I 子宮体癌〈子宮内膜癌〉
100C22,100C23,100C24
次の文を読み,22~24の問いに答えよ。
65歳の女性。閉経後の性器出血を主訴に来院した。
現病歴: 3か月前から少量の性器出血が持続し,2週前から増量している。3回経妊,3回経産。閉経52歳。
既往歴: 60歳から高血圧症で降圧薬を服用している。
現症: 身長 157cm,体重 68kg。体温 36.4℃。脈拍 72/分,整。血圧 148/88mmHg。表在リンパ節に腫大を認めない。心音と呼吸音とは正常である。腹部は平坦で,腫瘤を触れない。下肢に浮腫を認めない。内診で腟分泌物は暗赤色,中等量。子宮腟部に異常を認めない。双合診で子宮体部は鵞卵大に腫大しているが,付属器は触れない。直腸診で子宮傍組織は軟らかい。
検査所見: 尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球 316万,Hb 10.2g/dl,Ht 31%,白血球 6400,血小板 28万。血清生化学所見:総蛋白 7.2g/dl,アルブミン 4.8g/dl,尿素窒素 18mg/dl,クレアチニン 1.3mg/dl,AST 18単位,ALT 14単位,LDH 248単位(基準 176~353)。免疫学所見:CEA 3.7ng/ml(基準 5以下),CA19-9 33U/ml(基準 37以下),CA125 248U/ml(基準 35以下)。子宮頸部細胞診クラスⅠ。胸部エックス線撮影で異常を認めない。経腟超音波写真を別に示す。
C22 診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。
a プロゲステロン負荷テスト
b 子宮内膜組織診
c 子宮卵管造影
d コルポスコピィ
e ヒステロスコピィ
× a
○ b
× c
× d
○ e
正解 be
C23 その後悪性所見が確認された。
この疾患の広がりの検索に必要性が最も低いのはどれか。
a 骨盤部MRI
b 腹部造影CT
c 骨盤血管造影
d 膀胱鏡検査
e 直腸鏡検査
○ a
○ b
× c
○ d
○ e
正解 c
C24 全身検索で遠隔転移を認めなかった。
治療法として最も適切なのはどれか。
a 手術
b 抗癌化学療法
c 温熱療法
d 放射線治療
e ホルモン療法
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
診断 子宮体癌