「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-29

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
 さらさらと、原稿にペンを走らせる音が部屋に響く
 締め切りは、待ってくれないのだ
 スパニッシュフライの契約者と似非関西弁を使うエロ漫画家の女性は、原稿を前に悪戦苦闘中だった

 …と、そこに
 こんこん、と、部屋の扉をノックする小さな音が聞こえてきた

「んー?どちらさんー?」
「…けけっ……頼まれてた物…買ってきた…」
「あぁ、あなたね?ほら、入って入って」

 そっと扉が開き、ジャッカロープを抱きかかえた「爆発する携帯電話」の契約者が、部屋に入る
 他に、何やら袋を抱えていて

「くけ……これで、いいのか?」
「あんがとなー。いやぁ、修羅場中は気軽に食べられるもんが一番やねんで」

 「爆発する携帯電話」が買ってきたのは、バナナ一房
 原稿中口に摘む物として、スパニッシュフライの契約者達が買ってくるよう頼んでいたのだ
 たかがバナナと侮るなかれ
 栄養価は高いし結構腹持ちするので便利なのである

「…あら?ジャッカロープも、バナナ欲しいの?」
「けけっ?」

 ぴすぴす
 袋を気にしている様子のジャッカロープ
 スパニッシュフライの契約者はやんわりと笑みを浮かべると、袋からバナナを取り出す

「はい、どうぞ。ほら、あなたも」
「………けけっ?いいの、か?」

 ジャッカロープだけではなく自分にも渡され、「爆発する携帯電話」の契約者は、小さく首をかしげた

「ええんよ、この寒い中買て来てくれたんやし。一本くらい」
「……ありがとう……けけっ」

 小さく頭を下げ、「爆発する携帯電話」の契約者は、ジャッカロープを抱きかかえたまま部屋を後にする
 現行の邪魔をしてはいけない、と判断したようだ
 ジャッカロープの為にバナナの皮をむいてやって、それをジャッカロープに持たせてから…むきむき、自分の分も剥いている
 通路の途中に置いてあったベンチに腰掛け、あむ、とバナナに食いつきだした
 …と、そこに

「うー、さむ。いい加減外歩き回るのはきつくなってきた……な……」

 13階段が、そこに通りかかった
 バナナに食いついている「爆発する携帯電話」の姿に、立ち止まる

「………?」

 どうしたのか?と小さく首をかしげる「爆発する携帯電話」
 ジャッカロープが、「爆発する携帯電話」の真似をして首をかしげる

「…どう、した?」
「あ、あ~……い、いや、何でもないっ!!」
「くけっ?」

 一旦、バナナから口を放した「爆発する携帯電話」
 その様子に、13階段は慌てて走りさっていった
 ………若干、前屈みで

「…どうしたんだろう、な?」

 首をかしげる「爆発する携帯電話」
 その膝の上に座るジャッカロープは、ただ鼻を鳴らしながらバナナに食いつき続けているのだった



終わっちまえ










タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー