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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-05

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マッドガッサーと愉快な仲間たち 05

Tさんより)

 ………だんっ!!と
 西区一角の人気のない路地裏に、マッドガッサーを咥えたマリ・ヴェリテは着地した
 その狼の姿は、瞬時にヴェールを纏った少女の姿になる

「…痛いー」
「そりゃ、片腕消えたんだからな」

 痛そうにしているマリ・ヴェリテの頭をマッドガッサーは撫でてやる
 …油断をした
 あの青年、どんな都市伝説かそれとも契約者か知らないが、なかなか強い
 「爆発する携帯電話」の協力がなかったら軽く死ねていたかもしれない
 そう考えつつ、マッドガッサーは携帯を弄った

「助かったぞ、「爆発する携帯電話」……あぁ、今から北区の教会に戻る。アレは来てるか?……………よし、ちょいと、体の欠損を治せるような薬の準備をしといてくれ」

 連絡を終えて、マリ・ヴェリテの残っている手を取る
 むーむー、痛そうにしているマリ・ヴェリテだが、思ったよりダメージはなさそうだ

「行くぞ。その腕もすぐに治るからな」
「治る?肉食えば治る??」
「肉じゃねぇよ………肉じゃなくて、乳さ」

 ニヤリ、笑うマッドガッサーのその様子に
 マリ・ヴェリテは幼女の顔で首をかしげてみせたのだった

*



 ……そして、北区・古ぼけた教会にて
 そこに、一匹のラブリー生物が降臨していた

「きゃーーっかっわいい!!ちょっと角に気をつけなきゃいけないけど、すっごいモフモフ!!」
「っちょ、次はうち!うちに抱っこさせてや!!」

 ぴすぴすぴす
 鼻を鳴らして、スパニッシュフライの契約者に抱きしめられているのは…一匹の兎だ
 …だが、しかし
 兎に、角など生えているものだろうか?
 そして……兎が、ウィスキーのボトル抱えて、ごっごっご、とラッパ飲みなどするか?
 魔女の一撃の契約者が、色々と突っ込みの言葉を頭の中で整理していると

「ただいま。準備はできてるか?」
「あぁ……って、マリ、片腕!?」

 マッドガッサーと、片腕を失ったマリ・ヴェリテが教会に戻ってきた
 マッドガッサーは、スパニッシュフライの契約者が抱きかかえる兎を見て、ガスマスクの下で笑う

「来たか。ジャッカロープ」

 ……ぴすぴす
 鼻を鳴らして答える角の生えた兎……ジャッカロープ
 ぷはっ、とウィスキーのボトルから口を放した

「一応、言われたとおりに乳搾っといたが。これでいいのか?」
「あぁ……ほら、マリ」

 魔女の一撃の契約者がマリ・ヴェリテに差し出したのは…ミルク
 ジャッカロープと呼ばれた兎が出した乳だ
 マリ・ヴェリテはそのミルクを受け取ると、一気に飲み干した

 ……数秒後

「……う!?」

 どくんっ!!
 跳ねる、マリ・ヴェリテの体
 その、失った片腕が……ずるり、一瞬で生えて、再生した
 おぉ!と場に集まった全員が…部屋の隅で携帯を弄っていた「爆発する携帯電話」の契約者ですら、驚きの声をあげる

「さっすが、万能薬だな」
「へー、この子、こないな能力やんかー」

 なでなで、エロマンガ家に撫でられて、嬉しそうなジャッカロープ
 マリ・ヴェリテも戻った片腕を振り回し、嬉しそうだ

「どうだ、外見ラブリー、しかも治癒能力持ち。期待のニューフェイスだろう?」

 胸を張るマッドガッサー

 この存在をアメリカから呼び寄せたのは、マッドガッサーだ
 本来はアメリカ生まれの都市伝説であるマッドガッサー
 一応、本家の都市伝説関連の知識はある程度揃っている
 一応、魔女の一撃も治癒の類の薬は作れるが…少々、確実性が低い
 失った片腕を再生させる、などとなればなおさらだ

 …だが、このジャッカロープの乳ならば
 万能薬になりえるこれならば、治癒能力は抜群だ
 仲間内に、治癒能力を得られたのは心強い

 ……ま、あれだ
 問題は、ウィスキー代がかかる事だが、仕方ない

「なぁなぁ、この子名前つけへん?乳出たんやし、メスやと思うから…どないな名前がええやろ」
「あぁん、もう可愛いー家がペット禁止じゃなかったら連れ帰るのにー」

 すっかり、女性陣に人気のジャッカロープ
 …悔しくないぞ
 女の乳に埋まるその様子、う、羨ましくなんかないんだからな!!!

 小動物相手に嫉妬して、こっそり血の涙を流すマッドガッサー
 そんなマッドガッサーの肩を、魔女の一撃の契約者と、爆発する携帯電話の契約者は、ぽん、と慰めるように叩いてくれたのだった


終われ



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