マッドガッサーと愉快な仲間たち 05
(Tさんより)
………だんっ!!と
西区一角の人気のない路地裏に、マッドガッサーを咥えたマリ・ヴェリテは着地した
その狼の姿は、瞬時にヴェールを纏った少女の姿になる
西区一角の人気のない路地裏に、マッドガッサーを咥えたマリ・ヴェリテは着地した
その狼の姿は、瞬時にヴェールを纏った少女の姿になる
「…痛いー」
「そりゃ、片腕消えたんだからな」
「そりゃ、片腕消えたんだからな」
痛そうにしているマリ・ヴェリテの頭をマッドガッサーは撫でてやる
…油断をした
あの青年、どんな都市伝説かそれとも契約者か知らないが、なかなか強い
「爆発する携帯電話」の協力がなかったら軽く死ねていたかもしれない
そう考えつつ、マッドガッサーは携帯を弄った
…油断をした
あの青年、どんな都市伝説かそれとも契約者か知らないが、なかなか強い
「爆発する携帯電話」の協力がなかったら軽く死ねていたかもしれない
そう考えつつ、マッドガッサーは携帯を弄った
「助かったぞ、「爆発する携帯電話」……あぁ、今から北区の教会に戻る。アレは来てるか?……………よし、ちょいと、体の欠損を治せるような薬の準備をしといてくれ」
連絡を終えて、マリ・ヴェリテの残っている手を取る
むーむー、痛そうにしているマリ・ヴェリテだが、思ったよりダメージはなさそうだ
むーむー、痛そうにしているマリ・ヴェリテだが、思ったよりダメージはなさそうだ
「行くぞ。その腕もすぐに治るからな」
「治る?肉食えば治る??」
「肉じゃねぇよ………肉じゃなくて、乳さ」
「治る?肉食えば治る??」
「肉じゃねぇよ………肉じゃなくて、乳さ」
ニヤリ、笑うマッドガッサーのその様子に
マリ・ヴェリテは幼女の顔で首をかしげてみせたのだった
マリ・ヴェリテは幼女の顔で首をかしげてみせたのだった
*
……そして、北区・古ぼけた教会にて
そこに、一匹のラブリー生物が降臨していた
そこに、一匹のラブリー生物が降臨していた
「きゃーーっかっわいい!!ちょっと角に気をつけなきゃいけないけど、すっごいモフモフ!!」
「っちょ、次はうち!うちに抱っこさせてや!!」
「っちょ、次はうち!うちに抱っこさせてや!!」
ぴすぴすぴす
鼻を鳴らして、スパニッシュフライの契約者に抱きしめられているのは…一匹の兎だ
…だが、しかし
兎に、角など生えているものだろうか?
そして……兎が、ウィスキーのボトル抱えて、ごっごっご、とラッパ飲みなどするか?
魔女の一撃の契約者が、色々と突っ込みの言葉を頭の中で整理していると
鼻を鳴らして、スパニッシュフライの契約者に抱きしめられているのは…一匹の兎だ
…だが、しかし
兎に、角など生えているものだろうか?
そして……兎が、ウィスキーのボトル抱えて、ごっごっご、とラッパ飲みなどするか?
魔女の一撃の契約者が、色々と突っ込みの言葉を頭の中で整理していると
「ただいま。準備はできてるか?」
「あぁ……って、マリ、片腕!?」
「あぁ……って、マリ、片腕!?」
マッドガッサーと、片腕を失ったマリ・ヴェリテが教会に戻ってきた
マッドガッサーは、スパニッシュフライの契約者が抱きかかえる兎を見て、ガスマスクの下で笑う
マッドガッサーは、スパニッシュフライの契約者が抱きかかえる兎を見て、ガスマスクの下で笑う
「来たか。ジャッカロープ」
……ぴすぴす
鼻を鳴らして答える角の生えた兎……ジャッカロープ
ぷはっ、とウィスキーのボトルから口を放した
鼻を鳴らして答える角の生えた兎……ジャッカロープ
ぷはっ、とウィスキーのボトルから口を放した
「一応、言われたとおりに乳搾っといたが。これでいいのか?」
「あぁ……ほら、マリ」
「あぁ……ほら、マリ」
魔女の一撃の契約者がマリ・ヴェリテに差し出したのは…ミルク
ジャッカロープと呼ばれた兎が出した乳だ
マリ・ヴェリテはそのミルクを受け取ると、一気に飲み干した
ジャッカロープと呼ばれた兎が出した乳だ
マリ・ヴェリテはそのミルクを受け取ると、一気に飲み干した
……数秒後
「……う!?」
どくんっ!!
跳ねる、マリ・ヴェリテの体
その、失った片腕が……ずるり、一瞬で生えて、再生した
おぉ!と場に集まった全員が…部屋の隅で携帯を弄っていた「爆発する携帯電話」の契約者ですら、驚きの声をあげる
跳ねる、マリ・ヴェリテの体
その、失った片腕が……ずるり、一瞬で生えて、再生した
おぉ!と場に集まった全員が…部屋の隅で携帯を弄っていた「爆発する携帯電話」の契約者ですら、驚きの声をあげる
「さっすが、万能薬だな」
「へー、この子、こないな能力やんかー」
「へー、この子、こないな能力やんかー」
なでなで、エロマンガ家に撫でられて、嬉しそうなジャッカロープ
マリ・ヴェリテも戻った片腕を振り回し、嬉しそうだ
マリ・ヴェリテも戻った片腕を振り回し、嬉しそうだ
「どうだ、外見ラブリー、しかも治癒能力持ち。期待のニューフェイスだろう?」
胸を張るマッドガッサー
この存在をアメリカから呼び寄せたのは、マッドガッサーだ
本来はアメリカ生まれの都市伝説であるマッドガッサー
一応、本家の都市伝説関連の知識はある程度揃っている
一応、魔女の一撃も治癒の類の薬は作れるが…少々、確実性が低い
失った片腕を再生させる、などとなればなおさらだ
本来はアメリカ生まれの都市伝説であるマッドガッサー
一応、本家の都市伝説関連の知識はある程度揃っている
一応、魔女の一撃も治癒の類の薬は作れるが…少々、確実性が低い
失った片腕を再生させる、などとなればなおさらだ
…だが、このジャッカロープの乳ならば
万能薬になりえるこれならば、治癒能力は抜群だ
仲間内に、治癒能力を得られたのは心強い
万能薬になりえるこれならば、治癒能力は抜群だ
仲間内に、治癒能力を得られたのは心強い
……ま、あれだ
問題は、ウィスキー代がかかる事だが、仕方ない
問題は、ウィスキー代がかかる事だが、仕方ない
「なぁなぁ、この子名前つけへん?乳出たんやし、メスやと思うから…どないな名前がええやろ」
「あぁん、もう可愛いー家がペット禁止じゃなかったら連れ帰るのにー」
「あぁん、もう可愛いー家がペット禁止じゃなかったら連れ帰るのにー」
すっかり、女性陣に人気のジャッカロープ
…悔しくないぞ
女の乳に埋まるその様子、う、羨ましくなんかないんだからな!!!
…悔しくないぞ
女の乳に埋まるその様子、う、羨ましくなんかないんだからな!!!
小動物相手に嫉妬して、こっそり血の涙を流すマッドガッサー
そんなマッドガッサーの肩を、魔女の一撃の契約者と、爆発する携帯電話の契約者は、ぽん、と慰めるように叩いてくれたのだった
そんなマッドガッサーの肩を、魔女の一撃の契約者と、爆発する携帯電話の契約者は、ぽん、と慰めるように叩いてくれたのだった
終われ