「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-14

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

マッドガッサーと愉快な仲間たち 14


「Trick or Treat!」

 教会の入り口に、仮装した子供たちが集まっている
 この教会を任せられている…という事になっている…若き司祭が子供たちを出迎え、南瓜の形のキャンディを配っていた
 きゃあきゃあと、子供たちはお菓子をもらって、境界を後にする

「ひっひっひ、ハッピーハロウィンねぇ」

 くすくすと、教会の中で魔女の一撃が笑う
 今夜はハロウィン、魔女である彼女にとっては、なんとも素晴らしい日だろう
 だからか、彼女は朝から(契約者に)ご馳走を作らせている
 今夜の夕食は、豪華になりそうだ

「しっかし、こんな教会でも、結構人が来るもんやなぁ」
「こんな場所でも、参拝客がいますからね。その友達も…となれば、あのくらいの数は来ますよ」

 司祭姿のマリ・ヴェリテはそう言って、似非関西弁の女性に笑って見せた
 …中身はそのままのはずなのだが、この姿の時だけ、他の姿の時と色々と雰囲気が違いすぎる
 ……まぁ、全ては世を欺く為、なのだが

「いやー、懐かしいなハロウィン。っつか、街中歩いてて思ったが、日本のハロウィンってのは随分と可愛らしいもんだな」

 ハロウィンのマシュマロを適当に摘みつつ、マッドガッサーはそう呟く
 …口に入れる瞬間、素早くガスマスクを外し、素早く元に戻す
 ある意味で、神業だ

「……けけっ?アメリカの、ハロウィンは………違う、のか?」

 ジャッカロープのブラッシングをしてやっていた爆発する携帯電話の契約者が、小さく首をかしげる
 …なお、女性の姿にされてしまった彼は、今現在、服も女性物を着せられていた
 髪形も、可愛らしく結われている…前髪だけは、本人の必死の訴えにより、今まで通り顔を隠すような状態だが

「あー、向こうのハロウィンは、こんな可愛らしい飾りなんざないぜ?ホラーだよ、ホラー一色。おっどろおどろしい飾り付けが中心だし、向こうはハロウィンの時期がホラー映画のシーズンだしな」
「ひっひっひっひ!ホラー映画が苦手なお前には、さぞ辛い時期だったでしょうねぇ?」
「うるせぇ」

 魔女の一撃に笑われ、やや不貞腐れた様子のマッドガッサー
 …悪いか、都市伝説がホラー苦手で
 駄目なんだよ!何となく!!
 くそ、人間の想像力め、何故わざわざ怖い物を作り上げるか!?
 ……いや、そうやって想像力豊かだからこそ、自分たちは生まれでたのだが

「第一、ホラーならこいつも苦手だろ」
「………けけっ」

 つつつ、と視線をそらす爆発する携帯電話の契約者
 一瞬、ブラッシングの手が止まり、ジャッカロープが首をかしげる
 どことなく恥ずかしそうに視線をそらした様子は、なんとも可愛らしい
 …男が女になっただけで、こんなにも印象が違うものか

(………待てよ)

 ふと、マッドガッサーは考える
 …そう言えば、魔女の一撃がホラー映画のDVDを借りてきて見ている時、自分と爆発する携帯電話の契約者は、主に部屋の隅で震えているか、共に布団に潜っているかのどちらかだった
 爆発する携帯電話の契約者が男性の時ならば、男同士で情けない、という状態だが…
 今、爆発する携帯電話の契約者は、女性だ
 …考えようによっては、美味しいシチュエーションじゃね?
 いや、こっちも怖がっているのだから、色々と情けないがな!!

「……くけっ?どうした?」

 じっと見つめられている事に気づいたのか、爆発する携帯電話の契約者が、小さく首をかしげた
 ぴすぴす、その膝に座る体勢をとったジャッカロープも首をかしげる

「…アー、イヤ、ナンデモナイゾ?」
「………くけけっ?」
「どうせ、えっちぃ事でも考えとったんやろー」

 えぇい、黙れエロ漫画家
 毎度毎度、素晴らしい原稿を描いてくれやがっていいぞもっと描いてくれ
 って、そうじゃなくて!

「仲間相手にんな事考えるか」
「妖しいなぁー?」
「ひっひっひ!!欲望に正直な男だからねぇ!」

 えぇい、魔女の一撃まで
 余計な事を…
 抗議しようとした、その時
 ぽんっ、とマリが、マッドガッサーの肩を叩いてきて

「ご安心を。私など、常に性的な事か食事の事以外考えていません」
「お前と一緒にするなっ!?」

 この欲望の化身めっ!
 っつか、仮にも司祭姿で口にしていいセリフじゃねぇえええ!!??


 賑やかな、ハロウィンの夕暮れ
 北区のとある教会には、夜遅くまで灯りが灯っていたのだそうな



終わる



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー