悪魔の少女 02
平凡な親、平凡な友達、平凡な学校、平凡な自分、平凡な人生。
漫画やアニメの世界に憧れて十余年。何もない人生に絶望していた俺に、遂に転機が訪れた。
都市伝説「ベッドの下の殺人鬼」との契約。
これが、これこそが、俺が求め続けた平凡じゃない人生!
さて、漫画ではこんな時どうなるか?そう、敵キャラの登場だ。契約時にテケテケを倒しているが、そんな雑魚は求めてない。
必要なのはライバルだ。野良なんかじゃない、同じ契約者の敵。そういうのを俺は求めているのだ。
漫画やアニメの世界に憧れて十余年。何もない人生に絶望していた俺に、遂に転機が訪れた。
都市伝説「ベッドの下の殺人鬼」との契約。
これが、これこそが、俺が求め続けた平凡じゃない人生!
さて、漫画ではこんな時どうなるか?そう、敵キャラの登場だ。契約時にテケテケを倒しているが、そんな雑魚は求めてない。
必要なのはライバルだ。野良なんかじゃない、同じ契約者の敵。そういうのを俺は求めているのだ。
そして遂に、俺は別の契約者を見つけた。
俺は何時ものように、都市伝説を捜していた。
都市伝説から人を助けるなんて事は、平凡じゃない俺にしか出来ない事なのだから当然だ。
そんな時、その女を見つけた。平凡な奴にはわからないだろうが、何しろ俺は契約者、その女がそうである事など一目でわかる。
だから、女と戦う為に俺は女を追った。
俺は何時ものように、都市伝説を捜していた。
都市伝説から人を助けるなんて事は、平凡じゃない俺にしか出来ない事なのだから当然だ。
そんな時、その女を見つけた。平凡な奴にはわからないだろうが、何しろ俺は契約者、その女がそうである事など一目でわかる。
だから、女と戦う為に俺は女を追った。
女の後を追って着いたのは、どこかのビジネスホテルだった。
女がホテルの一室に入るのを見届けた後、俺は相棒を女の入った部屋のベッド下に移動させる。
数分後には、相棒が女を襲う。突然の襲撃に女は何も出来ずにやられるだろう。
この程度の奇襲でやられるような奴は、俺のライバルに相応し…く、な……い?
おかしい。相棒の気配が消えた。契約もきれた。
「な、なんだ?何が起きてるんだ?」
「お前の都市伝説が死んだ、それだけだ。」
女が隣の部屋から現れる。
「!な、お前さっきそこに入ったはずじゃ!?」
「ああ、このホテルな、隣の部屋にベランダを使って行き来できるんだよ。お前がついて来てるのに気付いてたから、移動した。
で、その部屋にいた奴らに『頼んで』私の部屋で待機してもらった。」
有り得ない。主人公がいきなり負けるなんて、そんな漫画知らない。
「さて、誰だか知らないが、いきなり人を襲撃するような奴には、お仕置きしてやらなきゃな。」
ああ、そうか、俺はゲームの主人公だったんだ。じゃあ、そろそろリセットしないと……。ボタンはどこだっけ。
女がホテルの一室に入るのを見届けた後、俺は相棒を女の入った部屋のベッド下に移動させる。
数分後には、相棒が女を襲う。突然の襲撃に女は何も出来ずにやられるだろう。
この程度の奇襲でやられるような奴は、俺のライバルに相応し…く、な……い?
おかしい。相棒の気配が消えた。契約もきれた。
「な、なんだ?何が起きてるんだ?」
「お前の都市伝説が死んだ、それだけだ。」
女が隣の部屋から現れる。
「!な、お前さっきそこに入ったはずじゃ!?」
「ああ、このホテルな、隣の部屋にベランダを使って行き来できるんだよ。お前がついて来てるのに気付いてたから、移動した。
で、その部屋にいた奴らに『頼んで』私の部屋で待機してもらった。」
有り得ない。主人公がいきなり負けるなんて、そんな漫画知らない。
「さて、誰だか知らないが、いきなり人を襲撃するような奴には、お仕置きしてやらなきゃな。」
ああ、そうか、俺はゲームの主人公だったんだ。じゃあ、そろそろリセットしないと……。ボタンはどこだっけ。
ざんねん! おれの ぼうけんは ここで おわってしまった!
*
学校町南区某ホテル
一人の少女がため息をついた。
「はぁ~。まさか着いて一週間もたたずに襲撃されるとは。」
彼女はベッドに寝転びながら、悪魔を憑けた隣部屋の客に彼女の荷物をまとめさせた。
もし、先程の襲撃者がどこかの集団に属していた場合、報復のおそれがある。
下手に騒ぎを起こして、どこぞの「天使の援軍」に見つかりたくはない。
故に、さっさとここから離れようと考えたのだ。
「それじゃ~、行こうか~。」
そう言って少女は、見えないモノ達を引き連れて、学校町の何処かへ消えて行った。
「はぁ~。まさか着いて一週間もたたずに襲撃されるとは。」
彼女はベッドに寝転びながら、悪魔を憑けた隣部屋の客に彼女の荷物をまとめさせた。
もし、先程の襲撃者がどこかの集団に属していた場合、報復のおそれがある。
下手に騒ぎを起こして、どこぞの「天使の援軍」に見つかりたくはない。
故に、さっさとここから離れようと考えたのだ。
「それじゃ~、行こうか~。」
そう言って少女は、見えないモノ達を引き連れて、学校町の何処かへ消えて行った。
ちなみに、襲撃者と隣部屋の客が、財布の中身が空になっている事に気付くのは、この暫く後である。