「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-34

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匿名ユーザー

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 今まで、隠れ住むように暮らしていたアパートを引き払い、教会に荷物を持ってきた
 …そろそろ、「組織」にあのアパートを知られているかもしれないからだ
 事実、「13階段」の方には、「組織」の人間が来たらしかった
 …「13階段」も、マリも、魔女の一撃の契約者も…皆、怪我をしないで良かった
 その事実に「爆発する携帯電話」の契約者はほっとする

 ぴすぴすと、ジャッカロープが鼻を鳴らし、「爆発する携帯電話」の契約者を見上げてきた
 「爆発する携帯電話」は、そんなジャッカロープをそっと撫でてやる
 撫でられるのが心地いいのか、ころり、腹を見せてくるジャッカロープ
 そんな様子に、気持ちが和む

 …多重契約した能力に、自分は今、慣れようとしているところ
 皆の力になりたくて決断した多重契約だったが、能力になれるまで、まだ少し時間がかかりそうだ
 …早く、力になりたい
 焦る気持ちはあるが、ジャッカロープがそれを和ませるように、「爆発する携帯電話」に愛らしさを振りまいてくる
 皆の、力に…なれるだろうか?
 いや、ならなければならないのだ
 自分の力が増せば…少しは、皆が傷つく割合が、減るかもしれないから

 …と、そこに
 てちてちと、近づいてくる、影

「……くけ?マリ?」

 てちてち
 狼の姿になったマリが、近づいてくる
 ぺふん、「爆発する携帯電話」の傍らに腰を下ろし、丸くなった
 軽くではあるが、一戦戦ってきた後
 疲れているのかもしれない
 そう考えて、「爆発する携帯電話」は、労うようにマリを撫でてやる
 ぱたぱたぱた
 マリの尻尾が、心地よさそうに振られた

 人とのコミュニケーションのとり方がよくわからず、友人を作る事もできないでいた「爆発する携帯電話」
 しかし、不思議と動物相手は平気だった
 幼い頃は施設で育っていたし、高校を卒業してからはアパート暮らしだったから、動物を飼う事はできなかったが
 それでも、ほんの少しでも、動物と触れ合えるのが、彼にとっての癒しだったのだ
 それは、仲間が出来た今でも、変わりはない
 ジャッカロープや、獣の姿をとっているマリと触れ合う事は、「爆発する携帯電話」にとって、心安らぐ瞬間だ

 …「爆発する携帯電話」は気づいていない
 こうやって、心和んでいる時は……意識などしなくとも、自然に、笑みを浮かべられている事に

 ぺふり、「爆発する携帯電話」にすりより出したマリ
 「爆発する携帯電話」は、それを嫌がりもせず、優しくマリを見つめる
 ぱたぱた、尻尾を振りながら、マリは既にジャッカロープが乗っている「爆発する携帯電話」の膝の上に、顎をおいて…

 ………どすっ

「くけ?」
「ここにいたか…体の調子、どうだ?」

 …マリが、腰をおろしているのとは、反対側
 そこに腰をおろし、「爆発する携帯電話」と並ぶ「13階段」
 「爆発する携帯電話」は、小さく首をかしげる

「…大丈夫、だぞ………多重契約の疲れは、もう、ない」
「……なら、いいんだけどな」

 じっと、「爆発する携帯電話」を見つめてくる「13階段」
 …その視線の先に、「爆発する携帯電話」が所有している、携帯電話が目に入る
 ……今、「爆発する携帯電話」は、多重契約した都市伝説の能力になれるために、その能力を使っている最中なのだ
 いや、正確には……新しく契約した都市伝説相手に頼んで、能力を使ってもらっている最中、と言うべきか

「無理するなよ?お前の体に負担がかかってるかもしれないんだからな」
「……けけっ、平気、だ」

 …ぽすり
 「爆発する携帯電話」が、「13階段」に寄りかかる
 平気と言ってはいるが、多重契約による疲れはまだ多少残っているようだった
 まだ少し、顔色が悪い

「……ったく、お前はこうだから…しばらく、教会で大人しくしとけよ?」
「…けけ、わかった…」
「…それと、マリ。こいつはこんな状態だから、変なちょっかいかけようとしてんじゃねぇ」
「……くけけっ?」

 ぱたぱた
 尻尾を振りつつ、獣姿のマリが、っち、と舌打ちしたことに、気づかない「爆発する携帯電話」
 ジャッカロープとマリという二大もふもふを前にして、警戒心などあるはずもないのだった






終わっちまえ






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