Q 国際教育に力を入ている都立国際高校とICU高校(国際基督教大学高校)の2校を志望校として検討しています。校風は似ていると思いますが、どちらが良いでしょうか。教えてください。

A 都立国際高校とICU高校(国際基督教大学高校)は、かなりの共通点がありますね。帰国子女が多いこと、外国語教育に力を入ていること、自由な校風であること、海外大学への進学者が多いことなどが共通点です。

私は、高校卒業後の進路希望で決めるのが良いかと思います。ICU高校は学校名の通り、国際基督教大学の附属高校です。ICU高校から国際基督教大学へは、約3割の生徒が内部進学します。そうすると、内部進学の推薦枠のあるこICU高校は魅力的な気がします。ただ、致命的な欠点があって、高校はあまり他大学への進学指導に熱心ではありません。ですから、他大学を受験する7割の生徒は、予備校に早期から通う傾向にあります。また、附属なので大学受験の緊張感が3年生になっても乏しいです。

都立国際高校の場合は附属大学がありませんから、全員がどこかの大学を受験します(国内の有名大学であれ、海外大学であれ)。ですから、先生も海外を含めた大学進学指導に大変熱心で、国内の大学受験事情も熟知しています。都立国際高校には、本格的な論文執筆をする「課外研究」という授業や学校独自のテキストでおこなう「国際理解」という授業など、授業は大学教養学部レベルまで踏み込む、リベラルアーツ教育の大変盛んな学校ですが、一方で進学校として、大学受験指導にも大変力を入れています。推薦はもちろん、一般入試でも、早慶上智レベルであれば、予備校に通わず現役合格する生徒が多いのが特徴です。3年生になれば、全員が大学受験に向けて頑張ります。

意外な事実として、「サンデー毎日」という雑誌が「現役難関私大進学者数ランキング」という特集を組みましたが、そのランキング表で、なんと都立国際高校は、東日本でトップの現役進学率をほこる学校であることが明らかとなりました。特に、早慶上智への進学には大変強いです。さらに2013年に、国際はバカロレアという世界の大学の入学資格の教育システムを導入することを決めています。したがって、海外の名門大学の進学は他校よりかなりアドバンテージがあります。

結論として、国際基督教大学への進学を考えるならICU高校、早慶上智などの他大進学を考えるなら都立国際高校が良いでしょう。

もちろん、学費の違い(国際は無料)、立地の違いなども考慮するべきでしょう。都立高校は来年度より学費が無償化されます。


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最終更新:2014年01月01日 05:24