ああ悲しき神奈川県立多摩高校の評判と進学実績の実情

川崎市内の塾で進路指導をしている身として言うと、“川崎市内の公立トップ校”と自称する県立多摩高校の進学実績のヒドさには目をおおうばかりである。

 現役の大学進学実績を見ればよくわかる。今年(2010年)の現役の合格実績をお見せしよう。

早稲田大 18人

慶應義塾大 12人

国公立大      25人

 いかがだろうか。ここまで凋落していることに驚く人が保護者世代では多いのでないかと思う。これが“川崎の公立トップ校”と自称する多摩高校の実態なのである。

早稲田と慶應に現役で合格しているのは30人。このうち、1人で早稲田の学部2つに合格していたりする子も多いだろうから、実際には多摩高校の1学年約300人のうち、現役で早慶大に届くのは15人くらいだろう。学年の上位1割に入っていても、早稲田や慶應は厳しい現実がある。

国公立大の数字もさびしい。やはり学年の最上位1割ぐらいに入ってないと、国公立大に現役合格するのは厳しいのだ。

これでも昔は、多摩高校も東大に10人近く合格させていた時代があった。早稲田も70人ぐらいは合格させていた。それも今は昔である。今や多摩高校の実績は、横浜市内の学区2番手校程度だ。

川崎市内で唯一マトモな教育をしているのが、市立川崎総合科学高校の科学科。難関国立大の現役合格率は川崎市内でトップどころか、神奈川の公立全体でもトップクラスという実力校。面倒見抜群。ただし定員が少ないのと、理系色が強いため文系は選びにくいという欠点がある。

だから結論は見えている。川崎市内の中学生でマトモな大学(国公立大や早稲田・慶應など)に行きたい子は、川崎を出て、横浜の学校へ行くのが一番良い。

川崎市内から十分通学圏で横浜市内でおすすめの学校は、川和高校と横浜翠嵐高校。川和高校の今年の現役進学実績を見てほしい。

早稲田大 52人

慶應義塾大  23人

国公立大 44人

これを先の多摩高校の実績と比較してほしい。親御さんや中3生に、あれほど口を酸っぱくして、横浜市内の公立トップ校を目指せと言う理由が分かってもらえると思う。

浪人率も全然違う。多摩高校は例年4~5割が浪人。川和の浪人率は2割にすぎない。

横浜翠嵐も良い学校だが、川崎からはちょっと遠い。そこまで遠くの学校へ行く必要はないから、通学時間の短い方を目指せばいい。翠嵐とて、東大合格者は結局予備校に通っている。

川崎の中学生や保護者の方には、川崎市内の公立トップ校の惨状をよく理解して、高校選びをしてほしいと思う。たった3年間が一生を左右するのだから…。

終わり 

最終更新:2010年07月24日 08:49