Q.東京都内在住の高校受験生です。現状の成績は決して優れているわけではありませんが、将来は4年制の大学に進学したいと思っています。大学進学の方法は、一般入試のほかにも、高校の持っている大学指定校推薦を利用する方法もあることを最近知りました。親に聞いたら、「指定校推薦枠は都立高校よりも私立高校のほうがたくさん持っているので有利だ」と言っていました。本当ですか。

A 結論からいえば、それはウソです。君の親だけでなく、多くの人が誤解しているようですね。

私立高校でも、大学の附属高校は、もちろんその大学への推薦入学枠を沢山持っていますから、普通の高校よりも推薦枠が豊富ですが、普通の高校で比較すると、私立高校も都立高校も指定校推薦枠の数は変わりません。

いやむしろ、同じ偏差値の私立高校と都立高校で比べると、都立高校のほうが有名大学への指定校推薦枠をたくさん持っている傾向にあります。

どうして多くの人が、「大学への推薦入学は都立高校よりも私立高校の方が有利」だと誤解しているかと言いますと、一つは説明会などでの宣伝を私立高校側が盛んにしているからです。

中堅校以下の私立高校の説明会へ行くと、よく「うちの高校は、100以上の大学から指定校推薦を受けています。指定校推薦枠の数は300以上で、1学年の生徒数よりも多い数です」などと宣伝しています。

こういうことを聞くと、「わあ、生徒数よりも多い数の大学推薦枠があるなんて、やっぱり私立高校はお得だなあ!」なんて思うかもしれません。

でも、実はどこの高校も、生徒数よりも多い大学指定校推薦枠を持っています。偏差値40の都立高校にも、100以上の大学から指定校推薦をもらっています。

あたかも、うちの学校だけ特別だと思わせるような説明をする私立高校があるので、注意してください。

先ほども言いましたが、同じレベルだと、むしろ都立高校のほうが良い大学に指定校枠をたくさん持っている場合が多いです。これには様々な理由があるのですが、ここでは書きません。

また、中堅クラスの都立高校だと、大学の推薦入学指導は大変熱心におこなっています。推薦入学を考えるなら、私立より都立のほうがお得でしょう。


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最終更新:2010年04月15日 10:57