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 春が謳歌する花畑。穏やかな風が白、黄色、赤の色鮮やかに咲く花々の匂いを運んでいる。
 一つのお弁当に向かい合ってつかさとこなたは女の子座りしている。
 つかさ特製の卵巻きを口に入れるこなた。
「美味しい!!」
 こなたはモグモグと軽快に賞味しながら、悦にひたった。
「えへへ。ホント?」
 首をかしげてもう一度その返事を促す。こなたがニマリとする。それは誰にそうして貰うより嬉しい。
「良かったぁ!」
「うん。さすが未来のコックだね。つかさも食べなよ。」
 こなたは箸でもう一つつまみ、少しうつむくと、にへらと笑って、頬を赤く染めて言う。
「…ほら、あ~んして。」
 辺りを見回すつかさ。地平線を花々を散りばめた緑と澄清の青が割っている。
 つかさは思わず嬉しくて笑みがこぼれる。
 まあるく開けた口をこなたにゆだねた。
 かがみがつかさとこなたの交際を否定した夜、偶然にも二人が揃って見た夢の光景だった。

~風~

 陰鬱な空合い、ややもすれば雲が泣き出しそうな、朝。電灯に照らされた教室。早々から登校していたみゆきは幾つかのことに驚いた。つかさとこなたが共に現れなかったこと、挨拶すらしなかったこと、それにこなたの頬にうっすらとアザがあったことだ。
「その、上手くはいかなかったんですね。」
 二時間目と三時間目の中休み、こなたがみゆきの机にのたりともたれて「やな天気だねぇ」と切り出した話を早々に切り上げて、みゆきは訊いた。
「まあ、大体ご想像の通りかな。」
 依然空模様を気にするように窓の向こうを眺めながら、こなたはみゆきと会話する。
「あ、あの…。」
 みゆきはぎこちなく慎重に言葉を選んだ。
「その、かがみさんはかなり動揺したんですね。」
 こなたは頷いて、頬を皮肉っぽくつり上げ頭を掻いた。視線は変わらずに窓の向こう。その姿はあまりにもの悲しい、とみゆきは思った。
「いや~、つかさへの並々ならぬ愛を感じたよ…。」
 みゆきは表情に困り、同情の色を残しながら苦笑いをした。
 ぽつぽつと雨が降り始める。こなたはその降り始めの様を少し眺めてからみゆきに向き直った。物を斜に見た、でも勇気ある少年のような顔だ。
「昨日つかさと電話してね、かがみの提案にのる事にしたんだ。」
 こなたはそう呟くように言ってから一息つく。
「お互い距離を置こうって。」
 つかさは愛する彼女を気にしないで次の授業の準備を終えると教室を抜けていった。それにこなたも気にかける様子はない。
「1ヶ月、気持ちも距離を置く事にしたんだよ。かがみも突然の事だったし、時間が欲しいんだろうしね、」
 まくしたてた言葉はみゆきにこなたが言っておかないといけない言葉だった。勢いでそれらを伝える。
「それに…、まぁそんなとこだよ。」
 こなたはそう言って言葉を詰まらせた。みゆきは直視出来ず視線を落とす。
「そうですか…。」


 こなたは立ち上がって背伸びをした。
「う~ん!みゆきさん!別の話しようよぉ。あ、それとかがみの分のツッコミよろしく。」
 見上げたみゆきの前にはにいつものにんまり顔で真っ直ぐ見つめ返すこなたがいた。
「ツッコミ、ですか?」
「ほらまずは話題、話題。」
 みゆきはわたふたとしてから、かしこまった。
「は、はい!えぇ~っと、来週は三回目の学力テストがありますね。泉さんは…」
 おおぅ!そう来ましたか!?
「そうだね…。私、も~少し勉強頑張らないとねぇ…。」
 目元に陰ができて、肩を落とすこなた。一喜一憂を全身で表現するあたり、普段通りだ。みゆきは何時も通りの焦り方でつなぐ話題を探した。
「…そう言えば学力テストには志望校を書くところがありますが、泉さんはどうしているのですか?」
 こなたはにやりと不敵な笑みを浮かべた。
「う~んとね。決まって無いから適当だよ。一昨日の進路希望調査には東大、京大、○アニって書いた。」
 人差し指を立て、普通の出来事のように話して歪んだ高校生っぷりをアピール。
 さあツッコミたまえみゆきさん!
 瞬時にみゆきの脳内がフル稼働した。
「もういっそマジ○カも書いとけよ。私、見放してやるから。」
 こなたのみならず近辺のクラスメートの会話や、作業、読書まで止まった。
「ぬぁ!?みゆきさん!?」
 みゆきは赤らめた顔を両手で覆ってうつむいた。指先にのった眼鏡だけが位置座標をかえない。
「あ、あの私なりにかがみさんをイメージしたのですが…。」
「き、器用だねみゆきさん…。」なんか今のかがみより毒なかった?


 昼休み、日を通さない分厚い雲がいっそうの雨を校舎に落としている。
 つかさはかがみのクラスでご飯を食べていた。
「でね、先生その脅迫状まがいに忙しくって宿題出してたの忘れてくれて、凄く助かったの!」
 そう言ってつかさは自分で作った卵巻きをはむっと口に入れる。ふわりとほどけ、芳ばしい香りが甘味と共に広がる。凄く幸せ。
「随分たちの悪い悪戯ねぇ…。」
とあやのは眉を寄せ、みさおはケラケラと邪気無く笑って言った。
「でも、柊妹は柊姉と違って宿題忘れたりすんだな」
 つかさは、えへへ、と恥ずかしく頬を指で撫でる。
「いや~実に人間味があるじゃん?」
「そう言ってもらえると、ちょっと救われるかも…。」
 つかさはみさおの方を向いて、はにかみながら微笑んだ。
「日下部、あんたさりげなく私を攻撃してるだろ。つかさ、こいつの方に流れてったら終わりよ。それにもう宿題忘れないようにって夏休み前にメモ帳買ったじゃない。あれはどうしたの?」
「あ、」
 つかさはこの手の不意討ちに表情のテンプレートが用意できない。無表情に沈黙した。3人は反応待ち。つかさは頭をかきながら、縮こまって言った。
「えっと、鞄には入ってるから、今日からまた使うよぉ…。」
 その肩にみさおの手がぽんとおかれた。つかさが見ると、みさおはわかるぞ、としみじみと同情の顔をしている。
「…心の友よ。」
「ど、どんだけぇ~」
 かがみもつかさと同じお弁当の卵巻きをつまみながら、二人の絡みに苦笑した。なんだろうか、とても愉快だった。
「あはは、ホントどんだけよぉ~。」
 つかさは顔を赤らめすっかり席に小さくなる。なんだか窮屈だけれど暖かかった。


 この時、つかさもこなたも、そしてかがみも心にぽっかりと穴が空いていたが、それは度を超えて辛い事にはならなかった。
 つかさはふと思う。
 1ヶ月。あんな夜を過ごした私だから、それはとっても待ち遠しい。でもそう思うことはお姉ちゃんとの約束に反してしまう。だからおし殺さなくちゃいけない。
 1ヶ月。近づく約束の日。まるで昨日見たドラマだ。
 噴水、深夜12時…。現実はレポートをやるだけ…。
「つかさ?どうしたの?」
「あ、え、レポート?」
「レポートあるの?」
「うううん。無いよ。」
「…そう。」
 何気ないように気遣っていたかがみの表情が少しだけ曇った。


 夕方。雨はあがった。雲間から漏れ出した橙色が駅のホームを無表情に染めていた。こなたとみゆきはお互いの電車を待っている。
「さぁて、今日は帰ったら勉強してみよっかなあ~、みゆきさんわかんないとこあったら電話するんでよろしくね~。」
「もちろんです。頑張って下さいね。」
 みゆきは本屋のビニール手提げを持っていて、中身の本はそこそこの大きさがある。
「今日は買い物に付き合っていただきありがとうございました。」
「いやいや、一般的な書店が萌え化し始めてるのわかって嬉しかったよ。やっぱり二次元の時代、来てるねコレ!」
 こなたは手持ちの鞄を床において、両手を腰に不敵な笑みを浮かべた。
「ライトノベル等も深いテーマ性があったり、かなり本格的なものがありますよね。」
「いやいや、しかしみゆきさん、そんな分厚い本、しかも難しそうなのをよく読むよ。受験生なのにその余裕、さすが完璧超人。」
 こなたは身振りをころりと変えて、自ら名付けたあだ名を片手を握りしめてひしひし噛みしめている。そんな彼女はみゆきから見ても可愛いかったりする。
「いえ、そんな。今注目が集まっていて読んでみたかったんです。」
「『ワープする宇宙』だっけ?それって物理の本でしょ?」
「えぇ、正確には近代物理全般の啓蒙書と言ったところでしょうか?私もまだ読んで無いのでわかりませんが、
 私たちの生きる現実に五次元などの多次元があることを証明出来るかもしれない実験がまもなくスイスの実験装置LHCで始まるそうです。
 その理論の提唱者がこの著者なんです。」
「五次元!?」
「一つは時間だと思うので正確には三次元プラス時間プラス一次元と言ったところでしょうか?」
「あ、頭がぁ~頭がぁ~!二次元だけでも奥が深いのに…。三次元プラス一次元ってどういう事?」
「えぇ~、よくはわかりません、なので私なりの理解ですが…、
 直線が一次元だとします。それをぱたりと垂直に倒すと、倒れる前のとを二辺に正方形の平面を作れますよね。」
「ふんふん…。」
「それが二次元、平面だとします。同じように正方形をぱたりと倒せば、倒す前のとで立方体に出来ますよね。」
「ふんふん…」
「それが三次元なら、多分それをぱたりと倒せば…」
「…どこへ?」
「よ、四次元方向に、です。」
「…(;´д`)」


「ま、まあっ実際には素粒子物理の標準モデルというものを掘り下げた時に生じる階層性問題というものの改善策の超対称性に有用な理論だとかだそうで、
 私達は三次元プラス時間と言う環境から出られないはずなので…その、」
「あぁ!つまりラノベ的な展開は無しって事ね~」
 わかりやすく会話を砕いて楽しんだところで、ホームにこなたの乗る電車のアナウンスが流れ、みwikiは終了した。
「まぁそう言う事です。現実ですから…。」
 こなたは鞄を持ち、電車の入り口の止まる場所に向かってたらたらと歩きながら言う。
「まぁねぇ、受験やら学祭やら、私も確かに時間に縛られてるよね。」
 線路の段差に巨体を上下させながら電車が来る。強い風に長い髪は鬱陶しくなびいた。
「わわわっ…!」
 みゆきは今日、言いたいことをずっと言わずにいた。
「じゃ、じゃあ私帰るね、今日はなんか、色々ありがとうね。」
 ドアが開きこなたはみゆきに半分向きなおる。みゆきは長い陰をつくってうつむいている。こなたは列車の中に足を踏み入れようとした。
 その時、
「待って下さい!」
「なっ…!?」
 みゆきはおどおどとこなたを見つめる。
 こなたは電車から離れ、みゆきを覗いた。
「…みゆき、さん?」
「わ、私は…
 戸惑いながら言葉を探す。
 駅員が笛を鳴らし、ドアが閉まる。こなたは乗り過ごした。
「…このままでは良くない気がします。」
 こなたの背景にある電車は、ゆっくり加速し轟音を耳に残して過ぎ去った。残響が引いていくと、みゆきはぽつりぽつりと話し出した。
「私達が四人でいられる時期はもう多くはありません。学祭の準備だってあります。三年生は学校も早く終わってしまいます…。だから・・・です。」
「…みゆきさん。」
 違います、私が言いたいことと何かが。
 みゆきにはそれを上手く伝える事が思い浮かばず、そのまま押し黙ってしまった。
 みゆきさんがこんなに心配してくれてるのに気づけなかった。私、自分の事で精一杯だったんだね。
 こなたは彼女に近づき静かに微笑んで、周りには溶け消える小さな声で話した。
「つかさがね、私を愛してるって言ってくれたんだ。」
 みゆきの言葉へ精一杯の回答として、柔らかく、落ち着いた声で続ける。
「私ね、つかさにコクった日につかさの為に頑張ろうって誓ったのに、かがみに一発食らったらよく分からなくなっちゃったんだよ。
 現実を見たっていうか、女の身でつかさにコクった側だったし、つかさの人生を本当に幸せにしてやれるのかなって…。」
 変だなあ。まだ昨日の事なのにさ。ずっと昔みたい。
「でもつかさはその不安をわかってくれて、かがみもいるのに、耳元でそう言ってくれた。」
 それは本当の思いをちゃんと伝え合う会話。みゆきは一生懸命に受け止めながらも、自分の言葉が見つからない。
「つかさはかがみの事も凄く愛してる。だから、真剣に向き合うためにこの提案に乗ったんだよ。
 私も、もう迷ったりしないよ。1ヶ月位大したことだと思わない。」
 その瞳はとても力強かった。その中にみゆきの心を吸い込んでしまいそうな程だった。


「…わかりました。」
「ありがとうみゆきさん。」
 みゆきは自分の勇気を試す。高鳴る胸を抑えた。
「でも…、逃げてませんか…?」
「え?」
 予期せぬ言葉にこなたは呆然とみゆきを見る。
「私にもよくわかりません。でも、これは違うのではないかと思うんです。」
「ははっ、バッドエンド選んじゃってるかな?」
 みゆきは自分に悲しい気持ちにがこみ上げてることに気づいた。こなたの瞳にさっきの力強さが無くなっていたからだ。何か、悔しいような、寂しいような、怒りにも似た感情。
「そうじゃないんです!ただ、直接何かしないとどんな事でも伝わらないじゃないですか!」
「ま、まあ、方向性の違い…じゃないかな?」
 雑踏が教室に一人でいる時のように聴覚を支配した。
「す…すみません。私、部外者なのに。」
「うううん、みゆきさんは親友だから部外者なわけないよ。私うじうじしてるよね。」
 二人は話すべき事を失った。弱まる斜陽は二人を頼りなく照らしている。どちらの顔にも陰ができる。
「本当にすみません。」
「だ、だから謝らないでよ。」
 みゆきの列車が来て再び、強くてみゆきをさらってしまいそうな程の風が吹き付けた。
 髪を押さえながらこなたは言う。
「心配してくれる人がいるだけで、私、凄く嬉しいみたいだから。」
「泉さん。」
「なに?みゆきさん。」
「すみません、でも・・・私、これがどんな結末になるかは、泉さんにかかっていると思います。」
「うぅ、頑張ります…」
 みゆきはこの電車に乗り過ごす事はなかった。
 その代わり、後にこなたへ散々謝りのメールを送ったのだった。


 あぅ…こなちゃんの事、意識しないように、意識すると、意識しちゃうよぅ…。
 窓とベランダから差し込む穏やかな夕日に包まれた自分のベッドに、制服のまま倒れ込んで悩んでいるつかさ。かれこれこうして1時間動き出せずにいた。
 …あ、名案かも。
 つかさは早速上体を起こして、ポケットから携帯を取り出し、着うたを探す。液晶の明るさに西日は負けていない。
 約束の日になったら、携帯の目覚ましが鳴るようにしよう。それを設定して、それまでは頑張ってこなちゃんの事忘れよう。
 曲はあれがいい。
 つかさは最近、ポップなジャケットについ衝動買いした、自分で見つけたお気に入りの外国のアーティストがいた。MIKA(ミーカ)という若い男性シンガーソングライターだ。
 彼の曲「Happy Ending」をフルでダウンロードする。
 この曲はまるで花吹雪が舞う結婚式場のように華やかで幸せに満ち溢れていながら、その歌詞は失恋を描いていて凄く寂しい。
 最初つかさはハッピーウエディングの曲だと勘違いしていて、対訳を見て驚いたのだった。
 これなら、きっとどう転んでも私を前に進めてくれるよね。
 深夜零時、アラーム優先。
 つかさはきっと眉を結んだ。
 私、絶対頑張る。頑張っちゃう。




 更に同時刻、陵桜の職員室。
「と、言うわけで、これから受験の最終追い込みが始まります。学祭も控えてますが、去年の実績を上回る合格者を出せるよう、教師一丸となって頑張りましょう。」
 学年主任の先生がそう締めくくって今日の職員会議は終わった。
 黒井ななこは私立の有名進学校の定めともいえる、この追い込みがあまり好きではなかった。
 自分のクラスの生徒資料を真剣に読み直しているななこのところに進路指導の担当教員が来た。
「黒井先生、柊つかさ、いますよね。」
 コーヒーを置いて椅子を回して振り返る。
「あ、はい。柊がどうかしましたか?」
 進路担当は生徒達からウケのいい細身でハンサムな、スーツのよく似合う中年の男性だ。
 毒舌な感じと、ひたむきに授業を追求する態度が人気の理由で、ななこも嫌いではない先生だったが、今年に入ってからの彼の態度はあまり好意的にはとれなかった。
「彼女の志望先ご存じですよね。」
「あ~、あの子は料理学校に行きたいって言ってます。」
「専門学校なんて、もったいないですよ。彼女の成績なら、今からでも中堅のそこそこ、いえ、やる気さえ出させれば国立も視野に入る可能性、十分にあるんじゃないかと思うんですよ。」
 ななこは眉をしかめた。
「でも、彼女、ホンマ料理大好きですし。それは本人が決める事だと思います。」
「軽く打診してみて貰えませんか。」
「あんまり気乗りはしません。」
「…出来ませんか?」
 この学校、いや、私立は会社と言ってもいい。ここで自分より地位の高い教員がこの言葉を言ったのなら、「あなたはこの仕事を出来る有能な人間ですか?」を意味し、否定は仕事が出来ないと言う意味になる。
 この進路担当も自分に与えられた職務上こんな風に言っているのだ。それでもこれが好意的になれない理由だった。
「…やってみますけど。」
「弱気ですね。大丈夫ですよ。以前授業を受け持ちましたけど柊さんはぽやっとしてて、ああいうのはのせやすいもんです。」
 ななこは愕然とした。彼の毒舌ぶりがいつもと違う意味合いではたらいている。
 ふざけんな、自分の勝手言い腐ってからに。
「…黒井先生。例の脅迫状の犯人、先生のクラスの生徒の可能性が出てきてるってご存じですか?」
「…な?」
「後で多分色々訊かれると思いますけど、先生がしっかりしないから受験に怯えた生徒がそういう暴挙に出るんじゃないですかね?
 手綱、ちゃんと引き締めて下さい。じゃないと学園全体の問題になりますよ。」
 考えたくない。この場から逃げたい。でももしそうだったら自分の原因だ。クラスを見放す事は絶対に出来ない。
「…わかりました。」
「本当にお忙しいのにすいません。では。」
 ショックが大きくて、ななこは座り込んでしまった。
 机の冷めたコーヒーを揺らしながら、思う。
 こんなとき、自分に彼氏でもいたら泣きつけたんやろうけどなぁ…。
 そうしてその冷めたく苦い液体を一気に飲みほした。

                               (いったんおしまい。)





















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  • 作者さん、すごいです…題名ともマッチしてるし、引き込まれるよぅに読めてしまいます! -- 名無しさん (2009-12-06 00:31:52)
  • ええい、続きはまだか
    -- 名無しさん (2008-04-03 01:27:49)
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