C 放射線の身体的影響
小項目
- 早期障害〈急性反応〉,晩期障害〈遅発性・晩期反応〉,放射線誘発癌
101B65
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 電離放射線によるがん誘発は確率的影響である。
b 電離放射線による白内障は早期障害の一つである。
c 電離放射線による奇形誘発は妊娠後期の被曝で多い。
d エックス線検査は月経開始後10日以内には行わない。
e シーベルト〈Sv〉は放射線防護のために用いられる線量の単位である。
○ a
× b
× c
× d
○ e
正解 ae
100I7
35歳の男性。事業所においてエックス線発生装置使用中に誤操作で全身被曝して3時間後に来院した。被曝線量は1.8Gy程度と推定された。悪心,嘔吐などの自覚症状はない。眼瞼結膜,瞳孔,口腔粘膜および皮膚に異常はみられない。尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球 450万,Hb 14.6g/dl,白血球 6000,血小板 25万。血清生化学所見:総蛋白 7.2g/dl,蛋自分画(Alb 68%,α1-グロブリン 3%,α2-グロブリン 6%,β-グロブリン 8%,γ-グロブリン 15%),総ビリルビン 0.9mg/dl,AST 20単位,ALT 25単位,LDH 200単位(基準 176~353)。
今後,この患者のエックス線被曝による早期障害を評価するために有用な検査はどれか。2つ選べ。
a 赤血球数
b 白血球数
c 血小板数
d 血清蛋白分画
e 水晶体検査
× a
○ b
○ c
× d
× e
正解 bc
診断 放射線早期障害の疑い
99F19
42歳の男性。右手への放射線被曝のために来院した。ガンマ線照射装置を使い,工場内の放射線装置室で,圧力容器の放射線検査を担当している。一か所の検査を終えた後,自動遠隔操作で放射線源を線源容器に収納しようとしたが,装置不具合が発生したため,手動に切り替えて作業を行った。その際,放射線源が本来の向きとは逆向きに線源容器に収納されたが,気付かずに次の検査を行おうとしたため,右手が直接に露出した放射線源に触れて被曝した。当日はそのまま帰宅したが,翌日同僚に付き添われて来院した。自覚症状はない。右手皮膚の色調は正常。手指に感覚異常を認めない。他の身体所見に異常はない。
この患者への対応で適切なものはどれか。
a 異常はないと説明する。
b 経過観察を行う。
c 3時間ごとに白血球数を測定する。
d 骨髄検査を行う。
e ヨード薬を投与する。
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
診断 放射線皮膚障害