A 微弱陣痛
101E10,101E11,101E12
次の文を読み,10~12の問いに答えよ。
30歳の1経妊未産婦。陣痛発来のため来院した。
現病歴: 妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けており,妊娠経過は母児ともに順調であった。妊娠39週5日午前2時に自然陣痛が発来し,次第に増強したので午前4時に来院し,入院となった。
既往歴: 特記すべきことはない。
月経歴: 初経12歳。周期28日,整。
妊娠分娩歴: 4年前に妊娠7週で自然流産。
現症: 意識は清明。身長 162cm,体重 63kg(妊娠前 50kg)。体温 36.4℃。脈拍 88/分,整。血圧 112/76mmHg。子宮底長 35cm,腹囲 98mm。下腿浮腫はない。Leopold触診法で児は頭位,第2胎向で,胎児心拍数 144/分。胎児超音波検査では児頭大横径 95mm,児の推定体重は3500gである。内診所見では矢状縫合は骨盤横径に一致し,子宮口開大 3cm,展退度 60%,児頭下降度 SP-2cm,子宮口の位置は中央,硬さは軟である。破水は認めない。
10 内診所見における児頭小泉門の位置はどれか。
a 12時
b 2時
c 3時
d 6時
e 9時
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
11 陣痛は次第に増強し,午後2時に自然破水した。午後3時の陣痛の間隔は2分,持続時間は60秒。内診所見では子宮口開大 6cm,展退度 80%,児頭下降度 SP+1cm,子宮口の位置は前方,硬さは軟であった。午後6時に陣痛間隔は5~7分,持続時間は20~30秒となった。小泉門を10時に触知,子宮口開大 8cm,展退度 90%,児頭下降度 SP+2cmであった。その後,陣痛の間隔と持続時間とは変わらず,午後9時の内診所見は不変である。胎児心拍数パターンに異常は認めない。
処置として適切なのはどれか。
a 経過観察
b 頸管熱化薬投与
c 陣痛促進薬投与
d 会陰切開術
e 吸引分娩
× a
× b
○ c
× d
× e 禁忌
正解 c
12 3800gの男児を分娩した。10分後に胎盤が自然娩出したが,その直後から持続的な性器出血がみられ,子宮底は臍窩上に触知する。
出血の原因として考えられるのはどれか。
a 腟壁裂傷
b 頸管裂傷
c 子宮破裂
d 弛緩出血
e 子宮内反症
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
診断 第2前方後頭位分娩,続発性微弱陣痛,弛緩出血
99A2
20歳の初産婦。妊娠39週に規則的な陣痛発来で受診し,早朝に入院した。現在までの妊娠経過で異常の指摘はない。入院時所見:意識は清明。身長 155cm,体重 56kg。体温 36.7℃。脈拍 84/分,整。血圧 130/78mmHg。Leopold診察法で胎児は第1頭位であり,児頭は骨盤内に固定していた。内診所見:子宮口開大 4cm,展退度 80%,下降度SP-2cm。少量の性器出血があったが,破水は認めなかった。超音波検査による胎児推定体重は3300gであった。入院後胎児心拍数陣痛モニター下に経過をみていたが,翌朝の内診所見は子宮口開大 6cm,展退度 90%,児頭下降度SP±0cm,未破水であった。その時の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
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対応として適切なのはどれか。
a 経過観察
b 骨盤計測
c 陣痛促進
d 吸引分娩
e 帝王切開
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
診断 微弱陣痛
