■構成
1997年、1998年の2回にわたり、中国浙江省杭州市にある杭州大学日本文化研究所(現漸江大学日本文化研究所)で開催された国際シンポジウム「東方伝統環境思想的現代意義」(東洋の伝統的環境思想の現代的意義)の記録集。
1997年、1998年の2回にわたり、中国浙江省杭州市にある杭州大学日本文化研究所(現漸江大学日本文化研究所)で開催された国際シンポジウム「東方伝統環境思想的現代意義」(東洋の伝統的環境思想の現代的意義)の記録集。
■概要(亀山先生による巻頭界説をアレンジ)
環境思想論で東洋の伝統思想が脚光を浴びるなかで
- 地球的規模で深刻化する環境問題の改善の緊急性(とりわけ、1972年の成長の限界レポート以降)
→→→そのなかで、新たな思想的原理が必要性されている。二十世紀の西洋型文明への反省の機運とむすびついて、東洋思想の意義に注目する環境思想論が一つの流れとなっている。
+ | 例えば?? |
だが、東洋の伝統的思想は、いかなる意味で、いかなるレベルで、環境思想に意義をもちうるのだろうか。それは環境問題の解決の有効な思想原理にどう寄与しうるのか。そもそも伝統思想の現代的意義を発掘するぱあい、方法的になにが必要なのか。
東洋の伝統思想の環境思想的意義を論ずる際に、しばしば陥りがちな東洋伝統思想の心情的な単純賛美論を脱却する必要性。
(↑これはなぜ必要なのか??)
現代の環境問題は西洋世界で燭熟した近代科学技術・産業社会の歴史的帰結として登場した。この事情から、西洋思想を人間と自然の対立、人間の自然支配思想と特徴づけ、問題をそこに帰着させる傾向が非常に根強い。これに対するに、東洋の伝統思想を自然に対する人間の調和・合一と特徴づけ、これこそが二十一世紀の環境思想の枠組みであると強調する議論は、日本ではなお主流といってもよい(2011年現在は、どうだろう?)。中国でも、西洋思想は天人分離論であり、東洋思想は天人合一論だとして、東洋思想の環境思想的意義を一面的に強調する議論は少なくないようである。
(↑これはなぜ必要なのか??)
現代の環境問題は西洋世界で燭熟した近代科学技術・産業社会の歴史的帰結として登場した。この事情から、西洋思想を人間と自然の対立、人間の自然支配思想と特徴づけ、問題をそこに帰着させる傾向が非常に根強い。これに対するに、東洋の伝統思想を自然に対する人間の調和・合一と特徴づけ、これこそが二十一世紀の環境思想の枠組みであると強調する議論は、日本ではなお主流といってもよい(2011年現在は、どうだろう?)。中国でも、西洋思想は天人分離論であり、東洋思想は天人合一論だとして、東洋思想の環境思想的意義を一面的に強調する議論は少なくないようである。