる。
さらに軽くダッシュ、ストップ、簡単な動作を繰り返す――――
基本的な動作に問題は無い。
むしろ基本身体能力は飛躍的に向上している。
この身体なら生身でも2メートルの壁を助走なしで飛べそうだ――――
アナスイが指先に力を集中させる―――
すると、指は形を変え、人差し指の先に銃口が生まれる。
2~3発試射―― コンクリートの塀に穴が開いた――――――
F・F弾、使用可能――――――
水分を補給し、花京院から受けた傷口に力を集中させる―――
体内のF・F細胞が働き、傷口は静かに塞がっていく。
肉体の再生も、可能――――――
スタンド『ダイバー・ダウン』を発現させ、その拳をコンクリートの地面に向けて振り下ろす。
すると衝撃と同時に地面は形を変え、足元には巨大なクレーターのような跡が残った。
『ダイバー・ダウン』、大幅なパワーアップ――――――
『ダイバー・ダウン』に『フー・ファイターズ』のパワー、上乗せ可能――――――
(すごい……なんてパワーだ………これならあのエシディシとも対等に戦える……)
(これからどう動くべきか……どちらにしろ徐倫に出会うのはマズイ……)
(花京院を探すことにするか? アナスイが『乗っている』事は、現時点では奴しか知らない……)
(いや、それより後数分で放送が始まる…… 安全な場所で放送を聞く準備をした方がいい…… 徐倫の安否も確かめられる……)
(それがいい、コロッセオなんてどうだろうか…… 中は身を隠すところは多いし、俺がさっき覗いた時は無人だった…… ここからの距離も近い……)
まるで自分の脳内で二つの人格が会話をしている、そんな妙な気分だった。
どっちのセリフがアナスイで、どっちのセリフがF・Fなのか、自分でもよくわからない。
アナスイは完全に、人間をやめてしまった。
人間の肉体と、プランクトンの知性と、最強のスタンドを携えた
寄生獣に変貌していた。
少し前に、北の空に隕石が落ちるのが見えた。
ウエストウッド看守は死んだはずだから、あれは誰かが奴からDISCを奪ったということだろうか?
あれを見たら、徐倫は北へ向かうだろうか?
向かうだろうな……、彼女はそういう人間だ。
だとしたら、あまり北へは行けないな……
よし、これで放送後の目的地も決まった。
ダービーの記憶に見た、ナチス研究所のエシディシと、決着をつける。
恐らく、この殺し合いで一番の危険人物……
徐倫を殺してしまうかもしれない、最も危険なこの世の悪魔だ……
エシディシさえ始末してしまえば、徐倫が生き残る確率が格段に上昇する。
必ず打ち砕いてみせる………
俺の……私の………
『ダイバー・ダウン・フー・ファイターズ』で…………!!
【音石明 死亡】
【虹村億泰 死亡】
【F・F 便宜上死亡?】
【残り 15(16)名】
【F-3北西部/1日目 真夜中】
【ナルシソ・アナスイ with F・F】
【スタンド】:ダイバー・ダウン・フー・ファイターズ
【時間軸】:アナスイ…「水族館」脱獄後、F・F…DアンG抹殺後
【状態】:健康、全身にF・Fの細胞が寄生し、共存している。
【装備】:なし
【道具】:基本支給品×5、点滴、クマちゃん人形、双眼鏡、ラング・ラングラーの首輪、トランシーバー2つ(スイッチOFF)、ラング・ラングラーの不明支給品(1~3。把握済)、テイザー銃(予備カートリッジ×2)、杜王町三千分の一地図、牛タンの味噌漬け、ノートパソコンの幽霊
※基本支給品はアナスイ、ラングラー、ティム、ヴェルサス、音石の五人分です。
音石の水はF・Fが回復に利用しました。その他食料、水がどれだけ残っているかは不明です。
【思考・状況】
基本行動方針:
空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる。そのために、徐倫以外の全ての参加者を殺害する。
0.F・Fと融合し、人間をやめた。もう恐れるものは無い、皆殺しにするだけだ。
1.コロッセオに隠れ、第4回放送で徐倫の安否と残り人数を確認する
2.放送後、ナチス研究所に向かい、エシディシと決着をつける。
3.アナスイがゲームに乗っていることを知る花京院を始末する。
しかし、どこへ行ったかはわからないので後回し。
4.徐倫には会いたくない。
【備考】
融合前のアナスイの情報
※
マウンテン・ティム、
ティッツァーノと情報交換しました。
ブチャラティ、フーゴ、ジョルノの姿とスタンド能力を把握しました。
※
ラバーソールとヴェルサスのスタンド能力と容姿を知りました。
※首輪は『装着者が死亡すれば機能が停止する』ことを知りました。
ダイバー・ダウンを首輪に潜行させた際確認したのは『機能の停止』のみで、盗聴機能、GPS機能が搭載されていることは知りません。
※ヴェルサスの首筋に星型の痣があることに気が付いていません。
※F・Fが殺し合いに乗っていることを把握しました。
※ポルナレフが得た情報について知りました。
※マウンテン・ティムと改めて情報を交換し、花京院の持っていた情報、ティムが新たに得た情報を聞きました。
※ティム・ヴェルサス二人分の支給品を回収しました。
融合前のF・Fの情報
※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます。
※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いていません。
※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました(ジョルノの情報は
アレッシーの記憶よりこちらを優先)
※ダービー兄とアレッシーの生前の記憶を見たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。
※ダービー弟の生前の記憶を見たので、ゲーム前半の荒木の動向、ナチス研究所に集まっているリゾットたちやエシディシの情報を把握しました。
※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、若返らず、太陽光に弱く、スタンドを使えると認識しました。 (太陽光が致命傷になることも把握)
※自分の能力について制限がある事に気がつきましたが詳細は把握していません。
※
ディアボロの能力を『瞬間移動』と認識しています。
※FFが捨てた支給品(デイパック×2、壊れた懐中電灯、加湿器、メローネのマスク、カップラーメン)がF-3南部に落ちています。
※
第三回放送を聞きました。徐倫とアナスイの名前が呼ばれていないこと、プッチの名前が呼ばれたことだけは確認しています。
融合後の情報
※アナスイ、F・Fの人格が融合しました。
基本はアナスイですが、今後どうなっていくかはわかりません。
※F・F弾や肉体再生など、原作でF・Fがエートロの身体を借りてできていたことは大概可能です。
※『ダイバー・ダウン・フー・ファイターズ』は二人の『ダイバー・ダウン』に『フー・ファイターズ』のパワーが上乗せされた物です。
基本的な能力や姿は『ダイバー・ダウン』と同様ですが、パワーやスピードが格段に成長しています。
普通に『ダイバー・ダウン』と表記してもかまいません。
※アナスイ本体自身も、スタンド『フー・ファイターズ』の同等のパワーやスピードを持ちました。
※その他、アナスイとF・Fがどのようなコンボが可能かは後の作者様にお任せします。
※ジョナサンの『プラネット・ウェイブス』による隕石を北の空に目撃しました。
徐倫が向かっているかもしれないので、しばらくコロッセオより北には向かうつもりはありません。
※【F-3 住宅地】の地面の一角に『ザ・ハンド』によって開けられた人間一人分が通れる穴が開いています。
穴は真下を通る地下鉄のトンネルにつながっています。
※億泰、音石、テレンスの遺体のそばに、怪物だったものの肉片とF・Fの携帯電話、地図、名簿の残骸が落ちています。
★
「あぁ……億泰さん……音石さん………っ!!」
何の変哲もない杜王町住宅地の一角で、空へ上っていく魂を見つめ、杉本鈴美は涙を流す。
この数時間は、鈴美にとって地獄のような時間だった。
そんな彼女の悲しみを煽るように、背後から語りかけるのは、荒木飛呂彦。
「ふっふっふ…… 鈴美さん、残念だったねえ………
山岸由花子に片桐安十郎、
岸辺露伴に
川尻早人、そして今回の虹村億泰に音石明……
君のこの町の住人が立て続けに6人も………
これで杜王町の住人は全滅かな? ……いや、まだ一人残っていたかッ!
君の大好きな、吉良吉影くんがねッ!! ハ――ッハッハッハッハッ!!!!!!」
高笑いする荒木飛呂彦を睨みつけたい衝動を堪え、杉本鈴美は視線をそむける。
荒木は、人が苦しんでいる顔を見ることを楽しんでいる。
自分が荒木に怒りをぶつけても、荒木はそれを喜ぶだけなのだ。
露伴ちゃん、由花子さん、早人くん、億泰さん………
みんな死んでしまった。
これで自分のことを、この『場所』を知る者が誰一人いなくなってしまった。
ここはダービーズ・アイランドと同じ、荒木の隠れ家の一つに過ぎない。
しかし、この場所を知っている人がいれば、逆転の一手につながるかもしれなかったのに……
鈴美が館の中へ戻っていく。
元々自分の家があったそこには、趣味の悪い洋館がそびえ立っている。
どうせこの路地から出ていくことはできない。
しかし、このままここで荒木飛呂彦の雑談に付き合うことだけはご免だった。
「あれ?部屋に帰っちゃうのかい? 外の方が、殺しの空気を生で感じられて心地いいのにな……
それにしても、こんな結末を迎えるとは思わなかったなあ……
首輪のないF・Fをいつまで特例で生かしておくか考えていたが、放置しておいて正解だった。
彼らは自分から、運命をより面白い方向へ動かしていく。いやいや、実に面白いよ。
彼ら二人組が生き残ったあかつきには、二人を優勝者として認めてあげよう。
もっとも、彼らは優勝する気なんてさらさらないみたいだけどね……」
荒木飛呂彦はやんちゃな子供のように腰かけていたポストから飛び降りた。
面白いのは何もF・Fやアナスイたちだけではない。
つい今しがた決着のついたジョースター家とツェペリ家の因縁をかけた最期の戦いも見物だったし、エシディシたちやディオ吉良ディアボロ組だって、面白いことになっている。
もうじき6時間ぶりの放送の仕事もあるし、荒木のテンションは上がる一方であった。
「やべっ 踏むとこだった!」
杜王町の忘れられた一角に、子供のような性格をした、悪魔のような男が一人、笑っていた。
【F-4 杉本鈴美の幽霊の小道/1日目 真夜中】
※現在、荒木はここから会場全体を観戦しています。
※侵入不可。脱出不可。
杉本鈴美はゲーム開始時からこの路地に閉じ込められて、自由に出ることができません。(たとえ振り返らなくとも)
※旧杉本邸のかわりに不気味な洋館がそびえ立っています。
※ここはダービーズ・アイランドと同じで荒木のアジトの一つに過ぎません。
他にいくつのアジトがあるかはわかりません。
少なくとも宮本輝之助(エニグマの少年)はここにはいないようです。
※荒木はF・Fを便宜上死亡とし、放送でも名前を呼ぶつもりです。
しかし、F・Fの『知性』は文字通りまだ滅んでいません。
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最終更新:2011年04月03日 11:52