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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-11

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マッドガッサーと愉快な仲間たち 11


「ふぅ……」

 全身を貫かれたマリ・ヴェリテの治療が終わり、マッドガッサーはほっと息を吐く
 …なんと恐ろしい存在が、この街にはいたものだ
 まさか、マリがここまで痛めつけられるとは…

「………助かった、のか?」
「あぁ」

 ぴすぴす
 鼻を鳴らすジャッカロープを抱きかかえ、尋ねてきたのは「爆発する携帯電話」の契約者
 ジャッカロープの乳によって、マリ・ヴェリテの傷は全快したが…だが、いかんせん、出血量が多すぎた
 さすがのマリも、少し眠る必要があるようだ
 ……それでも、明日の朝にはきっと元通りに目覚めるだろうが

「ったく…都市伝説が多い街だから、堂々と歩けるのはいいが……もっと、警戒すべきだったか」

 仲間を失っては意味がない
 悲願達成のために集めた仲間
 一人でも欠けては、目的実行は困難になる
 ……まぁ、その、若干一名いてもいなくてもどうでもいいかなー?と思えるかませ犬っぽいのもいるのはさておき
 マッドガッサーとしては、今の仲間を一人も欠けさせるつもりはない

 …多分、今の状態が心地いいのだろうな、とも思う
 その性質上、マッドガッサーと言う都市伝説は、本来一人でいることが多い
 無差別のガス攻撃を行う存在が、仲間など作れるものか

 そして、このマッドガッサーは人間と契約した経験もない
 よって、仲間と呼べる存在を得たなど、今回が初めてなのだ

「…けけっ……誰かが欠けるのは、嫌、だな」
「そうか、お前もか」

 …ぴすぴす
 ジャッカロープも、角の先を「爆発する携帯電話」の契約者にすりつけ、同意しているようだ

 悲願を達成する
 その上で、仲間を誰一人欠けさせない
 それが、今のマッドガッサーの目標だ

 …せめて、自分が本来の能力のように、通常の毒ガスも再び使用できるようになれば…
 ……いや、殺したらハーレムの人員が減る
 せめて、殺すのではない、無力化のガスをもっと…

「………けけ、マリの様子、見てるか?」
「あー、いや、俺が見てる。お前はそろそろ帰っておけ。ご近所さんに不審がられるだろ」

 …いや、こいつの場合、そうじゃなくても日常的に不審な目で見られていそうだが

「…けけ、わかった………何か、あったら、また、呼べ」

 ジャッカロープを抱きかかえ、「爆発する携帯電話」の契約者は、教会を後にする
 ……静かに響く寝息

 本来の人狼の姿で、マリ・ヴェリテは静かに眠っている

「……とっとと起きろよ、明日の朝にはステーキでも焼いてやる」

 ぼそり、そう呟きながら
 マッドガッサーは、血に染まったマリ・ヴェリテの毛並みを、そっと撫でるのだった






 ……なお、翌朝
 完全復活したマリ・ヴェリテが、いつもの如く寝ぼけてマッドガッサーを食べかけ、思い切り脳天に花瓶を叩きつけられた訳だが
 それはいつもの日常なので、特に注目すべき点でもない




終わっておけ



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