「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-a-08

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「髪の伸びる黒服さんが消息不明、か……あの人が黒服の監視及び管理システムに引っかからないのは個性云々よりもあの人がかかずらっているもう一つの組織が絡んでいそうだな。――無事だといいが」
 黒服からの連絡を切った青年は呟き、契約者のいる部屋の扉を開けた。中でリカちゃんと遊んでいた契約者は青年の姿を確認するや、
Tさん? 誰からの電話だったんだ?」
「黒服さんだ」
「お、マッドガッサーの件で何か動きがあったとか?」
 少女の問いに青年は頷き、
「行方不明になっていた被害者達の大半が保護されたらしい」
「おお、良かったじゃねん!」
「……ん」
 青年の歯切れの悪い返答に少女は怪訝な顔をして、
「どうした? まだなんか問題があんの?」
「いや、特にはない」
「ふ~ん」
 少女はそっぽを向いてわざとらしく告げる。
「髪の伸びる黒服さんの消息が途絶えたりガス詰め込むタイプのミサイルが降ってくるかもしんないっつてのも問題じゃないんだ」
「……盗み聞きは良くないな」
「だってTさん、黒服さんから連絡があった途端にどこかに行っちゃうんだもん」
 なー、ねー。とハイタッチする少女とリカちゃん。
 リカちゃんか……
 大方彼女の能力で会話を聞いたのだろう。契約者と同じで変な方向に成長している所が気がかりだ。
 青年はそう思いつつ、
「話を聞いていたのならわかるだろう、奴らは学校町全体にガスを散布する気でいるらしい、ひとまずさっきまで行っていた地下カジノにでももう一度行って避難しておくといい」
 夢子が去り際に残したパスポート、王権の一部を使用可能なそれは≪夢の国≫の結界を透過することができ、どこかの遊園地からならば地下カジノへの侵入も可能とする代物だった。
 そして、
 あそこならばガスがやってくることもない。
「当然お断りだ」
 予想通りの返答に青年は眉間にしわを寄せる。
「契約者もあのガスの効果は知っているだろう」
 意識して厳しい声で言った。契約者も一度ひどい目に遭っている。これで退くだろうと思っていると、
「知ってるけどさ」
 笑って、
「契約者の責任ってやつだ。契約した都市伝説が悪さしないように付いていかないとな」
 それに、と言って彼女はリカちゃん共々青年を見上げ、
「もしまたガスにやられてもTさんが治してくれるんだろ?」
「……」
 どんどん強かになっていく、これ以上契約者ががさつになってリカちゃんが悪い方向へと成長したら困りものなのだが……。
 そう思いながら、青年はそっけなく答えた。
「さてな」


            ●


 困ったような青年とそれを見て笑む自分の契約者を見て彼女は思う。
 お姉ちゃんも、お兄ちゃんも……うれしそうなの。
 自分は人形だ。主たちと、人と共にいることを嬉しいと思う。
 同じなの?
 同じなのだろうか? 彼女らも一緒にいることが楽しいのだろうか?
 青年がリカちゃんへと顔を向ける。
「リカちゃん、何が起こるか正直わからん。契約者は地下カジノに突っ込んでいても勝手に出てきそうだしな。
 おそらく奴らのガスはリカちゃんには効かないだろうからもしなにかあったらそこの馬鹿のフォローをしてやってくれ」
 信頼されている。そのことを彼女は嬉しいことと思う。だから勢いよく手を挙げて応えた。
「わかったの!」
「あれ? なんかおかしくね? 俺の方がリカちゃんのフォローするんじゃねえの? 年齢とかそんな感じで考えて」
「普段の行動から考えてリカちゃんの方がフォロー役だな」
 なぁ? と訊いてくる青年に彼女は「なの」と頷く。
「うあ、なんか悔しいぞ?」
 頭を抱えている契約者をふん、と青年は笑い、
「お互い一筋縄でいかん契約者を持ったもんだな、黒服さん」
 小さく呟いた。
 それを聞きとったリカちゃんは青年を見上げ、
「お兄ちゃん」
 声をかけ、
「お姉ちゃんは、いい人なの」
 訴えかけるように言った。
 ん? と振り向いた青年は「ああ、語弊があったか」と彼女に笑いかけ、
「知ってるよ」
 本人には聞こえないように小さく言った。



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