契約者、二人から
「おい、Tさん!」
青年は自分を呼ぶ声に両手にそれぞれ酒とつまみを持ったまま振り返る。そこにはアクセサリーをチャラチャラと身に着け、髪を金に染めた青年がいた。
「おぉ、≪首塚≫の青年」
多少見慣れた感があるムスっとした顔を眺めて声をかける。宴までの間ずっと彼とその契約者と夢子の食べ物の世話を焼いてくれたのもこの金髪の青年なのだが、なかなか表情の険がとれない。
「アイツ……黒服が話があるって言ってたぞ」
「黒服さんが?」
青年はその言葉に多少驚く。一応≪組織≫所属の彼が来ていたのか、と。
そう言えば彼個人は将門公とも知り合いのようだし、来てもおかしくはないのか。
思い、青年は金髪の青年に答えを返す。
「ちょうどよかった。俺も彼を探していたんだ。案内してくれるか?」
「あぁ、こっちだ」
ムスッと答えて金髪の青年は先に立って歩き出した。
そのあからさまな態度に、嫌われてるなぁ。と青年は苦笑する。
「そうだ、青年」
案内されながら声をかける。
「なんだよ」
「日持ちのする料理をいくつか作ってくれないか?」
「なんでだ?」
金髪の青年の疑問にん、と頷き、
「宴が終わるとそのまま夢子ちゃんが旅立つんだ。地下カジノには最初は遠慮してなかなか行かないだろうからしばらく彼女はまともな食生活をしないだろう」
だから、
「夢子ちゃんが地下カジノに自然におもむけるようになるまでの間、少しでもまともな物を食って欲しくてな」
「……あの姫様たちがほっとかないと思うけど」
嫌な記憶でも甦ったのか青年の口調には苦いモノが含まれている。
「住人も放ってはおかないだろうが、あの子が突っぱねそうでな」
彼等が説得しきるまでの間心配なんだ、と頭をかきながら青年は言う。
金髪の青年はちらりと後ろを振り返り、ふうん、と言い、
「ならいくつか作っといてやるよ」
背中越しに不機嫌そうに言った。
「すまん、青年の料理は美味いからな、彼女も喜ぶ」
金髪の青年は無言、ただ青年を案内するその背中は少し、
険がとれたかな?
青年はその分かりやすい背中を見て苦笑する。
視界の隅を≪ドナドナ≫や≪猿夢≫の時に出会った≪はないちもんめ≫の契約者の少女が駆けて行った。
あのような子も≪夢の国≫戦に利用してたんだな。
先程会った少年と言い、この場にいる皆と言い、町を守るには多くの戦力が必要だったし、一応強制はしなかった。だからといってなにも感じないわけでもない。
業が深いねぇ、
苦笑していると、少女が駆けてきた方向に見知った黒服の男が見えた。
青年は自分を呼ぶ声に両手にそれぞれ酒とつまみを持ったまま振り返る。そこにはアクセサリーをチャラチャラと身に着け、髪を金に染めた青年がいた。
「おぉ、≪首塚≫の青年」
多少見慣れた感があるムスっとした顔を眺めて声をかける。宴までの間ずっと彼とその契約者と夢子の食べ物の世話を焼いてくれたのもこの金髪の青年なのだが、なかなか表情の険がとれない。
「アイツ……黒服が話があるって言ってたぞ」
「黒服さんが?」
青年はその言葉に多少驚く。一応≪組織≫所属の彼が来ていたのか、と。
そう言えば彼個人は将門公とも知り合いのようだし、来てもおかしくはないのか。
思い、青年は金髪の青年に答えを返す。
「ちょうどよかった。俺も彼を探していたんだ。案内してくれるか?」
「あぁ、こっちだ」
ムスッと答えて金髪の青年は先に立って歩き出した。
そのあからさまな態度に、嫌われてるなぁ。と青年は苦笑する。
「そうだ、青年」
案内されながら声をかける。
「なんだよ」
「日持ちのする料理をいくつか作ってくれないか?」
「なんでだ?」
金髪の青年の疑問にん、と頷き、
「宴が終わるとそのまま夢子ちゃんが旅立つんだ。地下カジノには最初は遠慮してなかなか行かないだろうからしばらく彼女はまともな食生活をしないだろう」
だから、
「夢子ちゃんが地下カジノに自然におもむけるようになるまでの間、少しでもまともな物を食って欲しくてな」
「……あの姫様たちがほっとかないと思うけど」
嫌な記憶でも甦ったのか青年の口調には苦いモノが含まれている。
「住人も放ってはおかないだろうが、あの子が突っぱねそうでな」
彼等が説得しきるまでの間心配なんだ、と頭をかきながら青年は言う。
金髪の青年はちらりと後ろを振り返り、ふうん、と言い、
「ならいくつか作っといてやるよ」
背中越しに不機嫌そうに言った。
「すまん、青年の料理は美味いからな、彼女も喜ぶ」
金髪の青年は無言、ただ青年を案内するその背中は少し、
険がとれたかな?
青年はその分かりやすい背中を見て苦笑する。
視界の隅を≪ドナドナ≫や≪猿夢≫の時に出会った≪はないちもんめ≫の契約者の少女が駆けて行った。
あのような子も≪夢の国≫戦に利用してたんだな。
先程会った少年と言い、この場にいる皆と言い、町を守るには多くの戦力が必要だったし、一応強制はしなかった。だからといってなにも感じないわけでもない。
業が深いねぇ、
苦笑していると、少女が駆けてきた方向に見知った黒服の男が見えた。