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  • 0525 第3章 近代的環境思想の萌芽(小松)

亀山ゼミwiki(非公式)

0525 第3章 近代的環境思想の萌芽(小松)

最終更新:2012年04月09日 14:08

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だれでも歓迎! 編集
亀山研4年ゼミ輪読  担当:小松美由紀
海上知明『環境思想 歴史と体系』NTT出版,2005

第三章 近代的環境思想の萌芽

1. 近代的環境思想誕生の背景
■ 背景としての産業革命 ■
近代的環境主義(思想)は、産業革命と同時期に芽生えた。当時の社会の影響を受けて、多様な思想が生まれ、現代エコロジーの始祖とみなされる多くの人物が登場した。
→ 中でもダーウィン、マルサスは近代的環境主義の原点とされる。

産業革命当時の社会的背景
① 科学の進歩(特に生物学)
② 経済的な豊かさの拡大(それによる人口増大)
③ 環境問題(スラム化と疫病と大気汚染)

産業革命と環境思想との関係
  • 工業化・都市化 + ダーウィン → 「動物解放」の萌芽 (J・ターナー)
  • 環境悪化 → 社会派エコロジーの源流
  • 自然の喪失 → 原野賛美 (→「自然の権利」)


■ マルサス、ダーウィンの環境思想的功績 ■
トーマス・マルサスは『人口論』などを著し、産業革命がイギリスで活発化し出した時期に、人口増加が環境に与える影響について指摘した。
→ 今日の環境問題も人口に関わる部分が多い。(ex. 呼吸由来のCO2、食糧・資源問題)

チャールズ・ダーウィンは生物学の分野での分析を通し、進化論や生態系概念を考え出した。(ただし「存在の連鎖」、観念の領域における進化論、という土壌はあった。)
→ 人間と自然を区別する2元論に対して、全生命を1つのものとしてとらえる思想。
 → レオポルドの思想が派生するなど、後世に大きな影響を与えた。

 ダーウィンの否定的な側面?
  • 生存競争を主体としている進化論には問題がある
 ・ダーウィンはエコロジーを、アルカディア的とはとらえず、暗いイメージの学問だとした(一方でダーウィンは、人間は地球上の全ての存在と密接な関係にある兄弟だとした)


■ 二人の環境思想的位置づけ ■
 ダーウィンとマルサスによって出発した近代的環境思想だが、1つの環境主義体系を形成したわけではなかった。
→ ダーウィンの概念とマルサスの警告は、時には一体化したが、対立的に2つの環境主義の形式をとることもあった。

 ペパーによる位置づけ
エコセントリズム(⇔ テクノセントリズム)  
科学的エコセントリズム(マルサス、ダーウィンが原点)
ロマン的エコセントリズム(G・ホワイトが原点?)


2. ロマン派と社会派の台頭
■ 環境思想としてのロマン主義 ■
 19世紀イギリスでは、都市を文明の象徴とみなす考えが強かった。しかし、工業化・都市化が環境問題を拡大したことから、都市化への反発の動きも出てきた。
→ その1つがロマン主義

 ロマン主義者(ワーズワース、シェリング、ゲーテら)は、生態学的な見方を核心としていた自然観を持っていたとされる。また、ルソーの「野蛮」への評価、モリスの美が基準となる世界は、自然保護思想を代表するソロー、ミューア、エマソンらにも共通の視点である。
→ ロマン主義は環境思想となり、原野に焦点を合わせるようになった。(原野の賛美)

 近代合理主義によって二義的な評価しか与えられなかった美は、ロマン主義によって基準の中心になった。そこでは、自然そのものが評価対象となった。
→ 生命中心主義的なエコロジーへ発展していく基礎の1つとなる

■ ソローの思想 ■
 ロマン主義ナチュラリストの源流は、ギルバード・ホワイトの牧歌的生活・生物研究にあるという。この牧歌的姿勢を強く受け継いだのが、アメリカのソローである。

ソローは科学と異教のアニミズムを統合することを試み、自然を有機的秩序とみなした。また、アメリカ先住民の英知を再評価した。
→ こうした思想も、生命中心主義の支柱として強く息づくことになる。

ソローの文明に対する考え
  • 「文明生活」が「きわめて無気力で病的な社会」を生んだと批判 (キーワード参照)
 ・反面、文明の擁護も見られる。原野と文明を両立しようとも考えていたらしい。
■ 社会分析からの環境思想 ■
 工業化・都市化への批判は、ロマン主義とは別に、社会派エコロジーにつながる動きも生み出している。

 エンゲルスは『自然の弁証法』の中で、資本主義が自然を破壊していることを述べている。
← 工業化・都市化は資本主義の発展とリンクしているため。

 社会分析から環境問題へアプローチする思想は、マルサス主義を批判し、生態中心主義とは対立しながらも、現代環境思想を2分していくようになる。

■ 「エコロジー」の登場 ■
 1866年、ヘッケルが「エコロギー(Oekologie)」を使用。『有機体とその環境の間の諸関係の科学』だと定義した。(← ダーウィンの思想の影響 (キーワードp12))

 1892年にスワローは、エコロジーの再定義を行い、人間の生活環境的要素を盛り込んだ。
→ しかし、1890年代の科学者たちはこの定義を否定し、エコロジーを生命科学の分野にのみ限定した。
 → ここに、エコロジーの非人間性の問題の原点がある。



3. 環境経済学の起源
■ 労働価値説とフィジオクラシー ■
近代的環境主義が誕生していったころ、経済学も発展していた。

 イムラー曰く、近代における経済学の発達は、労働に価値をみいだしたことに始まる。
→ 経済学が自然と分離していったのも、労働価値説の発達に比例する。価値を形成するのが労働であるとするなら、自然はそれを組み立てるための素材にすぎないからである。
 → 古典派経済学とそれから発展した、マルクス経済学、厚生経済学、ケインズ経済学では、資源枯渇の問題が無視されている。

 イムラーによると、18世紀のフランスには、労働価値とは別に、フィジオクラシー(重農主義)の経済体系が存在していた。ここでは、労働は価値を生み出すのではなく、価値を引き出す手段に過ぎない、価値を生むのは自然であるとされた。
→ しかし、自然環境の厳しいヨーロッパでは根付かず、フィジオクラシーの経済体系は次第に消えていった


■ 環境経済学としてのアダム・スミス ■
アダム・スミスは一般に、ジョン・ロック以来の労働価値説の流れで位置づけられている。
→ しかし、農業が豊かな生産物を供給するのは、人間とともに自然も「労働」しているからだ、とスミスはのべる。
→ 労働価値説の立場にありながら、フィジオクラシーの影響を受けている。

 スミスの農業論では、農業の発達が都市を発達させるとされる。ここに、農工連動の新しいシステムが登場する。
→ こうした考えから内需を重視し、貿易や植民地を批判した。また、会社がくずくの木を全滅させ群島の人口を減少させたことを指摘するといった、社会派エコロジーの側面もある。


■ リストの経済学とスミス ■
 ドイツの伝統的地理経済学では、都市を中心とした農村という、スミス型と類似した経済体制を主張しつつ、多層的な地域経済を提示している。フリードリッヒ・リストの思想もこの流れの中に位置づけられる。

 リストはスミスの経済学を世界主義だと批判しているが、実際のところ2人の思想は極めて似ている。
→ 上記スミスの経済学はリストによって、国民経済学(「閉ざされた経済学」)という形で完成したと言える。

 リストもスミスと同様に、国内市場を重視し、国内産業の発達順を農業→農工業→農工商業だとしている。
→ リストによれば、農業を真に育成するのは、農業保護ではなく工業の育成である。農業は、工業の発達によって、大量の原料を供給することになるからだ。

 経済学の流れ
 ○環境経済学:フィジオクラシー → スミス → リスト
 ○労働価値説:ロック→ スミス → リカードゥ、マルクス
 ○その他の流れ
   (リカードゥ(を修正)→ )J・S・ミル
   (マーシャル → )ピグー

 時代が帝国主義へと移行することによって、経済学は世界分業(⇔国内産業の重視)へとシフトしていく。経済学者ディリーは「19世紀半ばから、経済学者が成長のパラダイムを受け入れてきた」と指摘。

4. エコトピアの萌芽
■ エコトピアの出現 ■
 ユートピアの形をとった環境主義も、この時代に登場している。

ユートピア思想の2つの流れ
  • 管理・集権型のユートピア
:フランシス・ベーコン、カムバッネラ、エドワード・ベラミーなど
    → 20世紀に入り、アンチ・ユートピア(デストピア)となる
  • 民主・平等型のユートピア
  :トマス・モア、ロバート・オーエン、ウィリアム・モリスなど
   → エコトピア(エコロジーのユートピア)の源流

1700年代後半にはエコトピアの先駆けとなる著作が出てきた。
→ 本格的なエコトピアの始まりは、モリスの『ユートピア便り』(1890)だとされている。

■ 『ユートピア便り』に見るモリスの思想 ■
 『ユートピア便り』はベラミーの『顧みれば』(1887)を批判する形で登場する。ベラミーが労働の動機を飢餓の除去におくのに対し、モリスは労働自体が目的であり、楽しみであり、美であるとした。
→ 労働を楽しみとし共同体を重視する姿勢は、シューマッハの環境コミュニティを先取り。

 クマーによれば、モリスは「アルカディアを中世パターンに基づいて発想された小さな市場の間でバランス」をとろうとしたもので、「政治的に脱中央集権化され、環境的にも社会的にもバランス」がとれて「都会と田舎が対立せずにおぎない合った」社会を描いている。

 『ユートピア便り』で描かれている社会は、アナーキズムに近い。また、始原的エコロジストのモリスには、社会派エコロジーと有機体論の双方の要素が見られており、ディープ・エコロジー的な面と共産主義的な面があるという。

■ エコトピアの評価 ■
 アリエは、モリスを始めとするエコトピア作品には、エネルギー・フローの視点が欠けていると指摘する。
ex. チャチャノフの『兄アレクセイ、クレムネフの農民ユートピアの旅』では、あるべき理想の社会の姿が示されているだけで、人口や生活水準についての具体策はない。




クロポトキンも、エコトピアの傾向を持つ。
→ クロポトキンはダーウィンに反対し、種内部の協力関係を重視した。
クロポトキンを始めとするアナーキズムにエコロジー的伝統が生き続けた。
クロポトキンの影響はシューマッハの思想にも及んでいる。

ペパーによれば、エコロジー思想は当初からアナーキズムの影響を受けていた。

産業革命期に生まれた環境思想は、生態系理論、資源枯渇、原野賛美、資本主義批判、小規模経済、アナーキストといった多様な出発点を持っていた。
→ しかし、時代は各思想をすぐには開花させなかった。

5. 環境問題としての戦争
■ 世界大戦と環境破壊 ■
1960年代以前は戦争と革命の時代で、人々の意識の中で環境問題は二義的なものとされていた。
→ しかし現代の環境思想を見る上で重要な出来事は戦争と革命の時代にも続いていたし、戦争そのものが講義の環境問題とみなせるようになっていった。

 イギリス産業革命と同時期の1789~1799年、フランス革命が進行していた。その際の国民軍と産業革命がもたらした生産力とが結びつき、総力戦となって第一次世界大戦に開花した。

 欧米列強の植民地侵略(生態系破壊、自給体制破壊、固有文化破壊)は帝国主義段階にまで移行し、ついに第一次世界大戦が勃発した。

世界大戦の被害
  • 死者(WWⅠ):854万人以上
 ・フランスでの被害(WWⅠ):耕地200万ha、森林60万ha、
              牧草地40万ha、橋梁5000、運河1000km
 ・ドイツの被害(WWⅡ):農地の30%が破壊された


■ ソ連とアメリカの環境破壊 ■
 19世紀のイギリスと同様に、20世紀ではソ連とアメリカによる環境問題の加速があった。

 過去の環境破壊で近いもの
ソ連の環境問題:古代バビロニア型の自然統制
 アメリカの環境問題:ローマ型のなし崩し的な自然浪費

 旧ソ連の三重の環境破壊
 ・5ヶ年計画に代表される工業化
 ・自然改造計画
 ・ルイセンコらミチューリン学派の台頭

 大衆消費社会と大量生産の経済を維持するためにアメリカは、必要以上の生産物を消費するための方策を考える必要にせまられた。( → 恐慌時のニューディール政策?)
 → 肥大化したアメリカ経済は、テネシー川流域開発などで地域的な生態系を破壊したのみならず、有効需要を満たすために戦争を必要とするに至ってしまった。

 戦争のために開発された核兵器は、その被害規模・影響から、もはや環境問題そのものであった。同じく開発された毒ガスは、カーソンに『沈黙の春』を書かせる布石になった。 

6. 最初の分裂
■ 岐路としてのヘッチヘッチ論争 ■
 20世紀に入り、これまで様々な形で示唆されてきた環境主義の諸要素が、徐々に思想の形を取るようになり、それに伴い分裂が始まった。
→ 特に、アメリカで行われたギフォード・ピンショーとジョン・ミューアの論争は、自然を保全するのか保護するのかという今日の2大潮流への、最も早い岐路の1つとされている。

 ヘッチヘッチ論争
 ・争点:SF市の水源・電源として、ヘッチヘッチ渓谷にダムを建設するかどうか
 ・ピンショーの主張:市の水道は多くの人の利益になる
   → 自然は資源。人間の共通財産として大切に有効活用していこう。
 ・ミューアの主張:渓谷は神が建てた大聖堂である
   → 自然はそれ自体で価値を持つ。自然利用は教育とレクリエーションに限定すべきだ
 ( ⇒ 地震の影響もあって、最終的にダムは建設された。)

■ ピンショーとミューアの違い ■
同じように自然に配慮しながらも、ピンショーとミューアでは大きな食い違いがあった。
→ 環境保護運動の歴史をまとめたマコーミックによれば、ピンショーは林学・文明に忠誠心をもち、ミューアは原生自然に対して忠誠心をもっていたという。

ピンショーについて
 ・アメリカ合衆国国営林局の初代局長だった
  • 人間から見た自然保護の観点から、合理的かつ持続可能な開発の必要性を訴えた
  • 自然保全(conservation)という言葉を造った
 ・マーチャント曰く、「最大多数の最大善」という功利主義の立場を代弁している
 ミューアについて
 ・ナチュラリストの著作家兼、自然保護団体であるシエラ・クラブの創設者
  • 自然は人間のために存在するという従来のキリスト教的解釈を否定し、
宗教用語で原生自然について語った。
 ・ヨセミテ国立公園はミューアの活躍によるもの。

■ 論争以前の「保全と保護」 ■
 ウォースター曰く、19世紀には、進歩的農業(タウンゼント、ヤングら)と生態学的農業(ロレイン、ソロー、マーシューら?)の間に食い違いが生じていた。進歩的農業は野生動物に対する関心は少ないが、後者の著作には生態系への配慮がみられていた。
→ ウォースターは、ピンショーは進歩的農業の伝統の中にあるとみなしている。また、進歩的農業は自然保護の一形態をとっていたとしている。

 生態学的農業の中にも、原野保護と人間の利益とが複合されているものも少なくない。
(ex. ロレインが微生物による土壌肥沃化を述べる、ソローは生態学と科学農業の双方に貢献)また、アメリカの土壌を原始的状態にとどめることが川の氾濫をしずめ、レクリエーションにも役立つというマーシューの主張については、保全主義者もロマン主義者も効用を認めている。
→ ロレイン、ソロー、マーシューらは、程度の差はあっても自然保護と自然保全が一体化した思想であった。
→ ピンショーとミューアの対立で、二分化が明確になっていった。


7. アルド・レオポルドの環境思想的変化

■ 思想が変化(拡大)したレオポルド ■
後に生態系保護の旗手となるアルド・レオポルドは、当初はピンショーの影響を強く受け、進歩的農業論者に近い立場をとっていた。
→ レオポルドは「自然保護に対する功利主義的なアプローチから生態学的なアプローチの中間世代」であり、自然保全から自然保護に推移していった人物でもある。

 当初のレオポルドは経済学的視点から自然を管理することを考えていた。野生動物に関心を示し、肉食獣撲滅のために奔走した。彼は『獲物の管理』(1933)の中で、鹿やウズラは野生から収穫できる穀物とみなしている。
→ しかし同年、生態学と経済学が完全には両立しないと考え始めていた。『獲物の管理』においてさえも、環境は人間が所属する共同体であるという考え方が出てきているという。
 → レオポルドの思想は、肉食獣や原野は人間にとって経済的に価値があるという考えを経由し、人間の存在に関係なく自然はそれ自体で価値を有するという思想へと変容していった。

■ レオポルドの環境思想への影響 ■
 死後に出版された『砂漠の暦』は、「土地倫理」を最初に打ち出したものである。ナッシュによると、土地倫理とは「共同体という概念の枠を、土壌、水、植物、動物、つまりはこれらを総称した『土地』にまで拡大した場合の倫理」を指す。

 『砂漠の暦』(1949)の構成
 第一部「砂土地方の四季」
 第二部「スケッチところどころ」:「山の身になって考える」が中心
 第三部「自然保護を考える」:「土地倫理」が打ち出される

 個人とはそれのみで存在するのではなく、相互に依存する諸部分から成る共同体の一員であり、自然という総体があって個々の事物が成り立つ、とレオポルドは主張する。有機体論は以前から存在していたが、人間を構成員とみなす有機体論はレオポルドが始めて。
→ この思想が、ディープ・エコロジーや「自然の権利」の出発点とされる。
→ ナッシュはレオポルドを環境倫理学の父とみなしている。レオポルドを絶賛するディープ・エコロジストや、「自然の権利」派の理論家・行動家も少なくないようだ。

レオポルドの思想は、生命中心主義の基盤をなすとともに、生態系への影響が人口密度によるとするネオ・マルサス主義や、自分を守るように自然を守るという思想にもつながった。



【 補足 】

○ダーウィンの生態系概念
:「生物の種は相互依存・対抗関係にある」(キーワードp12)。ヘッケルが受け継ぐ。

○アルカディア
 :古代ギリシアの地方。牧歌的な理想郷とされた。

○ロマン主義者とゲーテ
 :ゲーテはロマン主義を「病的」だと非難していた。しかし実際にはロマン主義者と共通の考えを持っていた。(キーワード p58)

○アナーキズム
:国家・資本・専門家による支配を批判して、個人の自由・尊厳を強調する立場。
(キーワード p1)

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