本ロワにおける動向
詳細
第5話「 ナイトウォッチ」で初登場。
突然殺し合いに巻き込まれたことに怯えながらも、他の参加者を驚かせて戦意喪失を狙おうとするという安定の無害妖怪っぷり(?)を見せる。
意を決して早速通りかかった参加者を驚かせにかかるが、よりによってその参加者はマーダーである ウェス(ウェザー)。
成す術無く ウェスに嬲られ殺されそうになるもギリギリの所で駆けつけた 紅美鈴に助けられその場から逃げることに。
第49話「 ”HAIL”2U!」。小傘は トリッシュと ウェスの戦闘を見守り続ける。
しかし ウェスの攻撃は小傘らにも容赦なく襲いかかってきた。天候操作によって周囲一体に無数の雹が降り注いだのだ。
小傘は勇気を振り絞ってスペルカードを発動し、その身を呈して ジョルノ達を守ってみせた。
触媒となる傘が大破しながらも、『傘』としての役割を果たせたことに満足しつつ意識を失った。
命を賭して ジョルノ達を守り通した彼女は、第74話「 何ゆえ、もがき生きるのか」でも半死状態が続いていた。
天へと昇りゆく彼女の魂を寸での所で繋ぎ止めていたのはジョルノの『生命を産み出す能力』。だが小傘はそれを善しとしなかった。
『傘』としての使命を全うするため、敵の『死の雨』から味方を守りきった彼女に未練は無かったのだ。だからこそジョルノ達には自分以外のか弱き者達を救って欲しいと考えた。
その不毛な時間も三時間が過ぎた頃、ふとした拍子に トリッシュの荷物から転がったスタンドDISCが小傘の頭に入り込む。
欠けた魂を補うように引き込まれたDISCは、小傘にもう一度生きるチャンスを与えた。それは運命が彼女に生きろと言っているのか…今の小傘にはまだ知らぬ偶然の出来事だった。
第105話「 人妖彼岸之想塚」。生の実感と共に僅かな休息を得る小傘の耳に第1回放送が鳴り響く。
その内容をきっかけとして トリッシュは軽く取り乱し、 ジョルノや小傘にも食いかかる。
彼女の様子に小傘はビビりまくるも、それを誤魔化すように最近あった命蓮寺での活躍を力強く語りだす。
トリッシュを多少元気付けることは出来たが、 ミスタの肩代わりを少しでも担いたいという小傘の発言はトリッシュにとって地雷だった。
激情したトリッシュは小傘を一方的に突き放し、トラックから出て行く。孤独に悲しむ小傘が次に行った行動は自身の存在意義でもある『悪戯』だった。
戻ってきたトリッシュとジョルノを心底から驚かすことで、自分という存在が出来ることを精一杯彼女なりに示したのだ。
こうして信頼を築くことが出来た小傘。しかしジョルノには不安があった。小傘に触れた時、彼女の体温が異様に低かったことに…。
第118話「 紅蒼の双つ星 ― ばいばいベイビィ ―」。霧の湖にて今後を考えていた彼女たちの前に現れたのは 洩矢諏訪子、 リサリサ、そしてボロボロの フー・ファイターズの姿。
F・F曰く、紅魔館にて 博麗霊夢、 空条承太郎の生命が危機に瀕している……それを見過ごすことの出来なかった小傘は、ジョルノに彼女たちの救出を懇願する。
かくして急遽結成された霊夢・承太郎の救出チームは紅魔館に突撃し、悪の帝王 DIOと這い上がる悪の芽 Dioの二人と対峙に至った。
ジョルノの策とF・Fの時間能力が二人の帝王を出し抜き、誰一人欠けることなく霊夢と承太郎を救うことに成功する。
しかし事態は決して良い方向に繋がることはなかった。ジョルノやリサリサの治癒能力を以てしても承太郎・霊夢両名の状況は死の瀬戸際から戻らない。
更に悪運なことに、最悪の遭遇者・ 霍青娥が乱入、ちょっかいを掛けてきてしまう。その場は諏訪子の能力で難を逃れるも、彼女の己が欲に対する末恐ろしい追求心は止まることはなかった。
小傘にとって致命的な不幸……それは彼女の命を繋ぐDISCの存在が青娥にバレてしまったことだろう。霍青娥という邪仙は、目を付けた興味対象を手に入れるまで決して諦めたりしないのだから。
第142話「 そして少女は、虹色の夢を掴んだ」にて、全ての希望を無駄にするべく牙を向けるディエゴと泥濘より溢れる欲の化身青娥の追撃が、殿として行く手を阻む小傘、諏訪子、F・Fの三名を襲った。
震えながらも闘う決意、霊夢たちを守る決意を固めた小傘。闘いの勃発後すぐに意識を失うも、しばし夢を見る。
それは幻想郷の管理者、 八雲紫の介入する夢幻。一個の付喪神に過ぎない己に比べたら遥か天上の存在。
小傘は、そんな彼女から直々に頼み込まれることとなる。「結界の管理者である、博麗霊夢を、どうか救って欲しい」と。
図々しくも等価交換の願いを持ち掛け、目醒めた小傘を待っていた仲間は既に居ない。諏訪子もF・Fも倒されてしまっていたのだ。
崖っぷちから半歩押しやられた小傘は、自分に残った最後の希望『キャッチ・ザ・レインボー』のDISCを発動し、我が身一つで二つの悪意に立ち向かうこととなる。
雨の中でのみ発動できる能力はすぐさまディエゴと恐竜化された紫を完封し、残る敵は邪仙青娥だけ。
真に恐ろしいのは彼女の飽くなき好奇心。小傘の額に眠った力……それのみを欲する為、青娥は彼女の放つ攻撃のことごとくを悠々と突破せしめる。
とうとう致命傷を負い、それでも立ち上がることをやめない小傘。もはや抜け殻でしかなくなりつつあるその身を支える根源は何か。
幾度も傷を負い、決定的なダメージを刻まれ、唯一つの希望であったDISCすらも奪われる。肉体・精神の全てを蹂躙され、天へと昇る運命を決定付けられた小傘は、その瞬間――自覚した。
「なれた……私は、なれたんだ、『神様』に……!」
『唐傘の付喪神』から『八百万の神の一柱・多々良小傘』へと。
小傘はこの時、確かに夢を叶えたのだ。
「……ねえ、トリッシュ! ジョルノ! 見てよ!
あたしね、夢が……夢が叶ったの!!
あたし、『神様』になれたのよ!!」
正真正銘、渾身で送り出す最後の一撃を、隙だらけの邪仙へと。
その攻撃は―――神を喰らう顎[アギト]によって砕かれた。
ディエゴの執拗な執念により小傘は粉々に砕かれ、残酷に切り刻まれ、その肉片一つに至るまで叩き潰されてしまう。
掴み掛けた虹は悪に敗け……霧散した。
登場話当初からひたすらに純粋で、ひたむきだった小傘。その末路は皮肉にも、このロワ随一と呼べるまでに悲惨な残骸へと変えられてしまった。
彼女が最期に伸ばした手は何処へ届き、その瞳は何を見上げていたのか。
それを知る者は、荼毘に付すことすら叶わなかった『神の一柱・多々良小傘』以外には居ない。
【多々良小傘 かみは バラバラになった】
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