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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-07

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マッドガッサーと愉快な仲間たち 07

死人部隊より)

「………ん?」
「どうした?」
「あ、いや、なんでねぇ」

 …さっき、視界の隅に入った血色の悪い連中は…確か、「首塚」の仲間の中年が契約している「死人部隊」
 誰かを追いかけていたようだったが…
 ……まぁ、そんな問題行動起こす奴じゃなかったはずだし、大丈夫だろう
 それに

(…こいつは、都市伝説に絡ませたくないしなぁ…)

 久々に再会した、小学校の頃からの友人
 大学の関係で隣町に引っ越したはずだったが、学校町が懐かしくなって、戻ってきていたらしかった
 こちらから大学に通うのは大変だろうに

 …小学校の頃は、友人などほとんどいなかった
 そんな自分に声をかけてくれた、一緒に遊んでくれていた友人
 ……だからこそ、都市伝説絡みの事には巻き込みたくない
 昔から、こいつが巻き込まれそうになったら、自分が何とかしてきたのだ
 また、学校町に戻ってきたのなら…こいつが都市伝説に襲われそうになったら、自分が助けよう
 自分は、都市伝説と契約しているから…都市伝説と、戦えるから
 それが、あの頃、周りの同級生たちの話題に入る事すらできないでいた自分の友人でいてくれたこいつへの恩返しだ

「何だよ、面白いもんでも見たんじゃないのか?」

「いや、気のせいだったから」

 …どう考えても、「死人部隊」の連中が三人くらい走っていたのは…何かを追いかけていたのは見間違いではなかったのだが
 こいつが興味を持たないよう、そう言っておく
 そうか?と友人は首を傾げたが…とりあえず、興味を失ってくれたようだ

「んじゃあ、俺はこれで」
「何だよ?もう帰るのか?」
「あぁ、夕飯作らないと」
「あー…同居人がいるんだったか。大変だな」
「いや、別に大変でもないさ」

 一人分作るも、三人分作るも、自分としては大して変わらないと思う
 それに、三人分の方が作りやすい物もあるし…鍋物とか
 今夜辺りも寒くなってきたから、白菜鍋でも作ろうか

「それじゃあな」
「あぁ、またな」

 ひらひらと手を振って、友人と別れる
 …黒服と、一緒に生活できるようになったし
 友人と、また会えるようになったし
 最近、いい事が続いているな、と

 よく日焼けした金髪のその青年は、どこか幸福な気持ちを抱えて、家路につくのだった

*



「…………」

 彼は、その金髪の、日焼けした青年の後ろ姿を見送った
 ……あぁ、幸せそうだな
 妬ましいな
 昔は、あんなに幸薄そうだった癖に
 自分が声をかけなければ、人の輪に入る事もできなかった癖に……!

 いつからだったろうか、あいつが変わったのは
 気づけば、あいつは少しずつ明るくなっていっていた
 少なくとも、自分がそれに気づいたのは、確か授業参観の日
 いつも通り、あいつの親は来ないんだろうな、と思って
 あいつが落ち込むだろうから、後で慰めてやろうと思って…
 ……だが、あの日、誰の親かもわからない、黒尽くめのスーツの男が顔を出して
 その男を見て、あいつはどこか幸せそうに笑って
 …あの男が、あいつが変わった原因なのだと、俺は知った

 変わったあいつは、どんどん変わり続けていった
 体を鍛え、高校に入ってからは親元から離れたせいか、色々と吹っ切れてあぁいう外見になって
 昔は、何もかも、俺が勝っていたはずだったのに
 何時の間にか、何もかもで負けるようになった

 あぁ、妬ましい、妬ましい
 あの頃に戻りたい
 何もかも、全てあいつに勝っていた、あの頃に

「…マッドガッサーとマリが追いかけられてたな……まぁ、俺がいなくてもどうにかなるだろうが、助太刀しに行くか」

魔女の一撃はいないが…まぁ、俺だってある程度の戦闘力は持っているつもりだ
 ちょっとくらいなら、力になれるだろう
 …もしかしたら、とっくに戦闘が終わっているかもしれないが

 そう考え、「魔女の一撃」の契約者は、マッドガッサーとマリ・ヴェリテが、死人部隊に追いかけられて逃げていった方向へと向かう

 ………さぁ、あの友人を、いつ裏切ってやろう?
 いつ、絶望のどん底へ落として……支配してやろうか?

 そんな歪んだ願いを、こっそりと抱えながら…



to be … ?



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